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オンライン診療研修とは?必須なのは本当?概要や流れを解説

オンライン診療を実施する場合、厚生労働省が策定した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に示されているオンライン研修の受講が義務付けられています。

オンライン診療を実施するには、オンライン診療研修の修了証を医療機関の公式サイトに掲載しなければなりません。さらに研修は、受講だけでなく合格が必須です。

この記事では、オンライン診療研修の受講を検討している方に向けて、研修の概要や流れ、注意点などを解説していきます。

オンライン診療研修とは?

オンライン診療の実施を検討する場合には、厚生労働省の定める「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿い、オンライン診療研修を受講し、修了証を獲得する必要があります。

オンライン診療研修はeラーニング形式で、オンライン上で受講する研修です。申し込みする際には、事前に医師等資格確認検索システムに登録しておく必要があります。

研修は2つに分かれており、「オンライン診療を行う医師に向けた研修」と「緊急避妊薬の処方に関する研修」です。

オンライン診療を行う医師向けの研修は、5つの科目が用意され、講義動画の後に各科目ごとに10題の演習問題があります。これに全て正解すると合格となり、修了証を取得することができます。

参照:オンライン診療研修実施概要|厚生労働省/オンライン診療研修・緊急避妊薬の処方に対する研修

オンライン診療を実施するには事前研修が必須になる

オンライン診療を実施するには、厚生労働省の策定した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」により、事前研修の受講と合格が必須です。

研修の演習問題に全て合格すると、修了証を取得できます。オンライン診療を実施する場合、該当の医療機関の公式サイトなどに、オンライン診療研修の修了証を掲載する必要があるため、研修の受講と合格を目指しましょう。

研修は、厚生労働省の「オンライン診療研修・緊急避妊薬の処方に関する研修」から申し込みします。研修の申し込みに当たっては、事前に医師等資格確認検索システムへ登録しておく必要があるため、事前登録を済ませてから研修を受講してください。

オンライン診療研修プログラムについて


研修プログラムは2種類あり、オンライン診療を行う医師に向けた研修と、緊急避妊薬の処方に関する研修があります。オンライン診療を実施する上で、緊急避妊薬の処方も行う可能性がある場合は、両方の受講が必要ですので、注意してください。

各科目毎に10題の演習問題がついており、全て正解しないと合格になりません。

オンライン診療研修では、オンライン診療の実施に必要な基本的な概念を学び、通信機器の使用を踏まえた、セキュリティリスクに関する知識なども得られます。

主な研修の科目は、以下の通りです。

医師向けのオンライン診療研修 オンライン診療の基本的理解とオンライン診療に関する諸制度
オンライン診療の提供にあたって遵守すべき事項
オンライン診療の提供体制
オンライン診療とセキュリティ
実臨床におけるオンライン診療の事例
緊急避妊薬の処方に関する研修 経口避妊薬(OC)について理解すべき事項-各種避妊法とOC全般
緊急避妊(Emergency Contraception:EC)

上記の研修事項は、必ず受講してください。

緊急避妊薬研修プログラムについて


オンライン診療の中で緊急避妊薬を処方する可能性がある医療従事者は、オンライン診療研修とあわせて、緊急避妊薬研修プログラムの受講も必要です。

緊急避妊薬研修プログラムは、2つの科目の講義があります。医師向けの研修と同様に、各科目ごとに10題の演習問題がついており、全問正解で合格になります。

オンライン診療を始める流れ5ステップ


ここでは、オンライン診療を始める5つのステップについて解説していきます。

  1. オンライン診療システムの選定・導入をする
  2. オンライン診療における施設基準の届出をする
  3. オンライン診療研修(eラーニング)を受講する
  4. 医療機能情報提供制度(医療情報ネット)に登録する
  5. オンライン診療の実施に関する診療計画書を作成する

オンライン診療システムの選定・導入をする

オンライン診療実施に向けて最初に行うのが、オンライン診療を実施するツールの選定です。

オンライン診療に使用できるツールは大きく分けて2つあります。まず、汎用性があり一般企業や個人でも使用されている情報通信サービスです。ZoomやGooglemeetなどがこれに当てはまります。

汎用性のある情報通信サービスは、導入が簡単にできるメリットがあります。患者さんも取り入れやすかったり、すでに使用経験があったり、手軽に利用できるツールといえます。ただし、汎用的なサービスを利用する場合には、端末内の情報の取り扱いに注意する必要があります。

もうひとつの選択肢としてあげられるのは、オンライン診療システムです。

オンライン診療システムは、予約から支払いまでを全てシステム内で一括して行える特徴があります。医療機関側も患者さんの情報を管理しやすくなるため、治療や処方に役立てることができるでしょう。

どちらのツールの場合でも、それぞれの特徴や、メリットデメリットをよく理解した上で、慎重に導入しましょう。

オンライン診療における施設基準の届出をする

オンライン診療を導入するためには、厚生労働省が指定する施設基準を満たした上で、所定の書類を揃え、届出をする必要があります。

指定されている施設基準は、以下の通りです。

  • 情報通信機器を用いた診療につき十分な体制が整備されていること
  • 「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って診療を行う体制のある保険医療機関であること

届出するには、まず、施設基準を満たす必要があります。厚生労働省の発出している「オンライン診療の適切な実施に関する指針」をよく理解し、指針に沿った体制を整えましょう。

施設基準をクリアしたら、地方厚生局に施設基準の届出をします。施設基準の提出でオンライン診療導入コストを回収できます。

もし、オンライン診療の実施回数増加が見込まれるなら、届出をしましょう。

オンライン診療研修(eラーニング)を受講する

オンライン診療研修は、オンライン診療を行う医師の受講が義務付けられています。

オンライン診療研修は、オンライン診療の基本概念を正しく理解し、専用システム導入によるセキュリティリスクの知識を得ることなどを目的としています。

研修プログラムは以下の2種類が用意されています。該当するプログラムの研修を選択して受講しましょう。

  1. オンライン診療を行う医師向けの研修
  2. 緊急避妊薬の処方に関する研修

参照:厚生労働省「オンライン診療研修実施概要」

研修はeラーニング形式で行われます。受講者登録後であれば、オンラインでいつでも受講できます。

なお、オンライン研修の申し込みには、医籍登録番号の記載が必要です。記入間違いがないよう、事前に医師等資格確認検索システムで、登録内容を確認しておきましょう。

医療機能情報提供制度(医療情報ネット)に登録する

オンライン診療研修の受講が終わったタイミングで、医療機能情報提供制度(医療情報ネット)への登録が必要になります。

医療情報ネットは、患者さんが各都道府県の医療情報を検索できるシステムです。厚生労働省が構築しています。

医療情報ネットに登録することで、オンライン診療を実施している医療機関であることがわかります。

登録しておくことで、集患に繋げることもできるため、医療情報に変更などがあったら、適宜更新しましょう。

オンライン診療の実施に関する診療計画書を作成する

オンライン診療開始前に、オンライン診療計画書を作成します。オンライン診療計画書は任意ではなく、厚生労働省の発出するガイドラインにより作成が必須とされています。

作成にあたっては、以下の項目を盛り込む必要があります。

  • オンライン診療の診療内容
  • 診療時間と予約の制度に関する内容
  • オンライン診療を不可とする際の判断基準について
  • オンライン診療のデメリットを伝える
  • 患者自身も診察に協力する必要がある旨
  • 急病急変時の対応方針について
  • オンライン診療を担当する医師の氏名
  • セキュリティリスクの責任範囲について

作成したオンライン診療計画書は、患者への説明義務と合意を得る必要があります。

患者から合意が得られない場合には、オンライン診療は行えないので注意してください。

また、オンライン診療計画書は作成から2年間の保存が義務付けられています。あわせて覚えておきましょう。

オンライン診療研修受講の注意点

ここからは、オンライン診療研修を受講する際の3つの注意点について解説します。

  1. 通信環境
  2. 医師等資格確認検索システムへの事前登録
  3. 修了証はPDFで保管する

3つの注意点を理解した上で、研修を受講しましょう。

通信環境

オンライン診療研修はeラーニング形式により、全てオンライン上で実施されます。研修の受講だけでなく、オンライン診療の実施についても考慮すると、途切れにくい快適なネットワーク環境の整備が必要です。

研修受講を機に、インターネットサービスを新たに導入する医療機関は、セキュリティの高さも考慮して通信環境を整えましょう。

医師等資格確認検索システムへの事前登録

オンライン診療研修を受講するためには、医師等資格確認検索システムへの登録が欠かせません。

医師等資格確認検索システムとは、以下の基本情報が確認できるシステムです。

  • 医師の氏名
  • 資格
  • 専門分野
  • 所属する医療機関の基本情報

登録することで、正規の医療機関に属していることが証明されます。未登録の場合には、事前に利用申請を済ませておくと良いでしょう。

修了証はPDFで保管する

オンライン診療研修の修了証は、PDFファイルでの発行となります。

必ずファイル形式にして、保存してください。

今後、オンライン診療を実施する場合は、医療機関の公式サイトに修了証の掲載義務が生じます。その際、スクリーンショットの掲載はできませんので注意してください。

オンライン診療研修についてのよくある質問

ここでは、オンライン印象研修について、よくある質問に対して回答しています。

オンライン診療研修は必須ですか?

医療機関がオンライン診療を実施する場合、厚生労働省によるオンライン診療研修の受講が義務付けられています。

オンライン診療研修を受講することで、実施にあたっての基本概念の理解が深まり、システム導入などに伴うセキュリティリスクについても学べます。今後オンライン診療を実施するには、研修の修了証を公式サイトに掲載する義務なども発生します。

オンライン診療研修は難しいですか?

難易度の感じ方は、受講者によりさまざまです。難しいと感じる方もいるでしょう。

オンライン診療研修はeラーニング形式で行われ、各科目で演習問題が用意されています。

問題への正答率が一定以上で合格になりますので、受講時に内容をしっかり理解できるよう、快適なネットワーク環境下で受講することも大切です。

オンライン診療研修の修了証は再発行可能ですか?

オンライン診療研修の修了証は、eラーニングのマイページから自身でダウンロードして発行できます。

再度必要な場合には、マイページより再ダウンロードしましょう。ダウンロードする際には、PDFで保存しておくことをおすすめします。

まとめ:オンライン診療を導入するなら事前研修を必ず受講しよう

オンライン診療を導入するには、厚生労働省の定める「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に沿って、事前研修を受講することが義務付けられています。

受講の申し込みにあたっては、医師等確認検索システムへの事前登録なども必要です。流れを理解した上で、研修を受講しましょう。