超音波スケーラーは歯石除去に使用される医療機器！おすすめ製品や効果を解説！

現在の歯科治療では様々な医療機器が活用されていますが、歯石の除去に使われるスケーラーという機器は大きく分けて「ハンドスケーラー」「超音波スケーラー」「エアースケーラー」の3種類があります。
この記事では超音波スケーラーのメリットとデメリット、エアースケーラーとの違いや、おすすめの超音波スケーラー製品を紹介します。

超音波スケーラーとは？

超音波スケーラーとは、歯のクリーニングや定期検診の際に歯石を除去するために使用される器具です。
1秒間に約4万回振動する超音波振動で歯の表面に付着した歯石や、バイオフィルムを粉砕して除去し、洗浄します。
口腔内におけるバイオフィルムとは、細菌（プラーク）を長時間放置すると発生するヌメリのことです。

超音波スケーラーの4つのメリット

超音波スケーラーを使用するメリットは以下の4点が挙げられます。

1. 処置時間を短縮できる
2. 広範囲に渡って歯石除去ができる
3. 患者の負担が少ない
4. キャビテーション効果が期待できる

１．処置時間を短縮できる

超音波スケーラーを使用すると、処置時間を短縮することができます。
硬い歯石、多量の歯石は取り除くのに手動では時間を要しますが、超音波スケーラーを使用すれば超音波振動で素早く取り除けます。
処置時間を短縮することで患者の満足度を上げることができるうえ、処置できる患者さんの数を増やすことができるため、患者・クリニック経営の2つの観点でメリットがあります。

２．広範囲に渡って歯石除去ができる

超音波スケーラーは広範囲に渡って歯石除去ができるのもメリットの一つです。
ハンドスケーラーは先端が針のような形状で、歯の裏側や歯周ポケットの内部に使用される事が多いのに対し、超音波スケーラーは強いパワーで振動を起こす方法なので、広い範囲を掃除できます。

３．患者の負担が少ない

超音波スケーラーは歯や歯茎を傷付けにくく安全性も高いので、患者さんへの負担が少ないメリットもあります。
短時間で終了し、痛みも発生しにくいので患者さんは楽に処置を終えられるでしょう。
患者の負担を軽くすることで、歯石除去に対する患者さんのハードルも下げることができます。

４．キャビテーション効果が期待できる

キャビテーション効果とは、超音波スケーラーによる特有の効果で、気泡が弾けるときに発生する衝撃波で効率的に細菌を除去するという方法です。
歯周ポケットの奥深くには酸素が届きにくく、歯周病菌が発生しやすくなります。
超音波スケーラーを使用すれば、歯ブラシでは届かないような場所まで酸素を送りながら細菌や歯石、汚れを除去できます。

超音波スケーラーの3つのデメリット

超音波スケーラーを使用するとデメリットも生じます。
以下の3つのデメリットには注意して扱いましょう。

1. 機器の音と振動が不快に感じる場合がある
2. 治療後に知覚過敏が発生する可能性がある
3. 心臓ペースメーカーを装着の患者への使用は禁忌

１．機器の音と振動が不快に感じる場合がある

超音波スケーラーは独特の音を立てて振動するため、その音が苦手で不快に感じるという患者さんも中にはいらっしゃいます。
患者さんが不快感を示していたら、ハンドスケーラーもしくはエアスケーラーに切り替えたほうがよいでしょう。

２．治療後に知覚過敏が発生する可能性がある

これは超音波スケーラーに限ったことではありませんが、歯周病で炎症を起こしていると歯石取りのあとに知覚過敏が発生する可能性があります。
一時的なものでしばらくすると収まる場合が多いですが、中には慢性化する方もいらっしゃいます。
リスクを減らすことは大事ですが、あらかじめ患者に説明するようにしましょう。

３．心臓ペースメーカーを装着の患者への使用は禁忌

超音波スケーラーの振動が心臓ペースメーカー装着患者へ悪影響を及ぼす可能性があるため、使用は禁忌とされています。
電子機器による電磁障害が、心臓にマイクロショックを起こす可能性があるためです。
ですが、藤沢市歯科医師会（※）の検討によると、”心臓ペースメーカー使用患者に対する歯科用電気器具の影響”はないとされています。
しかし、万が一の事故が起こってしまった場合、医師の責任が問われることとなりますので、使用は控えたほうが無難でしょう。

参照：心臓ペースメーカー使用患者に対する歯科用電気器具の影響

超音波スケーラーとエアースケーラーの違い

エアースケーラーとは、超音波スケーラーと同じく歯石除去を目的として使用される器機です。
どういった違いがあるかというと、最大の違いは振動数です。
超音波スケーラーはパワー密度が高く、キャビテーション効果が生じて効率的な歯石除去が可能になります。
エアースケーラーにはキャビテーション効果はなく、直線的振動による効果のみとなるため、仕事率は低いと考えられます。

上記が超音波スケーラーとエアーススケーラーの比較表ですが、周波数に大きな差があることが分かります。
また、超音波スケーラーはエアースケーラーと比較すると、パワーが大きい分負担も多少増えて、除石中の疼痛や歯面の損傷具合もやや大きくなります。

超音波スケーラーおすすめ製品5選

ここからは超音波スケーラーのおすすめ製品を5つ紹介します。

①超音波スケーラーK3

Glgreatstarの「超音波スケーラーK3」はタッチスクリーンを搭載しており、操作が簡便で扱いやすいのが特徴です。
使い捨ての保護膜もついているため、交差感染を防ぐことができ安心です。
“スペシャル自動クリーニング技術“というものを搭載しており、フットペダルなしで操作を変えることができるので、医師の方の腰や脚の筋肉の疲労を軽減できます。
ハンドピースは135℃まで高温高圧滅菌が可能で、安全に扱えます。

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②超音波スケーラーPIEZO-TWO

ThreeHの「超音波スケーラーPIEZO-TWO」は周波数が28000～32000Hzと高い周波数を維持し、ブレ幅も少なく安定したパフォーマンスを発揮します。
ボトル注水モード、水道注水モードの機能があり、ハンドピースホースに付けることができるスイッチによって、注水量を細かく調整できます。
チップ、ハンドピース、レンチはオートクレーブによる121℃～132℃での滅菌消毒も可能で、感染予防が可能です。

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③コンプレックススケーラーYS-CS-A(5)エアフロー機能付き超音波スケーラー

Ruenshengの「コンプレックススケーラーYS-CS-A(5)」はエアフロー機能付き超音波スケーラーです。
超音波スケーラーの機能のみでなく、歯面パウダー清掃の機能もあり、使い分けが可能です。
また、エアフロー機能もついているため、持ち替えの手間が省けます。
超音波スケーラーおよびエアフローのハンドピースはオートクレーブでの滅菌が可能です。
やや価格は高めですが、高機能な超音波スケーラーです。

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④超音波スケーラー UDS-E LED（ボトル付き）

Woodpeckerの「UDS-E LED」は、小型で軽量な超音波スケーラーです。
同社から販売されている「超音波スケーラー UDS-E」のLEDライトの付いたタイプとなっており、口腔内を均等に照らすことで、処置がしやすくなります。
シリコンチューブのケーブルで耐久力があり、柔らかさもあるため扱いやすいです。
ハンドピースは135℃でオートクレーブ滅菌・消毒が可能ですので、衛生的に使用できます。

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⑤超音波スケーラー DTE D600 LED

Woodpeckerの「DTE D600 LED」は今回ご紹介した5つの超音波スケーラーの中でも最も高額で10万円を超えるスケーラーです。
振動出力は正弦波駆動となっており、瞬間的に激しい刺激が来ることはなく、優しい使用感となります。
知能フィードバック機能が搭載されており、患者さんの歯面状態・歯石の硬さによって、精確な出力へと自動的に調節してくれます。
操作パネルは防水素材となっているため、水がかかってしまっても安心です。

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まとめ：超音波スケーラーを使用して歯石除去作業を効率化しよう

この記事では、超音波スケーラーのおすすめ製品を5つ紹介しました。
超音波スケーラーは歯石除去の処置において、短時間で終わったり、キャビテーション効果により効率的に除去ができたりと、メリットがあります。
一方、機器の音と振動が苦手な患者さんがいたり、心臓ペースメーカー装着患者さんへの使用は禁忌など、注意すべき点もあります。
この記事を参考に超音波スケーラー選びを検討いただければ幸いです。