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問診とは?診察との違いや問診の重要性・コツを解説

「問診」をご存知ですか?

「問診」という言葉を目にしたことはあるものの、具体的に何を指すのかわからない方も少なくないでしょう。

本記事では問診とは何か、診察との違いや問診の重要性・コツを解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、問診の内容を一通り理解しましょう。

問診とは?診察との違いを解説

ここでは、そもそも問診とは何か?について解説します。

問診は、患者さんの訴え(主訴)、今までの経過(現病歴)、アレルギー歴、既往歴、生活歴(家族構成と病歴、仕事の内容など)を聴くことにより、検査だけでは診断しにくい疾患を見つけることを指します。

主訴、現病歴、アレルギー歴、既往歴、生活歴を知ることで、患者さんが持つ悩みの原因が推測でき、そのことにより発見される病気もあるので、非常に重要な役目を果たします。

なお、診察も問診と同じ役目を果たします。

問診と診察の違いは、方法にあります。

問診が聴き取りにより病気を診断するのに対し、診察は患者の訴えをもとに視診、聴診、打診など、身体に触れた情報も合わせて病気を診断します。

どちらも、検査だけでは診断しにくい疾患を見つけるのに役立ちます。

問診の重要性

問診の重要性は、主に以下の2つです。

  • 病気の手がかりが掴める
  • より正確で迅速な診断につながる

1つずつ解説します。

病気の手掛かりが掴める

1つ目は、病気の手がかりが掴めることです。

「問診とは?診察との違いを解説」の項目でも解説した通り、検査だけでは診断しにくい疾患を見つけるのに役立ちます。

具体的には、先ほど紹介したアレルギー歴や既往歴だけでなく、そもそもの病状や症状を聞くことがとても大切です。

疾患によっては、問診を行うだけで8割ほど特定できる場合もあると言われており、焦らずじっくり患者さんの話を聞いて、しっかりと情報を得てください。

横道にそれても問題ありません。

むしろ、横道にそれた話題の中に思わぬ発見がある場合もあります。

時間をかけて、会話の中から何かしらのヒントを掴むことに徹しましょう。

より正確で迅速な診断につながる

2つ目は、正確で迅速な診断につながることです。

繰り返しお伝えしている通り、検査だけでは判断しにくい疾患も問診での患者さんとの会話の中から、病歴のみならず、患者さんの性格も知ることで、実態が明らかになることが少なくありません。

患者さんが心を開いて、正直に話してくれて、症状を正確に伝えることができれば、正確で迅速な判断につながります。

そのためにも、なるべく患者さんが話しやすい空気を作ることを心がけましょう。

問診の精度を高めるためのコツ

問診の精度を高めるためのコツは以下の6つです。

  • 主訴をまとめられるような質問
  • 既往歴の確認
  • 悩みの深刻さを聞く
  • 悩みの部位を正確に聞き出す
  • 症状の経過を詳細に聞く
  • 患者さんが心配や希望を確認する

1つずつ解説します。

主訴をまとめられるような質問

1つ目は、主訴をまとめられるような質問をすることです。

重要な項目は以下の3つです。

  • いつから気づいたか
  • どの部位なのか
  • どのような症状があったのか

これらが診断するための基礎的な情報になります。

この3つが曖昧だと、かなり診断しづらくなるため、明確に把握しておきましょう。

また、発症から今までの経過や受けた治療、その他の症状も聞いておくと、より診断がしやすくなります。

既往歴の確認

2つ目は、既往歴を確認することです。

既往歴は診断をする上で関係することがあるため、大事な要素となるためです。

例えば、急な半身不随の方が緊急搬送されてきた場合、背景には高血圧が起因となる脳梗塞などの可能性があります。

しかし、患者さんは既往歴の重要性を認識していないことも多く、問診票に記載していないことがありますので、注意が必要です。

書いていない場合を想定し、問診で確認するように聞くことが必要です。

悩みの深刻さを聞く

3つ目は、悩みの深刻さを聞くことです。

例えば、頭痛で来院した2人の患者を想定しましょう。

1人目は、「頭痛がひどいけど会社は休めない」と言っています。

2人目は、「頭痛がするので明日は会社を休む予定でいます」と言っています。

2人を比べると、明らかに1人目の悩みの方が深刻であることがわかります。

このように、悩みの深刻度が違う場合、処方するお薬を変えることがありますので、必ず悩みの深刻さは確認しておきましょう。

悩みの部位を正確に聞き出す

4つ目は、部位を正確に把握することです。

例えば、患者さんが「腹痛がする」と言っている場合、痛いのはお腹の中でもどの部分なのかがわかりません

正確な部位がわからないと、正確な診断ができません。

口で説明してもらったり、指差しで示してもらったりして、症状がある部位を正確に把握しましょう。

症状の経過を詳細に聞く

5つ目は、病状の経過を詳細に聞くことです。

どのような痛みなのか、いつからあったのか、痛みの程度はどのくらいなのか、痛み止めを飲んでみたか・飲んだ場合は効いたか、などを確認します。

患者さんの表現方法が異なるため、必ずしも正確な判断にはならない可能性がありますが、少なからず診断するためのヒントにはなります

そのため、病状の詳細も聞いておくようにしましょう。

患者さんの心配や希望を確認する

6つ目は、患者さんの心配や希望を確認することです。

患者さんは「自分の症状はどの程度ひどいのか?」「いつから会社/学校に行けるようになるのか」「顆粒状のお薬は苦手なので、避けてほしい」など、さまざまな心配や希望を抱えています。

診断と直接関係するわけではありませんが、患者さんの心配や希望を解消することで、落ち着いて安心した状態で治療を受けることにもつながります。

そのため、患者さんの心配や希望も確認しておきましょう。

まとめ

今回は、問診について解説しました。

問診は、診察と並んで、診断をするために大事な判断材料を見つける工程です。

患者さんに直接質問をしたり会話をしたりすることで、どのような病気なのかを見定めます。

なるべく患者さんが正しい情報を話せるような雰囲気づくりが大切です。