睡眠時無呼吸症候群の原因・症状とは?
睡眠時無呼吸症候群(スイミンジムコキュウショウコウグン)の原因
呼吸中枢の働きが低下するために起こる中枢性睡眠時無呼吸と、肥満や舌・下あごの形状によって閉塞して空気が通らなくなる閉塞性睡眠時無呼吸とがある。また、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、扁桃の肥大、飲酒や向精神薬などによる筋緊張の低下も原因となる。
睡眠時無呼吸症候群(スイミンジムコキュウショウコウグン)の症状
一晩に10秒以上の無呼吸状態が30回以上みられるもの、あるいは1時間の睡眠中に無呼吸もしくは低呼吸が5回以上みられるものをいう。睡眠時の大きないびき、日中の強い眠気などの症状をともなう。
睡眠時無呼吸症候群(スイミンジムコキュウショウコウグン)の治療
肥満や耳鼻科の病気が原因となっている場合は、その治療をおこなう。マウスピースの処方や、重症の場合、鼻につけたマスクから空気を流して呼吸を補助するCPAP療法も有効。
【受診科目】
- 内科
- 呼吸器内科
- 脳神経内科
- 耳鼻咽喉科
※10人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
睡眠時無呼吸症候群の原因・症状・治療方法
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何より怖いのは、突然死のリスクが上がってしまうこと
睡眠時無呼吸症候群(以下、SAS)の患者さんは全国に500万人いるとされ、そのうち治療を受けているのは50万人に過ぎないと言われています。SASはよく言われる日中の眠気に加え、糖尿病や高血圧など、生活習慣病を合併しやすい疾患です。そしてあまり知られてないことですが、突然死のリスクがそうでない人の約3倍になるとの報告があがっています。また、SASは肥満とリンクしやすいという報告もあります。これは代謝が落ちてしまうからですが、SASになると肥満になりやすくなり、肥満になるとSASが悪化しやすくなるといったように負の循環に陥ってしまうのです。その循環を断ち切るために、CPAPなどの治療と並行して減量に取り組み、治療からの離脱を目指すことが大切になってきます。また、空気を送り込んであげるCPAPをおこなえば、突然死のリスクも普通の人と同程度まで下げることができるということもわかっています。
これまで睡眠時無呼吸症候群の検査では脳波を測るために、入院が必須となっていました。それが最近では、スマートウォッチくらいのサイズの機器を用い、自宅で脳波や呼吸状態が測れるようになってきており、負担もずいぶんと軽減されてきています。オンライン診療の普及により、通院の負担も軽くなっていますので、治療を中断された方も、もう一度始めていただけたらと切に願っています。
渋谷駅前メディカルクリニック
高橋 基文 院長
- 渋谷区/道玄坂/渋谷駅
- 内科 ●感染症内科 ●泌尿器科 ●整形外科
「睡眠時無呼吸症候群」にはどのような治療法があるのか?
「睡眠時無呼吸症候群」の原因は、肥満、小さい顎、加齢による喉や舌の筋力低下、飲酒、幼少期に硬いものを咀嚼していたかどうかも影響しています。症状は日中の眠気、集中力の低下などがあり、いびきや無呼吸で苦しくて夜中に起きたり、ご家族からの指摘で気づいたりするケースもあります。さらには仕事中に寝てしまって会社から睡眠時無呼吸症候群ではないか?と指摘されて来院することも。治療法は対症療法になり、重症であれば「CPAP療法」という睡眠時に専用のマスクを鼻や口に装着して鼻から空気を流し、喉の筋肉低下により下降して閉塞したところへ空気圧で気道を確保する方法もあり、有効性・安全性が高く全世界で最も普及している治療法です。簡単なものだとマウスピース(スリープスプリント)を使うことで下顎が前に釣れるので気道が落ちなくなります。枕の高さも関係していることもあって、仰向けで寝ると無呼吸になることが多いので横向きで寝るといいでしょう。扁桃腺が大きい人や喉の高さが低い人なら広げる手術をすることもあります。新しい手術法であれば「舌下神経電気刺激療法」があり、下がっていた舌の筋肉を上げるために舌に電気刺激を与えることで舌根(舌の喉に近い部分)を上がらせて、上気道が塞がらないようにする治療法もあります。予防法は生活習慣を改善すること、筋力トレーニング、舌の筋肉を鍛える機械、「あいうべ体操」を取り入れるなどです。
小岩駅前みみはなのどクリニック
廣津 幹夫 院長
- 江戸川区/南小岩/小岩駅
- 耳鼻咽喉科 ●アレルギー科 ●小児耳鼻咽喉科
睡眠の質が低下し、仕事や生活での効率と判断力にも影響する
睡眠時無呼吸症は、就寝時に呼吸が止まることを繰り返す病気です。多くの方が、閉塞型無呼吸といって、空気の通り道が塞がる状態になります。骨格的な要素が大きく、両親がいびきをかく場合は、子供にも無呼吸がある事が多いです。肥満は大きなの危険因子で、脂肪で舌が厚くなる事、首回りが太くなる事から喉が狭くなり、無呼吸を悪化させます。無呼吸症の方の2/3に肥満があると言われていますが、一方で1/3の方は太っておらず、骨格と加齢の影響で無呼吸が出ています。睡眠時無呼吸症は自覚するのも難しく、パートナーから、もしくは旅行先で同室だった方からいびきが大きいことを指摘され、発覚するケースも多いです。男性の患者が多いですが、女性も更年期を過ぎるとホルモンの関係で無呼吸になる方も多く、70歳くらいで男女比率はほぼ同等になります。
治療法は主にふたつあり、軽症の方はマウスピースで下顎を出し、喉の奥を開かせ呼吸を改善します。重症の方はCPAPというマスク機器を装着し、呼吸の通り道がふさがらないようにします。このCPAPは副作用もなく、重症の方には最も効果的です。いびきがひどい、日中に眠気が強いという方は、受診と検査をお勧めします。睡眠の質が低下すると、生活や仕事での効率と判断力が低下します。ぜひ企業内でも検査と治療の勧奨をしてほしいところです。
渋谷睡眠・呼吸メディカルクリニック
楠 裕司 院長
- 渋谷区/宇田川町/渋谷駅
- 内科 ●呼吸器内科
突然死や自動車事故の原因にもなる「睡眠時無呼吸症候群」痩せている人も要注意
「睡眠時無呼吸症候群」は骨格や肥満、耳鼻科的な疾患が原因で起こります。
1時間に20回以上呼吸が止まる状態が目安になりますが、突然死の原因にもなる怖い症状です。
呼吸器だけでなく循環器や血圧にも影響がでることがあるため、発症している場合は早期に治療することが望ましいですね。
睡眠時無呼吸症候群の場合、夜間の眠りが浅くなるため日中に眠気を感じて自動車運転時の事故率が高くなります。事故を起こしてしまうとご本人だけの問題ではなくなりますので、特に運転する方は注意しなければなりません。
自覚症状としては「朝なのに眠い」「いびきがひどい」などでしょうか。一般的には肥満型の男性に多いのですが、顎が小さい方の場合は痩せている方にも起こります。治療は睡眠時の呼吸に圧をかけるような機器の装着や、マウスピースのようなものを装着するなどの方法があります。
診察時に血液検査の結果や顔の骨格を拝見してこちらから検査をおすすめすることもありますが、自覚症状がある方はぜひ一度検査をされることをおすすめします。
とがさきクリニック
野呂 林太郎 副院長
- 三郷市/戸ケ崎/八潮駅
- 耳鼻咽喉科 ●呼吸器内科
最近は特に若い方の間でも増えてきている疾患
現象としては、舌の根っこの部分が落ち込むことにより、気道が塞がり、睡眠時に無呼吸となってしまうものです。このため、日中の眠気やだるさを誘発したり、高血圧や糖尿病など生活習慣病にも大きな影響を与えてしまう疾患となります。
睡眠時無呼吸症候群を発症する原因は様々です。男性の方で急激に体重が増えることによって起こるケースもありますし、生来、体格的に舌が大きい方や、首が太い方にも起こりやすいとされています。それから女性も、例えば顎の小さい方で起こる方がいらっしゃいますので、必ずしも男性に限った疾患とは言えない側面もあります。
治療としては、就寝時に鼻と口をマスク型のもので覆い、呼吸を助けるC-PAPという治療法があります。またマウスピースによる治療や、仰向けになることが誘因要素となってしまうことがありますので、抱き枕を使って横向きに寝ていただくという予防的なものがあります。
ふみ内科・皮膚科クリニック
狩野 芙美 院長
- 品川区/東五反田/大崎駅
- 内科 ●呼吸器内科 ●皮膚科
眠気がないから安心、というわけではない
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状に、日中の眠気があります。ただ、この症状がない方も実は多いのです。ですから、眠気がないから安心というわけにはいきません。この疾患で本当に怖いのは、症状がなくとも心筋梗塞や脳梗塞、高血圧や糖尿病といった疾患のリスクをあげ、その程度も憎悪させることにあるからなのです。眠気以外の典型的な症状として、いびきがあげられます。家族などに「息が止まっている」ことがあることを指摘されたら、ほぼこの疾患を疑ってもいいでしょう。もちろん、いびきがある方がみなそうといういうわけではありませんが、検査を受けることをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群は自覚症状に乏しく、病院を受診していない潜在的な患者さんが非常に多いとされています。CPAPなどの治療をしっかりとおこなうことで、先に述べました高血圧や心筋梗塞などの合併症のリスクを軽減させることになりますので、予防医療としてもこの疾患を注視していくことは大変意味のあることです。
耳鼻咽喉科 森医院
森 義明 院長
- 横須賀市/米が浜通/横須賀中央駅
- 耳鼻咽喉科 ●小児耳鼻咽喉科
他疾患の根底に潜み、心筋梗塞や脳梗塞、うつ病や認知症のリスクまでもが高まる
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が浅くなる、場合によっては呼吸が止まってしまう病気です。大きく分けて物理的に空気の通り道が狭くなる方と、脳や心臓に原因がある方がいて、日本人の大半は前者です。睡眠時無呼吸症候群は日本で300万人はいると言われていますが、実際に受診している方は1%にも満たないのが現状です。睡眠時無呼吸症候群の原因は肥満が多いですが、それだけではなく、アジア人は欧米人に比べると顎が小さく、気道が狭くなりやすいことも一因です。呼吸が浅くなる、止まるというのは全身に悪影響を及ぼし、高血圧、脂質異常症、心筋梗塞や脳梗塞、ほかにもうつ病や逆流性食道炎、認知症などのリスクが高まります。睡眠時無呼吸症候群を治療していくことでこれらのリスクが間接的に減少し、実際に血圧が下がったというデータもあります。睡眠時無呼吸症候群は他の疾患の根底にあるケースが多いので、やはりしっかりと治療されるのが望ましいです。今はお家でかんたんに検査ができますし、治療方法も様々なやりかたがありますので、日中に眠気を感じる方や上記のような病気を予防したい方は、一度検査をすることをおすすめします。
キュアステーション イオン葛西クリニック
伊藤 涼 院長
- 江戸川区/西葛西/西葛西駅
- 内科 ●アレルギー科
睡眠の質の低下を招く「睡眠時無呼吸症候群」とは
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まってしまう病気です。睡眠中にいびきをかいたり、息苦しさで目が覚めたりするほか、睡眠の質が低下することで日中の眠さや集中力の低下につながり、朝すっきり起きられないなどの症状を自覚することがあります。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に検査を行って診断をつけます。治療法は重症度によって異なりますが、代表的な治療としてCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)があります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質を低下させるだけでなく、心臓病や生活習慣病の発症リスクを高めるとされています。もしもご心配なことがありましたら、お早めに呼吸器内科にご相談ください。
わたなべ内科・呼吸器クリニック
渡部 峰明 院長
- 横浜市金沢区/能見台通/能見台駅
- 内科 ●呼吸器内科 ●アレルギー科
未来の病気を予防するため、積極的な受診を心がけてほしい
睡眠時無呼吸症候群はやっかいで怖いことに、多くの場合で症状を自覚することはありません。ご家族から就寝中のいびきや無呼吸を指摘された、が受診のきっかけトップ2です。自覚症状では、しっかり寝たはずなのに、日中にひどい眠気に襲われたり、朝から頭痛がする、だるいといった症状、就寝中に妙にトイレが多い、寝汗をかく、窒息感で目が覚めるといった症状は睡眠時無呼吸症候群が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群は1泊2日の検査入院によって診断をつけ、重症度に合わせた治療が行われることが一般的です。治療には大きく2つ、就寝時にマスクをつけて空気を送り込むことで気道を確保するCPAP療法、舌が気道を塞がないようにマウスピースを装着する方法があります。
睡眠時無呼吸症候群があると睡眠の質が低下し、車の運転時などに大きな事故を起こしかねません。また睡眠時無呼吸症候群は動脈硬化が進行させ、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを3倍~4倍に高めることも分かっていますから、未来の病気を予防するためにも早期の診断と治療介入が大事です。
にいじゅく組合診療所
網代 洋一 院長
- 葛飾区/新宿/亀有駅
- 内科 ●循環器内科
重症な睡眠時無呼吸症候群に対するもう一つの選択肢
CPAP療法をどうしても続けられない方には、舌下神経電気刺激療法という睡眠中の呼吸に同期して微弱な電気の刺激で顎下にある舌下神経を刺激する方法もあります。全身麻酔での手術によって電極を埋め込む必要がありますが、重症な睡眠時無呼吸症候群に対するもう一つの選択肢としてご提案する場合があります。当院は実施可能な医療機関へのご紹介を行っております。
やさしいクリニック 広尾 白金
鈴木 崇文 院長
- 渋谷区/恵比寿/広尾駅
- 内科 ●アレルギー科 ●ペインクリニック ●皮膚科 ●麻酔科