小児のアトピー性皮膚炎の原因・症状とは?

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2人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
小児のアトピー性皮膚炎の原因・症状・治療方法

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皮膚の荒れが食物アレルギーの原因に

アトピー性皮膚炎と診断がつけられていない方が多く見られます。これは、アトピーと診断されると「うちの子、アトピーなんだ……」と傷ついてしまいがちな親御さんたちへの配慮があってのことかもしれません。しかし、アトピーと診断がつかず、お薬を使わないと悪化してしまうケースが往々にしてあります。アトピーは繰り返す性質もあり、厄介な疾患であることは確かですが、しっかりコントロールすれば治る病気ですので、その性質も含め、医師がしっかり情報を伝えることが大切です。

ひと昔前までは、食物アレルギーがあるから皮膚が荒れていく、という見方がありましたが、現在は逆で、皮膚が荒れているから食物アレルギーになってしまうという見方が定説になってきています。皮膚をきれいにしてあげることで将来のリスクを軽減することにもつながりますので、アトピー性皮膚炎との診断があれば、しっかりと治療をされることをお勧めします。

田中 裕 院長

しんゆりこどもアレルギークリニック

田中 裕 院長

  • 川崎市麻生区/上麻生/新百合ヶ丘駅
  • 小児科 ●アレルギー科

症状がない、また症状が出てもお薬をあまり必要としない状態になり、それを維持できることを目指す

特徴
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな刺激に皮膚が反応して炎症が生じやすくなります。また皮膚症状は悪くなったり改善したりをくり返し、年齢ともに強いかゆみのある湿疹に変わっていきます。
アトピー性皮膚炎の方は乾燥肌の方が多く、ただの乾燥かな?と思っていても実は湿疹だったりすることもございます。気になる点がありましたら、受診する際にぜひ皮膚の良い状態、悪い状態を撮影して持参していただくと良いでしょう。

症状
赤くなってブツブツができたり、カサカサと乾燥して皮膚がむけたり皮膚に炎症を起こします。乳児期は頭や顔に始まり、次第に体や手足に進行します。しつこい乳児湿疹を繰り返しているお子さんは要注意になります。
幼児、学童期になると首や手足の関節に皮疹ができやすい傾向があります。適切に治療しないと掻きむしって血が出るほどの状態になっていることも多々あります。

治療
アトピー性皮膚炎の治療の目標は「症状がない、または時々症状が出ても軽くてお薬もあまり必要としない状態になり、それを維持できること」になります。
治療は①外用薬、②皮膚を守るスキンケア、③悪化因子の対策が三本柱になります。
外用薬は主にはステロイドの塗り薬になります。発疹の状態、場所、年齢によって強さの違うステロイドを使い分けます。
また、アトピー性皮膚炎の状況によって塗り方(量や頻度)を適宜変えることで効果が変わってきます。いつどうやってどのくらい塗れば良いのか、かかりつけの皮膚に詳しい先生に聞いてみましょう。アトピー性皮膚炎は慢性的な疾患なので、どうやってステロイドを減らしたら再発しにくいか?が医師の力の見せ所でもあります。また、中にはステロイドの使用が怖いとおっしゃる親御さんもいらっしゃいます。近年はステロイド以外の外用薬もたくさん登場しております。どのような際にステロイドを使うのか、ステロイド以外の外用薬で対応できるのかなど個々に考えることが可能です。ステロイドに抵抗のある方は遠慮せずに伝えてみるのが良いでしょう。

予防
スキンケアと悪化因子の対策が主にアトピー性皮膚炎の予防になります。
アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しています。これを正常に戻すための基本は丁寧な洗浄と保湿になります。年齢に応じた洗い方や保湿剤の使い方をかかりつけで聞いてみましょう。

梶原 久美子 院長

とどろきキッズクリニック

梶原 久美子 院長

  • 世田谷区/等々力/等々力駅
  • 小児科 ●アレルギー科
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