これからの医療を飛躍させる分野として注目を集めている再生医療。しかし、その実用化や産業化には、まだまだ数多くの課題があります。
複雑な技術開発や厳格な規制など、再生医療に関するさまざまな困難に直面してる企業や医療機関も少なくありません。
このような背景もあり、専門的な知識や経験を持つ「再生医療コンサルティング会社」の重要性が高まっています。
本記事では、再生医療業界を支えるおすすめのコンサルティング会社を厳選して紹介します。選ぶポイントやサポート内容についても触れていますので、コンサルティングの利用を検討する際の参考にしてください。
この記事の内容
再生医療コンサルティング会社とは?
再生医療コンサルティング会社とは、急速に進化する再生医療分野において、専門的な知識と経験を活かしたサポートを提供する企業です。
再生医療製品の研究開発から承認申請、市場導入までのプロセスが円滑に進むようサポートします。
再生医療コンサルティング会社は、製薬会社やバイオテクノロジー企業、医療機関など、さまざまな業態のクライアントを支援しています。
再生医療コンサルティング会社のサポートによって、企業や医療機関は効率的に新たな再生医療製品を開発しやすくなり、競争の激しい市場において優位性の確保が期待できます。
再生医療コンサルティング会社が提供する主なサービス内容
再生医療コンサルティング会社が提供する主な内容は、以下の3つです。
- 研究・試験への支援
- 承認プロセスの対応
- 販売後のサポート
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
研究・試験への支援
再生医療コンサルティング会社は、再生医療製品の有効性や安全性を証明するための研究や試験を支援します。
具体的には、細胞培養や遺伝子編集技術の最適化、実験計画の設計や薬理試験の実施に関する助言を行います。
また、非臨床試験のデータが臨床試験へと円滑に移行できるよう、規制当局が要求する基準を満たす試験設計のサポートも実施。研究や試験段階での再生医療コンサルティング会社の適切な対応によって、以後のステップでのリスクや手戻りを最小限に抑えやすくなります。
承認プロセスの対応
医薬品と同様、再生医療製品においても販売には厚生労働省の承認が必要です。再生医療コンサルティング会社は、承認取得にかかる時間やコストを最適化する役割を担います。
多くの再生医療コンサルティング会社は、承認プロセスで条件を満たすための計画を策定し、必要なデータの収集や承認申請書類の作成を支援します。
販売後のサポート
再生医療製品は、市場に出た後も安全性や有効性を監視する必要があります。
再生医療コンサルティング会社では、これらの監視をサポートし、再生医療製品の品質や安全性を確保する役割も担っています。
具体的には、PMS(製造販売後調査計画)の策定やデータ収集システムの構築が挙げられます。
ほかにも、医療のビッグデータを活用した安全性監視、健康上の問題が生じた際の報告プロセスの最適化もサポートします。
再生医療コンサルティング会社を選ぶときのポイント5つ
ここからは、再生医療コンサルティング会社を選ぶときのポイントについて解説します。
確認すべき点は多岐にわたりますが、特に注意したいのは以下の5点です。
- 提供しているサポート内容
- コンサルティング支援実績
- 申請代行が可能な対象疾患の種類
- 行政書士との連携の有無
- 治療開始までの期間
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
提供しているサポート内容
再生医療コンサルティング会社を選定する際には、まず提供しているサポート内容をチェックしましょう。
コンサルティング会社によって、提供しているサポート内容は異なるため、自社の課題に合った支援をしてくれるか確認が必要です。
再生医療コンサルティング会社のサポート内容には、以下のような内容があります。
- 再生医療等提供計画書の作成
- 細胞培養業者の紹介
- 再生医療対応の医師やスタッフの紹介
- ターゲット市場の選定や競合分析
- 定期報告書の作成サポート
- 論文作成・学会発表など学術的な対応
サポートの内容を細かく確認し、自社が抱える課題を解決してくれるコンサルティング会社を選択しましょう。
コンサルティング支援実績
再生医療分野においてのコンサルティング支援実績が豊富な会社であるかも、注目すべきポイントです。
再生医療は、細胞培養やDNA編集といった高度な技術を必要とする分野であり、法規制に関しても非常に厳しくなっています。
そのため、実績が豊富さを確認し、安心して製品や技術を開発できるよう支援してくれる、再生医療コンサルタント会社を選ぶのが重要です。
再生医療分野への支援実績が豊富な会社であれば、開発初期段階から市場投入まで、全体のプロセスを見据えたアドバイスが期待できます。
申請代行が可能な対象疾患の種類
依頼したい再生医療コンサルティング会社が、検討している疾患を申請できるかのチェックも欠かせません。
再生医療製品を市場に供給するには、規制当局に申請し、厳しい条件をクリアする必要があります。
再生医療コンサルティング会社は、承認申請に必要な書類やデータの準備、規制当局とのコミュニケーションといった申請代行をします。
こうした専門性の高いサポートによって、承認取得までのプロセスが円滑化し、製品の市場供給までをスピードアップできるでしょう。
コンサルティング会社のホームページで対応疾患について公開していない場合は、直接問い合わせが必要です。
行政書士との連携の有無
再生医療に関する行政手続は、行政書士法によって定められた行政書士の独占業務です。行政書士でない人物が報酬を得ての作成代行は法律によって禁止されています。
そのため、再生医療の申請代行を依頼する場合には、その業者が行政書士と連携しているか必ず確認してください。
コンサルタント業者の担当者が代行してしまうケースもありますが、それは違法行為となります。申請者である企業や医療機関も、知らずに違法行為を犯してしていることになりますので注意が必要です。
治療開始までの期間
治療開始まで、どの程度の期間を要するのかを確認するのも重要です。
治療を開始できるまでの期間は、業者によって3〜6か月ほど幅があります。お急ぎの場合には、よりスピーディーに対応できる業者を選びましょう。
また、申請を想定している疾患や治療の内容、審査委員会の開催日のタイミングなども、治療開始までの期間に関わります。
再生医療コンサルティング会社おすすめ10選
ここからは、おすすめの再生医療コンサルティング会社を10社厳選し、それぞれの特徴や重要な確認ポイントを紹介します。
- シーエムプラス
- ASメディカルサポート
- YDC再生医療コンサルティング
- 再生医療申請代行センター
- ウェルネスサポート
- 林医療福祉行政書士事務所
- 行政書士のぞみ事務所
- CPC株式会社
- purecell
- RAPID株式会社
シーエムプラス
シーエムプラスでは、再生医療製品の基礎研究から製造販売後まであらゆる段階で顧客をサポートします。
再生医療分野に長けたコンサルタントが在籍しており、研究・開発の薬事申請戦略から製造の施設計画まで強力にバックアップ。コンサルティングとエンジニアリングが連携し、ワンストップで顧客のニーズに応えるのが特徴です。
ASメディカルサポート
ASメディカルサポートは、再生医療の申請からアフターケアまでトータルサポートします。
パーソナライズされたサービスと、行政書士や医療コンサルなど各種専門分野の担当による総合的な支援を行っています。
国内トップクラスの細胞培養加工施設を保有しているのも大きな魅力。圧倒的な高品質細胞培養技術と細胞生存率95%以上を実現しています。
YDC再生医療コンサルティング
YDC再生医療コンサルティングは、薬事法ドットコム(YDC)が提供する再生医療ビジネスコンサルティング会社です。
YDCは法律事務所や行政OB、医療機関のネットワークを幅広く有しており、法律・行政・医療において優れたバランス感覚で課題解決を支援します。
安心の料金設定や無料相談サービスを導入するなど、高いコストパフォーマンスも注目ポイント。申し込みから治療開始まで最短4か月というスピーディーさも魅力のひとつです。
再生医療申請代行センター
再生医療申請代行センターは、再生医療申請に特化した専門機関です。再生医療分野の書類作成から提出までワンストップで提供しています。
担当行政書士の月間受任件数を1件に限定しているのが特徴で、手厚いサポートが期待できます。
所在地は大阪ですが、LINEやZoomなどを活用し、全国どこからでも対応可能です。
ウェルネスサポート
ウェルネスサポートは、新規申請からアフターまで一括サポートしてくれるコンサルティング会社です。
国内有数の実績を積んできた再生医療認定医と連携しているため、強力なフォロー体制が整っています。
再生医療手続きの専門行政書士とも連携しており、申請実績120例以上を誇ります。最短3か月から対応可能で、急ぎの場合にもおすすめです。
林医療福祉行政書士事務所
林医療福祉行政書士事務所は、再生医療の提供計画作成に特化しています。
生命科学に関する研究に携わった経験を持つ、再生医療専門の行政書士が対応するのが特徴です。
専門知識と実績を活かし、申請書類の作成のみならず、申請に必要な学術論文の調査や申請に必要なサポートまでをトータルで提供しています。
行政書士のぞみ事務所
行政書士のぞみ事務所は、再生医療の導入申請を専門に扱う行政書士事務所です。専門の特定行政書士が書類作成から厚生局への提出までワンストップでサービスを提供します。
コンサルティング担当は、元医療機関勤務・医学部研究室の技術員であるため、医療の専門用語や論文検索にも対応します。
受任から受理後1か月は申請や使用機器などの相談が無料であるのも注目ポイントです。
CPC株式会社
CPC株式会社は、再生医療の導入から運営までをサポートする企業です。北海道から沖縄まで、全国で多数の実績があります。
幹細胞治療の先駆者として臨床実績を積んできた再生医療認定医が、豊富なノウハウを生かし、専門スタッフとともに医療機関をサポートします。
手続きを全てパッケージ化した明瞭な料金体制も魅力のひとつ。また、細胞培養加工施設を運営しており、医療機関から預かった細胞を培養受託しているのも注目ポイントです。
purecell
purecellは、情報収集から資料の作成まで、豊富な経験に基づいて再生医療の導入サポートを行っている企業です。
複雑な特定認定再生医療等委員会への審査依頼や、再生医療提供計画書作成サイトへの入力もサポートしています。
大手培地メーカーとの強いパイプによるコストの削減を実現しているのも魅力的なポイント。定期的にかかるコストを見直したい企業や医療機関にもおすすめです。
RAPID株式会社
RAPID株式会社は、再生医療分野のクリニック開業サポートをはじめ、再生医療に関わる事業をサポートしています。
迅速な対応と安心の料金設定で専門スタッフが対応するのが特徴です。再生医療等提供計画が認可された後の定期報告や、変更手続きに必要な資料作成もサポートします。
初回面談を無料で行っており、リーズナブルな料金設定であるのも見逃せないポイントです。
まとめ:再生医療コンサルティング会社の専門知識と経験を活用しよう
再生医療コンサルティング会社を選ぶ際は、申請可能な対象疾患や行政書士による申請代行の有無、治療開始までの期間などに注目してみてください。
本記事を参考にして、各コンサルティング会社の特徴やサポート内容を比較し、最適な支援をしてくれる業者を選定しましょう。