開業のための
Web集患戦略

開業医のための経営支援メディア
『ウェブドクター』

シリンジメーカー12社と主力製品を徹底解説!選び方のポイントも紹介!

シリンジは医療現場では欠かせない医療用具の一つです。
採血や薬剤の投与の際に必要になるため、用途に合わせていくつかの種類のシリンジを揃えておく必要があります。
この記事では、シリンジを選ぶ際のポイントや、シリンジメーカー12社をご紹介します。

シリンジとは

シリンジとは、注射器のプランジャ(押子)と、注射針以外の筒状の部分(外筒)を指します
ガラス製のものや、樹脂製の「ディスポーザブルシリンジ」、プラスチック製の「プラスチックシリンジ」があり、薬液などの液体やガスを注射・注入したり、引き抜いたりすることができます。
ディスポーザブルシリンジとプラスチックシリンジの違いは、オールプラスチックであるかないかの差になります。
現在は使い捨てで使用するために樹脂製やプラスチック製が主流となっており、基本的には注射針を用いて、採血や薬剤の投与に使用することが多いです。
シリンジは注射針の着脱が容易であったり、先端に注射針をロックする機能があるなどの特徴があります。

シリンジメーカーを選ぶ際の3つのポイント

シリンジは多くのメーカーから製造・販売されていますが、以下の3つのポイントを考慮して選びましょう。

  1. 使用用途に合ったシリンジを選ぶ
  2. 目的にあった形状を選ぶ
  3. 材質で選ぶ

1.使用用途に合ったシリンジを選ぶ

シリンジは大きく分けて医療用と実験用の2つの使用用途があります。
医療用途では、採血や薬剤の注入、浣腸などで使用されます。
薬剤の注入とは予防接種が例として挙げられますが、その際は作業効率化や感染予防の観点から、プレフィルド・シリンジというあらかじめ薬剤が充填されたものを使うことがあります。
医療以外では物理・化学・生命科学といった分野で実験において使用し、液体や気体の注入、加圧・減圧などの用途で使用されます。

2.目的にあった形状を選ぶ

先端の形状によっても使い分けが可能なため、目的に合った形状を選びましょう。
例えば、先端がテーパ状で、注射針をまっすぐ差し込むタイプのルアースリップ型や、先端にロック機構がついていて、注射針をねじ込んで固定するタイプのルアーロック型などがあります。
先端に針がついていないプラスチックシリンジの場合は、液体を吸い上げる際、液面に届かせるために注射針を使用することがあります。
目的に合わせて形状の異なるものを使い分けましょう

3.材質で選ぶ

オールプラスチックシリンジの場合は、シリンジ部分がポリプロピレン (PP) で、プランジャーはポリエチレン (PE) であることがほとんどです。
ディスポシリンジの場合は、大半がシリンジ部分とプランジャー部分の両方が樹脂製です。
ディスポシリンジは気密性確保のためにガスケット部分にゴム素材が用いられます。
しかし、ゴムは成分の溶出が多くなる傾向にあるため、使用目的にその材質が適しているのかを考慮して検討しましょう。

シリンジメーカー12社と主力製品を解説

ここからは、シリンジメーカー12社とそのメーカーの主力製品を解説していきます。
一部、商社などの海外製品取り扱い企業も含みます。
(下記リストのメーカー名をクリックするとそのメーカーの紹介欄にページ内ジャンプします。)

①日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

公式サイト https://www.bd.com/ja-jp/offerings/capabilities/syringes-and-needles
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー プラスチックシリンジ、ガラス製プレフィル可能シリンジ、ルアーロックシリンジ など

ベクトン・ディッキンソン株式会社はフランスに本社を置くグローバル企業で、日本においても1971年に日本支社として設立されました。
高い技術力をもって製造された高度な安全性をもつ製品は、日本各地で提供され使用されています。
患者さんの幸せを実現するために、注射科学や製品開発に多くの知識を投入し、使いやすい製品を製造し、医療機関の管理の煩雑さやリスク軽減に貢献しています。
シリンジはプレフィル可能なシリンジとなっており、ワクチン注射に最適です。
プラスチックシリンジはスケットにはフラット形状を採用しており、メモリを合わせるのが容易です。
また、バイオ医薬品向けの針固定タイプのガラス製シリンジもあります。

公式サイトを見る

②テルモ株式会社

公式サイト https://www.terumo.co.jp/
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー テルモシリンジ SSシリーズ、テルモシリンジPG6、FNシリンジ など

テルモ株式会社は創業100年以上の歴史を持つ医療機器メーカーです。
「医療を通じて社会に貢献する」という理念の元、世界160か国以上の国と地域で医療に関する社会貢献を行ってきました。
その歴史は1921年にさかのぼり、体温計の国産化を目的とし北里柴三郎博士らの医師が集い赤線検温器株式会社が設立され、商号の変更などを経て現在に至ります。

取り扱いシリンジの主力製品として「テルモシリンジ」がありますが、こちらは使い捨てのディスポシリンジで、採血や注射等に使用する製品です。スリップタイプ、ロックタイプ、横口スリップタイプがあり、用途によって使い分けができます。

公式サイトを見る

③中外製薬株式会社

公式サイト https://www.chugai-pharm.co.jp/index.html
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー エンスプリング皮下注120mgシリンジ、ミルセラ注シリンジ など

中外製薬株式会社は、「患者中心」という理念を掲げて様々な活動に取り組んでいるメーカーです。
あらゆる活動の根幹に患者さんを置き、患者さんを常に意識した製品づくりをしています。
患者さんの健康と幸せを第一に、創薬から始まり、製品の開発や生産をし、患者さんや医療機関の悩みや課題を解決するソリューションと、一連のプロセスで活動を行っています。

中外製薬のシリンジは6つのパーツが複雑に組み合わさってできていますが、この製造ラインは世界最高速度で運転されており、これは世界初の技術です。
容器の洗浄・滅菌から始まり、各パーツを組み立てると、薬液が充填され、最後にプランジャーストッパーで密封するという流れで製造されます。

公式サイトを見る

④株式会社島津ジーエルシー

公式サイト https://solutions.shimadzu.co.jp/glc/
価格 Shimadzu Xtra Life Microsyringe:12,000円
島津オートサンプラー用シリンジ:11,200円
標準シリンジ:8,500円
など
取り扱いシリンダー 島津オートサンプラ/マニュアルシリンジ、ディスポシリンジ など

株式会社島津ジーエルシーは2020年に創業20周年を迎えたメーカーで、医療機器の製造販売と、世界各国のメーカーからの取り寄せなどを行っています。
「ともに分析の未来」というスローガンで、お客さまと共に発展していき、社会に貢献したいという気持ちが込められています。

シリンジは多くの種類が販売されており、島津製作所製の「島津オートサンプラ/マニュアルシリンジ」はプランジャが特殊チタン合金製で優れた柔軟性を持ちます。曲がりや摺動摩擦による動作不良を気にすることなく扱うことができます。
ディスポシリンジはルアーロック型とルアーチップ型から選べます。

公式サイトを見る

⑤ニプロ株式会社

公式サイト
(シリンジ製品ページ)
https://med.nipro.co.jp/med_eq_category_detail?id=a1U1000000b531HEAQ#item
価格 シリンジ 1mL ハリナシ ツベルクリンPP:3,003円(100本)
シリンジ 1mL 25G*5/8RBツベル:3,927円(100本)
シリンジ DS2.5mL ハリナシピンク:2,431円(100本)
など
取り扱いシリンダー プラスチックシリンジ、プレフィルドシリンジ など

ニプロ株式会社は、1954年設立の医療分野に強い大手メーカーです。医療機器や医薬品の開発、ファーマパッケージング事業、再生医療事業など様々な活動を行っています。
ニプロの医療機器は国内外問わず高い評価を受けており、高い品質と信頼性を持ちグローバル化を進めてきました。
ファーマパッケージング事業においては、医療現場や産業分野に至るまで、ガラス容器、バイアル、ゴム部材、シリンジなどの成形部材を提供しています。
薬液があらかじめ充填されたプレフィルドシリンジや、ポリプロピレン製のニプロシリンジなど様々なシリンジを販売しており、先端形状がバリエーション豊かで用途に合わせて選べます。

公式サイトを見る

⑥翼工業株式会社

公式サイト https://www.tsubasa-van.co.jp/
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー ガラス製注射器

翼工業株式会社は医療用注射器や、90年間注射針の製造を続けてきた歴史のあるメーカーです。
高品質の医療用具を提供し、医療現場の医療従事者、患者さんへ安心を与えています。
長い歴史の中で培ってきた高度な開発・生産技術やノウハウをつぎ込んでいき、高い品質の医療用具を製造します。
翼工業株式会社のシリンジはガラス注射器がメインで、容器の種類が豊富に取り揃えられており、用途に合わせて選べます。
先端形状はルアー先、ロック先、浣腸先などに加えて、新規格の相互接続防止コネクタまで用意されています。
お客様の要望に合わせて特殊注射器を製造するなど、柔軟に対応しているため、希望のシリンダーが見つからなかったときは翼工業に依頼してみましょう。

公式サイトを見る

⑦大成化工株式会社

公式サイト https://www.taisei-g.co.jp/
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー ClearJect(ガラス製、樹脂製のプレフィル用シリンジ)、VFシリンジ(中性ホウケイ酸ガラス)

大成化工株式会社は1932年創業の歴史ある企業で、企画・開発から製造・サービスまでを一連のプロセスで行い、高精度・高品質な製品を作り続けています。
ガンマ線滅菌、VHPガス滅菌など4種の滅菌方法をとっており、安全性も高いです。
樹脂シリンジの製造に進出したのは2005年で、シリンジ生産用の新工場を作るなど注力して取り組んでいます。
「ClearJect」という製品はプレフィル用シリンジで、軽くて割れにくいプラスチック製となっています。RTUタイプの包装ですが、要望があれば専用包装仕様にも対応します。
その他にもガラス製、樹脂製から選択可能なシリンジも用意されています。
用途に合わせて最適なシリンジを選びましょう。

公式サイトを見る

⑧ジーエルサイエンス株式会社

公式サイト https://www.gls.co.jp/index.html
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー イトーシリンジ、ハミルトンシリンジなど

ジーエルサイエンス株式会社は、1968年に創業し、「分析」に重きを置く企業で、医薬品・医療製品のみならず、人々の食べ物や水といった生活に欠かせないものの分析を行い、安全を守るために技術を利用しています。
安心、安全な世の中の実現のため、一般消費者の目線に立って製造・販売を行います。
ジーエルサイエンス株式会社で販売されているイトーシリンジの「MS・MS-N型 標準シリンジ」は、標準型液体用シリンジで、高精度内面摺り合わせによって組み立てられています。
性能の高さが認められ、標準的なシリンジとして使用されている「ハミルトンシリンジ」の販売も行っています。固定針型、交換針型など、様々な種類から用途に合わせて選べます。

公式サイトを見る

⑨大阪ケミカル株式会社

公式サイト https://www.daichem.co.jp/
価格 ハミルトンマイクロシリンジ:40,400円
イトー 標準型シリンジ:25,000円
など
取り扱いシリンダー ハミルトン マイクロシリンジ、VICI PS(プレッシャーロック)シリンジ、S.G.E. マイクロシリンジ など

大阪ケミカル株式会社は、1976年創業の40年近く製造・輸入販売などの事業を行ってきた企業です。
海外メーカーと輸入販売契約を結んで、バイアル・シリンジなどを国内で提供しています。
1993年には資本金を1000万円に増資するなど、事業の拡大を続けています。

シリンジに関しては多くのメーカーの製品を輸入し、国内で販売するという形式をとっており、ハミルトン、S.G.E、イトーなど様々なメーカーから選べます。
ハミルトン シリンジはルアーチップ型、ルアーロック型、固定針など多種から選べます。
VICI シリンジは簡単な押しボタン式のものやリムーバブル式ニードルのものなどが用意されています。

公式サイトを見る

⑩株式会社樋口商会

公式サイト https://www.higuchi-inc.co.jp/
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー バイアル/シリンジ

株式会社樋口商会は1927年創業と90年以上の歴史があり、専門商社として医療に関する部分だけでなく、化粧品や石油化学品事業など、これまで多岐にわたって事業を行ってきました。
医薬・製薬分野においては50年近くの歴史を有しており、海外製品の医薬品添加剤や分析試験機器といった製品群を国内製薬メーカーに販売しています。

樋口商会のバイアル/シリンジは、SiO2社の特許化技術によってガラスのように3層コーティングされたハイブリッド素材を使用しています。
樹脂の丈夫さとガラスの不活さの両方の利点を併せ持った優れたシリンジです。
シリコンオイルを塗布する必要がなく、不溶性微粒子の大幅な軽減も期待できます。

公式サイトを見る

⑪オムピジャパン株式会社

公式サイト https://www.stevanatogroup.com/en/
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー ガラスシリンジ、プラスチックシリンジ など

オムピジャパン株式会社は、イタリアのStevanatoグループの日本法人として2017月12月に設立されました。
イタリアで70年間にわたって培われてきたシリンジ等の医療用ガラス一次包装容器の製造実績があり、現在は世界に14拠点の製造工場を持っています。
プラスチック製の医療機器についても国内製造および販売を行っており、シリンジもその中に含まれています。
Nexaシリンジは安全性や耐久性に優れており、注射剤製品に最適なシリンジです。

公式サイトを見る

⑫ノードソン株式会社

公式サイト https://www.nordson.com/ja-jp
価格 要お問い合わせ
取り扱いシリンダー Optimumシリンジ、Unity HiTempシリンジ など

ノードソン株式会社は1954年に設立し、35か国以上の国々へと製品やサービスの提供を行っているメーカーです。
顧客、株主、メディアに対して誠実に対応し、妥協のない製品づくりを行います。お客様への情熱、従業員への対応を重視し、チームワークや多様性を大切にしている企業です。
「Optimumシリンジ」は高い密閉性を保つことができるため、液剤を無駄にせず高精度の安定した液剤塗布ができるシリンジです。
シリンジ容量は3ccから70ccと大容量のものまで揃っています。
ポリマー製のシリンジで、透明のものや、アンバー シリンジ、不透明の黒シリンジなど、遮光性のあるものなど、幅広く販売しています。

公式サイトを見る

まとめ:使用用途に合わせてシリンジメーカーを選ぼう

以上、この記事ではシリンジ販売メーカーを13社ご紹介しました。
シリンジの特徴だけでなく、会社の歴史なども信頼性・安全性などを考慮するうえで、製品選びの際に一つの判断基準になるかと思います。
医療用か、実験用かの使用用途や、目的に応じて素材などを確かめたうえでシリンジを選びましょう。
この記事が少しでもシリンジメーカー選びの参考になれば幸いです。