猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の原因
甲状腺組織の過形成や腫瘍化などにより、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで起こる。中高齢の猫での発症が多いとされる。猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の症状
甲状腺ホルモンの分泌が増加し、代謝が亢進することで多様な症状を引き起こす疾患。落ち着きがない、多飲多尿、脱毛、毛づやが悪くなる、食欲は増加するが痩せてくる、などといった症状が見られる。病気が進行すると、食欲減退、元気の喪失など、状態が変わってくる。猫の甲状腺機能亢進症(ネコノコウジョウセンキノウコウシンショウ)の治療
抗甲状腺薬の投与により甲状腺ホルモンの働きを抑制する治療が中心となる。内科的治療で改善が見られない場合、外科的治療をおこなうこともある。- 受診科目
- 猫
この病気について3人の医師の見解があります。
獣医師から聞いた
猫の甲状腺機能亢進症の対処(治療)方法
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病気であることを気付きにくいからこそ、定期的な健康診断を心がけてほしい
猫の喉元にある甲状腺からは、体の新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが分泌されています。甲状腺ホルモンには体を活発に動かしたり、食欲を促進したりするはたらきがあり、生きていくうえで重要な役割を担います。一方で甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうと体に過度な負担がかかり、心臓の病気や高血圧などを発症する恐れがあるため注意が必要です。
甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンの値が高い状態のことをいい、高齢の猫に多くみられる特徴があります。しかし、その症状は一見すると病気とは思わないようなものが多く、年齢に反して異常な食欲を見せる、活発に動き過ぎることなどがあります。このため病気を見過ごされたまま放置されてしまい、心臓の機能や高血圧の合併症などが一気に悪化するケースが少なくないのです。
甲状腺機能亢進症のサインを読み取るためには、甲状腺ホルモンの値を定期的にチェックすることが大事です。そのため当院では7歳以上の猫ちゃんに対して、年に1回の健康診断で甲状腺ホルモンを測定・管理しています。1回の検査では異変に気付かなくても、年単位で数値の変化を見ると何らかのサインが現れることがあります。病気のサインを早期に発見できれば早期の介入が可能になり、治療の幅も広がります。最近では甲状腺機能亢進症に対する猫ちゃん専用のお薬が開発されていますから、症状に応じて適切な治療につなげることができるでしょう。