インターネットが普及した昨今では、病院のホームページ運用は必須となっています。
病院によって、「集客」や「認知拡大」など、ホームページを作成する目的もさまざまです。
しかし、病院がホームページ運用を成功させるにはコツがあるため、ただホームページを作成しても目的を達成するのは困難でしょう。
そこで本記事では、病院のホームページ運用を成功させる秘訣を紹介します。有効な施策や注意点、運用が上手くいかない理由も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の内容
病院のホームページ運用を成功に導く9つのコツ
では早速、病院のホームページ運用を成功に導くために、知っておきたい9つのコツを紹介します。
- 目的を明確化する
- 掲載すべき項目を整理する
- 患者にとって有益な情報を発信する
- 外観や院内の写真を掲載する
- 予約などの導線をわかりやすくする
- ユーザビリティに配慮する
- スマートフォンの閲覧に最適化する
- システムを導入する
- 良質な口コミを増やす
目的を明確化する
ホームページ制作は、目的によってやるべき施策が異なるため、目的を明確化する必要があります。
目的が曖昧なままでは、軸が定まらず効果的なホームページ運用はできません。
目的を明確化してから取り組めば、必要なコンテンツを把握できるため、ホームページを最適化できます。
掲載すべき項目を整理する
患者が検索から自院のホームページにたどり着いても、知りたい情報を得られなければ途中で離脱される恐れがあります。
病院のホームページに掲載したい項目を以下にまとめます。
- 病院紹介(名称・所在地・連絡先・経営方針)
- 院長挨拶
- 診察科目・担当医
- 診療時間・休診日
- 料金
- 交通アクセス
- フォーム(問い合わせ・予約)
- 病院の外観や院内の写真
- 採用情報
病院のことを知らない患者が見ても、どんな病院なのかをイメージできるように、掲載する項目を整理してください。
採用情報を掲載すれば、ホームページを求人募集ツールとして活用できます。
患者にとって有益な情報を発信する
コラムや季節情報の発信など、患者にとって有益な情報を発信するのも大切です。
患者の中には、病気や健康維持について知りたいと思ったとき、インターネットで検索することも多くあります。
病院のホームページに、健康や病気に関するコラムや季節情報があれば、キーワードから病院のホームページを知るきっかけになるでしょう。
なお、コラムや季節情報を発信する際は、医師監修であるかも大切です。専門的な知識を持つ医師が携わっていれば、説得力が増し患者に安心感を与えられます。
外観や院内の写真を掲載する
外観や院内の写真は、病院を全く知らない患者に役立つ情報です。
病院について調べたとき、ホームページに病院外観の写真があれば目印になるので、迷わずたどり着けるでしょう。
初めて来院する場合も、院内の写真で雰囲気をイメージできれば、患者に安心感を与えられます。
予約などの導線をわかりやすくする
病院にとって、導線管理は非常に重要です。
Web予約をする際、予約フォームにたどり着くまで時間がかかったり、そもそもどこにあるのかわかりづらかったりすればストレスを感じるでしょう。
予約などの導線は、誰が見てもわかりやすいように意識してください。
ユーザビリティに配慮する
病院のホームページがおしゃれでも、使い勝手が悪ければ途中で離脱される恐れがあります。
ファーストビューが見やすいことも重要です。ファーストビューとは、患者が病院のホームページにアクセスして目にする、スクロールなしで表示される範囲を指します。
ファーストビューに知りたい情報が記載されていなければ、使い勝手が悪いと感じるでしょう。
ファーストビューが見やすければ、ユーザビリティの高いホームページと判断できます。
レイアウトを決める際は、ユーザビリティに配慮しているかを確認してください。
スマートフォンの閲覧に最適化する
インターネットの普及に伴い、パソコンだけでなくスマートフォンで病院のホームページにアクセスする患者が増えています。
パソコン向けに構築されたホームページを、スマートフォンで閲覧するとレイアウトが崩れることに留意しましょう。
レスポンシブデザインを採用したホームページなら、デバイスに合わせてサイズを最適化できます。
システムを導入する
システムを導入すれば、ユーザビリティの向上につながります。
導入例を以下にまとめました。
予約システム | オンライン診療 |
---|---|
Webから簡単に空き状況の確認や予約を取れる 患者の手間を省ける 都合の良い時間に利用できる |
来院の手間がかからない 交通費や待ち時間を削減できる 来院が難しい患者に医療を提供できる |
患者にとって利用しやすいシステムを導入すれば、病院のイメージアップにもつながるでしょう。
良質な口コミを増やす
患者にとって初めて利用する病院には、不安がつきものです。ホームページから得られる病院の基本情報だけでは、不安を解消できないこともあるでしょう。
そこで、実際に病院を受診した人の口コミを確認すれば、具体的な情報を入手できます。
しかし、悪い口コミばかりでは病院のイメージダウンにつながります。ホームページ運用を成功させるには、良い口コミを増やすのも重要です。
新規開業の病院なら、直接患者にお願いする方法があります。ただし、患者にはサービス向上など目的を伝えることも大切です。
院内に口コミ用のQRコードを記載したポップを設置すれば、患者は気軽に口コミを投稿できます。
また、口コミには必ず返信することも大切です。自分が投稿した口コミに返信があれば、患者に好印象を与えられます。真摯に返信すれば、病院のイメージアップにつながるでしょう。
病院のホームページ運用を成功に導く7つの施策
では次に、病院のホームページ運用を成功に導く施策を紹介します。
- SEO対策
- MEO対策
- リスティング広告
- SNS運用
- LINE
- ポータルサイト
SEO対策
SEO対策とは、ホームページの内容を最適化して、検索結果の上位に表示させる施策です。
そもそも、検索エンジンに認識されなければ、検索結果上位には表示されません。
狙ったキーワードの検索結果で上位に表示されなければ、ユーザーの目には留まらないでしょう。
ホームページで集客するには、SEO対策が欠かせません。
SEO対策の種類は、大きく3つあります。
- コンテンツ施策:ユーザーに有益な情報を発信する上質なコンテンツ制作
- 内部対策:サイト内で行う(見出しタグ・内部リンクなど)
- 外部対策:外部サイトからの被リンクを獲得する
また、SEO対策では、サイトの評価基準を高める「E-E-A-T」や、セキュリティリスクを軽減する「SSL化」なども必要です。
E-E-A-TやSSL化でサイトを最適化すれば、より検索結果の上位表示を狙いやすくなるでしょう。
なお、ページ高速化やスマホ最適化といった、ユーザビリティへの配慮も必要です。
MEO対策
MEO(Map Engine Optimization)対策は、マップエンジン最適化の意味を持ちます。
患者が病院の場所を知りたいときに、検索によりGoogleマップで上位表示させる施策のことです。
MEO対策は飲食店が取り入れる施策としても知られていますが、Googleビジネスプロフィールに登録すれば、病院のホームページにも活用できます。
Googleビジネスプロフィールは、無料で利用できる他、写真や投稿なども追加できます。
リスティング広告
リスティング広告(検索連動型)とは、あらかじめ設定したキーワードで検索したときに、上部の枠に掲載される広告です。目に留まりやすいため、高い集客効果が期待できます。
リスティングの料金形態は、クリック課金方式です。
- クリック回数で料金が決まる
- 費用を自由に設定できる
- クリックされなければ費用は発生しない
上記のようなメリットがありますが、クリック回数が多いと費用が高くなることに留意しましょう。
SNS
SNSは情報拡散力に優れているので、ユーザーとの接点を増やしたいときに有効です。
患者とコミュニケーションを図れるので、SNSからホームページへの誘導もしやすいでしょう。
ただし、常に最新の情報を発信する必要があります。
LINE
LINEも手軽に利用できるコミュニケーションツールです。病院の公式アカウントを開設し、友だち登録してもらえばチャットでやり取りできます。
LINEユーザーなら、アプリをダウンロードしなくても、オンライン診療を利用できるのも魅力です。
ポータルサイト
ポータルサイトに登録するのも有効です。
医療機関専門のポータルサイトの多くは、SEO対策を導入しているので、検索結果に上位表示されやすくなります。
病院の存在を知らない人でも、エリアや診療科目などのキーワードから、自院を認知してもらえる可能性があります。
病院のホームページ運用における注意点
病院のホームページ運用には、いくつか注意したい点があります。
- 医療広告ガイドラインを遵守する
- 常に最新の情報を発信する
- 情報は正確かつ誤解を招かないように記載する
- 専門家のリーガルチェックを受ける
- 専門用語には解説をつける
医療広告ガイドラインを遵守する
医療広告ガイドラインとは、病院や診療所の広告に関する指針をまとめたものです。
2018年の医療法改正により、病院のホームページも広告規制の対象になりました。
もし、ガイドラインに違反すると、6ヶ月以下の懲役または、30万円以下の罰金が課せられる場合があります。
ガイドラインに違反して処罰の対象となれば、病院のイメージを損ないかねません。病院のホームページを作成する場合は、医療広告ガイドラインを遵守してください。
常に最新の情報を発信する
ホームページに記載する情報は、こまめに更新して常に最新の情報を発信してください。
情報更新を怠り古い情報のまま放置すると、検索エンジンに信頼性が低いサイトと認識される恐れがあります。信頼性が低いサイトは、上位表示されません。
その結果アクセス数が減れば、集客にも影響する恐れがあります。
最終更新日から長期間更新されていないホームページは、ネガティブな印象を与えるので、定期的に見直しと更新を心がけてください。
情報は正確かつ誤解を招かないように記載する
病院のホームページで発信する情報は、正確であることも重要です。
誤解を招くような記載は、医療広告ガイドライン違反となる恐れがあります。
誤解を招くような表現を避け、正確な情報を発信してください。
専門家のリーガルチェックを受ける
そして、専門家のリーガルチェックを受けるのも重要です。
ホームページに記載する内容を精査しても、見落としにより誤った情報を発信すれば、病院の信頼を損ねます。一度失った信頼を取り戻すのは困難です。
こうしたリスクを回避するには、専門家のリーガルチェックが欠かせません。
専門用語には解説をつける
コンテンツによっては、専門用語を使用せざるを得ないこともあるでしょう。
しかし、内容を素人が理解できなければ、どんなに有益な情報でも理解してもらえません。
専門用語を使用する場合は、必ず解説を付けてください。難しい内容でも理解しやすければ、患者にも受け入れてもらえるでしょう。
病院のホームページ運用が上手くいかない理由
では最後に、病院のホームページ運用が上手くいかない理由を紹介します。
- そもそも患者に認知されていない
- 新規開拓が難しい
- 他院との差別化ができていない
- 口コミが少ない
- システムを導入していない
そもそも患者に認知されていない
患者が病院の存在を認知していなければ、選択肢の候補には選ばれません。
同じエリアに効果的なホームページ運用をしている病院があれば、患者は他の病院を選ぶでしょう。
また、SEO対策やMEO対策などを実施していなければ、検索結果の上位に表示されないため認知拡大は期待できません。
新規開拓が難しい
病院は、新規開拓が難しいのも要因です。
飲食店やスーパーなら、目的や状況に応じてお店を変えることもあるでしょう。
しかし、かかりつけの病院がある患者は、そう簡単に病院を変えようとしません。
他院との差別化ができていない
そして、他院との差別化を図れていないのも失敗する原因です。
かかりつけの病院があっても、他にはない強みや患者にとって魅力に感じる要素があれば、病院を変えるきっかけを作れる可能性があります。
他院にはない、自院ならでは強みを効果的にアピールすれば、集客につなげられるでしょう。
口コミが少ない
口コミが少ない病院は、信頼してもらえない可能性があります。
また「口コミが少ない=評価基準に達していない」といったネガティブな印象を持たれかねません。
口コミはあくまでも参考程度にすぎませんが、口コミが多いほどたくさんの患者が利用しているというポジティブな印象を与えます。
システムを導入していない
近年インターネットの普及に伴い、Web予約システムを導入する病院が増えています。
予約制の病院が、予約システムを導入していない場合、患者は電話で予約しなければなりません。
診療時間内に電話をかけられなかったり、電話が集中してつながらなかったりすれば、面倒になり他の病院に乗り換えられる恐れがあります。
Web予約システムがあれば、患者は24時間365日都合の良いタイミングで予約を取れるので、顧客満足度の向上につながるでしょう。
病院のホームページ運用は代行会社への依頼がおすすめ
ここまで病院のホームページ運用のコツや成功のポイントを紹介してきました。
しかし、ホームページ運用には、時間と手間がかかります。
もし、自院でのホームページ運用が難しいなら、代行会社に依頼するのがおすすめです。
ノウハウを持つスタッフに一任できるため、効果的なホームページを実現できます。
ホームページ運用にかかるリソースを削減できれば、スタッフは本業に注力できるので、医療サービスの品質向上にもつながるでしょう。
まとめ:病院のホームページを効果的に運用して集客力を高めよう
インターネットの普及に伴い、患者は手軽に知りたい情報を入手できるようになっています。
初めて来院する病院の情報がわかれば、患者に安心感を与えられます。
病院のホームページ運用を成功させるにはコツがありますが、本記事で紹介した情報を参考にして病院のホームページを効果的に運用し、集患につなげてください。