「キャンセルポリシー」とは、予約を変更したりキャンセルする時のルール・条件を定めたものです。
店舗に合ったキャンセルポリシーを導入することで、企業運営に大きな影響を及ぼす急なキャンセルや無断キャンセルを減らし、損害を少なくできる可能性が高まります。
この記事では、キャンセルポリシーの概要から導入のメリット、記載すべきポイント、業種別の具体例まで、急なキャンセルに悩んでいる方が知りたい情報を詳しく紹介します。
この記事の内容
キャンセルポリシーとは?重要性を知ろう
キャンセルポリシーとは、予約したサービスのキャンセルに関するガイドラインや規則を設けたものです。特に、予約を必要とする医療施設やヘアサロン、エステサロンなどの業界では、この「キャンセルポリシー」がトラブル防止のための重要な機能を担います。
もしもキャンセルポリシーが定められていなかった場合、「いつでもキャンセルできる」という誤った認識が顧客側に広がってしまい、結果として無断キャンセルや当日キャンセルの件数が増えることに繋がります。
さらに、キャンセルに伴う料金の規定が明確でない場合、金銭的な問題が発生するリスクもあります。金銭的なトラブルは店舗への評価や口コミなどへの影響が大きくなるため、特に注意が必要です。
キャンセルポリシーの3つのメリットとは
キャンセルポリシーを導入することは、予約制サービスを提供する業種にとって、多くのメリットをもたらします。ここでは、特に重要な3つのメリットについて詳しく解説します。
メリット①キャンセルポリシーで損害を少なくできる
具体的には、一定期間を経過した後のキャンセルに対してキャンセル料を請求することで、予約が取り消された場合でも一定の収入を確保できます。
キャンセル料を導入すれば売上損失を軽減でき、経営の安定性を高めることができます。
さらに、明確なキャンセル料が策定されていると、顧客は慎重にキャンセルを考えるようになります。具体的な日数や時間を記載したうえでキャンセル可能な期間を示すことで、キャンセル率が低下するでしょう。
メリット②キャンセルの方法を分かりやすく伝えられる
キャンセルポリシーには、予約の取り消し方法や条件などが明記されており、顧客に対して必要な手続きを分かりやすく伝えることができます。
店舗側と顧客双方にとってスムーズな予約管理ができるようになれば、顧客にとっての満足度の向上にもつながり、長期的な顧客獲得にも効果を発揮します。
メリット③キャンセルによるトラブルを防止できる
キャンセル料の有無やキャンセル可能な期限などが事前に明記されていれば、キャンセル時の誤解や不満が生じにくくなります。
これにより、顧客との間でのトラブルやクレームの発生を大幅に減少させることができ、信頼関係の維持にも効果が期待できます。また、スタッフと顧客との間でのコミュニケーションがスムーズになり、業務運営の効率もアップするでしょう。
キャンセルポリシーに記載するべき5つのポイントとは
自身でキャンセルポリシーを作る際には、顧客がしっかりと理解できるよう、簡潔な文章でまとめるだけでなく、キャンセルに関する重要なポイントを網羅する必要があります。ここでは、キャンセルポリシーに必ず載せるべき、5つのポイントについて解説します。
ポイント①キャンセルが可能な期間を明記する
キャンセルポリシーを定めるうえで最も基本的なポイントは、キャンセルが可能な期間をあらかじめ提示することです。
キャンセルできる期間を明記することにより、顧客側も安心して予約を取れます。
たとえば、「予約日の〇日前(〇時間前)までにキャンセルする場合は、キャンセル料は発生しません」などの具体的な期限を設定することで、当日のキャンセルを防ぎ、無断キャンセルも減少する効果が期待できます。
しかし、極端に短い期間を設定することは避け、予約日の1〜2日前に設定することが一般的です。1週間以上前の期限を設定する場合は慎重に検討しましょう。
ポイント②キャンセル方法を具体的に伝える
形式的な文章ではなく、読みやすく、簡単に理解できるように記載されたキャンセルポリシーを作ることで、顧客が円滑に手続きを行えます。
具体的なキャンセル方法だけでなく、必要事項や連絡先なども記載することで、顧客からの問い合わせも減少し、対応するスタッフの負担軽減にもつながります。
さらに、受け付け方法や必要情報を明確に示すことで、顧客満足度向上やスムーズな予約管理が実現します。
ポイント③キャンセル料金と請求方法を記載する
キャンセル料金が発生する条件や金額、支払い方法を詳細に記載することで、顧客と店舗間の信頼関係を強化し、よりスムーズな対応が可能となります。
お店独自の複雑な計算方法がある場合は、具体例を挙げて説明することで理解しやすくなります。
ポイント④無断キャンセルを行った場合のペナルティを設ける
無断キャンセルをした顧客に対するペナルティの内容をキャンセルポリシーに明記することで、無断キャンセルの抑制に効果が期待できます。
記載するペナルティの内容は、「キャンセル料の全額請求」「次回の予約を制限する」など、業種やサービス内容に応じて設定しましょう。
ポイント⑤災害時などキャンセル料金が発生しない条件も伝える
災害や緊急事態など、やむを得ない理由でのキャンセルに対しては、キャンセル料を免除する旨を記載することが望ましいです。
具体的な免除条件を明記することで、災害時や緊急事態の心配をする必要が減るため、安心して予約を行えます。
キャンセルポリシーの例文とは
同じ「キャンセルポリシー」という扱いでも、業種やサービス内容によってそれぞれ異なる要素を含みます。そのため、より具体的な業種ごとの例文を参考にすることで、よりキャンセルポリシーの作成がスムーズになるでしょう。
この章では、整骨院・治療院、エステサロン・美容院、飲食店のそれぞれに適したキャンセルポリシーについて、例文を交えながら紹介していきます。
①整骨院・治療院
整骨院・治療院では、大体の施術時間が決まっているため、当日キャンセルなどによる損害が大きくなります。また、急なキャンセルの場合、即時の穴埋めが難しい傾向があるので、キャンセル料金に関する説明を必ず盛り込むようにしましょう。
【整骨院・治療院のキャンセルポリシー例文】
予約日時の24時間前までのキャンセルは無料です。それ以降のキャンセル(無断キャンセルを含む)については、予約料金の50%をキャンセル料として請求させていただきます。キャンセルは電話またはオンラインフォームから受け付けております。ご理解とご協力をお願い申し上げます。
②エステサロン・美容院
エステサロンや美容院は施術に関わる時間が長いため、直前にキャンセルが出てしまうと、穴埋めが難しい傾向にあります。そのため、キャンセル可能な期間を少し短めに設定するのがおすすめです。
また、無断キャンセルの場合には次回の予約を制限するなどの記載も効果的なので、必要に応じて取り入れてみましょう。
【エステサロン・美容院のキャンセルポリシー例文】
ご予約の変更やキャンセルは、予約日時の48時間前までにお願い致します。キャンセル可能な期間を過ぎてから、キャンセルを申し出た場合は、キャンセル料として予約料金の30%を申し受けます。ご了承ください。キャンセル方法や詳細については、お電話またはメールにてお問い合わせください。
③飲食店
飲食店では、座席の確保のみなのか、コースでの予約なのかによって損害額が大きく異なります。そのため、コースでの予約の場合には前日まで、座席のみの予約は当日でも可能など、柔軟な対応が求められる場合があります。自身の店舗の予約状況に合わせた文章を考えましょう。
【飲食店のキャンセルポリシー例文】
当店では座席のみのご予約も承っています。お席のご予約後、キャンセルが必要な場合は、お早めにご連絡ください。また、コースメニューでのご予約で、当日の無断キャンセルや予約時間に遅れた場合には、人数分のコース料金を請求させていただく場合がございます。ご理解とご協力をお願い致します。詳細や変更希望がある場合は、お電話にてご連絡ください。
予約管理を効率化するなら「予約システム」の導入がおすすめ
予約の管理を効率化するには、スタッフによる記入漏れや聞き間違いなどのヒューマンエラーを無くすことが大切です。紙媒体の予約管理では、予約のキャンセルやリスケジュールなどが発生する可能性もあり、不都合を感じている方も多いのではないでしょうか?
そこでおすすめなのが「予約システム」の導入です。ここでは、インターネット予約に最適な「予約システム」について、おすすめのサービスを3つご紹介します。
おすすめサービス1:PLASIC
料金 | 月額8,000円 |
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無料期間 | 6ヶ月 |
対応業種 | 医療機関 |
公式サイト | https://lp.plasic.jp/ |
「PLASIC」は医療機関向けの診察予約システムで、使いやすさを重視したシンプル設計のため、導入初日からでも安心して使用できます。
また、予約管理だけでなく、電子カルテと連携したり、キャンセルが出た場合に即時に予定表に反映してくれたりするサービスが含まれています。
お試し期間も6か月間あるため、初めて予約サービスを導入する場合でも安心です。
おすすめサービス2:Nest診療
料金 | スタンダード:24,800円 カスタマイズ:4,800〜34,800円(+月額基本料金5,000円) |
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無料期間 | 無料トライアル有り |
対応業種 | 医療機関 |
公式サイト | https://nest.botlogy.com/ |
「Nest診療」も医療機関向けの診察予約システムとなっています。LINEで友達登録してもらうだけで簡単に使用できるため、アプリのダウンロードなどは必要ありません。
また、予約日時が近づいたことをお知らせする「リマインド機能」も、LINEに直接メッセージで届くので、予約忘れによるキャンセルを防ぐことが可能になります。
電子カルテとの連携も可能になっており、オンライン診療にも対応しています。料金体系も、主な機能が全て入ったスタンダード版と、欲しい機能だけを選べるカスタマイズ版があるので、料金や機能をしっかり選べるのが嬉しいポイントです。
おすすめサービス3:STORES予約
料金 | 月間予約件数に合わせて0円〜66,000円 |
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無料期間 | 月50件以内の予約管理なら0円 |
対応業種 | 多業種対応 |
公式サイト | https://stores.jp/reserve |
「STORES予約」は医療機関だけでなく、美容室やエステサロン、飲食店でも使用できるサービスとなっています。LINEと連携して使用することができ、回数券の管理やスタッフ別の予約にも対応しています。
また、予約の件数が月50件までなら無料で使用でき、まずはお試しで導入することもできるので安心です。プランによっては、システム上で決済まで可能になるので、レジ業務や個別の販売成績なども簡単に把握することができます。
まとめ:分かりやすいキャンセルポリシーを作成してトラブルを防止しよう
自身の職場や業種に合ったキャンセルポリシーを導入することで、無断キャンセルやキャンセル料金の金銭トラブルを未然に防ぐことができます。取り入れるべき内容をしっかりと確認し、適切なキャンセルポリシーを作成していきましょう。
また予約管理システムの導入は、キャンセルポリシーの効果的な運用だけでなく、問い合わせに関わるスタッフの負担を減らし、予約ミスを防ぐ効果も期待できます。予約管理システムには、お試し期間を設けているサービスも多いので、ぜひ検討してみてください。