早期であれば内視鏡による治療が可能。予防のためにできることを知り、少しずつ実践していくことが大切
大腸がんは、現在では男女ともに罹患率および死亡率の高いがんのひとつです。特に40歳を過ぎると発症リスクが高まるとされています。しかし、大腸がんは「予防できるがん」「早期に見つければ治るがん」でもあります。だからこそ、今の私たちができることを知り、少しずつ実践していくことが大切です。
最も基本的かつ効果的な対策は、定期的な検診です。便潜血検査は手軽で、多くの自治体で受けることができ、大腸がん発見のきっかけになります。ただし、より確実な早期発見を目指すには、大腸内視鏡検査が有効です。内視鏡検査では、がんを直接確認できるだけでなく、「がんの前段階」である大腸ポリープをその場で切除することができ、発症予防にもつながります。特に、ご家族に大腸がんの既往歴がある方は、早めの検査を強くおすすめします。
また、日々の生活習慣を見直すことも大腸がん予防には有用と考えられます。動物性脂肪や加工肉の多い食事はリスクを高める一方で、野菜・果物・豆類・穀物などに含まれる食物繊維は、腸内環境を整え、有害物質の排出を助ける働きがあります。たとえば、野菜をもう一皿増やす、肉料理の代わりに魚や大豆製品を取り入れるといった、小さな工夫から始めてみましょう。
さらに、運動習慣の確立も予防に効果的と考えられます。運動不足や座りっぱなしの生活は腸の動きを鈍らせ、便秘や腸内環境の悪化を招きます。毎日30分ほどのウォーキングや軽い筋トレでもよいので、無理なく継続できる習慣を意識してみてください。
加えて、喫煙や過度の飲酒も大腸がんのリスクを高めることが分かっています。ストレス解消や習慣の一部になりがちですが、健康への影響を考えて見直す機会を持つことが大切です。
「予防」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、私たちの日々の選択――食事、運動、定期検査――の積み重ねが、将来の健康を大きく左右します。大腸がんは早期であれば内視鏡による治療が可能で、生活への影響も最小限に抑えることができます。まずは検査を受けて、自分の体についての理解を深めましょう。
- 新宿内視鏡クリニック
- 金子 建介 院長 & 金子 佑香 副院長
- 新宿区/西新宿/西新宿五丁目駅
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