「デジタルサイネージが気になっているけど、導入するメリットやデメリットはなんだろう……」
このような疑問を抱えていませんか?
デジタルサイネージを使用すると、配信したい情報に合わせて画像や映像を選択できます。
ほかにも、視認性に優れており、多くの目に入りやすい点がメリットです。
しかし、デジタルサイネージは、初期費用や運用費用がかかってしまう点や、設置場所によって故障の可能性がある点などのデメリットもあります。
そこで、本記事では、デジタルサイネージには、どのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
配信の流れや導入事例を含めて紹介しているので、デジタルサイネージの導入を検討している方は、参考にしてみてください。
この記事の内容
デジタルサイネージとは?
デジタルサイネージは、電子的な看板や掲示板を指します。
従来のポスターや看板の代わりに、液晶ディスプレイやプロジェクターを使って、映像や情報を表示できるシステムです。
医療機関や商業施設、オフィスなど、さまざまな場所で使用されています。
多くの人の目に留まりやすく、視覚的に魅力のある情報を伝えられる点が魅力です。
認知度を高めたい場合や、多くの人の目に留まるアプローチを行いたい方は、デジタルサイネージの活用が向いているでしょう。
デジタルサイネージを使用するメリット
デジタルサイネージを使用するメリットは、12個あります。それぞれのメリットについて解説します。
配信したい情報に合わせて画像・映像を選択できる
デジタルサイネージは、配信したい情報に合わせて画像や映像を選択できる点がメリットです。
たとえば、医療機関であれば、インフルエンザ対策や花粉症対策などを、デジタルサイネージを利用し、画像や動画でわかりやすく表示できます。
子どもや高齢者にも伝わりやすいビジュアルで、注意喚起や啓発活動に役立つでしょう。
医師や看護師が患者一人ひとりに伝えなくても魅力的な情報を発信でき、来訪する患者に有意義な情報が発信されている医療機関として好評を得やすいです。
さまざまな魅力的な情報を画像や映像で届けられるため、デジタルサイネージは多くの方におすすめです。
小さなスペースで多くの情報を発信・表示できる
小さなスペースで多くの情報を発信・表示できる点は、デジタルサイネージの魅力です。
たとえば、医療機関の待合室の壁にサイネージを設置した場合、診療科案内や検診のお知らせなどを表示できます。
ほかにも、スタッフ紹介や病院からのお知らせなどをスライドで順番に表示可能です。
限られたスペースでも豊富な情報を提供できるため、省スペースで魅力的な情報を発信したい方にデジタルサイネージは向いているでしょう。
視認性に優れており目に入りやすい
デジタルサイネージのメリットは、視認性に優れており、目に入りやすい点があげられます。
ポスターや看板と比べて、存在感を出しやすく、多くの方の目に止まりやすいです。
たとえば、受付カウンター横に設置すると、初診の受付方法やマスク着用・検温のお願いなどを表示できます。
紙の貼り紙よりも患者の注意を引きやすいので、デジタルサイネージは多くの方の目に入りやすい状態を作りたい方に向いているでしょう。
設置場所の制限が少ない
デジタルサイネージは、設置場所の制限が少ない点がメリットです。
たとえば、エレベーターホールや廊下、診察室前など、場所を問わずに設置できます。
電源とネット環境があれば、どこでも運用できるため、デジタルサイネージは省スペースで多くの方の目に入りやすい掲示板を設置したい方におすすめです。
無人で情報提供や告知ができる
デジタルサイネージのメリットは、無人で情報提供や告知ができる点があげられます。
たとえば、初診の受付方法がわからない患者が受付に訪れた際は、受付スタッフが初診の流れを説明する必要があります。
来訪者数の状況によって、混雑を招いてしまい、患者の満足度の低下につながってしまうケースも少なくありません。
しかし、デジタルサイネージを病院の入り口部分に設置すると、初診の受付の流れや方法、休診情報などを自動で表示可能です。
人件費の削減や業務の効率化を図れるため、デジタルサイネージの設置は多くの企業・医療機関におすすめです。
張替えや付け替えの手間がない
張替えや付け替えの手間がない点は、デジタルサイネージのメリットです。
紙ポスターやポスターの場合は、毎回印刷・掲示する必要があります。
しかし、デジタルサイネージだと、掲示する内容に合わせて印刷する必要がなく、表示内容をソフト上で簡単に変更できます。
張替えや付け替え作業による人件費や作業負担を軽減できるため、多くの医療機関・企業に向いているでしょう。
最新情報をリアルタイムで流せる
デジタルサイネージは、最新情報をリアルタイムで流せる点がメリットです。
たとえば、医療機関であれば急な休診や担当医の変更、混雑状況などをリアルタイムで表示できます。
院内の混雑を防げるだけでなく、患者の不満を軽減できるでしょう。
ほかにも、企業であれば新商品の発売状況などを案内できるので、認知度を高めやすいです。
最新情報をリアルタイムで流せるため、多くの企業・医療機関におすすめです。
配信日程や時間スケジュールの管理がしやすい
配信日程や、時間スケジュールの管理がしやすい点は、デジタルサイネージを利用するメリットです。
たとえば、午前中は診療案内、午後は健康教室の案内、夜間は防災情報を表示といった、時間帯に応じて表示したい内容に変更できます。
効果的な情報発信が実現するため、時間帯や日程に合わせて柔軟に配信情報を変更したいという方にデジタルサイネージは向いているでしょう。
AI分析や音声認識システムも利用可能
デジタルサイネージは、AI分析や音声認識システムも利用可能です。
たとえば、AIカメラと連携させることで、視線分析ができ、どのようなコンテンツが患者に注目されているか測定できます。
また、音声認識システムに対応していると、来院者がデジタルサイネージに対して目的の診療科を伝えると、内容に合わせて場所を案内表示することも可能です。
利便性とデータ分析による改善が図れるため、デジタルサイネージは多くの方におすすめです。
多拠点配信が簡単に行える
デジタルサイネージは、多拠点配信を簡単に行える点がメリットです。
たとえば、本院と複数の分院で、健康キャンペーンのお知らせや、インフルエンザ・コロナウイルス対策などのメッセージを、一括で配信・更新できます。
管理の手間が減り、情報の統一性を保てるため、作業負担を軽減したいという場合にも活躍してくれるでしょう。
インバウンドに対応できる
インバウンドに対応できる点は、デジタルサイネージのメリットとしてあげられます。
デジタルサイネージは、英語や中国語、韓国語など、多言語で診療科の案内や注意事項を表示することが可能です。
海外からの患者にもわかりやすく、集客力の強化を図れるでしょう。
海外の方が来訪する機会がある企業や医療機関に、デジタルサイネージはおすすめします。
インタラクティブな体験の提供できる
デジタルサイネージは、インタラクティブな体験を提供できます。
デジタルサイネージでもタッチパネルに対応している商品もあり、来訪者の気になる情報を素早く表示することが可能です。
たとえば、診療科を選ぶ、フロアマップの確認、よくある質問に答えるなど、自己解決ツールとして活躍してくれます。
受付の混雑を緩和してくれるほか、患者の利便性向上につながるため、多くの医療機関・企業におすすめです。
デジタルサイネージのデメリット・注意点
デジタルサイネージのデメリット・注意点は、3つあります。
- 初期費用と運用費用がかかる
- 電源の確保が必須
- 設置場所によって故障の可能性がある
それぞれのデメリット・注意点について解説します。
初期費用と運用費用がかかる
デジタルサイネージの注意点として、初期費用と運用費用がかかる点があげられます。
たとえば、受付やエレベーターホール、待合室など、複数の場所にデジタルサイネージを導入する場合、ディスプレイ代やスタンド、配信システム、設置工事などが必要です。
数十万円から数百万円の初期投資が必要になるため、高額な費用がかかる点を把握しておきましょう。
また、システム利用料やメンテナンス費用などの運用費用も継続的にかかります。
そのため、限られた予算の中で導入するために、どの情報を誰に伝えるかを明確化し、デジタルサイネージの導入台数や範囲を決めるのがおすすめです。
電源の確保が必須
デジタルサイネージのデメリットは、電源の確保が必須という点です。
たとえば、病院の待合室にデジタルサイネージを設置しようとした際に、近くに電源コンセントがない場合は、配線校が必要になる場合もあります。
ほかにも、非常口付近に設置しようとした場合でも、電源の取り回しや消防法の兼ね合いから設置できないというケースもあります。
また、デジタルサイネージは、地震や津波などの災害によって停電が起きた際に、稼働しないケースがあるため、注意しましょう。
事前に電源の位置や電圧容量を確認し、安全かつ効率よく配線できる場所を選定するようにしてください。
設置場所によって故障の可能性がある
デジタルサイネージの注意点・デメリットは、設置場所によって故障の可能性があるという点です。
たとえば、エントランスの自動ドア付近にデジタルサイネージを設置すると、外気や湿気、直射日光の影響で熱暴走や結露が起き、故障につながる可能性があります。
ほかにも、人通りの多い場所に設置した場合、人の接触や物がぶつかってしまい、画面が割れるトラブルが発生するケースもあります。
そのため、デジタルサイネージを導入する際には、高温多湿や直射日光の当たる場所を避け、防塵・防水仕様の機種や保護カバーの設置を検討しましょう。
また、通行の妨げにならないように、壁掛けや天吊設置など、周囲の導線を考慮した配置が必要です。
デジタルサイネージの利用シーン
デジタルサイネージの利用シーンは、以下の5つがあげられます。
- 屋外広告
- 自動販売機
- 飲食店のデジタルメニューボード
- お知らせや総合案内のタッチパネル
- 空間演出・アート演出
それぞれの利用シーンを解説するので、参考にしてみてください。
屋外広告
デジタルサイネージのおすすめ利用シーンでは、屋外広告があげられます。
たとえば、駅前やビルの壁面にある大型LEDビジョンで、企業CMや製品PRを放映する方法があげられます。
ほかにも、病院の敷地前に診療科の案内や休診情報を表示し、通行人にアピールする方法もおすすめです。
高い視認性とインパクトで、不特定多数に広く情報を届けられる点が大きな魅力といえるでしょう。
自動販売機
自動販売機は、デジタルサイネージとして利用されることが多いです。
飲料の自販機に設置されたデジタルパネルで、商品説明や期間限定のキャンペーンの動画を表示することが可能です。
ほかにも、駅構内の自動販売機で、近隣施設の広告や天気情報を配信し、不特定多数の相手に有益な情報を提供できます。
商品購入と同時に広告や情報を届けられるので、購買行動と連動した効果的な訴求ができるでしょう。
飲食店のデジタルメニューボード
ファーストフードやカフェなどの飲食店で、デジタルメニューボードとしてデジタルサイネージを設置する方法もあります。
たとえば、ファーストフード店で、カウンター上部にデジタルメニュー画面を表示することで、待っている方にもメニュー情報を届けることが可能です。
ほかにも、カフェであれば、日替わりメニューや売り切れ情報を、リアルタイムで更新できます。
視覚的に訴求ができ、メニューの変更や価格調整が簡単な点も魅力です。
お知らせや総合案内のタッチパネル
商業施設や病院のエントランスに設置し、お知らせや総合案内のタッチパネルとして活躍することも可能です。
フロアマップや施設案内、目的地検索ができる、インタラクティブ端末として活用し、来訪者の満足度向上を図れます。
来訪者自身が操作できるため、スタッフの案内負担を減らし、混雑緩和にも効果的でしょう。
空間演出・アート演出
デジタルサイネージは、空間演出やアート演出でも活用されています。
たとえば、商業ビルの壁面を使い、四季の風景や自然映像を表示し、リラックス空間を演出しています。
ほかにも、美術館やホテルロビーで、デジタルアートや現代アーティストの映像作品を展示することも可能です。
情報提供だけでなく、空間全体の雰囲気を良くする感性価値の創出としてもおすすめです。
デジタルサイネージ配信の主な流れ
デジタルサイネージ配信の主な流れは、4つのステップで進みます。
- CMSに配信したい画像や映像をアップロード
- 配信スケジュールの設定
- STBに画像や映像をはじめとした情報が届く
- 情報が反映されディスプレイに放映される
それぞれのステップについて解説します。
STEP1.CMSに配信したい画像や映像をアップロード
デジタルサイネージ配信を利用したいときは、まずCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)に配信したい画像や映像をアップロードしましょう。
CMSとは、インターネット上で、画像や動画などのコンテンツを登録・管理・編集できるシステムです。
事前に用意したPowerPointスライドや、動画ファイルをそのまま使えることが多いです。
たとえば、インフルエンザ予防の注意喚起動画や、休診案内の画像をCMSにアップロードすると、表示したい内容を決める際に選択できます。
STEP2.配信スケジュールの設定
CMSに配信したい画像や映像をアップロードした後は、配信スケジュールの設定をしましょう。
配信スケジュールの設定では、いつ・どこで・どのようなコンテンツを再生するか設定します。
たとえば、朝8~12時は外来診療案内、12~17時は健康コラムの動画、土曜日のみ休診日のお知らせなどにすると良いでしょう。
曜日ごとや時間ごとに細かく表示内容を自動で切り替えられるため、時間帯や曜日に合った情報を表示させるのがおすすめです。
STEP3.STBに画像や映像をはじめとした情報が届く
配信スケジュールの設定すると、STBに画像や映像をはじめとした情報が届きます。
STB(セット・トップ・ボックス)とは、CMSから送られてきた情報を受け取り、ディスプレイに送信する小型機器です。
CMSで設定されたコンテンツは、院内にあるSTBにWi-FiやLANケーブルを通じて送信されるため、スタッフが現場でUSBを差し替える手間がありません。
STEP4.情報が反映されディスプレイに放映される
STBにコンテンツ情報が届いた後は、情報が反映されてディスプレイに放映されます。
たとえば、待合室のサイネージに、本日の診察担当医一覧を表示したり、エントランスのモニターで熱中症予防の動画を再生させることが可能です。
表示内容が自動で時間ごとに切り替わるため、表示しないコンテンツの内容は慎重に考えましょう。
デジタルサイネージの導入事例3選
デジタルサイネージの導入事例は、以下の3社があげられます。
- いばらきフラワーパーク
- 京成バス株式会社
- ネッツトヨタ東埼玉株式会社 マイネッツさいたま南
それぞれどのようにデジタルサイネージを導入しているか解説していきます。
株式会社ゾフ
株式会社ゾフは、店舗数の増加により、各店舗のポスター類の配布などの課題を感じていました。
しかし、デジタルサイネージを導入することで、ポスターをデジタル化し、店舗でのオペレーションの負荷を軽減しています。
また、店舗共有のポスターでは対応が難しい外国語対応や、店舗独自のキャンペーン情報なども、掲載できるようになり、店舗個別の対応が取れるようになっています。
参照:日本電気株式会社
京成バス株式会社
京成バス株式会社は、訪日外国人旅行者を含む全ての方に安心してバスに乗車してもらうために、葛西臨海公園駅バス停にデジタルサイネージを導入しています。
サイネージは大型のタッチパネル式液晶モニターを採用しており、バスの接近情報などを表示しています。
また、運行情報や路線図表示エリアと、タッチ操作ができる観光・周辺案内エリアなどを構成し、利用者の満足度促進を図っている状態です。
参照:日本電気株式会社
ネッツトヨタ東埼玉株式会社 マイネッツさいたま南
ネッツトヨタ東埼玉株式会社 マイネッツさいたま南店では、誰でも気軽に立ち寄れるというコンセプトを大切にするために、デジタルサイネージを導入しています。
55型25面の大型マルチスクリーンを導入し、臨場感あふれる映像を表示しています。
また、販売を意識したCM映像や車の紹介だけでなく、これまで見たことのない映像や、パブリックビューイングなどの新たな試みを行い、他店との差別化を図っている状態です。
ほかにも、店舗の外からでも見える大画面を活かし、地域の方が立ち寄れるイベントなどの企画も行っています。
参照:日本電気株式会社
まとめ:デジタルサイネージは多くのメリットがある
デジタルサイネージは、配信したい情報に合わせて画像や映像を選択できます。
また、設置場所の制限が少なく、省スペースを活かして多くの情報を発信・表示できる点が魅力です。
ほかにも、無人で情報提供や告知ができるため、人件費の削減や作業負担を軽減できる点がメリットとしてあげられます。
デジタルサイネージは多くのメリットがあるため、デメリットを確認したうえで導入するか検討してみてください。