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予約時間より早く来る患者の心理とは?快適に過ごす5つの対策を紹介

予約時間よりも早く来る患者がいても、予約時間の患者を優先しなければなりません。

しかし、待ち時間が長くなることで患者にストレスを与えないか不安になる医療関係者も多いでしょう。

そこで本記事では、予約時間よりも早く来る患者の心理快適に過ごす5つの対策について解説していきます。

予約時間より早く来る患者の心理

天井が高く明るいクリニックの待合室で順番を待つ患者

予約時間よりも早く来る患者の心理としては、次のような理由が考えられます。

  • 少しでも早く診てもらいたい
  • 仕事に遅れたくない・休憩時間が決まっている
  • たまたま予約時間より早く着いてすぐ診てもらえたので毎回そうしている

厚生労働省が発表した、平成29年受療行動調査(概数)の概況では、予約している外来患者の割合は70.9%です。

外来診療までの待ち時間は、15分以内が26.1%と最も多く、1時間未満はおよそ7割となっています。

参照:厚生労働省|平成29年受療行動調査(概数)の概況

患者数が多い病院ほど、予約していても待ち時間が発生するのは否めません。

予約時間よりも早く行けば、その分待ち時間は長くなる可能性がありますが、そこには少しでも早く診てもらいたいという心理が働いているのでしょう。

予約制なのに病院の待ち時間が長くなる理由

清潔感のある病院の待合室

それでは、予約制なのに病院の待ち時間が長くなる4つの理由を見ていきましょう。

  1. 患者数が多い
  2. 急患が入る
  3. 院内オペレーションに問題がある
  4. 予約優先制を導入している

患者数が多い

患者数が多ければ、予約していても待ち時間が長くなる傾向が見られます。

患者数が多い理由としては、「評判が良いので受診したい」「周辺に病院の数が少なく患者が集中する」などが考えられます。

患者数が多いことに加えて、1人あたりの診察時間が長ければ、さらに待ち時間は増えるでしょう。

急患が入る

急患が入るのも待ち時間が長くなる要因です。

例えば、救急搬送された患者を受け入れる病院では、緊急性のある患者を優先します。

急患の処置や治療に手間取れば、その分患者の待ち時間は増えるのは避けられません。

院内オペレーションに問題がある

院内オペレーションに問題があるのも、患者の待ち時間が長くなる原因の一つです。

1人あたりのスタッフが対応できる仕事量は限られるでしょう。

人材不足の場合、患者数が増えても、対応できる人数が限られるため、予約制であっても必然的に待ち時間は長くなります。

予約優先制を導入している

予約優先制を導入している病院では、予約していても待たされることがあります。

予約制にも種類があり、それぞれに対応の仕方は異なるのが原因です。

  • 予約制:予約時間に診察
  • 受付順番制:予約ではなく受付順

予約優先制は、予約制と受付順番制の2つの要素を持ちます。つまり、予約がなくても診てもらえますが、その分待ち時間が長くなる可能性があるのです。

予約時間より早く来る患者が快適に過ごすための対策

スペースに余裕をもたせたクリニックの待合室

では最後に、予約時間より早くくる患者が快適に過ごすための対策を5つ紹介します。

  1. 予約制度を見直す
  2. 待合番号モニターを導入する
  3. ゆったり座れるソファを多く用意する
  4. 娯楽など過ごしやすい空間を作る
  5. 待ち時間の発生をあらかじめ伝える

予約制度を見直す

予約制の見直しで待ち時間を改善できる可能性があります。

予約制度の種類は、順番予約制・時間予約制・複合型です。ただし、診療科や患者層によって向き不向きがあることに留意しましょう。

予約制度 特徴  向いている科
順番予約制 来院順で予約を受け付ける 皮膚科・耳鼻咽喉科
時間予約制  事前に予約を取る 内科・整形外科・眼科・歯科
複合型  順番予約と時間予約の複合型 小児科

順番予約制度は、若い年齢層の患者数が多く、1人あたりの診察時間が一定の場合に適しています。ネット予約ができると、来院時間目安も表示され便利です。

時間予約制は、年齢層の高い患者が多く、1人あたりの診察時間が一定ではない場合に適しています。ただし、予約時間を決めているため、待ち時間が長くなるとクレームにつながりかねません。

複合型は、通常の診療は順番予約で行い、検診は時間予約を採用します。小児科で多く採用されていますが、内科や整形外科にも応用は可能です。

待合番号モニターを導入する

待合番号モニターを導入する選択肢もあります。

待合室にあるモニターに、診療状況が表示されるので、自分の番がいつごろなのかを患者自身で把握できるのがメリットです。

Webと連動して、患者のスマートフォンで待ち時間を確認できるシステムもあります。

ゆったり座れるソファを多く用意する

待合室には、ゆったりと座れるソファを多く用意しましょう。

患者の中には、病気や怪我で立って待つのがつらい方もいます。

ゆったりと体を預けて座れるソファがあれば、多少待ち時間が長くなっても、負担が軽減されリラックスできます

娯楽など過ごしやすい空間を作る

待合室には、娯楽を用意して過ごしやすい空間を作るのも有効です。

新聞や雑誌、テレビやWi-Fiがあれば、待ち時間が長くなっても気が紛れるでしょう。

自動販売機があれば、季節に合わせて温かい飲み物や冷たい飲み物を用意できます。

院内オペレーションを徹底すれば、予約時間より早く来る患者も快適に過ごせるでしょう。

待ち時間の発生をあらかじめ伝える

待ち時間の発生を予め患者に伝えることも大切です。

待つとわかって予約時間より早く来ていても、何も言われないまま待つのは患者を不安にさせる恐れがあります。

伝える場合は、「◯分ほどお待ちいただきますがよろしいでしょうか?」と、患者に選択の余地を与えるよう心がけてください。

長く待たせた場合は、患者の順番になったら「大変お待たせいたしました」と一言添えましょう。

まとめ:予約時間より早く来る患者には院内オペレーションの徹底で対処しよう

アットホームな雰囲気の待合室

予約時間より早く来る患者は、待ち時間が長くなる可能性があります。

多少待ち時間が長くなっても快適に過ごせれば、患者に与えるストレスや不安を軽減できます。

待っている間ストレスや不安を感じないよう、院内オペレーションを徹底しましょう。