クリニックの業務効率化や患者満足度の向上を目指して、自動精算機の導入を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、初期費用や機器の維持管理、患者への浸透に不安を感じている方も少なくないでしょう。
そんな悩みに向けて、本記事では自動精算機のデメリットとメリットを詳しく解説し、失敗しない選び方のポイントをお伝えします。
導入を成功させるためのヒントにしてください。
この記事の内容
自動精算機を導入する4つのデメリット
自動精算機の導入には多くの利便性がある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、クリニックにおける自動精算機導入の主なデメリット4つを詳しく解説します。
- 初期費用とランニングコストがかかる
- 維持管理に手間がかかる
- 機器が不慣れな患者に浸透するまでに時間がかかる
- 設置するスペースが必要になる
1.初期費用とランニングコストがかかる
自動精算機を導入するにあたって、最大のデメリットは初期費用が高額な点です。
機器そのものの価格に加え、クリニックの会計システムとの連携費用やキャッシュレス端末の連携などオプション費用も発生します。
また、定期的なメンテナンス費用や決済手数料がかかる場合もあり、導入後もランニングコストが継続的に発生する点も無視できません。
小規模クリニックではこのコストが大きな負担になる可能性があるため、事前に十分な予算計画を立てる必要があります。
2.維持管理に手間がかかる
自動精算機の運用には、日々の維持管理が欠かせません。
例えば、自動精算機内にある釣銭の補充や、レシート用紙の補充、機器の清掃などの業務は手間がかかるでしょう。
さらに、機械自体のトラブルや故障が発生した場合、迅速な対応が求められるため、スタッフが適切に対処できる体制を整える必要があります。
これらの管理コストや手間を軽減できるかどうかも、導入を検討する上で重要なポイントです。
3.機器が不慣れな患者に浸透するまでに時間がかかる
さまざまな場所で自動精算機が浸透しているため、操作に慣れている患者がいる一方、高齢者や機械に慣れていない患者にとっては、操作に戸惑うことがあります。
その都度、使用手順や操作のサポートすることは、かえってスタッフの手間となる場合がありますので注意が必要です。
4.設置するスペースが必要になる
自動精算機を設置するためには、クリニック内に十分なスペースを確保しなければなりません。
受付エリアが狭いクリニックでは、自動精算機の設置により他の業務に影響を与えたり、患者の動線に支障をきたしたりする可能性があります。
大型の自動精算機の場合、視覚的に圧迫感を与えたり、クリニックの雰囲気を損ねる場合もありますので、慎重に検討する必要があります。
自動精算機を導入するメリットはたくさんある
ここまで自動精算機を導入するデメリットを解説しましたが、メリットもたくさんあります。
ここでは、自動精算機を導入する5つのメリットをご紹介します。
- 会計や受付の業務効率化できる
- 売上金額の合う・合わないといった不安が解消される
- 患者の待ち時間が短縮する
- コスト削減につながる
- セキュリティが向上する
1.会計や受付の業務効率化できる
自動精算機を導入することで、会計業務が自動化され、スタッフの業務負担が大幅に軽減されます。
現金の受け渡しやお釣りの計算を機械が行うため、精算ミスのリスクが大幅に減少することは大きなメリットです。
また、会計処理の時間が短縮されることで、スタッフは他の業務に集中できるようになり、クリニック全体の業務効率が向上します。
2.売上金額の合う・合わないといった不安が解消される
自動精算機は、売上金額の管理を正確に行うため、多くのスタッフが抱える「売上金額が合わない」という不安が解消されます。
さらに、自動精算機には未収金の発生を防ぐ機能もあり、クリニックの収益管理がよりスムーズに行えるのもうれしいポイントです。
日々の売上確認や未収金の管理にかかる手間が軽減されることは、クリニック運営の効率化のための大きなメリットといえるでしょう。
3.患者の待ち時間が短縮する
患者にとって、待ち時間は最もストレスを感じるものです。
自動精算機の導入により、患者自身でスムーズに会計を済ませられれば待ち時間の短縮につながり、クリニック側と患者側の両方の負担が軽減されます。
多言語対応の自動精算機であれば、外国人患者も迷うことなく簡単に操作できるため、スタッフが言語の壁で対応に時間を費やすこともなくなります。
自動精算機の導入は、患者の満足度が向上し、クリニックの信頼性も高まるでしょう。
4.コスト削減につながる
自動精算機を導入することで、長期的には人件費の削減につながります。
スタッフが行う会計処理や受付業務が減少するため、人員を適正に配置できるからです。
また、自動精算機により会計ミスが減ることでスタッフの残業時間が減少し、コスト削減につながります。
初期費用はかかるものの、長期的にはコスト削減が期待できるでしょう。
5.セキュリティが向上する
自動精算機の導入によって、現金管理のリスクが軽減され、セキュリティ面での向上が図れます。
現金の直接的なやり取りが減るため、盗難や紛失のリスクを最小限に抑えられるのがその理由です。
また、直接金銭のやりとりがなくなるため、感染症対策としても効果的であり、患者とスタッフ双方の安全を守ることにつながります。
自動精算機の失敗しない選び方
高額な初期費用を投じたにもかかわらず、クリニックのニーズに合わなかったり、メリットを感じられなかったら、導入したことを後悔してしまいます。
ここでは、自動精算機の失敗しない4つの選び方のポイントをご紹介します。
- クリニックの規模に合わせた機器を選ぶ
- サポート体制を確認する
- 患者層を考慮して操作性の高い機器を選ぶ
- 決済方法の種類を確認する
1.クリニックの規模に合わせた機器を選ぶ
自動精算機を選ぶ際は、まずクリニックの規模や患者数に応じた機器を選ぶことが大切です。
患者数や1日に処理する支払い件数が多いクリニックでは、高性能で処理速度が速い機器が必要ですが、小規模なクリニックでは、サイズがコンパクトで、価格も抑えられたシンプルな機器が適しているかもしれません。
また、操作がわかりやすく簡単なもの、キャッシュレス決済に対応したものなど、自院の患者層に合わせて必要な機能を選ぶことも重要です。
2.サポート体制を確認する
自動精算機は精密機器のため、故障やシステム障害が起こるリスクがあります。
そのため、導入後のメンテナンスやトラブル対応は非常に重要です。
導入前に、メーカーのサポート体制が充実しているかを必ず確認しましょう。
定期的なメンテナンスや、故障時の迅速な対応が保証されているかどうかが、長期的な運用の安心感につながります。
3.患者層を考慮して操作性の高い機器を選ぶ
クリニックを利用する患者の年齢層を考慮して、操作性の高い自動精算機を選ぶことも重要です。
高齢者や自動精算機に不慣れな患者が多い場合は、画面が大きく、操作手順がわかりやすい機器を選ぶといいでしょう。
また、音声ガイドやタッチパネルの感度も確認し、誰でも簡単に操作できる機器を選定することで、患者とそれをフォローするスタッフのストレスを軽減できます。
4.決済方法の種類を確認する
近年では、現金だけでなく、クレジットカードやQRコード決済、電子マネーなど、複数の決済方法に対応できる自動精算機が求められています。
特に支払い額が高額になる場合がある医療機関では、幅広い支払い方法に対応できる機器を選ぶことが重要です。
また、5,000円札が使用できるかどうかも確認ポイントです。
使用できる貨幣の種類が少ないと、両替によるスタッフの手間が生じます。
自動精算機を導入する前に確認するべきポイント
自動精算機の導入はクリニック運営の効率化が期待できますが、成功させるためには事前にいくつかのポイントを確認しておく必要があります。
ここでは、2つのポイントを紹介します。
- 費用対効果を慎重に検討する
- 導入後のシミュレーションを行う
1.費用対効果を慎重に検討する
自動精算機の導入には、高額な費用がかかります。
本体の購入費用に加え、設置費用や会計システムとの連携費用、さらにメンテナンスやソフトウェア更新などのランニングコストが発生します。
これらのコストを十分に考慮し、クリニックの収益性にどのような影響を与えるかを慎重に検討することが重要です。
単に導入するだけでなく、長期的な視点で費用対効果を見積もり、投資が回収できるかどうかを判断しましょう。
2.導入後のシミュレーションを行う
自動精算機の導入により、クリニック全体の業務がどのように行われるか、シミュレーションすることが大切です。
以下を事前に把握することで、スムーズな導入が可能になります。
- 会計業務や受付フローがどのように変わるか
- スタッフの業務負担がどれだけ軽減されるか
- 患者の待ち時間がどの程度短縮されるか
また、導入後も患者からの意見を定期的に集めて、操作性や利便性についてのフィードバックをもとに必要な改善を図ることが、運用を成功させる鍵となります。
まとめ:クリニックへの自動精算機導入はデメリットを理解して行おう
自動精算機の導入は、クリニックに多くのメリットをもたらす一方で、初期費用やランニングコスト、機器の維持管理といったデメリットも避けられません。
そのため、導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解し、クリニックのニーズや予算に適した機器を選ぶことが重要です。
クリニックの業務効率化や患者満足度の向上を目指し、導入後も改善を重ねながら、快適なクリニック運営を目指しましょう。