慢性腎炎[慢性糸球体腎炎]の原因・症状とは?
慢性腎炎[慢性糸球体腎炎](マンセイジンエン)の原因
急性腎炎が治らずに移行する場合もあるが、はじめから慢性腎炎の形で発症するものも多い。慢性腎炎には、腎臓そのものに原因がある原発性と、ほかに基礎疾患のある続発性とに区別される。
慢性腎炎[慢性糸球体腎炎](マンセイジンエン)の症状
むくみや高血圧、血尿などがみられ、症状が1年以上も続いていく。
慢性腎炎[慢性糸球体腎炎](マンセイジンエン)の治療
慢性腎炎を完全に治療する方法はない。安静を保ち、食事療法をおこなう。
【受診科目】
- 腎臓内科
- 内科
※2人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
慢性腎炎[慢性糸球体腎炎]の原因・症状・治療方法
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放置せず、定期的なフォローアップを続けることが大切
蛋白尿(たんぱくにょう)とは、文字通り、尿の中に蛋白が出ている状態です。一般に腎疾患は蛋白尿から始まるとされています。健康診断で尿検査をしますよね。あれで何を見ているかというと、尿潜血もチェックしますが、私たちが最も重要視しているのが蛋白尿の有無なのです。蛋白尿は、寝不足や疲れによって出ることもありますので、健康診断で引っかかった方はそこからさらに進み、24時間の尿を採取し、蛋白を見る検査で蛋白尿であるかどうかを判断していきます。その状態が続いてるのが腎炎であり、放置すると腎不全へとつながっていくことになります。
蛋白尿そのものに有効な治療は現在のところ見つかっていません。ですが、私が医者になりたての頃に比べると、透析の導入年齢は平均で10歳ほと上がっていると言われています。実際、若い透析の患者さんはずいぶん減ってきていると感じますし、導入の平均年齢は70歳を超えているそうです。この数十年で、血圧を下げるARBという治療薬であったり、ステロイドの治療が普及してきました。結果から見るに、そうした治療の成果が腎不全の抑制につながっていると見ることもできます。ですから、蛋白尿を放置せず、治療を受け、定期的なフォローアップをしてもらうことが非常に大切なんですね。
MOKO在宅クリニック
武光 智子 院長
- 渋谷区/代々木/南新宿駅
- 内科 ●腎臓内科
慢性腎炎の治療には早期発見が重要
【小川 千恵 院長】
腎臓は血液をろ過して老廃物や余分な水分を排出する重要な臓器であり、糸球体はそのろ過装置の役割を担います。慢性腎炎では、この糸球体に慢性的な炎症や損傷が起こることで、正常なろ過機能が障害されます。その結果、尿に血液や蛋白が混じり、腎臓の働きが徐々に低下していきます。通常6か月以上、蛋白尿や血尿、腎機能障害が続く場合に診断されます。尿中の蛋白が多い場合はむくみなどの症状で受診されることもありますが、通常、症状がないことも多いため、健康診断や学校検尿で偶然発見されることも珍しくありません。しかし、病気が長く続くと、無症状のまま腎臓の機能が徐々に低下し、慢性腎不全へと進行することがあります。だるい、食欲がない、息苦しいなどの症状が出てきた時には透析治療や腎移植などを必要とする末期腎不全の状態にもなりかねません。原因ははっきりとは分かっていませんが、免疫反応の異常によるものと考えられています。慢性腎炎を来す病気には種類がいくつかあります。そのため、慢性腎炎を起こす病気の種類や炎症の強さの診断のためには腎生検が必要となります(入院を要する検査で、出血のリスクもあるため、軽度の慢性腎炎と判断される場合は腎生検をせず、経過観察の場合もあります)。そして、治療は、尿所見病気の種類や組織の炎症の強さなどを総合的に判断した上で、薬剤を選択することになります。
慢性腎炎の治療には早期発見が重要です。健康診断の受診、そして、尿所見異常時には腎臓専門医への受診をお勧めします。
前田記念武蔵小杉クリニック
小川 千恵 院長 & 森戸 卓 副院長
- 川崎市中原区/小杉町/武蔵小杉駅
- 人工透析内科 ●内科 ●腎臓内科