1日に多く患者が来院する病院やクリニック、サロンなどでは、予約システムの導入が進んでいます。
患者は来院時間の目安がわかり、診察の待ち時間を軽減できるメリットがあります。
病院側も事前に患者情報を把握でき、事前問診で院内の混雑の軽減やスムーズな診察ができるでしょう。
産婦人科においても予約システムの導入で患者の満足度を高められ、病院経営の業績向上が期待されます。
本記事では、産婦人科に特化した予約システムを解説します。
待ち時間の悩みを解消できる予約システムの選び方や導入するメリットも紹介するので、自院に適した予約システムを検討し効率化を図りましょう。
この記事の内容
産婦人科が予約システムを導入するべき理由
産婦人科が予約システムを導入するべき理由は次のとおりです。
- 予約制が普及している
- 急患対応がある
- 診療内容の幅が広い
それぞれ解説するので内容を確認してみてください。
予約制が普及している
近年クリニックやサロンなどではSNSツールを使用した予約サイトが広まっており、産婦人科においても予約制が普及しています。
予約制度は飲食店やホテルが一般的でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大後、ワクチンや検診などの目的で病院を利用する患者によって需要が高まりました。
病院側も混雑を軽減させるために入場制限を設けたり、感染症対策を実施したりする必要があります。
予約方法は電話予約や受付での予約のほか、LINEや予約アプリなどSNSツールの活用が代表的です。
産婦人科においても患者の利用目的に応じ、診察時間の確保や定期健診の再診率向上のために予約制を導入すべきでしょう。
急患対応がある
とくに産科では急患対応が必要になるため、予約システムの導入で患者数や診察時間の目安を把握できることが重要です。
体調が悪化した、陣痛がはじまったなど、妊婦の体調変化は読めないことが多いでしょう。
急患が多いことを想定した予約時間の設定や受付人数の調整をおこなえば、長時間待たせる心配もなく、スタッフの業務も混乱させずに済みます。
あらかじめ急患対応できる人員配置やゆとりのある予約システムの構築をおこないましょう。
診療内容の幅が広い
婦人科では月経や子宮検診、性感染、不妊、PMS、更年期障害など、女性の体に関するあらゆる診察をおこなっており、若い世代から高齢世代まで幅広い年齢層を受け付けています。
診療内容が幅広く、所要時間や診察回数、必要な検査項目がさまざまであるため、予約制の導入で待ち時間なくスムーズに診察できるでしょう。
診療内容にあわせた予約枠の設定や医師の配置も必要です。
SNSや公式サイトからの予約導線を確保する場合は、自院が得意とする診療内容に特化した予約数を増やすシステムを導入するとよいでしょう。
産婦人科の診療スタイルに合った予約システムの選び方3つ
予約システムの選び方は次の3項目に着目するとよいでしょう。
- オンライン予約で患者の待ち時間負担を軽減
- 混み具合によってや待ち時間が長くなる場合には番号表示の導入
- 診療内容によって予約帳を使い分ける
産婦人科の診療スタイルに適したシステムを導入できるようにしましょう。
オンライン予約で患者の待ち時間負担を軽減
オンラインで事前に予約することで診察時間の目安がわかり、待ち時間の負担を軽減できます。
産婦人科を利用する患者層は、普段からSNSやインターネットを利用する若い世代が比較的多く、電話での予約よりもオンラインで手軽に予約できる方がよい傾向にあります。
また再診の場合は会計時に次回の診察日程を決めることがありますが、受付での業務が増え負担になる場合もあるでしょう。
混雑時に来院した患者の対応で忙しい中、電話予約の対応で業務が滞る可能性もあります。
オンライン予約は患者が便利に予約できるだけでなく、受付業務の負担を軽減できるので院内対応がスムーズにおこなえ、結果患者の待ち時間を軽減できるでしょう。
混み具合により待ち時間が長くなる場合には番号表示の導入
急患対応が多い産科では、予約システムを導入しても待ち時間が長くなるケースもあるでしょう。混み合う時間帯に急患が多いと院内混雑の原因になります。
産婦人科では予約来院した患者の体調が優れず、待合室で長時間座っていることが負担になる場合もあります。
番号表示できる順番管理システムの導入により、院外からも自分の順番が確認できるため、院内で長時間待つ必要がありません。
院内の掲示板のほか、病院の公式サイトからも確認できるシステムなら、順番が近づく頃に来院できるようになります。
診療時間の目安がわかれば、院内で待つストレスは緩和されるため、患者の満足度は向上するでしょう。
診療内容によって予約帳を使い分ける
産婦人科は診療内容が幅広く、患者の年齢層もさまざまです。
数分程度の問診や注射だけでなく、投薬から1時間以上必要な検診もあり、診察に要する時間はそれぞれ異なります。
すぐに終わる診療内容にもかかわらず、待ち時間が異様に長い場合は不満になり、患者離れも懸念されるでしょう。
診療内容により所要時間が異なる産婦人科では、予約帳の使い分けがおすすめです。
たとえば診察室別に予約帳を分け、短時間で終わる診療内容の患者は先着順で整理番号を配布する順番制にします。
一方長時間必要な妊婦健診やがん検診の患者は、日時を事前に定める時間制を採用します。診療内容が確定していない初診を分ける方法もあります。
予約システムの導入を検討する際は、予約帳の複数管理が可能であるかも考慮するとよいでしょう。
予約時間の設定や医師の指定など細かなカスタマイズのサービスの有無も確認してください。
産婦人科に特化したおすすめ診療予約システム3選
産婦人科に特化したおすすめ診療予約システム3選を紹介します。
- 株式会社ベビーカレンダーの「かんたん診察予約システム」
- 株式会社コントロールテクノロジーの「RESERVA予約」
- 株式会社オフショアの「@link」アットリンク
それぞれの特徴や料金、予約可能時間を比較し、自院に適したシステムを検討しましょう。
株式会社ベビーカレンダーの「かんたん診察予約システム」
運営会社 | 株式会社ベビーカレンダー |
---|---|
料金(税込) |
|
予約可能時間 | 24時間365日 |
公式サイト | https://corp.baby-calendar.jp/solutionservice/reservation |
かんたん診察予約システムは産婦人科や小児科の待ち時間軽減に特化した予約システムです。
オンラインでの予約で受付業務の負担を減らし、院内の混雑緩和が期待できます。
自院の診療内容や医師のシフトにあわせ「かんたん」にカスタマイズできるため、混雑が見込まれる時間帯でも患者数をコントロールできるでしょう。
診察、妊婦健診、予防接種など、来院目的別に予約枠を設定でき、産婦人科向けの機能にも優れています。
都合にあわせて24時間予約できることや、来院後に待ち人数を把握できるシステムで患者側のストレス緩和にもつながります。
株式会社コントロールテクノロジーの「RESERVA予約」
運営会社 | 株式会社コントロールテクノロジー |
---|---|
料金 |
|
予約可能時間 | 24時間365日 |
公式サイト | https://lp.reserva.be/reservation/clinic/obstetricsandgynecology/ |
RESERVA予約はさまざまな業種の予約システムに対応しており、シンプルで使いやすい特徴があります。
産婦人科のための予約システムでは、診察、がん検診、避妊や不妊相談、ブライダルチェックなど産婦人科に特化した項目を設定できます。
予約時にクレジットカードを登録してもらうとカード決済でき、当日の会計業務が軽減できたり、患者情報に基づいた顧客データ管理業務が一括でおこなえる点も特徴です。
予約のリマインドメールや情報が必要な患者を絞ったメールマガジンの送信、Zoomを活用したオンライン診察も実施できるため、新たな集患にもつながるでしょう。
株式会社オフショアの「@link」アットリンク
運営会社 | 株式会社オフショア |
---|---|
料金 | お問い合わせ |
予約可能時間 | 24時間365日 |
公式サイト | https://at-link.net/index.html |
アットリンクは、待ち時間緩和や業務の効率化のほか、患者の意見に基づき集患につなげる予約システムです。
院内でつながったネットワークを駆使し待合室や診察室、検査室、受付での一括管理ができます。
また、自院に適した製品モデルを選択できるため外来のみならず、出産や入院患者も管理します。
メール配信やアンケート機能、ポイント管理など、患者の満足度向上に直接つながるサービスを提供でき、新規患者を獲得するプロモーション動画の配信や妊活サポート、受診案内なども支援してくれます。
産婦人科が予約システムを導入するメリット・デメリット
産婦人科が予約システムを導入するメリットやデメリットは次のとおりです。
メリット |
デメリット |
---|---|
|
|
システムの導入はさまざまなメリットやデメリットを理解し、自院に適したサービスを検討しましょう。
導入するメリット
予約システムの導入は、患者側にも病院側にもメリットがあります。
患者側のメリットは、院内混雑の時間帯を避けた予約で待ち時間の負担を軽減できることです。
診察時間の目安があれば来院する時間を計算できたり、必要最小限の動きに抑えられたりと、つわりや痛みなどで体調が悪いときも長時間待合室で待機する必要がありません。
また病院側も、電話予約の対応や患者データ管理の業務削減になり、負担を軽減できるでしょう。
24時間予約対応可能なシステムにより、再診促進や新規患者の獲得につながるため病院の業績も向上します。
導入するデメリット
急患対応が多い産科では、待ち時間のずれが生じやすいデメリットがあげられます。
あらかじめ予約した患者を待たせる原因になり、不満を募らせる可能性も考えられます。
また、システム導入にはインターネット環境の構築やパソコン、タブレット端末の購入、システムの運用費用などコストも必要です。
導入後に患者が使いこなせるか、スタッフが機能を把握できるかも考慮しなければいけません。
直感的に使用しやすいシステムであるかを確認するため、無料で始められるサービスやデモ機を活用し自院に適しているか試してみるとよいでしょう。
まとめ:産婦人科に特化した予約システムの導入で効率化をかなえよう
多くの病院やクリニックでオンラインの予約システムの普及が広がりつつあり、産婦人科においても予約システムの導入で待ち時間の軽減や院内混雑の緩和が期待できます。
複数の診療内容があり患者層が幅広い産婦人科に特化した、番号表示できる順番管理や予約帳の使い分けが必要です。
自院に適した予約システムを比較検討し、受付の予約業務の軽減や患者のストレス緩和につなげ、産婦人科の効率化をかなえましょう。