急速に拡大する脱毛需要を見て、脱毛サロンや脱毛クリニックを開業したいと考える方は少なくありません。
美容脱毛・医療脱毛のどちらの需要も高まっており、開業すれば成功する可能性は大いにあるでしょう。
本記事では、脱毛サロンや脱毛クリニックを開業する方に向け、開業に必要な資金や開業の流れを解説します。
記事の後半では、開業の際の注意点や気になる点をまとめたQ&Aを用意しているので、ぜひお読みください。
この記事の内容
脱毛サロンの開業が人気な理由は?メリットを解説
そもそも、なぜ脱毛サロンの開業が人気なのでしょうか?
世間の脱毛に対するニーズがかなり高まっていることも大きな要因ではありますが、それだけが開業が人気な理由ではありません。
そこで、脱毛サロンを開業するメリットを通して、確認してみましょう。
脱毛サロンを開業するメリットは、大きく分けて以下の2つです。
- 開業費用を抑えられる
- 客単価が高い
脱毛サロンの開業・運営に必要な資金は、他の診療科と比較すると少なく抑えられます。
そのため、失敗しても被る損害が大きくないため、開業するハードルが低いのです。
また、脱毛サロンの客単価が高く、費用をかけずに大きな金額を稼げるため、利益を得やすくなっています。
競争激化により低単価へシフトする動きが見受けられますが、それでも客単価は1万円ほどです。
費用を抑えながら運営ができるため、高い利益率が出せるのです。
脱毛サロンの開業が人気な理由は、脱毛に対する人気だけでなく費用を抑えて大きく稼げることが挙げられることを理解しておくと良いでしょう。
脱毛サロンの開業に必要な資金は?
脱毛サロンの開業に必要な資金は、最低200万円です。
使用する機材や開業場所次第で、より高くなる可能性もありますが、少なくとも200万円が必要になります。
ただし、200万円と言っても、何にお金がかかるのか疑問に思われる方もいるでしょう。
そこで、以下では開業資金の内訳と開業資金が足りない場合の対処法について解説します。
開業資金の内訳
脱毛サロンの開業資金の内訳は、以下の通りです。
品目 | 金額 |
---|---|
脱毛器の費用 | 100万円〜 |
賃料 | 10万円〜(初期費用で数十万円) |
人件費 | スタッフの人数による |
広告費 | 30万円〜 |
設備費 | 約50万円 |
消耗品 | 約10万円 |
かなり多くの項目で費用がかかることがお分かりいただけたでしょう。
開業資金が足りない場合
では、開業資金が足りない場合はどうすれば良いのでしょうか?
知人や友人から借りる方法もありますが、人間関係を悪化させてしまう可能性もあるため、信頼できる人でない限りは、避けるのが無難でしょう。
そのため、金融機関からの融資を利用するのが好ましいです。
銀行や信用金庫だけでなく、日本政策金融公庫などの金融機関もあります。
それぞれの金融機関によって、条件や審査基準などが異なるため、調べてから利用することをおすすめします。
脱毛サロンを開業する流れ
脱毛サロンを開業する流れについて解説します。
- 方針の決定
- 資金計画・資金調達
- 立地・物件選び
- 内装工事・機器選定
- 集客対策
- スタッフ採用・教育
- 書類手続きなどの雑務
状況に応じて、それぞれの項目が前後することはありますが、概ね以上の流れで開業準備が進められます。
それぞれの段階で、何をするのかを見ていきましょう。
方針の決定
まずは、方針の決定をする必要があります。
コンセプトをはじめ、どのように運営していくのかの方針が固まっていないと、途中で変更の必要性が生じたり目標が定まらなかったりする可能性があるでしょう。
このような状態では、開業準備がうまくいかず、開業後の運営でも苦労することが容易に想像されます。
そのため、さまざまな準備を始める前に、運営方針を決めておくようにしましょう。
資金計画・資金調達
方針が決まれば、資金計画を立てる必要があります。
先ほど紹介した開業資金の内訳などを参考に、必要な資金がどの程度なのかを算出します。
それに加えて、開業後も安心して運営ができるように、運転資金も半年分ほど確保しておくと良いでしょう。
立地・物件選び
立地・物件選びも早めの段階で行う必要があります。
売上に大きく関わるので、見込み客がいるのかなどの分析は必ず行ってください。
また、競合の有無も確認しておくと良いでしょう。
自宅での開業もできますが、賃貸物件である場合は事前に家主への確認を忘れずにしてください。
内装工事・機器選定
物件が決まった後は、内装工事と機器選定に移ります。
機器選定では使いたい機器を選ぶことが大切ですが、物件のレイアウトを考慮する必要があります。
機器が大きいと、お客様やスタッフの動線の妨げになってしまうことがあります。
また、配線などを綺麗に整えておくことも、見た目の上では大切なので、可能な限り考慮するようにしましょう。
業務用脱毛器の選び方は、以下の記事で詳しく解説しているので、併せてお読みください。
【2024年10月】業務用脱毛器おすすめ11選!選び方や価格相場も解説!
集客対策
続いて、集客対策を検討する必要があります。
脱毛サロンは地域密着型ではなく、多少遠い距離からでも通ってもらえる可能性の高い業態です。
各地域に1つずつある内科や歯科とは異なり脱毛サロンは都市部に集中していること、脱毛サロンごとに手法や効果、価格が大きく異なるため、自分の希望に適した脱毛サロンに通いたいニーズが高いことなどが理由として挙げられます。
そのため、HPやブログ、SNS、Web広告などを利用して、集客をするのが望ましいでしょう。
しかし、予算に限りがある場合は、全ての施策を取り入れることは難しいでしょう。
HPは必ず作る必要がありますが、その他は無料で始められるSNSを中心として集客をするのがおすすめです。
スタッフ採用・教育
集客対策と同じタイミングで、スタッフ採用やスタッフ教育もしておく必要があります。
まずは、スタッフが何人必要なのかを把握することから始めます。
もし、身内や知人のみで対応が可能であれば、無理して雇う必要はありません。
しかし、それだけでは足りないことがわかれば、採用活動を行う必要があります。
採用面接をして、適任のスタッフを選びましょう。
採用したスタッフには、開業前に研修を行い、丁寧な接客を心がけるように教育する必要があります。
なお、どのような接客をすれば良いのかわからない場合は、研修してくれる企業に依頼することも検討しておくと良いでしょう。
書類手続きなどの雑務
脱毛サロンの開業には、書類手続きなどの雑務も必要です。
書類手続きについては、場合にもよりますが、基本的には「開業届」とそれに関連する税金関係の書類のみのことが多いです。
開業届とそれに関する書類は税務署に提出することになります。
脱毛サロンを開業する際の注意点
脱毛サロンを開業する際の注意点は、主に以下の3つが挙げられます。
- 競合調査を怠らない
- 資金計画は慎重に作成する
- 集客に力をいれる
これらの注意点を理解しているだけで、失敗する確率が減るので、1つずつ確認していきましょう。
競合調査を怠らない
1つ目は、競合調査を怠らないことです。
競合よりも高い価格帯で営業していたり、競合よりも割高だと感じさせてしまったりすることがあると、客足が遠のくでしょう。
価格設定を間違えてしまう原因のほとんどは、競合調査を怠り、感覚に頼って値段設定をしてしまうことにあります。
価格を高めれば客単価は高まりますが、そもそも客足が遠のいてしまっては意味がありません。
競合調査をきちんと行うことで、お客様に納得してもらえる価格設定をしましょう。
資金計画は慎重に作成する
2つ目は、資金計画は慎重に作成することです。
脱毛サロンの失敗事例で多く挙げられる原因が、資金管理の甘さです。
ずさんな資金計画を立てたり、資金計画を立てていても実行していなかったりすることで、資金管理が甘くなり、業績が悪化してしまいます。
もちろん計画通り実行することも大切ですが、そもそもの計画が間違っていては、修正しようにも修正しにくくなります。
あらかじめ、必要な経費を全て洗い出したり、売上が思うように上がらなかった際の予備費を用意したりすることで、資金管理の甘さにより廃業することのないようにしましょう。
集客に力を入れる
3つ目は、集客に力を入れることです。
脱毛は多少距離が遠くても、通ってもらえるという特徴があります。
そのため、ターゲット選定をきちんと行い、適切なWeb広告を打つことで、一定の顧客確保につながるでしょう。
しかし、ターゲット選定が間違っていたり、そもそも集客に手を抜いていたりすると、顧客確保は難しいといえます。
脱毛の需要は伸びていますが、それに応じて競合の数も増えているため、何も対策をしなければ、大きく稼ぐのは難しいことを理解しておくことが大切です。
脱毛サロンの開業に関するQ&A
最後に、脱毛サロンの開業に関するQ&Aを2つ紹介します。
よくある質問を載せているので、ぜひ参考にしてみてください。
脱毛サロンの開業に資格は必要?
脱毛サロン、すなわち美容脱毛を行うには、資格は必ずしも必要なわけではありません。
しかし、資格を持っていたほうが有利になる場合が多いでしょう。
民間資格である「脱毛士検定」「認定美容ライト脱毛」資格などを取得しておくことで、客観的な知識・技量が担保されます。
お客様目線で考えると、客観的に技量が担保されているサロンのほうが信頼度が増すので、選んでもらいやすくなるでしょう。
医療脱毛と美容脱毛は何が違う?
脱毛には、医療脱毛と美容脱毛の2種類があります。
医療脱毛と美容脱毛には、以下のような違いがあります。
医療脱毛 | 美容脱毛 | |
---|---|---|
仕組み | レーザーを照射する | 光を照射する(フラッシュ脱毛と呼ばれる) |
メリット | 少ない回数で効果を得られる 医師によるサポートを受けられる |
痛みが少ない 価格が安い傾向にある |
デメリット | 痛みが生じる 炎症を起こす可能性がある |
1回あたりの効果が薄い →施術回数が多くなる |
資格 | 医師のいる医療機関のみ | 不要 |
医療脱毛は、レーザーを照射する方式で行われます。
照射のパワーが強く、1回あたりの効果が高いため、少ない回数で脱毛の効果が得られるものの、痛みが生じ、場合によっては炎症を起こす可能性もあります。
しかし、医療脱毛は医師がいる医療機関しか開設できないため、医師によるサポートを確実に受けられる安心感があるでしょう。
一方、美容脱毛は、光を照射することにより脱毛をするフラッシュ脱毛と呼ばれる方式で行われます。
照射のパワーが強くないため、痛みが生じにくいのですが、その分脱毛の効果を得るまでには、何回も通う必要があります。
加えて、医療脱毛に比べて、価格が安い傾向にあるため、より多くの方に利用してもらいやすいでしょう。
まとめ
需要の高まる脱毛業界でも、生き残るのは簡単ではありません。
競合調査をし適切な広告戦略を打たなければ、競合に負けてしまう可能性が大いにあります。
また、余裕のある資金計画を立てることで、思うように売り上げが上がらなくても、立て直せる状況を作っておくと良いでしょう。
ぜひ今回の内容を参考に、脱毛サロンや脱毛クリニックの開業に向けて、準備を始めてみてください。