デジタル診察券アプリおすすめ12選！クリニック必見

予約や受付を業務効率化させるために、従来の紙の診察券からデジタル診察券に切り替えるクリニックは増加傾向にあります。

一方で、「デジタル診察券を導入したいけど、どれを選ぶべきか迷っている」という医療関係者も多いのではないでしょうか。

この記事では、デジタル診察券アプリの機能やメリット・デメリットとともに、おすすめのアプリを紹介します。

自院に合ったデジタル診察券の選び方についても触れていますので、導入を検討している方は参考にしてみてください。

デジタル診察券とは？

デジタル診察券とは、紙の診察券のデジタル版で、スマートフォンやタブレット端末で診察券の管理を行うシステムです。

患者は普段から持ち歩くスマートフォンに診察券を入れられるため、診察券を忘れたり無くしたりするリスクを下げられます。

患者の情報や診療履歴を電子化して管理するため、予約や受付、請求の流れがスムーズになり、クリニックの業務効率化も図れます。

デジタル診察券は3種類

クリニックに対するデジタル診察券の種類は、主に以下の3つです。

1. LINE
2. Web
3. アプリ

それぞれの特徴について詳しく説明します。

LINE

LINE公式アカウントを使用するデジタル診察券です。

患者がクリニックの公式LINEアカウントに登録すると、LINE上で簡単に予約できるようになります。予約の確認や変更、キャンセルもLINE上で行えるのが特徴です。

LINEは、日本国内で非常に認知度が高く、すでに多くのユーザーが日常的に利用しています。そのため、新しいアプリをインストールする必要がなく、既存のLINEアプリでデジタル診察券を利用できるのが大きなメリットです。

Web

Webシステム上で、予約や情報管理をするデジタル診察券です。

患者がクリニックのWebサイトに会員登録してデジタル診察券が発行される仕組みで、特定アプリのインストールは不要です。

LINEデジタル診察券と比べると、LINE公式アカウントを作る手間が省ける点がメリットといえます。

アプリ

スマートフォンやタブレットなどの端末に、クリニック専用のアプリをダウンロードして利用するタイプです。

患者がアプリをダウンロードして必要な情報を入力すると、簡単に診療予約できるようになります。

システムによっては、チャット機能があったり、1つのアプリで複数の医療機関を利用できたりなど、機能性が充実しているのが特徴です。

デジタル診察券を導入するメリット

デジタル診察券の導入によって得られるメリットは多く、すでに導入しているクリニックも少なくありません。

ここからは、患者側と医療機関側のメリットに分けて解説していきます。

患者側のメリット

• LINEやWeb、アプリからいつでも簡単に予約できる
• 受診前にリマインド通知が送られてくるため、受診忘れを防げる
• 受付から会計までスムーズに行えるため、待ち時間が減る
• 紙の診察券を保有する必要がなくなり、管理が楽になる

医療機関側のメリット

• 事務工数の削減（受付業務や予約管理など）
• 患者に快適な診察体験を提供できる（電話予約の手間や待ち時間の減少など）
• 患者情報を一元的に管理でき、スタッフ間で共有しやすくなる
• コスト削減につながる（診察券の用紙代、管理に関わる人件費など）
• 患者への連絡が容易になる（休診のお知らせや受診リマインド通知など）

デジタル診察券を導入すると、予約や受付の簡素化が図れるのが大きな魅力です。これにより、患者の満足度向上や医療機関内の業務効率化が期待できます。

デジタル診察券を導入するデメリット

デジタル診察券を導入するメリットは多数あるものの、いくつか気になるデメリットも存在します。

デジタル診察券を導入する際の主なデメリットは、以下の通りです。

• 手書きの情報をデータ移行する手間が発生する
• 一斉移行は難しく、アナログ診察券との並行管理が必要になる
• デジタルに不慣れな患者への対応が求められる
• データ漏洩やシステム障害のリスクもある

デジタル診察券を導入する際、クリニックは手書きの情報をデータ移行する手間がかかります。

また、デジタル診察券への移行を完全に済ませるまでは、紙の診察券と並行して管理しなければなりません。高齢の方のようにデジタルに不慣れな患者への対応や配慮も必要です。

さらに、デジタル診察券は個人情報を扱うため、セキュリティやプライバシーのリスクも伴います。

デジタル診察券の主な機能

デジタル診察券には、主に以下のような機能が搭載されています。

• 予約機能
• 受付機能
• 問診機能
• メッセージ機能
• 会計機能
• 診療データ記録機能
• 処方せん送信機能
• 診察券の一括管理機能

ここからは、各機能の内容について詳しく解説します。

予約機能

予約機能は、患者が24時間いつでもアプリやWebブラウザから予約できる機能です。

診察後に自動的に次回予約を促す機能や、予約時間が近づくと患者に通知する機能などを備えたシステムもあります。

受付機能

受付機能は、受付に設置されたQRコードをスマホで読み取ったり、アプリに表示されたQRコードを専用機器にかざしたりしてチェックインする機能です。

受付機能が搭載されていれば、診察券の提出や返却などの窓口業務を軽減できます。

問診機能

問診機能は、来院前や待ち時間に患者がオンライン上で問診へ回答できる機能です。

問診機能によって、クリニック側は事前に余裕を持って内容を確認できます。紙の問診票の配布や回収の手間を省けるのもメリットです。

メッセージ機能

メッセージ機能は、メールやアプリ通知で休診日や定期健診の案内などのお知らせを自動送信する機能です。

個々の患者に合わせたおすすめの施術を送信したり、患者からの返事を受け取ったりできるシステムも登場しています。

会計機能

会計機能があれば、患者は診察後に登録済みのクレジットカードから自動決済できます。

自動精算機にアプリや受付票のQRコードを読み込ませての会計も可能で、窓口で現金を取り扱う手間を軽減できます。

診療データ記録機能

診療データ記録機能を活用すれば、患者の基本情報や診療履歴などを一元管理できます。

システムによっては、かかりつけ医が作成した病歴の概要や、患者自身による日々のデータ（体重や血圧など）、健診結果なども記録可能です。

処方せん送信機能

処方せん送信機能は、処方せんを薬局に事前に送信できる機能です。この機能によって、患者は待ち時間なくスムーズに薬が受け取れます。

診察券の一括管理機能

診察券の一括管理機能とは、異なる医療機関や家族の分など、複数の診察券を1つのアプリにまとめられる機能です。

多くの診察券をスマートに管理でき、小さな子どもや自分では受付が難しい患者がいる家庭でも役立ちます。

デジタル診察券アプリの選び方3つ

デジタル診察券アプリを選ぶ際にチェックしたいポイントは、以下の3つです。

1. 自院の課題を解決できるか
2. 予約システムが患者層にマッチしているか
3. 対応病院がどれくらいあるか

それぞれの内容について、詳しくチェックしていきましょう。

自院の課題を解決できるか

基本的にどのアプリにも「予約機能」と「受付機能」は標準搭載されています。

ただし、Web問診やオンライン会計といった機能は、非対応や有料オプションのアプリも少なくありません。

デジタル診察券を導入する前に、まずは自院の課題点を洗い出し、その課題を解決できる機能が搭載されているか確認しておきましょう。

予約システムが患者層にマッチしているか

アプリによって対応している予約方法は異なるため、自院の患者層に合った予約方法を備えているかもチェックしておきましょう。

個人での受診が多い医療機関であれば、スマートフォンを使用して予約できると便利です。

一方、企業の健康診断といった個人以外の利用が多いクリニックの場合、インストール不要でWeb上から利用できるシステムが適しています。

対応病院がどれくらいあるか

対応可能な医療機関の多さも重要な比較ポイントとなります。アプリによっては、連携できるシステムが限られる場合もあるので注意が必要です。

また、電子カルテやレセコンなど、既存システムと連携できなければ、受付の業務効率化は図れません。

デジタル診察券の導入前に、既存システムとの連携が可能であるか確認しておきましょう。

デジタル診察券アプリおすすめ12選

ここからは、おすすめのデジタル診察券アプリ12選を紹介します。

1. medicalforce（株式会社メディカルフォース）
2. Lacoon（ハヤレジ株式会社）
3. デジスマ診療（エムスリーデジカル株式会社）
4. Fanka（株式会社TEN EXPERIENCE）
5. Medibot診療（株式会社ソラリウム）
6. EPARKデジタル診察券（株式会社メディカルメンバーシステム）
7. スマホDE診察券（株式会社ミック）
8. ドクターキューブ（ドクターキューブ株式会社）
9. チェックオン（株式会社エヌオーシー）
10. CureSmile（マムクリエイト株式会社）
11. モバドク（株式会社メッドスター）
12. QuiQ（株式会社peerNIST）

medicalforce（株式会社メディカルフォース）

medicalforceは、LINE連携機能が豊富な電子カルテシステムです。診察予約や受付、問診票、会計、経営管理などの機能を備えています。

患者属性に応じた配信機能が充実しているのも特徴で、CRM（顧客関係管理）としても有効に活用できます。

クリニックの要望に対しての柔軟かつ迅速な対応にも定評があり、困ったときにいつでも聞ける万全なサポート体制を整えています。

Lacoon（ハヤレジ株式会社）

Lacoonは、医療機関向けのLINE予約システムです。複雑な操作は不要で、LINEから簡単に予約できます。

クリニックの診療スタイルに合わせて選べる、豊富なオプション機能も魅力のひとつ。予約だけでなく、待ち状況確認から決済まですべてLINE上で完結できます。

家族の受診予約をまとめて管理できるのも注目ポイント。ひとつのLINEアカウントで複数人登録可能です。

デジスマ診療（エムスリーデジカル株式会社）

デジスマ診療は、予約や受付、会計機能のワンストップ化により、快適な診療体験を提供するデジタル診察券アプリです。

患者に事前オンライン問診も依頼でき、問診内容は自院の診察内容に合わせてカスタマイズできます。

ほかにも、キャッシュレス決済機能や、領収書添付機能など便利な機能も備えています。

同社のクラウド型電子カルテと連携すれば、スタッフ間の情報共有がさらにスムーズになり、クリニック全体の業務効率化が図れます。

Fanka（株式会社TEN EXPERIENCE）

Fankaは、クリニック向けの予約や問診、決済、電子カルテ連携を包括したオールインワンシステムです。

デジタル診察券アプリとしてスマートフォンから簡単3タップでWeb予約が叶うのが強みです。

事前問診にも対応しており、保険証やクレジットカード情報の事前登録もできます。

診療後のアフターフォロー機能も搭載しており、LINEで診断や治療方法をフィードバックできるのも注目ポイントです。

Medibot診療（株式会社ソラリウム）

Medibot診療は、LINEを活用したクラウド型の診療システムです。予約から問診、受付、決済までLINEのみで完結します。

LINE経由で、患者の質問にすばやく回答するボット機能を搭載しているのも魅力のひとつ。予約手順や診療スケジュールといった基本的な質問には自動で応答可能です。

マーケティング機能が充実しているのも特徴で、広告効果や患者の行動に対しての分析が可能。来院促進や受診率向上の策定に役立ちます。

EPARKデジタル診察券（株式会社メディカルメンバーシステム）

EPARKデジタル診察券は、累計200万ダウンロード超えの実績を誇るデジタル診察券アプリです。

予約機能やQRコード読み込みによる受付機能のほか、診察の順番を通知するプッシュ通知機能など、便利な機能を多数備えています。

複数の医療機関の診察券を登録・管理できるのも特徴で、家族の診察券も一括で管理できます。

さらに、年間の医療費もスマートフォン内にまとめられ、医療費控除「e-Tax用申告ファイル」も出力可能です。

スマホDE診察券（株式会社ミック）

スマホDE診察券は、スマートフォンを診察券として利用できるアプリです。QRコードをかざすだけで受付や会計ができます。

アプリでは、診療履歴や次回予約日なども確認可能。診察日が近づいた際はアラーム機能でお知らせを届けられます。

1つのスマートフォンに複数の診察券を登録できるので、家族の予約もまとめてアプリで管理できるのもメリットです。

ドクターキューブ（ドクターキューブ株式会社）

ドクターキューブは、5,000件以上の導入実績を持つ、診療予約・受付管理システムです。Web予約や受付、問診、診療状況の確認などの機能を備えています。

診療内容やスタッフ数、患者層など、医療機関によって異なる要件にも柔軟に対応できるカスタマイズ性の高さが魅力です。

診察券はテプラで印刷したバーコードを使用する「バーコード診察券」も使えます。

ほかにも、何度も上書き可能な「リライト診察券」、QRコードで受付する「Smart診察券」も使用可能です。

チェックオン（株式会社エヌオーシー）

チェックオンのデジタル診察券は、スマートフォンやタブレットに専用アプリをダウンロードして利用するサービスです。

Web予約と同時に記入してもらえるオンライン問診や、レセコン・電子カルテ連携など、多彩なニーズに対応します。

テプラで患者情報の入ったバーコードを作成して貼付すれば、既存の診察券もそのまま利用可能なため、紙とデジタルを共存させたい場合にもおすすめです。

CureSmile（マムクリエイト株式会社）

CureSmileは、WebやLINEでの予約に対応し、スマートフォンやタブレット、パソコンなどで24時間予約可能な自動受付システムです。

デジタル診察券にはQRコードが表示されており、受付カウンターに置いてあるリーダーにかざすと受付処理が完了します。

オプションが充実しているのが特徴で、電子カルテとの連携機能を使えば入力作業も大幅に削減可能です。

ほかにも、診察順番が近づくと患者へ自動でメール送信する機能や、患者の待ち時間を見える化する順番表示モニターなども追加できます。

モバドク（株式会社メッドスター）

モバドクは、QRコード受付やWeb問診票、患者データの共有など、さまざまな機能を搭載した医療機関向けのデジタル診察券アプリです。

患者自ら日々の健康状態を記録でき、おくすり手帳や健診結果などを画像で保存できます。オプションとなりますが、オンライン診療に対応しているのも便利なポイントです。

かかりつけ医が作成した病歴サマリーを参照できるため、本アプリと提携している医療機関であれば初診でも効率良く診察できます。

QuiQ（株式会社peerNIST）

QuiQは、医療機関の予約や受付をスマートフォンで完結できる診療予約システムです。

予約状況や待ち人数をリアルタイムで確認ができ、QRコードによる自動受付や自動精算も実施できます。

シンプルで使いやすい画面設計にも定評があり、デジタルの扱いが苦手な方でもストレスなく使用できるのがメリットです。

デジタル診察券アプリの基本的な使い方

デジタル診察券アプリの基本的な使い方は、以下の通りです。

1. アプリをダウンロードして登録する
2. アプリから診察予約する
3. 受付付近の専用端末にアプリをかざす
4. プリンタから受付票が印刷され、受付完了

ただし、使用するアプリによって使い方は異なるため、必ずマニュアルを確認するのが重要です。

まとめ：デジタル診察券アプリを導入して事務負担を軽減しよう

デジタル診察券を活用すれば、患者は紙の診察券を持ち歩く必要がなくなります。

スムーズに予約や受付、会計などを行えるため、クリニックの業務効率化を図れるのもデジタル診察券のメリットです。

既存患者のデータ管理や新規患者の獲得にも大いに役立つので、この記事を参考にして導入を検討してみてください。