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MASLD/MASH(エムエイエスエルディー)の原因

肥満や糖尿病、高血圧、高脂血症、栄養過多など、生活習慣病と密接に関連している。

MASLD/MASH(エムエイエスエルディー)の症状

MASLD/MASHは以前は「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と呼ばれており、肝臓に脂肪が蓄積するだけにとどまらず、肝臓の線維化が進む疾患。右上腹部の痛み、腹部の膨満感、黄疸などの症状が現れることもあるが、自覚症状に乏しい。進行すると肝硬変や肝癌などを発症する可能性がある。

MASLD/MASH(エムエイエスエルディー)の治療

生活習慣病と密接に関連した疾患であるため、適切な食事制限や運動によるダイエットなど、生活習慣病に対するアプローチが重要。早期に治療をすることが大切だが、極端なダイエットは非アルコール性脂肪性肝炎を悪化させるという報告もある。
受診科目
消化器内科

この病気について3人の医師の見解があります。

医師から聞いた
MASLD/MASHの対処(治療)方法

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痩せている人も要注意。隠れ肥満の人に多い「非アルコール性脂肪性肝炎」とは

脂肪肝の人が罹る典型的な病気です。お酒を原因とせず環境によるもので、高血圧とか糖尿とかコレステロールを合併することが多い疾患です。
日本人は痩せてても脂肪肝の人が多いので、外観だけでは疾患に気づくことが難しいんです。いわゆる「隠れ肥満」ですね。今や3人に1人が脂肪肝だと言われています。
痩せ型で脂肪肝の人は自分自身で気づくことができないので、静かに症状が進んで肝機能障害になりやがて慢性肝炎になっていく。怖いのは症状がないまま肝臓がんとか肝硬変になっちゃうこと、ですね。症状を自覚するのは病状がかなり進んでからなので早い時期に見つけることがとても大事なんです。だから健診が重要で、健診を受けていれば自覚症状が無いうちに発見することができます。
特に、健診で「経過観察」だった場合は、放置せず経過を診ていくことが大切です。予防医学としても頑張っていくべき疾患なので、健診結果をもっとしっかりと評価して予防につなげるように働きかけていきたいですね。

塩屋 雄史 院長
しおや消化器内科クリニック
塩屋 雄史 院長
さいたま市中央区/本町東/与野本町駅
●内科 ●消化器内科 ●胃腸内科 ●リウマチ科 ●内視鏡内科

飲酒習慣がなくても油断は禁物!日頃から健康的な食生活と適度な運動を心がけ、脂肪肝を防ぎましょう。

NASHとは、アルコールを飲まない人が食生活の乱れなどで脂肪肝を放置しておくことで、まるでアルコールを摂取している人と同様に肝硬変や肝臓ガンなどの重篤な疾患にかかってしまう病気です。原因は、糖尿病や高血圧などの生活習慣病により肝機能が低下することや、インスリン抵抗性が高まることで肝臓に脂肪がつくこと、遺伝的要因などが挙げられます。肝臓は「沈黙の臓器」と言われており、NASHは自覚症状がないまま進行し健康診断などで発覚する…というケースが多く見受けられます。この病気の診療では、まず脂肪肝の程度や肝臓自体の硬さを検査し、他の生活習慣病などを併発していないかを調べ、患者さんのニーズに合わせたアプローチを考えていきます。現時点では特効薬はないので、生活習慣を改善していきながら併発している病気の管理をしたり肝機能を助けるお薬を出したり…という流れになります。食事療法としましては、糖分の過剰摂取や高カロリー食は控え、魚や豆腐などの良質なタンパク質・良質な油を選ぶようにし、果物・野菜・全粒穀物を積極的に摂るようにしてください。適度な有酸素運動は脂肪の生成を防ぐ効果があるので、散歩やエクササイズを積極的に日常に取り入れましょう。また、この疾患の怖いところは、「自分はアルコールを摂らないから大丈夫」と油断している間に多量飲酒をする方やウイルス性肝炎の患者さんと同じように、肝硬変・肝臓ガンなどの重篤な病気に進行する可能性があるという点です。ライフスタイルの変化により、暴飲暴食&運動不足になりがちな時代です。アルコールを摂らなくても誰でも発症する可能性はあるので、日頃から食生活や運動で体を整え、肝臓に脂肪が蓄積するのを防ぐことが最も効果的な予防法といえるでしょう。

千葉 哲博 院長  
かさい内科消化器クリニック
千葉 哲博 院長  
江戸川区/中葛西/葛西駅
●内科 ●消化器内科 ●内視鏡内科 ●胃腸内科

日頃から生活習慣には気を付けることが重要。異常があれば早めに消化器内科を受診してほしい

MASLD(metabolic dysfunction associated steatotic liver disease)とは主にメタボリックシンドロームに関連し、肝臓に脂肪蓄積を認める病態のうちアルコール性、ウイルス性、薬剤性を除いたものを指します。また進行し肝炎になった場合MASH(metabolic dysfunction associated steatohepatitis)と呼ばれます。
肝臓に脂肪が蓄積する要因として他の生活習慣病同様に遺伝因子と環境因子が挙げられ、アルコール以外の場合糖質や脂質の摂りすぎには注意する必要があります。またMASLDは肥満と強い相関があり、BMI25未満の場合MASLDの有病率は18.4%ですが、25以上30未満だと63.4%、30以上だと89.1%だったとする報告もあります。(Eguchi Y et al. J Gastroenterol 47(5): 586-595, 2012)
肝臓に蓄積した脂肪組織はインスリン抵抗性を持つため、脂質異常症や2型糖尿病、高血圧といったほかの生活習慣病を合併する可能性が高まります。そしてこれらは脳血管疾患や心筋梗塞といった重篤な病気を引き起こすリスクがあります。
また、もしさらに進行し肝硬変になった場合、栄養を蓄積する、アンモニアなどの毒素を排出するといった肝臓の重要な機能が失われ、最悪の場合命にかかわる危険性もあります。
定期的に血液検査や画像検査を行うことで肝機能や脂肪肝の程度を知ることは可能です。日頃から生活習慣には気を付けるのが一番重要ではありますが、もし健診などで異常があった場合はなるべく早く消化器内科を受診するようにしましょう。

渡邉 勝一 院長
ファミリークリニック川崎
渡邉 勝一 院長
川崎市川崎区/日進町/川崎駅
●訪問診療
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