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スケーラーの種類一覧!手用や超音波のタイプも紹介

歯科医院では「スケーリング(歯石取り)」という処置を行うことがあります。

スケーリングを行う際に必須となる器具が「スケーラー」です。

スケーラーは、手用スケーラーや超音波スケーラーなどに大別され、さらにそれぞれいくつかの種類に分けられています。

この記事では、スケーラーの種類一覧を詳しくご紹介します。手用や超音波スケーラーの各種タイプの特徴や、おすすめメーカーについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

スケーラーとは?

まず、スケーラーとは、歯石を除去するために使用する器具です。「scale」という言葉が語源で、魚のウロコを剥がしとるという意味があり、歯についた歯石を取る役割を持ちます。

歯石取りのことをスケーリングと呼び、スケーリングではスケーラーを必ず使用するため、歯科医師にとって欠かせません。

鉛筆くらいの金属製の道具で、先端が特殊なフックのように曲がった形状をしているのが特徴です。

スケーラーは大きく3種類

スケーラーは大きく分けて3種類あり、歯石の付いている場所や大きさ、固さに応じて使い分けます。

それぞれ、形状や取り扱い方法、使用による効果などが異なるため、目的に応じて使い分けましょう。

スケーラーは、主に以下の3種類に分けられます。

  1. 手用スケーラー
  2. 超音波スケーラー
  3. エアースケーラー

手用スケーラー

手用スケーラーは、手で動かして使用するスケーラーで、最も標準的に使用されるタイプです。

細かい歯石汚れを取り除くのに適しており、特に歯茎と歯の隙間についた歯石を取る際に使用します。

手用スケーラーの中でもたくさんの種類があり、その中でも最も使用頻度が高いものは「キュレットスケーラー」です。

しかし、スケーラーごとに使用部位が決められているため、4〜7本のスケーラーを使い分ける必要があります。

先端の刃の部分は鋭くとがっていて、刃物と同じようによく切れるため使用方法は十分に注意しなければなりません。

超音波スケーラー

超音波スケーラーとは、振動を利用して歯石を除去する機器です。

手用スケーラーとの違いは、歯石を削り取るのではなく、先端から発生する衝撃波によって歯石を破壊するという点です。

パワーが強いのが特徴で、歯石を取り除く効率は高いのですが、施術中に痛みや不快感を感じられる患者さんも少なくありません。

超音波による除去のため、基本的にスケーラーの先端が歯に接触することはありません。歯冠部に付着した歯石の除去に適用されます。

エアースケーラー

エアースケーラーは、超音波スケーラーと同様に、振動を利用して歯石を除去する機器です。

振動源は圧縮空気で、超音波スケーラーとの最大の違いは振動数の差です。

超音波スケーラーが28,000〜32,000Hzなのに対し、エアースケーラーは、5,800〜6,200Hzと振動回数が約5倍ほど差があります。

振幅もエアースケーラーの方が大きく、楕円回転するため患者にとっては使用感は優しいです。

振動回数が少ない分、パワーも落ちて効率性が落ちてしまいます。とはいえ、痛み・不快感が特に苦手な敏感な患者さんや、ペースメーカー装着患者にも適用可能です。

超音波スケーラーと同様に、こちらも歯冠部への適用が基本となります。

手用スケーラーは5種類

手用スケーラーは、以下の5種類に分けられます。

  1. 鎌型(シックルタイプ)スケーラー
  2. 鋭匙型(キュレットタイプ)スケーラー
  3. 鍬型(ホータイプ)スケーラー
  4. やすり型(ファイルタイプ)スケーラー
  5. のみ型(チゼルタイプ)スケーラー

鎌型(シックルタイプ)スケーラー

鎌型(シックルタイプ)スケーラーは、幅が広いのが特徴です。

他の手用スケーラーよりも歯石を取り除ける範囲が広いため、歯肉縁上のプラークや歯石を除去するために使用します。

しかし、歯肉縁下の除去には向いていません。

鋭匙型(キュレットタイプ)スケーラー

鋭匙型(キュレットタイプ)スケーラーは、先端がスプーン状に丸く処理されたもので、歯肉の根の部分に付いた歯石を取るのに適しています。

歯の形状にフィットし、歯石を残さず完全に取れるように設計されています。

主に歯肉縁下のスケーリングや、ルートプレーニングで使用します。

鍬型(ホータイプ)スケーラー

鍬型(ホータイプ)スケーラーは、頬舌側に付着した歯石を除去するのに適しています。

特に、唇側面と舌側面に板状についた歯石を除去する際に使用します。

鍬のような形で、くの字に曲がっているのが特徴です。刃部は、遠心面・頬側面・近心面・舌側面にそれぞれ適合できる4種類の形態があります。

使える幅が広い反面、4種類もあると効率が悪いため、現在使用される頻度はあまり多くありません。

やすり型(ファイルタイプ)スケーラー

やすり型(ファイルタイプ)スケーラーは、極めて多量でかつ強固についている歯石を大まかに粉砕して除去できます。

特に、挿入の容易なポケット内に適用します。

小型の鍬がいくつも連続して並んだような形をしており、先端は丸みを帯びています。
鍬型(ホータイプ)スケーラーと同様に、現在ではあまり使用されていません。

のみ型(チゼルタイプ)スケーラー

のみ型(チゼルタイプ)スケーラーは、下顎前歯部隣接面の歯肉縁上にある歯石の除去に使用します。

刃部の外形はのみ型になっており、臼歯部には使用できないため、ストレート型しかないのが特徴です。

歯面に傷をつけやすい形状のため、使用する際は注意する必要があります。
なお、こちらも現在は使用頻度があまり高くありません。

超音波スケーラーは2種類

超音波スケーラーは、マグネット方式とピエゾ方式の2種類に分けられます。
日本国内でも世界的にも、ピエゾ方式の方が良く使用されています。

  • マグネット方式
  • ピエゾ方式

マグネット方式

マグネット方式の超音波スケーラーは、楕円運動の超音波が特徴です。
歯石に対して点接触になるため、硬い歯石の除去には向いていません。

円を描くように動くのではなく、7:3くらいの楕円で動くため、側面を使用するとき、内面・背面を使用するときで超音波のチップのパワーを変えるなど、上手く調整する必要があります。

チップの先端が歯面に当たって、傷つけないように気を付けて操作してください。

ピエゾ方式

ピエゾ方式の超音波スケーラーは、直線的な動きで横に振動するのが特徴です。

チップは側面のみを使う使用方法になり、効果的に歯石などを除去できます。

直線的に歯石に触れるため、超音波振動が伝わりやすく、効率よくスケーリングが行えます。

手用スケーラーのキュレットタイプと同様の使用感となるため、感覚的には同じように使えるメリットがあります。

操作方法を誤ると根面を傷つける恐れがあるため、正しい方法で使用することを心掛けましょう。

チップの先端から2mmが歯に接するようにし、歯面に対して約0度から15度くらいの角度で操作します。

スケーラーのメーカーおすすめ5選

ここからは、スケーラーのメーカーおすすめ5選をご紹介します。

  • YDM
  • 株式会社イシズカ
  • ノーデント社
  • アメリカンイーグル社
  • ヒューフレディ・ジャパン合同会社

1.YDM

出典:株式会社 YDM|トップページ

価格 要問い合わせ
取り扱いスケーラー キュレットタイプなど
特徴 ハンドルの素材や形状が異なる商品が多数ラインナップ
公式サイト(製品ページ) http://www.ydm.co.jp/dental/post-277.html

株式会社YDMは、約60年にわたり、医療用鋼製小物の販売を行ってきた歯科用器械器具メーカーです。

高品質な医療器具を世界中に安定供給してきた実績があり、「医療用鋼製小物といえばYDM」とも言われるほど業界での知名度があります。

スケーラーも多彩なラインナップで、ハンドルの素材や形状が異なる商品を多数販売しており、好みや用途に応じて使い分け可能です。

可能な限り刃幅を薄くしたスリムタイプのスケーラーは、口腔内のすべての歯肉縁下歯石を除去できます。

公式サイトを見る

2.株式会社イシズカ

出典:イシヅカ 片頭スケーラー #11-|Yahoo!ショッピング

価格 1,350円〜
取り扱いスケーラー
特徴 一般消費者向けにもスケーラーを販売
公式サイト(製品ページ) https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/10099

株式会社イシズカは、主に歯科用鋼製器具を販売しているインスツルメントメーカーです。
歯肉縁上の歯石やヤニの除去、歯間部の除石を効果的に行えます。

歯科技工士向け製品だけでなく、一般消費者向けにもスケーラーが販売されています。

公式ホームページなどは開設されていませんが、株式会社ヨシダや東京歯科産業株式会社などが取り扱いをしているため、詳しくはお問い合わせください。

販売ページを見る

3.ノーデント社

出典:デュラライト CRHグレーシー | 商品詳細 | 株式会社ヨシダ

価格 要問い合わせ
取り扱いスケーラー キュレットタイプ
特徴 日本人の口腔に合った「J-ブレード」シリーズを製造
公式サイト(製品ページ) https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/10020

ノーデント社はアメリカ合衆国の歯科用器具などを製造しているメーカーです。

デュラライト CRHグレーシー」は、中空構造でわずか12.4gと従来のスケーラーと比較して約半分ほどの軽さの製品です。

握りやすいハンドルかつ軽量モデルなので疲労感が少なく、長時間の使用でも手指が疲れにくいのが特徴。日本人の口腔に合った「J-ブレード」シリーズを販売するなど、アメリカのメーカーですが、日本人の患者にも使用しやすいです。

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4.アメリカンイーグル社

出典:製品詳細「アメリカンイーグル エックスピー・シリーズ」 | フォルディネット

価格 5,900円~
取り扱いスケーラー シックルタイプ
特徴 独自の特許技術「XPテクノロジー」
公式サイト(製品ページ) https://fordynet.fordy.jp/products/814

アメリカンイーグル社は、アメリカのインスツルメントメーカーです。

スケーラー「エックスピー・シリーズ」は、独自の特許技術「XPテクノロジー」でブレードへ特殊加工を行い、ブレードの耐久性をアップさせた製品です。

シャープニング直後のシャープさを維持でき、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。

ブレードの材質はチタン製で、チタン製アバットメントに損傷を与えにくく、安全なメンテナンスが可能です。

販売ページを見る

5.ヒューフレディ・ジャパン合同会社

出典:Home | Hu-Friedy

価格 各製品を要確認
取り扱いスケーラー シックルタイプ
キュレットタイプ
特徴 1908年設立の長い歴史を持つメーカー
公式サイト(製品ページ) https://www.hu-friedy.co.jp/

ヒューフレディ社は、1908年設立の歴史ある歯科用インスツルメント製造メーカーです。

シックルタイプのスケーラーである「シックルスケーラーNEVI」シリーズは、長いキャリアを持つベテラン職人と、口腔解剖学を熟知した臨床家の共同開発によって生まれた製品です。

特徴的なシャンクデザインで快適に使用でき、操作性が高く手指の疲労を軽減できるでしょう。
前歯用や臼歯用など4種類が販売されており、使い分けが可能です。

公式サイトを見る

まとめ:スケーラーの種類ごとに特徴を理解した上で導入しよう

スケーラーにはキュレットタイプ、シックルタイプなど様々な種類がありますが、スケーラーの種類ごとの特徴を理解した上で導入しましょう。

それぞれ、用途や使用部位が異なるため、しっかりとそれぞれの特徴を熟知しておく必要があります。

患者さんに快適な治療を提供するためにも、ご自身に合った使いやすいスケーラーを導入してください。