「自分で整形外科の開業はできるのかな?」
「整形外科の開業が不安で、何をすれば良いのかわからない。」
こうした疑問やお悩みを抱えてはいませんか?
整形外科を開業するとなると、大きな決心をしなければならないので、不安になるのも当然だと思います。
しかし、不安だけ漠然と抱えてしまっていても、開業するにあたりプラスになることはありません。
そこで、今回は整形外科の開業をする際に失敗しないための5つのポイントを紹介します。
また、必要な開業資金や開業後の年収、信頼できる相談先についても紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
この記事の内容
整形外科の開業で失敗しないためのポイントは?
ここでは、整形外科の開業で失敗しないためのポイントを以下の5つの観点について解説します。
- 立地
- 内装
- 採用
- マーケティング
- 資金計画
それぞれのポイントについて、どんなことを意識すべきかを理解しましょう。
ポイント1:立地
1つ目は、立地に関するポイントです。
整形外科の立地で重要なポイントは、車椅子の方や松葉杖をついて来られる方がスムーズに出入りできる場所にすることです。
そのためには、以下の要素を満たしていることがベストです。
- 車での出入りが簡単
- 広めの駐車場が確保できる
- 建物の1階、またはエレベーターが使える
これらを満たすことで、車椅子の方や松葉杖をついて来られる方でも比較的スムーズに医院の出入りができるようになるでしょう。
ポイント2:内装
2つ目は、内装に関するポイントです。
整形外科の内装は、なるべく広めにすると良いでしょう。
通路や診察室が狭いと、車椅子や松葉杖の方は通りづらく、不便に感じてしまいます。
毎回、不便を感じさせてしまうと、医院の印象もあまり良くはないため、なるべく広めの内装にしましょう。
また、受付や診察室に椅子を設置する際は、高さの違う椅子を複数用意しておくと、どんな体勢の方でも気楽に休める環境が作れます。
広めにすることと椅子の高さを複数用意することを意識しましょう。
ポイント3:採用
3つ目は、採用に関するポイントです。
整形外科の採用では、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 理学療法士・作業療法士・放射線技師などの専門職の採用
- さまざまな求人媒体に求人情報を載せる
- 周辺地域を調査した上での給与設定
まず、整形外科においては、理学療法士・作業療法士・放射線技師などの専門職を採用する必要があります。
また、求人情報を載せる場合は、1つの求人媒体だけに掲載するのではなく、複数の求人媒体に掲載しましょう。
そして、給与の水準には地域差があるため、周辺地域の給与の相場を確認してから給与設定をすると良いです。
ポイント4:マーケティング
4つ目は、マーケティングに関するポイントです。
整形外科は、若年層から高齢者まで幅広い層が対象になります。
そのため、Web広告・アナログ広告の両方を使ってマーケティングをしていくのがおすすめです。
Web広告の具体例としてはリスティング広告やSNS広告、アナログ広告の具体例としては看板やチラシが挙げられます。
これらをどららも活用することで、幅広い層の集患が期待できるでしょう。
ポイント5:資金計画
5つ目は、資金計画に関するポイントです。
開業に必要な資金を割り出し、自己資金でどのくらい賄えるのかを計算します。
全額自己資金で開業するのは困難である一方、全額借り入れることもまた困難なため、自己資金は一定の割合で出さなければいけません。
しかし、自己資金を無理して捻出してしまうと、その後の私生活が立ちいかなくなる危険性があります。
特に配偶者や子供がいる場合には、その生活費を貯めておくことも重きを置いて考えなければなりません。
したがって、どの程度、自己資金を出せるのかは冷静に考える必要があるでしょう。
整形外科の開業資金はどのくらい?
では、整形外科の開業資金はどのくらい必要なのでしょうか?
開業資金は、土地によるだけでなく、どのような設備を設けるかによって大きく変わります。
そのため、あくまで一般的な数値として参考にする程度の認識でご覧ください。
- 土地関係:3,000万円〜5,000万円(建物を新築する場合は、より上乗せされます)
- 設備関係:2,000万円〜3,000万円
従って、合計5,000万円〜8,000万円ほどが必要になるでしょう。
ただ、先ほども触れたように、自分で全てを出資する必要はなく、銀行などの金融機関から融資を受けることも可能になる点を理解しておきましょう。
整形外科を開業した医師の年収は?
では、整形外科を開業した医師の年収は、どのくらいになるのでしょうか?
「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告-令和3年実施-」を見ると、整形外科で開業した人の平均年収はおよそ2,400万円だとされています。
2年前、すなわち新型コロナウイルスが蔓延する前は2,800万円ほどだったことを考えると、減少しているといえます。
しかし、新型コロナウイルスの感染が収束して、日常の生活を取り戻すと、以前と同じように外で活発に活動する方が増え、受診も元通りになると考えられるため、一時的な現象だと考えて良いでしょう。
整形外科の開業で困ったら誰に相談すればよいか?
整形外科を開業しようとする際、困ることがあるはずです。
そんな場合に、気軽に相談できる人がいると心強いですよね。
そこで、整形外科の開業で困った際におすすめの相談先として挙げられるのが、以下の3つです。
- コンサルタント
- 税理士
- 社会保険労務士
1つずつ解説していきます。
①コンサルタント
1つ目は、コンサルタントです。
コンサルタントは、整形外科を開業する方を全面的にサポートしてくれます。
経営方針や立地場所、内装、マーケティングなど、さまざまな面で一緒に戦略を考えたりアドバイスをくれたりします。
このようなコンサルタントは、日常的に医院のことを見続けてくれるので、悩みを相談すれば実情にあった的確なアドバイスをしてくれること間違いなしです。
もし、「開業が不安でどうすれば良いかわからない」という場合は、コンサルタントの活用も検討してみてください。
②税理士
2つ目は、税理士です。
税理士は、主に医院の税金面を見てくれる専門家です。
どんな種類の税金がかかって、どれほどの税金を支払わなければならないのかを、その道のプロとして教えてくれます。
また、税理士は税金のプロというだけでなく、医院の資金繰りについても見てくれる場合があります。
例えば、今までの豊富な知見をもとにどうすればうまく資金のやりくりができるのかのアドバイスしてくれることなどが挙げられるでしょう。
したがって、お金関係の悩みであれば税理士に相談することも検討してみましょう。
③社会保険労務士
3つ目は、社会保険労務士です。
社会保険労務士は、主に雇用関係について助言をくれる専門家です。
どのような雇用形態にすれば良いのか、また医院の労働条件は適切なのか、などについてアドバイスをしてくれます。
また、法律は毎年改正されているため、その全てを理解するのは至難の業だといえるでしょう。
その際も社会保険労務士の方が法改正に伴う重要な変更点について教えてくれます。
したがって、雇用関係、労働関係についての相談は社会保険労務士にすることを検討してみましょう。
まとめ
今回は、整形外科の開業について解説しました。
整形外科の開業には多くのハードルが存在しますが、ポイントや注意点を理解すればスムーズに開業まで進めることもできるでしょう。
しかし、全てが順風満帆に進むわけでもありません。
そこで、信頼できる相談先を探しておくことで、安心して運営ができるでしょう。