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患者満足度の向上を図る取り組み14選!病院に与える良い影響や測り方・調査方法を解説

「患者満足度の向上を図りたいけど、具体的にどのようなことを取り組んだら良いのだろう……」
「患者満足度の測り方を知りたい」

 

このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

 

患者満足度は、病院を経営するうえで重要で、収益に大きな影響を与えます。

 

患者の満足度を上げるポイントはさまざまあり、多様な取り組みを組み合わせて実施することで上昇しやすいです。

 

そこで本記事では、患者満足度の向上を図れるおすすめの取り組みを解説します。

 

患者満足度の測り方・調査方法を含めて紹介しているので、参考にしてみてください。

患者満足度とはそもそも何か

患者満足度とはそもそも何か

患者満足度とは、医療サービスを受けた患者がその経験や結果に対してどのくらい満足しているかを表す概念です。

 

単に治療の成功だけでなく、患者が医療機関との関わり全体を通して感じた満足度を総合的に評価するもので、定量的データで出すことが多いです。

 

定量的データで出すことにより、病院内の部署間や時系列で比較しやすいほか、客観性・信頼性のある情報で経営判断が行えます。

 

たとえば、医師の対応が良かったとしても看護師や受付の対応が悪かった場合は、患者満足度が低下する可能性があります。

 

また、医師や看護師、受付スタッフの対応が良かったとしても、待ち時間が長かったり、病院・診療所が清潔でなかったりすると、患者満足度が低下しやすいです。

 

そのため、集患を図りたいときは、患者満足度を重視する必要があります。

患者満足度向上が病院に与える良い影響

患者満足度向上が病院に与える良い影響

患者満足度の向上が病院に与える良い影響は、主に3つあります。

  1. 評価や信頼性が向上する
  2. リピート率が高まり集患が期待できる
  3. 医療機関の経営状況改善につながる

それぞれの影響について解説していきます。

評価や信頼性が向上する

患者満足度の向上を図ると、患者や第三者からの評価や信頼性が向上しやすいです。

 

患者満足度が高いと、口コミや地域での評判が良くなり、医療機関に対する信頼感が高まります。

 

たとえば、医師や看護師が丁寧に説明を行い、患者が安心して治療を受けられる環境を構築すると、「説明がわかりやすい」「安心して通える」という口コミをしてもらえたり、評判を広めてもらえたりする可能性があります。

 

また、日本医療機能評価機構などの第三者評価でも、患者対応に関する項目が高得点になり、病院の公的信頼性が向上しやすいです。

リピート率が高まり集患が期待できる

リピート率が高まり集患が期待できる点は、患者満足度の向上による良い影響として挙げられます。患者満足度が高いと「次もここに行こう」と考えてもらいやすく、再来院率が高まります。

 

また、口コミや紹介を通じて、新規患者の獲得にもつながりやすいです。

 

たとえば、高齢患者が家族に「このクリニックは丁寧に診てくれる」と伝えた場合は、家族自身も受診先として選んでくれる可能性があります。

 

さらに、口コミから地域内で「安心して任せられる病院」として認知され、自然に新しい患者が集まりやすいです。

医療機関の経営状況改善につながる

患者満足度が向上すると、医療機関の経営状況改善につながります。患者数の増加だけでなく、長期的な信頼環境の構築により、安定した収益が得やすいです。

 

また、苦情やトラブルの減少につながるため、事務職員や看護師の対応コストが減り、負担軽減を図れます。

 

ほかにも、評判が良い病院は採用活動にもプラスに働き、優秀な医療従事者が集まりやすくなります。

患者満足度の向上を図るおすすめの取り組み14選

患者満足度の向上を図るおすすめの取り組み14選

患者満足度の向上を図れるおすすめの取り組みは、主に14個あります。

  1. コミュニケーションを大事にする
  2. 清潔感がありリラックスできる空間を作る
  3. 待ち時間の短縮や見える化
  4. スタッフの定期的な接遇研修
  5. 患者の相談窓口を開設する
  6. 入院患者の食事や交流を工夫する
  7. チーム医療の推進
  8. プライバシーへの配慮
  9. わかりやすい案内・サインの設置
  10. 治療やケアの選択肢を提示する
  11. 高齢者・障がい者への配慮
  12. アフターケア・フォロー体制の充実
  13. 地域との連携や家族支援
  14. 医療従事者が働きやすい環境を作る

それぞれの取り組みについて解説します。

1.コミュニケーションを大事にする

患者満足度の向上を図りたいときは、患者に寄り添った丁寧なコミュニケーションを取りましょう。

 

たとえば、診療後に「不安なことがありませんか?」と一言添えたり、専門用語を避けてわかりやすく説明したりすると良いでしょう。

 

ほかにも、処置中に看護師が「少し痛みますが大丈夫ですか?」といった心配の声をかけるのがおすすめです。

 

丁寧にコミュニケーションを取ることで、患者に安心感を与えられるほか、患者と医療者の信頼関係を強化できます。

2.清潔感がありリラックスできる空間を作る

患者満足度の向上を図る取り組みとして、清潔感がありリラックスできる空間を作るという方法が挙げられます。病院の第一印象は、清潔さや快適さで決まることが多いです。

 

たとえば、病院が不清潔な状態だと、衛生管理が徹底できていないという印象を与え、患者の満足度が低下しやすいです。

 

とくに、医師や看護師などの身だしなみが注目されやすい傾向にあります。

 

なかでもヘアスタイルや爪が重要で、目元や耳元を出してしっかりと顔が見えていたり、手のひらから見たときに爪が見えない程度の長さだったりすると良いでしょう。

 

ほかにも、服装に汚れやしわがないか、ひげは剃っているかなどを確認することが大切です。リラックスできる空間では、観葉植物やソファー席を設置したり、水の流れる音や小鳥の声など自然音を採用したりすると良いでしょう。

 

清潔感やリラックスできる空間を意識することで、患者の不安を軽減し、安心できるという印象を与えられます。

3.待ち時間の短縮や見える化

患者満足度を向上させたいときは、待ち時間の短縮や見える化を図るのがおすすめです。病院に不満を抱えやすいポイントとして、「待ち時間」が挙げられます。

 

待ち時間を短縮する方法として、予約システム・受付システムを導入することで、予約から受付までの業務をスムーズにし、患者のストレスを減少させやすいです。

 

また、外来フロアに現在の待ち時間を掲示することにより、患者が時間管理をしやすいため、満足度につながります。

 

待ち時間の短縮や見える化を図ることで、患者のストレス減少やクレーム削減効果が期待できます。

4.スタッフの定期的な接遇研修

スタッフの定期的な接遇研修の実施は、患者満足度向上におすすめの取り組みです。接遇は個人差が出やすく、病院全体で水準を揃えることが大切です。

 

具体例を挙げると、年2回ほど外部講師を招いて接遇マナー研修を実施したり、ロールプレイで患者役を体験し、患者視点を学んだりすると良いでしょう。

 

接遇研修を行うことで、患者からの印象が安定し、どのスタッフも丁寧という安心感を与えられます

5.患者の相談窓口を開設する

患者の満足度向上を図る取り組みとして、患者の相談窓口を開設するのも検討してみてください。患者が相談しやすい環境を整えることで、不満がトラブルに発展する前に解決できます

 

たとえば、患者サポートセンターを設けて、専任のスタッフが対応したり、匿名の投書箱やオンラインフォームを用意したりするのがおすすめです。

 

患者の声を早期に把握し、改善に役立てると患者満足度が向上します。

 

ほかにも、医療相談室を設置し、医療に関する内容だけでなく、家庭や仕事などを含めた相談ができる環境を構築すると、「気軽に相談できる病院」として患者の満足度を向上させやすいです。

6.入院患者の食事や交流を工夫する

入院患者の食事や交流を工夫すると、患者満足度の向上を図れます。

 

たとえば、七夕やクリスマスなどの行事食を提供したり、ボランティアによる音楽イベントやアートワークショップなどのイベントを取り入れたりすることで、単調になりやすい入院生活に色を添えられます。

 

患者の生活の質(QOL)の向上が期待できるほか、病院の温かみを感じてもらいやすいです。

7.チーム医療の推進

患者満足度の向上を図りたいときは、医師・看護師・薬剤師・リハビリ専門職といった多様な医療専門職が連携・協働して取り組む「チーム医療」の推進を図りましょう。

 

職種間の連携がスムーズだと、患者は一貫したケアを受けられます

 

具体例を挙げると、退院前カンファレンスに、医師や看護師・薬剤師・リハビリスタッフが参加したり、電子カルテに共通のメモ欄を作って全スタッフが患者の要望を共有したりするのがおすすめです。

 

説明の食い違い防止を行い、患者の安心感と信頼性が高まりやすいです。

8.プライバシーへの配慮

患者の満足度を向上させる取り組みとして、プライバシーへの配慮も挙げられます。

 

患者は診察を受ける際に、人に聞かれたくない・知り合いに見られたくないと感じている方も少なくありません。

 

たとえば、受付で番号札を利用し、名前を大声で呼ばないようにしたり、処置室のカーテンや仕切りを工夫して、視線を遮ったりすると良いでしょう。

 

プライバシーに配慮することで、安心して症状を話すことができ、正確な診断や治療にもつながります。

9.わかりやすい案内・サインの設置

わかりやすい案内やサインの設置は、患者満足度の向上を図る取り組みとしておすすめです。

 

とくに総合病院は、さまざまな診療科が入っており、迷いやすい場合があります。

 

たとえば、小児科は赤いライン・内科は緑のラインと床に色ラインを引いておくことで、迷子になってしまう方を減らすことが可能です。

 

ほかにも、英語や中国語などの多言語対応の案内板を設置することで、外国人患者の不安を解消しやすいです。

10.治療やケアの選択肢を提示する

患者の満足度向上を図る取り組みとして、治療やケアの選択肢を提示しましょう。

 

具体例を挙げると、治療法Aの手術と、治療法Bの薬物療法では、それぞれどのようなメリット・デメリットを説明すると、患者は納得した治療・ケアを選択できます。

 

ほかにも、セカンドオピニオンの案内を積極的に行うことで、患者は安心しやすいです。

 

患者が主体的に治療を選択できる環境を構築すると、患者は納得した状態で治療を受けやすく、自己決定が尊重される喜びから満足度が向上しやすいです。

11.高齢者・障がい者への配慮

高齢者や障がい者への配慮を行うと、患者の満足度が向上しやすいです。

 

なかでも、誰もが安心して利用できるユニバーサルデザインを意識すると良いでしょう。

 

たとえば、車椅子対応の受付カウンターを設置したり、視覚障がい者向けに点字や音声案内を導入したりするのがおすすめです。

 

高齢者や障がい者への配慮した環境を構築することで、どのような患者にも選ばれる病院づくりが可能です。

12.アフターケア・フォロー体制の充実

患者の満足度の向上を図りたいときは、アフターケア・フォロー体制を充実させましょう。

 

アフターケア・フォロー体制を充実させることで、治療後の不安を軽減し、再発防止や健康維持につながります。

 

具体例を挙げると、手術後に看護師が定期的に電話で体調を確認したり、アプリで服薬管理やリハビリ進捗をサポートしたりすると良いでしょう。

 

アフターケア・フォロー体制を充実させることで、再来院にも繋がり、患者の信頼を長期的に維持できます。

13.地域との連携や家族支援

患者満足度の向上を図る取り組みでは、地域との連携や家族支援が挙げられます。患者だけでなく、家族や地域を巻き込んだケア・支援を行うことで、安心感を広げられます。

 

たとえば、地域の介護施設や薬局と連携し、退院後も支援できる体制を整えたり、家族向けに病気と生活の工夫に関するセミナーを実施したりするのがおすすめです。

 

患者だけでなく家族から「この病院は頼れる」と信頼され、地域全体での評価が上がりやすいです。

14.医療従事者が働きやすい環境を作る

患者満足度の向上を図りたいときは、医療従事者が働きやすい環境を作りましょう。スタッフの余裕は、患者の満足度に直結します。

 

たとえば、スタッフに余裕がない状況だと、笑顔が不自然になったり、些細なことで対応が雑になったりする可能性があります。

 

一方、スタッフが働きやすい環境だと、余裕が生まれやすく、笑顔や対応が自然になり、結果として患者満足度が向上しやすいです。

 

医療従事者が働きやすい環境を作るためにできることとして、過度な長時間勤務や連続勤務を避け、余裕を持ったシフトを組んだり、院内保育所や子育て支援制度を充実させたりすると良いでしょう。

患者満足度の測り方・調査方法

患者満足度の測り方・調査方法

患者の満足度の調査は、4つの流れで進めます。

  1. 患者向けアンケートを作成
  2. アンケートの実施・収集
  3. データ分析・改善方法の決定
  4. 患者満足度の改善施策の実施

それぞれの流れについて解説します。

STEP.1:患者向けアンケートを作成

患者の満足度調査を行いたいときは、まず患者向けアンケートを作成しましょう。

 

患者向けアンケートを作ることで、患者が病院やクリニックに、どの程度満足しているかを客観的に判断できます。

 

たとえば、診察の項目では「医師の説明がわかりやすかったか」看護については「看護師の対応は丁寧だったか」環境に関しては「待合室の清潔さや快適さに満足しているか」などの内容を入れるのがおすすめです。

 

また、「非常に不満」から「非常に満足まで」の5段階評価と自由記述欄を組み合わせると、数値と意見の両方を把握できます

 

ほかにも、患者向けアンケートは、自院でやる方法のほかに、外注する方法もあります。外注する場合は、費用が発生しますが、アンケート作成にかかる手間や負担を削減できる点がメリットです。

 

アンケートの作成だけでなく、実施やデータ分析まで対応してくれる会社も多いため、自院での患者満足度調査が難しい場合は外注も検討してみてください。

STEP.2:アンケートの実施・収集

患者向けアンケートを作成した後は、アンケートの実施・収集を行いましょう。

 

たとえば、外来患者に対しては、会計時に紙のアンケートを渡したり、タブレットで回答してもらったりするのがおすすめです。

 

入院患者の場合は、退院時にアンケートを配布し、病棟で回収すると良いでしょう。

 

オンライン診療のときは、診療後にメールやLINEでURLを送信する方法が挙げられます。

STEP.3:データ分析・改善方法の決定

患者向けのアンケートを実施・収集した後は、データ分析や改善方法を決定しましょう。

 

5段階評価にしている場合は、5段階評価の平均値を算出し、現状患者満足度がどのくらいなのか総評を把握します。

 

また、自由記述に関しては改善すべきポイントであることが多いため、どのように対応していくか改善策を練る際の参考にするのがおすすめです。

STEP.4:患者満足度の改善施策の実施

データ分析を行い、改善策を決定した後は、改善施策を実施していきます。

 

調査で明らかになった課題を改善して対応していくことで、患者の満足度が向上しやすいです。

 

ただし、一度の改善だけでなく、定期的にアンケートを実施して改善効果を数値で確認し、再度改善していく「PDCAサイクル」を回すことが大切です。

まとめ:信頼性や集患率を高めるためにも患者満足度は大切にしよう!

まとめ:信頼性や集患率を高めるためにも患者満足度は大切にしよう!

患者満足度を向上させることで、信頼性や集患率が高まりやすいです。

 

収益の安定化につながるだけでなく、地域全体での評価も上昇するため、患者満足度の向上につながる取り組みは多くのメリットがあるといえるでしょう。

 

患者満足度を向上させたい方は、本記事で紹介した取り組みを検討してみてください。