「電子カルテを導入したいけど補助金は使えるのかな?」
「電子カルテの補助金を受け取るための条件・方法が知りたい」
このようにお考えではありませんか?
そこで、この記事では電子カルテ向けの補助金を4種類紹介します。
- IT導入補助金
- 東京都病院診療情報デジタル推進事業
- オンライン資格確認関係補助金
- 医療情報化支援基金(電子カルテ標準化に関する補助金)
それぞれの概要や条件、手順などを確認していきましょう。
この記事の内容
IT導入補助金
1つ目に紹介するのは、IT導入補助金です。
IT補助金とは何か、その対象者や条件・申込手順を見ていきましょう。
IT導入補助金の概要
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に活用できる補助金です。
通常型のほか、セキュリティ対策推進枠やデジタル化基盤導入枠の設定もあり、電子カルテはその中で通常型とデジタル化基盤導入枠が適用される可能性があります。
通常型では費用の1/2、最大450万円を補助してもらえ、デジタル化基盤導入枠では補助額が5万円〜50万円の場合は補助率が3/4、50万円〜350万円の場合は補助率が2/3となります。
また、デジタル化基盤導入枠ではクラウド利用料も最大2年分補助してもらえる可能性があるので確認しましょう。
IT導入補助金の対象者・条件
IT導入補助金の補助対象となる者は、中小企業(常時使用する従業員の数が300人以下の者)や小規模事業者(常時使用する従業員の数が20人以下の会社及び個人事業主)とされています。
また、対象となるツールは、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールです。
なお、デジタル化基盤導入枠では、会計・受発注・決済・ECの機能を2機能以上が搭載されることが要件であるため、主にクラウド型電子カルテでの利用が考えられるでしょう。
IT導入補助金の申込手順
IT導入補助金の申込手順は、以下の通りです。
- ITツールの選択
- 交付申請
- 交付決定
- 補助事業の実施
- 事業実績報告
- 補助金額の確定
- 補助金交付手続き
- 補助金交付
詳しくは以下のリンクからご覧ください。
東京都病院診療情報デジタル推進事業
※令和4年度(2022年度)の募集は終了しました。
2つ目に紹介するのは、東京都病院診療情報デジタル推進事業です。
東京都病院診療情報デジタル推進事業とは何か、その対象者や条件・申込手順を見ていきましょう。
東京都病院診療情報デジタル推進事業の概要
東京都病院診療情報デジタル推進事業は、病院への電子カルテの導入への支援を目的に東京都福祉保健局が実施している事業です。
支援の対象となるのは、以下の2つです。
- 電子カルテシステムの導入・更新にかかる費用や電子カルテと他のシステムを連携させるために必要な改修費用
- 電子カルテの運用に必要な作業を行う者の給与費、報酬、報奨金、賃金、役務費及び委託料
支援の基準額はそれぞれ以下の通りとなっています。
- 605千円に病床数を乗じた金額
- 3,600千円×配置月数/12
どちらも補助率は1/2となっています。
東京都病院診療情報デジタル推進事業の対象者・条件
東京都病院診療情報デジタル推進事業の対象者は、200床未満の病院を開設する者であって、東京都知事が適当と認める者とされています。
また、電子カルテを導入する際、以下の4つの条件を満たすことも条件です。
- 電子カルテシステムの導入又は更新後、1年以内に医療機関等における地域医療ネットワーク、又は公益社団法人東京都医師会の東京都全域を対象とした医療連携ネットワークである「東京総合医療ネットワーク」に、閲覧施設として参加すること。
- 地域医療連携システムを導入すること。
- 「東京総合医療ネットワーク」へ「データ開示施設」としての参加に向けた取組を進めること。
- 事業の効果検証のため、補助金の交付年度から5年間、構築した電子カルテシステムの実績、効果、課題等にかかる調査を提出する等、都に協力すること。
東京都病院診療情報デジタル推進事業の申込手順
東京都病院診療情報デジタル推進事業の申込手順は、以下の通りです。
- 交付申請書等の提出
- 審査
- 交付決定
- 変更申請の提出
- 実績報告書等の提出
- 額の確定
- 請求・支払い
詳しくは以下のリンクからご覧ください。
オンライン資格確認関係補助金
3つ目に紹介するのは、オンライン資格確認関係補助金です。
オンライン資格確認関係補助金とは何か、その対象者や条件・申込手順を見ていきましょう。
オンライン資格確認関係補助金の概要
オンライン資格確認関係補助金とは、オンライン資格確認の導入に関して受け取れる補助金のことです。
オンライン資格確認とは、オンライン上で患者の資格情報を確認できるシステムであり、作業の効率化や待ち時間の減少などの効果があります。
オンライン資格確認を導入するには、以下の3つの費用が必要になり、これらの費用に関しての補助金が受け取れます。
- 資格確認専用端末の購入や導入費用
- ネットワーク回線の導入または変更
- レセプトコンピュータ・電子カルテシステムの導入または改修
顔認証付きカードリーダーは無償で提供されるほか、以下の通りに補助金が支給されます。
病院(カードリーダー1台導入) | 病院(カードリーダー2台導入) | 病院(カードリーダー3台導入) | 大型チェーン薬局 | 診療所・その他の薬局 |
---|---|---|---|---|
105万円を上限に1/2を補助 | 100.1万円を上限に1/2を補助 | 95.1万円を上限に1/2を補助 | 21.4万円を上限に1/2を補助 | 32.1万円を上限に1/2を補助 |
なお、補助金の支給を受けられる期限が以下の通りに設定されるため、注意してください。
- 令和5年3月までに補助対象事業を完了
- 令和5年6月末までに補助金交付申請をしたもの
オンライン資格確認関係補助金の対象者・条件
オンライン資格確認関係補助金を受けるためには、次の3つの書類が必要です。
- 領収書の写し
- 領収書内訳書の写し
- オンライン資格確認等事業完了報告書
- (オンライン資格等確認関係補助金交付申請書 ※郵送の場合)
領収書内訳書には、「顔認証付きカードリーダー1台〇〇円」などの細かい内訳が必要な点に注意してください。
オンライン資格確認関係補助金の申込手順
オンライン資格確認関係補助金の申込手順は、以下の通りです。
- オンライン資格確認等事業の設備導入完了
- システムベンダー等に対する費用を精算
- 添付書類を用意の上補助金を申請
なお、申請方法は、ポータルサイトと郵送の2種類があります。
以下のページからログインし、「ポータルサイトからアップロード」もしくは「郵送で申請する」を選択してください。
https://shinsei.iryohokenjyoho-portalsite.jp/pc/login.php
詳しくは以下のリンクからご覧ください。
医療情報化支援基金(電子カルテ標準化に関する補助金)
4つ目は、医療情報化支援基金(電子カルテ標準化に関する補助金)です。
医療情報化支援基金(電子カルテ標準化に関する補助金)は厚生労働省で検討されている制度です。
検討中の制度であるため、まだ詳細は決まっていないため、続報をチェックしておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、電子カルテ向けの補助金について、以下の4種類を解説しました。
- IT導入補助金
- 東京都病院診療情報デジタル推進事業
- オンライン資格確認関係補助金
- 医療情報化支援基金(電子カルテ標準化に関する補助金)
電子カルテの導入を普及させるために、政府を中心にさまざまな制度が作られているので、積極的に活用しましょう。
それぞれ受け取れる対象者や条件が異なるため、申請前に必ずご自身で確認してください。