顧客管理で活躍する「CRMシステム」。病院でCRMを取り入れると患者データの共有がスムーズになり、業務効率化が期待できます。
今回は病院や医療機関におすすめのCRMシステムをご紹介します。選ぶポイントやメリットも解説しますので、CRMシステムの導入を検討している方は参考にしてみてください。
この記事の内容
病院・医療業界にCRMシステムは必要
病院や医療業界においても、一般企業が導入しているようなCRMシステムは必要です。
CRMシステムを取り入れることによって、スタッフ同士が情報共有しやすくなり、患者に手厚いフォローができるようになります。
2005年に紙カルテから電子カルテに移行して以降、医療業界全体でもデジタル化の流れが進んでいて、患者データを管理できるCRMシステムに注目が集まっています。
病院向けCRMシステムのおすすめ9選
ここからは、病院や医療機関におすすめのCRMシステムを9つご紹介します。
- foro CRM
- medigle
- eセールスマネージャー
- Salesforce Health Cloud
- Zoho CRM
- Synergy!
- NetSuite CRM
- ペイシーメール
- ALL-IN
foro CRM
運営会社 | メダップ株式会社 |
---|---|
料金プラン | 要問い合わせ |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 連携先の管理機能 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | 定着支援プログラム |
セキュリティ対策 | SSL/TLS通信暗号化
国際標準規格「ISO/IEC 27001(ISMS)」の認証取得 |
公式サイト | https://www.foro-crm.jp/ |
2019年にメダップ株式会社がリリースした「foro CRM」。代表的な活用例として地域医療との連携が挙げられます。
連携先の管理機能やマップ機能も搭載していて、各医療機関のデータを一元管理できることが特徴です。さらに、管理機能では医師情報の確認もできます。
過去の履歴に関する入力スペースもあり、患者それぞれの細かい診察記録を作成できます。既存の電子カルテの情報も利用できるため、導入後の初期設定もスムーズに行えるでしょう。
medigle
運営会社 | メディグル株式会社 |
---|---|
料金プラン | 基本0円 |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 地域医療と連携強化 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | 電話、メール、オンライン全て対応可能 |
セキュリティ対策 | 〇 |
公式サイト | https://medigle.jp/index.html |
全国200以上の病院で導入実績がある「medigle」(メディグル)。顧客管理はもちろん、地域医療との連携を強化ができるのが特徴です。クリニックと地域医療の連携を促進し、紹介患者増加をサポートしてくれます。
また、無料アカウントを発行するだけで利用が開始できるのも魅力的なポイント。コストとパフォーマンスに優れたCMRサービスをお探しの方におすすめです。
eセールスマネージャー
運営会社 | ソフトブレーン株式会社 |
---|---|
料金プラン | スタンダード:月額11,000円/1人
ナレッジシェア:月額6,000円/1人 スケジュールシェア:月額3,000円/1人 |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 モバイル活用 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | 導入サポート、稼働サポート、定着サポート |
セキュリティ対策 | – |
公式サイト | https://www.e-sales.jp/ |
導入実績5,500社以上を誇る「eセールスマネージャー」。スマホやタブレットにも対応しているのが特徴で、デスクに戻らなくても業務をこなしながら使用可能です。そのシステムの使いやすさから、定着率は95%以上とユーザーから高く支持されています。
一度の情報入力によってすべてに自動反映が可能。入力にかかる時間を最小限に抑えることができます。導入から運用までのサポート体制も手厚く、初めてCSMを導入するクリニックでも活用しやすいでしょう。
Salesforce Health Cloud
運営会社 | Salesforce社 |
---|---|
料金プラン | 要問い合わせ |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 |
無料トライアル | – |
データ分析 | 〇 |
サポート体制 | 要問い合わせ |
セキュリティ対策 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://www.salesforce.com/jp/products/health-cloud/overview/ |
アメリカに本社を置くSalesforce社の日本法人が運営する「Salesforce Health Cloud」。医療機関以外にも、金融機関や保険など幅広い分野に高度なセキュリティのCRMシステムを提供しています。
クリニック向けのシステムでは患者の情報管理が主な機能です。患者の健康データの記録をはじめ、今後の治療計画や嗜好まで記録できます。
カスタマイズの自由度が高く、さまざまな部署やチームと連携して患者に向き合える環境を目指せるでしょう。
Zoho CRM
運営会社 | Zoho Corporation |
---|---|
料金プラン | スタンダード:月額1,680円/1人
プロフェッショナル:月額2,760円/1人 エンタープライズ:月額4,800円/1人 アルティメット:月額6,240円/1人 |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
在庫管理 プロセス管理 ワークフローの自動化 レポート機能 |
無料トライアル | 15日間 |
サポート体制 | ウェビナー、サポートサービス、ユーザーコミュニティ |
セキュリティ対策 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://www.zoho.com/jp/crm/ |
「Zoho CRM」は、営業支援が主なサービスで、顧客データを取引先を管理してデータを標準化するCRMです。医療業界ではMRを中心に利用されています。
患者情報を一元的に管理できるだけでなく、医療品や消耗品の在庫管理も行え、すべての支払い状況まで追跡可能です。
Synergy!
運営会社 | シナジーマーケティング株式会社 |
---|---|
料金プラン | 初期費用118,000円
月額費用15,000円~ |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 スマホ対応 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | サポートセンター、活用支援サービス |
セキュリティ対策 | 不正アクセス検知
暗号化 権限設定 操作ログ 強制ログオフ 二重ログイン検知など |
公式サイト | https://www.synergy-marketing.co.jp/cloud/synergy/ |
本当に必要な機能のみを厳選し、無駄な機能をそぎ落とした「Synergy!」。最低限のシンプルな機能で構成されているので、初めてCMRを導入するクリニックにもおすすめです。
不正や二重ログインの検知など堅牢なセキュリティも特徴で、機密性の高い患者情報も安全に管理できます。
操作に関する疑問や不具合などをサポートセンターに相談できる支援サービスにも注目です。
NetSuite CRM
運営会社 | 日本オラクル株式会社 |
---|---|
料金プラン | 要問い合わせ |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
見積もり 受注管理 フォーキャスト管理 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | 要問い合わせ |
セキュリティ対策 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://www.netsuite.co.jp/products/crm.shtml |
「NetSuite CRM」は、従来のCRM機能はもちろん、見積もりや受注管理、目標の達成に向けてのフォーキャスト管理なども備えています。
世界の37,000社以上に採用された実績から、さまざまな業界のプロセスに対応しやすく、現場に素早くなじむのが特徴です。
ペイシーメール
運営会社 | 株式会社キープ KEEP Inc. LTD |
---|---|
料金プラン | 導入費150,000円
月額費用29,800円 |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 スマホ対応 |
無料トライアル | – |
サポート体制 | 要問い合わせ |
セキュリティ対策 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://pseemail.com/ |
患者の来院情報やデータ分析を得意とする「ペイシーメール」。継続して来院している患者と、途中から来なくなった患者の違いをデータ分析してマーケティングにつなげることができます。
さらに、データ分析だけで終わることなく分析結果を検証し、実行できる支援やノウハウまで提供してくれます。
ALL-IN
運営会社 | 株式会社 エステイエス |
---|---|
料金プラン | 初期費用30万円~
月額費用6万円~ |
最低利用人数 | 要問い合わせ |
最低利用期間 | 要問い合わせ |
主な機能 | 患者情報の一元管理
データ分析 在庫管理 コックピット機能 スマホ対応 |
無料トライアル | 要問い合わせ |
サポート体制 | セミナーなど |
セキュリティ対策 | 要問い合わせ |
公式サイト | https://web.all-in.xyz/ |
経営に必要な機能をひとつにまとめた「ALL-IN」。情報管理や在庫管理、人事や会計まで完結するため、病院の業務効率化に貢献します。
「コックピット機能」によって、病院の経営状況を見える化できるのもポイントです。現状の把握に必要な50の基準から目標との差を確認、情報共有して経営をサポートします。
病院向けCRMシステムの選び方
病院に導入するCRMシステムを選ぶ基準としては、以下の3点をチェックしましょう。
- 自院の運営体制にあったシステムを選ぶ
- 医療業界で実績があるシステムを選ぶ
- サポートやセキュリティは十分なものを選ぶ
自院の運営体制にあったシステムを選ぶ
病院に導入するCRMツールを選ぶ際には、自院の運営体制にあったシステムかどうか確認が必要です。
データ管理において自院に必要な機能を洗い出し、対応しているシステムから選択しましょう。
また、病院によってそれぞれ課題は異なるので、カスタマイズ性が高いシステムであれば課題解決能力が高まります。
医療業界で実績があるシステムを選ぶ
CRMは、一般企業で使われるシステムが大半です。医療機関に導入して使うこともできますが、カルテ連携といった病院特有の機能を利用したいなら、医療業界での実績が豊富なシステムから選びましょう。
医療分野に導入実績があるシステムであれば病院でも利用しやすく、医療業界に適したサポートが期待できます。
サポートやセキュリティは十分なものを選ぶ
病院や医療機関では患者の個人情報を扱うため、高度なセキュリティが備わっていることも重要です。
また、トラブルが起きた際には迅速にサポートが受けられるかどうかも確認しておきましょう。
病院にCRMシステムを導入するメリット
病院がCRMを導入するメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
- データの一元管理が可能になる
- 業務効率化が図れる
- 正確な在庫管理の実現できる
- 提携病院や地域との連携がスムーズになる
データの一元管理が可能になる
医療の現場では日々患者が増加していくため、管理するデータは膨大になります。
CRMシステムを導入すれば、基本的な患者データはもちろん、検査結果や投薬といったデータも適切に管理できることがメリットです。
それぞれのデータを個別に保管するのではなく、一元管理することでより情報がスムーズに確認できるようになるでしょう。
業務効率化が図れる
病院にCRMシステムを導入すれば、情報共有にかかる作業を軽減できます。
患者データを口頭で他スタッフに伝える必要がなく、データベースにアクセスするだけで医師と看護師間の引き継ぎも容易にできます。
情報管理や情報共有の手間が減ることによって業務効率化が図れ、スタッフの生産性がアップすることは大きなメリットです。
正確な在庫管理の実現できる
病院や医療業界では、医薬品や医療機器の在庫管理も重要な任務です。
薬や機材に関するデータもCRMで管理することで、在庫切れを防ぐことができます。
投薬情報や医療機器の使用状況を入力することによって、発注のタイミングが分かるシステムも登場しています。また、一定期間で自動発注してくれるシステムを導入すれば、発注作業は大幅に減少するでしょう。
提携病院や地域との連携がスムーズになる
病院は多くの医療機関とやり取りが必要ですが、提携病院や地域のクリニックとのコミュニケーションもCRMシステムで一元化が実現できます。
提携の医療機関と合わせてCRMを導入すれば、転院手続きやデータの伝達も効率的に行えることがメリットです。
緊急で受け入れ可能な病院を探すといった迅速な判断が求められるシーンでも、CRMの情報は役立ちます。
まとめ:病院にCRMを導入して業務効率向上を目指そう
病院がCRMシステムを取り入れることによって、患者の情報管理や提携病院や地域との連携が効率的になります。
各システムの特徴や導入メリットを理解し、自院に適したサービスを選んでみてください。