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レセコンとは?電子カルテとの違いやレセコン導入のポイントを解説

医療現場で使われる「レセコン」をご存知ですか?

レセコンは医療現場では必須の機器とされ、ほぼ全ての医療機関にて導入されています。

今回は、そんなレセコンがどのようなものなのか、レセコンと似ている電子カルテと比較しながら解説いたします。

また、記事の後半ではレセコンを導入する際のポイントも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。

この記事を監修した医師
見立 英史 国立・私立大学や開業医勤務を経て私立大学病院に勤務。一般歯科診療から全身麻酔手術症例までを行っています。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会指導医。専門分野は口腔粘膜疾患。

 

レセコンとは?

まずは、レセコンについて説明します。

レセコンを理解するため、まずレセプトを解説し、続いてレセコンの説明、さらにはレセコンでできることを説明します。

名前が似ているため、混同してしまう可能性もありますので、きちんと理解しましょう。

レセプトとは?

まずは、レセプトについての説明をします。

医療機関での保険診療は、患者が医療費の全てを支払うわけではなく、最大3割を負担すればよいことになっています。

残りの7割は健康保険組合や自治体が負担するため、医療機関はこれらの団体に7割分の費用の請求をしなければなりません。この健康保険組合や自治体に請求するための明細書のことをレセプトといい、診療報酬明細書とも呼ばれます。

レセプトには、患者の氏名、受診した医療機関の名称、傷病の名称、処置内容等が記されています。

そして、レセプトを毎月、正確な内容で提出するための業務をレセプト業務と呼ばれていることも覚えておきましょう

レセコンとは?

続いて、レセコンについての説明をします。

レセコンとはレセプトコンピュータのことで、レセプトを作成するためのコンピュータです。

「医療事務コンピュータ」「医療コンピュータ」と呼ばれることもあり、主に医療事務スタッフが扱うコンピュータとなっています。

社会保険診療報酬支払基金の調査によると、95.7%もの医療機関がレセコンを取り入れています。

参照:請求状況(医療機関数・薬局数ベース)【令和4年6月診療分】

レセコンでできることとは?

では、レセコンには何ができるのでしょうか?

主に以下の2つが挙げられます。

  • 診療内容の入力
  • 入力データの点検

ほとんどのレセコンは、診療内容を入力すると、自動で保険点数の計算までします。

保険診療での請求できる内容は細かなルールが数多く存在します。レセコンにより入力作業の手間が省け、ミスも減るため、多くの医院で導入されているのです。

レセコンと電子カルテとの違いや連携方法

レセコンと似ているものに電子カルテがあります。

ここでは、レセコンと電子カルテとの違いや両者を連携することによるメリットを解説します。

レセコンと電子カルテとの違い

では、レセコンと電子カルテとの違いについて見てみましょう。

レセコンとは、先ほど説明したとおり、健康保険組合や自治体に医療費を請求するための明細書(診療報酬明細書)を作成するコンピュータのことです。

一方、電子カルテとは、文字通りカルテを電子化したものであり、患者の診療記録が記されています。

このように、同じ電子機器ではあるものの、使用用途が大きく異なります。

また、使用用途だけでなく、使用者も異なることがあります。レセコンは医療事務スタッフが使用するのに対し、電子カルテは医師や医師の業務を補助する人が使用します。

使用する目的や使用者が異なる点を理解しておきましょう。

レセコンと電子カルテは連携できる

なお、レセコンと電子カルテは連携できます。

レセコンと電子カルテを連携させると、以下の3つのメリットを得られるのです。

  • 一元管理ができる
  • カルテ記載業務の効率化
  • 入力ミスの防止

レセコンと電子カルテを連携することで、一方に入力した内容がもう一方にも自動で入力されるようになります。

これにより、複数の情報を一元管理できるようになります。

また、業務の手間が省けるため、業務の効率化やミスの軽減にもつながります

レセコンを導入する際のポイント

レセコンを導入する際のポイントは、主に以下の3つです。

  1. 現在ある電子カルテなど他システムと連携ができるか
  2. 使いやすいか
  3. 故障時のサポート体制が充実しているか

1つずつ見ていきましょう。

現在ある電子カルテなど他システムと連携ができるか

1つ目は、他システムと連携できるかどうかです。

医療機関において電子化されたシステムは互いに連携させたいものです。

たとえば、CTやレントゲンなどの画像を電子カルテに入力したり、胃カメラの画像を電子カルテと連携するなどです。

レセコンも電子カルテと連携できれば、業務の効率化やミスの削減につなげられるでしょう。現在ある電子カルテと連携できるか、メーカーに確認しておいてください。

使いやすいか

2つ目は、使いやすいかどうかです。

せっかくレセコンを導入しても、使いにくいと業務の効率を下げかねません

例えば、画面が見づらかったり、入力操作が煩雑だったり、使わない機能が多すぎたりする場合は、注意が必要です。

導入前には使い心地など他のユーザーの口コミなどをあらかじめ確認し、使いやすいレセコンかどうかを見極めてください。

サポート体制が充実しているか

3つ目は、サポート体制が充実しているかどうかです。

初めてレセコンを使う方は、使い方に慣れておらず対応に苦慮することが考えられます。

その際、使い方に慣れるまでサポートしてくれるサービスがあれば、いつでも質問できるため、安心して利用できるでしょう。

また、万が一業務時間中にトラブルが起きた際に、迅速に対応してくれるかどうかも大切です。

トラブル時に迅速な対応をしてもらえないと、復旧までに多くの時間を要し、多くの患者に多大なご迷惑をかけてしまう危険性があります。

そうなると医院の評判が下がり、患者数の減少につながりかねないので注意してください。

まとめ

今回は、レセコンについて解説しました。

レセコンは電子カルテと並び、医療機関の電子機器として非常に重要な役割を果たします。

また、レセコンと電子カルテを連携することで、多大なるメリットを得られます。

ぜひ今回の内容を参考にして、レセコンを導入し、レセコンと電子カルテを連携させてみてください。