未破裂脳動脈瘤(ミハレツノウドウミャクリュウ)の原因
未破裂脳動脈瘤とは、脳の動脈の壁が瘤(こぶ)のように膨らんでいる(脳動脈瘤)ものの、出血(破裂)の兆候がみられない状態を指す。脳動脈瘤は成人の約5%に見つかるとされるが、明確な原因は解明されていない。未破裂脳動脈瘤(ミハレツノウドウミャクリュウ)の症状
脳動脈瘤が見つかっても、未破裂の状態であれば症状が現れることはないと言われる。ただし脳動脈瘤が破裂した場合には、くも膜下出血を引き起こすリスクがある。未破裂脳動脈瘤(ミハレツノウドウミャクリュウ)の治療
脳動脈瘤が未破裂の場合は経過観察になるのが一般的だが、中には手術が行われる場合もある。手術には開頭術によるクリッピング術、血管内手術によるコイル塞栓術があり、患者の状況などに応じていずれかが選択される。- 受診科目
- 脳神経外科
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医師から聞いた
未破裂脳動脈瘤の対処(治療)方法
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世界的に統計でみると日本人は『動脈瘤』が多い人種である
未破裂脳動脈瘤とは脳の動脈にできたコブ(脳動脈瘤)で、破裂していない状態のものを指します。
脳動脈瘤が形成される原因は、まだ解明されていないことが多いのですが、高血圧・喫煙・加齢などの後天的な要因や人種・家系的な体質といった生まれつきの要因が組み合わさって影響していると考えられています。
コブの形状には、紡錘状、嚢状、解離性といくつかありますが、コブの壁は弱いので少しずつコブが膨らみ、限界がくると破裂して死亡率の高い「くも膜下出血」を引き起こします。
日本人は世界的な疫学統計でみると、脳動脈瘤の発生が多い人種です。小さいものを含めれば日本人の中高年の4-5%くらいは脳動脈瘤を持っていると言われていて、欧米人と比べて数倍の差があります。昔は破裂してくも膜下出血になってはじめて気づく病気でしたが、現在はMRIが普及したおかげで頭痛やめまいで精査した際に、偶然発見されることが増えてきています。
脳動脈瘤が発見されたからと言ってすぐに破裂するわけではありません。平均すると年間破裂率は1%くらいと考えられています。大きい動脈瘤の破裂率は高く、小さい動脈瘤の破裂率は低い傾向にあります。破裂率が高いと考えられる場合には、破裂を予防する治療をお勧めすることになります。治療による合併症(脳梗塞や術中破裂など)の可能性は低いのですがゼロではありませんから、破裂率が低い動脈瘤であれば、経過を観察していくのが最適な場合も多いです。脳動脈瘤が発見されたからと言ってパニックになる必要はありません。ぜひご相談ください。