夜間頻尿の原因・症状とは?
【受診科目】
- 泌尿器科
※4人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
夜間頻尿の原因・症状・治療方法
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泌尿器科の観点からだけの治療では改善が進まないケースも
夜間頻尿とは、就寝中にトイレに1回以上行くものを言います。1回であればそれほど困らないかもしれませんが、これが2回以上になると様々な問題が生じてきます。夜間にトイレに起きるようになれば、当然、睡眠不足につながっていきますし、ご高齢の方についていえば転倒のリスクも増すことになります。
原因としては、加齢によるものもありますし、前立腺肥大等、泌尿器科疾患の影響が大きいとされています。その一方で、高血圧等の全身疾患によって引き起こされるケースもあります。ケースバイケースですが、根本から改善するためには泌尿器科の範疇にとどまらず、高血圧などの全身疾患にも目を配っていくべきでしょう。
若松河田クリニック
中西 雄亮 院長
- 新宿区/河田町/若松河田駅
- 泌尿器科 ●内科
さまざまなタイプがある夜間頻尿は、原因を正しく特定することが大切
夜間頻尿とは「夜間、排尿のために1回以上起きなければならない」状態と定義されています。夜間頻尿には様々な要因があり、その原因に即した治療が行われなければなりません。
生活習慣病に起因する夜間多尿も夜間頻尿の原因になり得ます。糖尿病や高血圧症があると夜間にかけて腎臓の機能が活性化し、どうしても夜間の尿量が多くなってしまうのです。夜間多尿が原因であると判明した場合は、夜間の尿量をコントロールする治療(生活習慣病そのものの治療や夕方以降の飲水制限、夜間尿量を低下させる薬の投与)が行われます。
一方で、膀胱が小さくなっていることが原因である夜間頻尿(病的頻尿)に関しては、膀胱を広げる薬などによる治療を行います。また、睡眠障害が原因の場合は睡眠の質を高めるような薬による治療を行います。
このように夜間頻尿にはさまざまなタイプがあり、その原因や治療法も変わってきます。
その原因を正しく特定するための簡単なツールとして「排尿日誌」がとても役立ちます。
ご自身の飲水量や排尿量などを書き出すことによって、知らず知らずの間に飲水量が多くなっており、多飲の結果による多尿であることがわかることも少なくありません。このような場合、夕方以降の水分摂取を控えたり、就寝時に足を高くしたりすることにより、一定の予防効果が期待できます。
排尿トラブルは症状がゆっくり進行するため、ご自身が気付いていないことも少なくありません。今の排尿レベルがどの程度なのかを確認するためにも、一度ご自身の排尿状態をチェックする意味でも受診してみることをおすすめします。
佐藤泌尿器科クリニック
佐藤 直也 院長
- 茂原市/小林/新茂原駅
- 泌尿器科
高齢者の夜間頻尿は深刻なリスクにつながることも
頻尿とは、日中8回以上、就寝中1回以上の排尿で生活に支障をきたす状態を言います。夜間であれば転倒して骨折するリスクが高まり、高齢者では特に注意が必要となります。失禁を伴えばさらにパフォーマンスを下げることになります。
原因としては前立腺肥大、前立腺炎、過活動膀胱、多尿、尿路感染、腫瘍、尿路結石などがあります。さらにその背景として脳卒中、脊髄疾患、糖尿病、椎間板ヘルニア、骨盤内臓機術後、飲酒、カフェイン摂取、睡眠時無呼吸症候群、心疾患などが存在することがあります。
当院では尿検査はもとより、排尿記録、超音波検査、採血、心電図検査、簡易型夜間呼吸測定器なども行い、併せて診察と治療を行なっていきます。抗加齢、認知症対策として生活習慣病に対しても対応、ご指導いたします。
新座Area Five Clinic(新座エリアファイブクリニック)
鮫島 剛 院長
- 新座市/野火止/新座駅
- 泌尿器科 ●皮膚科 ●内科
お歳を召せば召すほど夜間頻尿の傾向は深まっていく
夜寝ている最中にトイレに行きたくなって目が覚め、排尿している状態が1回以上あって、それによって何らかの支障が起きているとなれば、夜間頻尿ということになります。加齢になればなるほど、夜間頻尿でお悩みの患者様は増えていきます。
原因に関してですが、大きく3つに分けられます。1つ目は多尿あるいは夜間多尿です。多尿は、1日(24時間)の尿量が40ml/kg(体重)以上の場合で、水分を過剰に摂取しすぎるということもあれば、糖尿病や尿崩症を罹患しているなどがあります。一方の夜間多尿は、尿量が夜間のみ多くなることで、トイレに起きてしまう状態です。その目安ですが、高齢者(65歳以上)では、1日の尿量に対して夜間時の尿量が33%以上、若年者では20%を超える場合とされています。その原因としては、就寝前に水分を過剰に摂取する、薬剤の影響、睡眠時無呼吸症候群、高血圧や心不全、腎機能障害といったことが挙げられます。
2つ目は、膀胱畜尿障害によるものです。これは少量の尿しか膀胱に溜められないことで、頻尿となって目覚めてしまうケースです。原因としては、過活動膀胱、前立腺肥大症、間質性膀胱炎等の疾患の影響が考えられます。
3つ目は、睡眠障害によるものです。眠れない、あるいは眠りが浅くてすぐ目が覚めてしまい、トイレで用を足したくなるといったことです。睡眠障害の原因としては、不眠症、うつ病、周期性四肢運動障害、レストレスレッグ症候群、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。
夜間頻尿によって、生活の質(QOL)が著しく低下し、患者様や介護をされる方が治療を希望しているのであれば、治療の開始となります。過活動膀胱に対して内服治療で効果不良の場合は、膀胱内にボツリヌス毒素を注入する新しい治療もありますのでご相談ください。夜間頻尿を引き起こす原因疾患があれば、その治療を行うことになります。また睡眠障害が原因であれば睡眠薬を使用することもあります。このほか、日頃の生活習慣を見直し、水分を摂りすぎているのであれば水分の摂取を控える、カフェインやアルコール等の摂取をコントロールする等の生活管理もしていきます。
東小金井にのみや腎泌尿器クリニック
二宮 直紀 院長
- 小金井市/梶野町/東小金井駅
- 泌尿器科 ●腎臓内科