「クリニックの採用面接では、求職者にどんな質問をすれば良い?」
「クリニックの採用面接で、どのようなポイントに注目するべき?」
優秀なスタッフをクリニックに迎えるために、採用面接は重要な要素の1つです。
面接に慣れていない方の中には、質問すべき内容やチェックすべきポイントについて分からないことも多いでしょう。
事前に質問内容を準備し、ポイントを把握して面接に臨むことで、スタッフの採用で失敗するリスクを下げることができます。
本記事では、クリニックでの採用面接のポイントと質問すべき事柄について解説します。採用面接の際の参考にしてみてください。
クリニックにおける採用面接のポイント10個
クリニックにおける採用面接では、以下の10個のポイントに注意して実施してみてください。
- 応募書類は事前にチェックする
- 質問内容は事前に用意する
- 面接は応募書類の評価順にする
- 職務経歴はさかのぼって聞く
- 職務経歴は具体的に深掘りながら聞く
- 応募者の質問内容も重要視する
- 面接時以外の対応や態度も確認する
- 男性と女性両方の目線で評価する
- 応募者は準備してくることを意識する
- 面接する側も評価されていることを意識する
応募書類は事前にチェックする
応募書類は面接の前にチェックしておくべきです。応募書類は面接の場に持参してもらうよりも、事前に送付してもらいましょう。
面接の場で履歴書を大まかに見るだけでは、細かいポイントにまで気づけず、空白期間や誤字脱字の多さなどを見逃してしまう恐れもあります。
事前に書類をチェックしておくことで、細かいポイントにまで注目できるのはもちろん、質問内容を考える余裕もできるでしょう。
質問内容は事前に用意する
応募書類をふまえて、質問内容は事前に用意しておきましょう。
面接時に質問内容をアドリブで考えると、余計な質問や会話が増えてしまったり、確認しておきたかったことを忘れたりするリスクがあります。
志望動機や前職の退職理由といった、応募者全員にすべき共通の質問も事前に用意しておいてください。
共通の質問を事前に用意しておけば、面接をスムーズに進められるだけでなく、応募者の評価基準を統一させられます。
面接は応募書類の評価順にする
面接は、応募書類の評価が低い順に実施しましょう。高評価の人材を後半に面接できるように設定します。
応募者だけでなく、採用する側にも面接への慣れが必要です。面接を実施した経験がない方も多いでしょう。慣れていないと上手に質問できなかったり、尋ねるべきことを忘れてしまったりする可能性もあります。
面接に慣れてから評価の高い応募者に会えるように、順番を調整しておきましょう。
職務経歴はさかのぼって聞く
職務経歴を尋ねる際は、直近の経歴からさかのぼって聞きましょう。一般に、職務経歴は古い順に聞いていくものですが、あえて逆から尋ねた方が正確な情報を引き出せるからです。
職務経歴の中には、応募者にとって都合の悪い経歴が含まれていることもあります。職場とのトラブルがあった人や、一方的な無断欠勤から退職してしまった人もいるでしょう。
職務経歴を古い順に聞いていくと、応募者の中でも心の準備ができ、都合の悪いことを隠す用意がしやすくなります。
職務経歴を逆から聞いていくことで、応募者は都合の悪いことを隠しにくくなります。不意を突いた質問で、正しい情報を応募者から引き出しやすくなるでしょう。
職務経歴は具体的に深掘りながら聞く
職務経歴はできる限り具体的に、深堀りしながら聞きましょう。職務経歴は応募者のスキルや実績を評価するうえで重要なポイントになるからです。
たとえば内科クリニックの面接の際に、前職で内科に勤めていた応募者がいたとしても、高度な業務まで担当していなかったかもしれません。「経験者だから」とよく確認せずに採用したもののスキルが不十分だった、といった事態になる恐れもあります。
前職でどの程度の業務を担当していたのか、なぜ退職してしまったのかなど、具体的に深堀りしながら聞くようにしましょう。
応募者の質問内容も重要視する
面接の際は、応募者からの質問内容にも注目しましょう。
面接の最後に、「何か質問はありますか?」といった形で応募者からの質問を受け付ける時間を用意しておいてください。
給与や休暇などの条件面ばかりを質問する応募者もいれば、勉強しておくべきことの有無など前向きな質問をする応募者もいます。
「応募者が重要視するポイント」「モチベーションの有無」「クリニックの基本的な知識の有無」など、さまざまなポイントをチェックしましょう。
面接時以外の対応や態度も確認する
面接時以外の態度や対応も確認しておきましょう。面接の際は誰でも、評価されやすいように態度を装うものです。
電話での受け答えや応募書類の丁寧さ、待ち時間の態度などをチェックしておく必要があります。
面接時は真面目そうな応募者でも、面接時以外の対応や態度があまりに悪い場合は、採用は慎重に検討した方が良いでしょう。
男性と女性両方の目線で評価する
男性と女性、両方の目線から評価しましょう。男性の先生なら、女性スタッフに同席してもらうなど、男女両方の目線から評価できるような体制を整えておいてください。
同性の目線からであれば「プライドが高そう」「がさつな感じがする」といった点に気づけることもあります。
他の女性スタッフに馴染めそうかどうかなど、同性でなければ分からないこともあるでしょう。
応募者は準備してくることを意識する
採用する側と同じように、応募者も面接の準備をしてきます。面接だけで応募者のすべてを把握しないように注意が必要です。
面接の場でのみ良い態度をとっていないかどうか、着目しておきましょう。
面接する側も評価されていることを意識する
採用面接は、応募者だけを評価する場ではありません。応募者側からもクリニックは評価されています。
横柄な態度で面接をしたり、不適切な質問をしたりすれば、せっかく優秀な応募者がいても内定辞退されてしまうこともあるでしょう。
悪い口コミや噂が広まってしまう恐れもあり、クリニックにとっては大きな痛手になりかねません。
応募者も貴重な時間を使って面接に来ていることを意識し、誠実な態度で臨みましょう。
クリニックの採用面接で聞きたい質問事項
クリニックの採用面接では、以下5つの項目に関する質問事項を用意しておきましょう。
- 志望動機についての質問
- 前職の退職理由についての質問
- 応募者の経験と能力が把握できる質問
- 応募者の価値観が分かる質問
- 希望の働き方・待遇についての質問
志望動機についての質問
志望動機は必ず質問しておきましょう。クリニックで働く意気込みや面接に臨む姿勢、コミュニケーションを適切にとれるかをチェックするための質問です。
仮に本当の志望動機が「家から近くて給与が良いから」だったとしても、HPをチェックして「クリニックの診療方針に惹かれました」といった志望動機を持った応募者を採用したいものです。
志望度が高いことだけでなく、面接での質問内容を予測して準備できる人であると分かるからです。
志望動機を質問し、応募者のモチベーションとコミュニケーション能力を確認しましょう。
前職の退職理由についての質問
中途の応募者に対しては、前職の退職理由も聞いておきたいところです。
「人間関係が悪かった」「体力的に厳しかった」といった退職理由の場合は、採用した場合に自院でも同じことが起こらないか、深堀りしておく必要があります。
応募者の経験と能力が把握できる質問
応募者の経験や能力を把握するのも、面接を実施する目的の1つです。
もちろん、面接中に応募者のスキルを図ることは容易ではありません。
前職での業務内容や看護師・医療事務としての基本的な知識の有無など、経験や能力がある程度分かる質問をしてみてください。
応募者の価値観が分かる質問
応募者の価値観や理念が分かる質問も大切です。
クリニックの経営方針や診療方針とスタッフの価値観に大きな齟齬があると、人間関係や仕事へのモチベーションなどの観点でトラブルに発展する恐れもあります。
応募者が抱く医療に対する理念や、仕事において大切にしていることなど、その人の価値観が分かる質問をしましょう。
希望の働き方・待遇についての質問
希望の働き方や待遇についても、質問しておきたいところです。
たとえば、フルタイムでの勤務を想定していたものの、実際は扶養の範囲内での勤務を希望するスタッフだった場合、早期退職につながってしまう恐れもあります。
応募者の側からは待遇や働き方については言い出しにくいものです。面接する側から質問した方が、応募者も要望を伝えやすく、ミスマッチを減らせるでしょう。
クリニックでの採用面接に関するよくある質問
最後に、クリニックでの採用面接に関するよくある質問を紹介します。
クリニックを開業する際に行う採用面接のポイントは何ですか?
クリニック開業における採用面接のポイントは、事前準備を入念に実施することです。
質問事項の考案はもちろん、待遇に関する綿密な検討や余裕を持ったスケジュールの設定など、念入りな準備が欠かせません。
面接や選考に自信がない場合は、クリニック専門のコンサルタントに依頼することも視野に入れてみてください。
医療事務の採用面接では何を質問すべきですか?
医療事務の採用面接では、志望動機や前職の退職理由といった共通の質問事項だけでなく、医療事務ならではのスキルの有無をチェックしましょう。
パソコン操作のスキルレベルやレセプトの経験の有無、医療事務資格の有無について質問することが大切です。
まとめ:クリニックの採用面接は効果的な質問がカギ
クリニックの採用面接では、事前準備が重要です。応募書類のチェックはもちろん、質問事項や面接を実施する順番の検討など、事前に入念な準備が求められます。
面接では、志望動機や前職の退職理由といった基本的な事柄をはじめ、応募者の医療従事者としての経験やスキル、価値観が分かるような質問をしましょう。
質問内容に深堀りを入れることで、応募者の人となりや意欲を把握できるはずです。
クリニックの採用面接では、効果的な質問がカギとなります。クリニックについての応募者の理解を深めてもらうためにも、事前準備と誠実な態度を徹底しましょう。