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Web問診の基本的な運用方法とは?運用するうえでのポイントや注意点を解説

「Web問診の導入を検討しているけど、どのような運用方法になるのだろう……」
「Web問診の効果的な運用方法を知りたい……」

 

このような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

 

Web問診は、聞き漏らしの防止ができるだけでなく、電子カルテとの連携で診療データの分析がしやすいなどのメリットがあります。

 

しかし、Web問診をただ始めるだけでは、失敗に終わってしまうケースもあります。

 

Web問診を成功させるためには、患者のITリテラシーを考慮したり、問診内容を適切に設計したりすることが必要です。

 

本記事では、Web問診の基本的な運用方法について解説します。

 

Web問診の効果的な運用方法や注意点も紹介しているので、参考にしてみてください。

Web問診とは?

Web問診とは?

Web問診とは、来院時に紙に記入していた紙の問診票を、スマホやパソコンを使って事前に入力できる問診票のデジタルサービスです。

 

医師やスタッフは事前に問診票の内容を確認できるため、診察方針や検査内容を検討しやすいです。

 

医療機関だけでなく、患者も待ち時間の短縮や正確な情報伝達ができる点がメリットとして挙げられます。

 

医療機関と患者双方にメリットがあるため、多くの医療機関にWeb問診はおすすめです。

Web問診の仕組み

Web問診は、診察を受ける前に、デジタル化された問診票に情報を入力し、医療機関に送信する仕組みです。医療機関は患者が登録した内容をもとに、診察の方針を決めます。

 

事前に症状や体調、既往歴、服薬状況などの細かい情報がわかるため、診察のタイミングで情報の聞き取りなどを行う必要がありません。

 

また、医師や看護師は情報をもとに事前に準備をしておけるので、診察もスムーズに進みます。

Web問診入力のタイミング

Web問診の入力のタイミングは、4パターンあります。

  • 予約時から来院直前の来院前
  • 来院時の受付
  • 診察の待ち時間中
  • 再診・経過観察の前

最も一般的なのが来院前で、患者は自宅や外出先で落ち着いて問診票の入力ができ、待ち時間につながります

 

来院時の受付では、休館や予約なしの患者でも対応でき、受付でQRコードを読み込みその場で入力する流れです。

 

ほかにも、受付後から診察の順番待ちの間や、再診・経過観察前に入力をして、医療機関に情報を送る流れになります。

Web問診の基本的な運用方法

Web問診の基本的な運用方法

Web問診の基本的な運用方法は、6つの流れで進みます。

  1. Web問診システムの導入準備
  2. 患者への案内
  3. 患者の入力
  4. 医療スタッフの確認
  5. 診察・カルテ連携
  6. フィードバックと改善

それぞれの流れについて解説します。

STEP.1:Web問診システムの導入準備

Web問診を運用するときは、まずWeb問診システムの導入準備を行いましょう。Web問診システムによって、搭載されている機能や料金形態が異なります。

 

システムの選定を行い、電子カルテや予約システムと連携させましょう。

 

電子カルテと接続し、患者が入力した内容が自動でカルテに反映される状態が望ましいです。

STEP.2:患者への案内

Web問診システム準備が終わったあとは、患者にWeb問診を始めることを伝えていきましょう。

 

患者にWeb問診の存在を伝えないと、利用してもらえません。

 

たとえば、予約システムと連携させると、予約後に自動でWeb問診票の入力の流れになります。

 

院内掲示板や公式サイトなどに、Web問診を始めたことを宣伝しましょう。

STEP.3:患者の入力

患者への案内が終わったあとは、診察を受けたい・来院予定の患者が問診票を入力します。

 

「いつから症状が出たか」「服薬中の薬」「アレルギーの有無」などを入力します。

 

保護者が代理入力する小児科や、高齢者の場合は、受付でスタッフがサポートするのもおすすめです。

STEP.4:医療スタッフの確認

Web問診の入力が終わったあとは、スタッフや医師が入力内容を診療前に確認しましょう。

 

外来担当医が診察開始前に、患者の入力内容を一覧画面でチェックします。

 

看護師は、患者ごとの特徴・症状を把握し、診察室に伝えるように行動します。

STEP.5:診察・カルテ連携

医療スタッフの確認が終わったあとは、診察時にWeb問診内容を参照し、電子カルテに反映していることを確認し、診察を開始します。

 

入力内容が電子カルテに自動で転記されるため、医師は診断や処方に集中できる点が魅力です。

 

ただし、患者が登録した内容が100%正しいというわけではないので、電子カルテの内容と聞き取りを照らし合わせながら診察を行いましょう。

STEP.6:フィードバックと改善

Web問診を利用して診察を行ったあとは、運用後の振り返りを行い、問診項目や案内方法を改善しましょう

 

たとえば、患者から入力が長すぎて大変という声がある場合は、質問数を見直す必要があります。

 

ほかにも、医師から症状の経過がわかりにくいという指摘があれば、発症時期を日づけて答える項目を追加すると良いでしょう。

 

フィードバックと改善を繰り返し、質の良いWeb問診にすることを意識してみてください。

Web問診の効果的な運用ポイント

Web問診の効果的な運用ポイント

Web問診の効果的な運用ポイントは、4つあります。

  1. 患者に対してわかりやすい案内にする
  2. プライバシーの保護・セキュリティ強化を徹底する
  3. 電話や対面でのフォローを用意する
  4. 他のシステムとの連携性を確認する

それぞれのポイントについて解説します。

患者に対してわかりやすい案内にする

Web問診を効果的に運用したい場合は、患者に対してわかりやすい案内を意識しましょう。

 

Web問診の存在を知らない患者や、ITに不慣れな人にも利用しやすく伝えることが大切です。

 

たとえば、予約完了メールやSNSに「来院前にこちらをクリックして問診を入力してください」とURLを送付すると、入力してもらいやすいです。

 

ほかにも、クリニック入口や受付に、QRコード付きのポスターを掲示する方法も挙げられます。

プライバシーの保護・セキュリティ強化を徹底する

Web問診の効果的な運用として、プライバシーの保護・セキュリティ・強化を徹底しましょう。医療情報は、個人情報の中でもとくに重要です。

 

通信をSSL暗号化された専用フォームで入力してもらうようにしましょう。

 

また、問診データをクラウド上で保存し、アクセス権限を医療従事者に限定するのがおすすめです。

電話や対面でのフォローを用意する

電話や対面でのフォローを用意する点は、Web問診を効果的に運用するうえで重要なポイントです。

 

全身がスマホやPCを使えるわけではないため、代替手段を準備するのがおすすめです。

 

具体例を挙げると、高齢者が入力できない場合は、受付スタッフが紙問診をもとに入力代行をする方法があります。

他のシステムとの連携性を確認する

Web問診を効果的に運用する際のポイントとして、他のシステムとの連携性を確認しましょう。

 

Web問診単体ではなく、予約システムや電子カルテ・会計システムと連携させることで、効率化が進みます

 

たとえば、予約完了と同時に、問診入力案内を自動送信できると良いでしょう。

 

電子カルテと連携できると、患者が入力した情報がそのままカルテに転記されるので、二度入力が不要です。

Web問診を運用する際の注意点

Web問診を運用する際の注意点

Web問診を運用する際の注意点は、6つあります。

  1. Web問診の対応パターンを複数用意しておく
  2. 患者のITリテラシーを考慮する
  3. 問診内容は適切な設計を行う
  4. システム障害時の対応策を構築しておく必要がある
  5. 運用ルールの明確化とスタッフの教育が必要
  6. 法令・ガイドラインの遵守が必須

それぞれの注意点について解説します。

Web問診の対応パターンを複数用意しておく

Web問診を運用する際の注意点として、Web問診の対応パターンを複数用意するのがおすすめです。

 

患者はスマホ入力ができない場合もあるため、Web問診だけに依存しないようにしましょう。

 

具体例を挙げると、急患や救急外来では、最低限の聞き取りで診療を優先し、あとから補足入力する運用ルールを設けるのが良いです。

患者のITリテラシーを考慮する

Web問診は、患者のITリテラシーを考慮する点に注意しましょう。

 

高齢者や外国人患者は、Web問診の入力にハードルを感じる場合があります。

 

できれば、入力画面は選択式やチェックボックスを中心にして、文章入力を最小限にするのがおすすめです。

問診内容は適切な設計を行う

Web問診を運用する際の注意点として、問診内容は適切な設計を行いましょう。

 

質問が多すぎると、入力が負担になり、少なすぎると必要な情報が不足します

 

具体例を挙げると、一般外来用、発熱外来用、健診用など、診療科・目的別にテンプレートを作成するのがおすすめです。

システム障害時の対応策を構築しておく必要がある

Web問診は、システム障害時の対応策を構築しておく必要があります。

 

クラウド型サービスは、通信障害やサーバーダウンのリスクがあります

 

たとえば、システムが使えないときは、「紙の問診票で対応する」というバックアップ運用を準備しておくと、万が一の際でも対応できるでしょう。

運用ルールの明確化とスタッフの教育が求められる

Web問診を運用するときの注意点として、運用ルールの明確化と、スタッフの教育を行うようにしましょう。

 

Web問診は、誰が確認するか、どのタイミングで確認するかを明確にしないと活かしきれません。

 

具体例を挙げると、外来看護師が診察前に必ず、Web問診を確認し、必要があれば医師に口頭で補足報告するのがおすすめです。

法令・ガイドラインの遵守が必須になる

Web問診を運用するときは、法令・ガイドラインの遵守が必須です。

 

医療情報は、個人情報保護法や、医療情報システム安全管理ガイドラインの対象になります

 

そのため、通信は必ずSSL/TLS暗号化を利用しましょう。

 

また、アクセスログを記録し、誰がデータを見たか追跡できるようにするのがおすすめです。

Web問診に関してよくある疑問

Web問診に関してよくある疑問

Web問診に関するよくある疑問は、3つあります。

  1. 入力ミスや未入力のまま来院するケースはどう防げば良い?
  2. Web問診を導入すると診療の流れを本当に効率化できる?
  3. 個人情報やセキュリティは大丈夫?

それぞれの疑問に対して回答します。

入力ミスや未入力のまま来院するケースはどう防げば良い?

入力ミスや未入力のまま来院するケースでは、必須項目が未入力なら次に進まない仕組みの入力確認アラートを設定するのがおすすめです。

 

ほかにも、予約完了メールや前日SMSで、問診未入力の方はこちらかならといったリマインド通知を送信するのも良いでしょう。

 

高齢者やスマホが苦手な方には、来院時に受付で入力できるタブレットを用意すると柔軟に対応できます。

Web問診を導入すると診療の流れを本当に効率化できる?

Web問診票を、診療科別や症状別にカスタマイズすると、診察に必要な情報がすぐに見えるため、効率化を図りやすいです。

 

また、電子カルテと自動連携すると、スタッフが再入力する手間が不要になります。

 

ほかにも、Web問診を導入すると、医師は診察開始前に内容を把握できるので、診察時間を短縮できます

個人情報やセキュリティは大丈夫?

Web問診は、個人情報やセキュリティを強化する必要があります。

 

通信の暗号化は欠かせず、クラウドサーバーは医療情報ガイドラインに準拠した国内データセンターを利用しましょう。

 

また、アクセス権限の管理を徹底し、必要な職員以外は閲覧できない設定にするのがおすすめです。

まとめ:Web問診の運用方法をしっかりと確認して効率の良い運用を!

まとめ:Web問診の運用方法をしっかりと確認して効率の良い運用を!

Web問診は、患者の満足度向上や、医師の診察効率を高めてくれるおすすめのシステムです。

 

また、聞き漏らしの防止ができるだけでなく、電子カルテとの連携で、診療データの分析がしやすいです。

 

Web問診を効果的に運用したい場合は、患者に対してわかりやすい設計で、電話や対面でのフォローを用意しておくと良いでしょう。

 

多くの医療機関に利用されているので、Web問診が気になる方は、本記事で紹介した内容を参考にしてみてください。