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電子カルテと連動できる予約システムを導入するメリットとは?選び方とおすすめ3選

パソコンやスマートフォン、タブレット端末から病院やクリニックを予約する患者は年々増加しています。
24時間対応可能な予約システムの導入を検討する医療機関が増えており、電子カルテと関係づけをし、診察をスムーズにおこなえます。

電子カルテと予約の連動システムを導入することで、スタッフの仕事を軽減したり、患者に満足感を与えるサービスを提供できたりするでしょう。

本記事では、電子カルテと連動する予約システムを導入するメリットを解説します。予約システムの選び方やおすすめのシステム3選も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の内容

電子カルテと予約システムの連動が重要視される理由とは?

電子カルテと予約システムの連動が重要視される理由とは?

電子カルテと予約システムがリンクしたサービスは患者の満足度向上のみならず、診察をスムーズにおこなえるメリットがあります。

近年多くのクリニックや病院、サロンなどでは電子カルテの導入が進んでおり、患者管理をデータ化するようになりました。
電子カルテは年齢や性別、来院理由、病歴、診療経歴、経過状況など、さまざまな患者の個人情報を管理できるため、医師やスタッフが患者の事情を把握しやすいことが特徴です。

予約システムとのリンクにより、予約時点で患者の情報を認知できるため診察時間の目途が付けやすく、院内混雑の軽減や待ち時間の短縮、受付業務の軽減につながります。

電子カルテと連動できる予約システム4種の違いを解説

電子カルテと連動できる予約システム4種の違いを解説

予約システム4種の違いを解説します。

  1. 予約特化型システム
  2. 順番制システム
  3. 3時間制システム
  4. アプリ・LINE対応型システム

それぞれの特徴や違いを理解しましょう。

予約特化型システム

予約特化型システムは、診察予約の機能のみが搭載されているもので、電子カルテや会計システム、その他SNSツールとの連携機能はありません。インターネットや自動音声、タッチパネル予約などさまざまな方法での予約が可能です。

パソコンやタブレット端末で専用サイトから予約するインターネット予約や、予約専用ダイアルに電話をかけプッシュボタンで操作する自動音声は、いずれも自動で24時間受付できます。また、院内に設置したタッチパネルを患者が操作するタッチパネル予約は、診察時間内のみ対応できます。

予約のみの機能であるため比較的安価で導入でき、スタッフの電話対応や受付業務の軽減につながるでしょう。

順番制システム

順番制システムは、予約した人に先着順で整理番号を配布する方法です。時間の指定がないため1日で診察できる人数が増え、より多くの患者を診られます。
診察の内容によって診察の所要時間が異なる病院やクリニックでの導入が適しているでしょう。

患者は自分の順番が近づいたタイミングで来院すればよく、院内で長時間待つ必要がありません。また、受付時点で順番が過ぎていても、若い番号から診察してもらえるケースが大半であり、混雑している時間帯を避けた来院も可能です。

一方、時間の指定がない分、診察時間が読めなく長時間待つことになるケースもあります。初診患者の日程確保や再診で診察時間が長くなる患者数の把握が求められます。1日の予約数や1つの診察にかける時間を管理するといいでしょう。

時間制システム

時間制システムは、日時を事前に決定し予約する方法であり1日の診察数が明確です。1度の診察に要する時間を把握でき、院内混雑の心配もないでしょう。患者にあわせた質の高い診察がおこなえ満足感を得られます。
また患者も時間通りに来院でき、待ち時間なくスムーズに診察してもらえるため、ストレスを感じにくい特徴があります。

一方で、時間内に診察を終える必要があるため、利用者の要望にあわせて当日に診察内容を変更しにくいことがデメリットです。急患の対応や急なキャンセルにより、診察時間にずれが生じた際は埋め合わせが難しく、顧客満足度を低下させる原因になります。

アプリ・LINE対応型システム

アプリやLINEなどのSNSツールを活用した方法は、近年導入率が増加している予約システムです。患者が普段使用しているSNSから予約をおこなえるため、操作が簡単でストレスなく使用できるメリットがあります。

また1対1でコミュニケーションを取れるチャット機能や予約状況の確認、診察後のアフターケアなどに加えて、患者が求める情報やコラムなどを掲載したホームページとの連携も可能です。また、来院前に患者の個人情報や来院理由を認知できるアンケート機能が搭載された予約システムであれば、初診患者でもスムーズに診察できます。

しかし、インターネットを使い慣れていない高齢者が多い病院やクリニックでは、導入時に説明する時間が必要になり上手く活用しにくいでしょう。比較的若い世代が多いサロンやSNSでの集客マーケティングを得意とするクリニックでの導入がおすすめです。

電子カルテと連動できる予約システムを選ぶポイント5つ

電子カルテと連動できる予約システムを選ぶポイント5つ

予約システムを選ぶ際は次の5つのポイントを考慮できるといいでしょう。

  1. 使用している電子カルテと連動ができるか
  2. 患者が使いやすい予約システムか
  3. 診療内容や患者層に合った予約システムか
  4. セキュリティ対策やトラブル時のサポートはどうか
  5. オンライン問診票に対応しているか

それぞれ解説するので内容を確認してみてください。

使用している電子カルテと連動ができるか

すでに電子カルテを導入している際は、予約システムを連動できるか確認したうえで選びましょう。

電子カルテは、種類により予約を受け付ける機能が搭載されているものや、他のシステムとの連携が難しいものなどさまざまです。導入したい予約システムとリンクできなければ、メリットを活かせなくなる可能性もあります。

サービス導入後もトラブル対応がスムーズにおこなえるか、コストやカスタマーサービスの有無も確認しておきましょう。

患者が使いやすい予約システムか

予約システムの導入で考慮すべき点は、患者が使いやすい予約システムであることです。導入しても使いにくい、予約が取りにくくなるなどの問題が生じると、患者離れにつながります。

またシステムの操作方法を説明するスタッフの業務負担にもなりかねません。普段使用するSNSツールや予約導線が簡素な予約システムの導入がおすすめです。導入前に使用感を試せるサービスや無料期間を設けているサービスもあるため、直感的に使用できるかを確かめてみるとよいでしょう。

診療内容や患者層に合った予約システムか

病院やクリニックの特徴により1日の診察数や診察にかかる時間、利用者の年齢層などはさまざまです。
1件の診察に要する時間が固定の場合は時間制システム、時間は明確でないものの1日に多くの患者を受け入れる場合は順番制システムなど自院に合った予約システムを検討する必要があります。

また、スマートフォンやパソコンを使い慣れた若い世代が多い場合は、普段使用するLINEなどのSNSツールから予約できると便利に感じます。新たにアプリケーションのダウンロードが必要なく、負担が少ないでしょう。

セキュリティ対策やトラブル時のサポートはどうか

個人情報である電子カルテとの連動のためには、セキュリティ管理が特に重要です。電子カルテや予約システムは、オンライン上でおこなうため、ウイルス対策したパソコンやタブレット端末を使用し個人情報漏洩を防止しましょう。

またインターネット回線が悪い、災害で環境が整わないなどの不具合が生じた際にスムーズに復旧作業ができるか、トラブル時のサポートサービスがあるかも大切です。電話対応やチャット機能のサポート体制を常備したサービスを選ぶといいでしょう。

オンライン問診票に対応しているか

オンライン問診票は来院前に患者の情報を把握できるため、診察をスムーズにおこなえるメリットがあります。とくに初診の場合、氏名や住所、生年月日などの情報はもちろん、来院理由や求める診察内容、診察時に認識しておきたい飲酒、喫煙、運動の有無などの生活習慣も事前に確認できます。

オンライン問診票をもとに診察時間や診察内容を決定できるのも、ほかの患者を待たせるリスクを軽減するでしょう。また自院を知ったきっかけや来院理由のアンケートをおこなうことで、経営戦略やマーケティングにも役立ちます。

電子カルテと連動できるおすすめ予約システム3選

電子カルテと連動できるおすすめ予約システム3選

電子カルテと連動できるおすすめ予約システム3選を紹介します。

  1. メディカル革命
  2. Medicom
  3. デジスマ診療

自院に適した予約システムが選択できるようサービスの内容を比較しましょう。

メディカル革命

メディカル革命

搭載機能
  • 頭書き連携
  • チェックイン連携
  • 事前質問情報連携
  • 新患連携
  • 料金連携
初期費用・月額費用 要問い合わせ
公式サイト https://medical-reserve.co.jp/products/karte

メディカル革命は、医療特化型の予約管理システムです。
WEB予約や患者管理、リマインドメール機能のほか、オプションでWEB問診やオンライン診療、LINE予約、電話自動応答、電子カルテなどの機能を搭載できます。

チェックイン機能で来院した患者の情報を一覧データにでき、電子カルテの検索をおこなわなくても操作可能です。料金連携によりキャッシュレス決済もでき、受付の会計業務を減らし経理管理もスムーズにおこなえます。

内科や小児科、婦人科、精神心療内科など多くの病院での採用実績があり、サポート機能も充実しているので安心して取り入れられるでしょう。

Medicom

Medicom

搭載機能
  • 検査機器・システムとの連携
  • 予約・再来受付
  • 問診
  • 窓口自動精算機
  • 医療経営ダッシュボード
初期費用・月額費用 要問い合わせ
公式サイト https://www.phchd.com/jp/medicom

Medicomは病院やクリニック、保険薬局などさまざまな業態に特化した商品を開発しており、自院に適したシステムの導入がかなえられるでしょう。直感的に使用できるデザインを採用しているので、医師も患者も使いこなせる仕組みです。

またトラブル時にも診察が滞らないようオンプレミスとクラウドを取り入れたハイブリッド型で、インターネット環境に影響されにくいことが特徴です。操作する人それぞれにパスワードが設定されているため、個人情報漏洩や不正アクセスの防止、ウイルス対策も徹底しています。

デジスマ診療

デジスマ診療

搭載機能
  • 新規予約・再来予約機能
  • 電子診察券機能
  • 問診回答機能
  • キャッシュレス決済機能
  • 次回予約機能
初期費用・月額費用 初期費用0円
月額費用15,800円
公式サイト https://digikar-smart.jp/

デジスマ診療は、診察時に必要なすべての機能を搭載したシステムです。予約から決済、次回来院の誘導まで可能で、再診率を高める効果が期待できます。受付業務の削減ができるうえに、低コストで取り入れられる点もメリットです。

患者はスマートフォン1つで予約ができ、診察券が電子化されているため荷物にもなりません。キャッシュレス決済で会計がスムーズにおこなえたり、メールのリマインド機能で来院忘れも防止できます。

デジスマ診療は内科や呼吸器内科クリニック、メンタルヘルスクリニックなどの病院での実績もあります。無料のWEB面談で製品デモや導入方法を相談できるので、初めての利用でも安心して試せるでしょう。

電子カルテと連動できる予約システムを導入するメリット3つ

電子カルテと連動できる予約システムを導入するメリット3つ

予約が電子カルテと連動するシステムを導入する3つのメリットを紹介します。

  1. 電子カルテとの連動で診療の効率化につながる
  2. 患者の待ち時間の負担軽減につながる
  3. 受付業務の効率化がかなう

病院やクリニック側にも患者側にもメリットがあるため、導入の検討をおすすめします。

電子カルテとの連動で診療の効率化につながる

予約した時点で電子カルテと関連付けられるため、患者の年齢や性別、診察経歴や病歴、来院事情などを把握できます。
医師同士の引き継ぎをおこなわなくても電子カルテを確認すれば診察内容や経過を把握できるため、担当医制度を採用していない病院やクリニックでも利用者に不安感を抱かせる心配がないでしょう。

また担当医制度を採用しているクリニックにおいても、患者との細かな会話や次回実施する診察の内容を記録でき顧客満足度の向上につながります。

患者の待ち時間の負担軽減につながる

電子カルテとの連携で事前に診察内容を把握してもらえるため、無駄な問診に時間を要する必要がなくなりスムーズな診察と待ち時間の負担軽減につながります。自分の予約時間が事前に分かっていれば、待ち人数や待ち時間を予想しやすくなり、患者に院内で待機してもらう時間を減らせるでしょう。

混雑する時間帯や曜日が明らかになるため、混雑時を避け予約する患者を増やせます。混み具合がどの時間帯も同じになれば、スタッフの業務負担も減り、質の高いサービスを提供できる点から、患者の満足度も高まることが期待できます。

受付業務の効率化がかなう

電子カルテとの連携で予約した時点で患者の情報が把握できるため、医師のみでなく、看護師や受付スタッフなどを含めた院内全体で患者に適した対応ができます。
また24時間対応や自動音声を導入することで、受付スタッフが電話や対面で予約を受ける必要がなくなり、ほかの業務に手が回るため受付業務の効率化がかないます。
兄弟姉妹での通院が多い小児科病院や多頭飼育もある動物病院では、来院した患者以外の情報も瞬時に確認できるため、再来院を促したり必要な情報の提供ができたりするメリットもあります。

電子カルテと連動できる予約システムを導入するデメリット3つ

電子カルテと連動できる予約システムを導入するデメリット3つ

電子カルテと連動する予約システムにはデメリットもあります。

  1. 導入コストがかかる
  2. インターネットが不慣れな患者層が多いと充分に活用されない
  3. 予約システムによっては待ち時間が長くなる

それぞれ説明するので内容を確認してみてください。

導入コストがかかる

導入後は人件費削減や売上の向上を見込めますが、その前に導入時の経営計画を立て、費用を工面する必要があります。
また月額利用料が必要な予約システムもあるでしょう。インターネット環境やパソコン、タブレット端末などの準備が必要なケースもあります。

さらに従来の予約方法に比べて使い方や管理方法の把握が難しい場合にはスタッフへの研修も必要です。専門の講師を招いた教育やトラブル時の対応にコストがかかる場合も考えられるでしょう。

インターネットが不慣れな患者層が多いと充分に活用されない

スマートフォンやパソコンの普及率が高まり多くの患者がSNSを利用していますが、高齢者が多い患者層の病院やクリニックでの活用は難しくなります。インターネットが不慣れな患者層が多いとスタッフは使用できない利用者に対し、使用方法を説明したり、電話や対面での対応をしたりという時間が必要です。

コストをかけ導入しても患者が活用できなければ従来の予約と平行するため、経費削減もできないでしょう。

予約システムによっては待ち時間が長くなる

予約システムにはさまざまな種類があり、クリニックや病院の診察内容により待ち時間が長くなる場合もあります。

たとえば、時間指定をせず先着順で予約するシステムでは、1つの診察に時間をかけてしまうと後ろに待機している患者は待ち時間が長くなります。また時間指定制の予約システムでも、急患の対応がある場合予定通りに診察されず、他の患者に不満を与える可能性もあるでしょう。

電子カルテと連動できる予約システムに関するよくある質問

電子カルテと予約の連動システムの導入に関するよくある質問に回答します。

  • Q.予約システムの導入にはいくらくらいかかりますか?
  • Q.医療機関の予約システムで無料で導入できるものはある?
  • Q.医療機関の予約システムの導入率はどれくらい?

予約システムの導入を検討する際は、十分に検討し不安要素を解消してからおこないましょう。

Q.予約システムの導入にはいくらくらいかかりますか?

選択する内容により機能や使用制限が異なるものの、相場は月5,000~30,000円程度です。また初期費用は無料から100万円以上必要なケースもあります。サービスを理解したうえで経営計画を立て、納得できるシステムを導入しましょう。

Q.医療機関の予約システムで無料で導入できるものはある?

あります。
無料で使用できる期間が決められている場合や使用できる機能に制限がある場合が大半ですが、はじめて導入する際は無料の予約システムから試すのもいいでしょう。

Q.医療機関の予約システムの導入率はどれくらい?

医療機関の予約システムの導入率は3割程度であり、決して高いとはいえないでしょう。インターネット利用に慣れていない高齢層を対象にした病院が多いことが原因としてあげられます。

まとめ:電子カルテと連動できる予約システムを導入して医療現場の効率化と患者の負担を軽減しよう

予約システムを導入すれば診察をスムーズにおこなえ、患者の待ち時間の負担軽減や受付業務の効率化が期待できるでしょう。

導入にはコストも必要であり、自院に適したシステムを導入できなければ、上手く活用できない可能性もあります。

医療現場の効率化と患者への負担軽減につながるようなサービスを比較検討し、診察内容に適した予約システムを導入しましょう。