猫の消化器型リンパ腫(ネコノショウカキガタリンパシュ)の原因
詳しい原因はわかっていないが、猫白血病ウイルス(FeLV)や、高齢に伴う免疫力の低下、猫エイズウイルスなどの感染等々、様々な原因が重なって起こると考えられている。猫の消化器型リンパ腫(ネコノショウカキガタリンパシュ)の症状
消化管や、腸管や腸間膜のリンパ節に腫瘍が発生するもの。下痢や嘔吐、食欲減退、体重の減少などが見られる。老猫に多く見られる疾患。猫の消化器型リンパ腫(ネコノショウカキガタリンパシュ)の治療
比較的抗がん剤に反応しやすい腫瘍という特性があり、多剤併用化学療法が用いられる。ワクチンの接種が有効で、猫白血病ウイルスなどへの感染を防ぐことで発症リスクを下げることが可能。- 受診科目
- 猫
この病気について1人の医師の見解があります。
獣医師から聞いた
猫の消化器型リンパ腫の対処(治療)方法
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『病型』まで診られる病院へ連れていくことが重要
リンパ腫は全身に分布するリンパ球という免疫を担う細胞が腫瘍化してしまう病気です。リンパ腫の場合、悪い部位を切除すれば治る病気ではなく、腫瘍細胞がすぐに全身に拡がってしまう病気です。
症状としては、元気がない、食欲がない、便がゆるい、吐く回数が多くなった、だるそうにしているなど様々あります。腫瘍細胞が全身に拡がるため、貧血、血小板減少、肝臓障害、腎臓障害など様々な併発症を引き起こし、整腸剤や抗菌薬など処方されても根本的治療となりません。
実は「リンパ腫」とは大まかな病名であり、細かな病型が多数存在します。その病型ごとに治療法、注意点、予後などが異なります。リンパ腫の病型を含めて詳細に診断するためには、知識、経験、技術が必要で、特に消化器型リンパ腫では開腹手術しなくても診断できることがほとんどです。手術してしまうことで動物患者様に負担がかかり、消化管に穴が開いたり、腹膜炎を起こしたり、肝臓や膵臓が障害されたりと、死に至ってしまうことがあります。
治療は抗腫瘍薬療法が中心になります。リンパ腫には様々な病型があり、患者様の病態とリンパ腫の病型に応じた治療が必要です。個々の状態に合わせて、オーダーメイドの治療を考えることがQOLを大切にするために重要です。
詳細に病型を診断し、患者様に合った適切な治療ができる医療であれば、多くは寛解が期待できます。しかし、病型や状態に合った治療ではない場合、寛解せずに早期に亡くなってしまいます。したがって『詳細な病型が診断可能であり、患者様の病態に応じた治療ができる獣医師』を受診することが救命に重要となります。