糖尿病性腎症の原因・症状とは?

糖尿病性腎症(トウニョウビョウセイジンショウ)の原因

糖尿病が原因でおこる腎臓障害で、血糖をコントロール出来ないまま10年以上高血糖の状態が続くと、腎臓の血管が障害を受け、腎臓の機能が充分に働かないようになっておこる。

糖尿病性腎症(トウニョウビョウセイジンショウ)の症状

糖尿病合併症の1つ。むくみや血尿、たんぱく尿などの症状がみられる。

糖尿病性腎症(トウニョウビョウセイジンショウ)の治療

初期には、食事療法と運動療法を中心とした血糖コントロールを充分におこなうことで悪化を食い止めることができる。病状が進行すると、降圧治療やたんぱく質制限食などの治療を加えていく。腎不全になると、透析治療が必要になる。

【受診科目】

  • 泌尿器科
  • 内分泌内科
  • 代謝内科
  • 糖尿病内科
  • 腎臓内科

6人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
糖尿病性腎症の原因・症状・治療方法

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常に状況を把握し、持続可能な治療を続けていくことが大切

【塩見 美帆 副院長】
糖尿病腎症は、糖尿病の進行により腎臓内の血管(糸球体)が傷つき腎機能が低下した状態のことをいいます。網膜症や神経症とならび、糖尿病に特有の合併症です。糖尿病性腎症は1期から5期に分類されますが、病期が進むと透析になる可能性があります。それを避けるためには、今の自分の病期を把握し、対策しておくことが重要だと思います。
糖尿病性腎症の治療では、SGLT2阻害薬や降圧薬のARBなど、腎保護の効果のあるお薬が用いられます。生活習慣を見直すことが大前提にはなりますが、お薬を有効に用いながら、予防に努めていくことが大切です。

塩見 誉 院長 & 美帆 副院長

富士見台ほまれクリニック泌尿器科・糖尿病内科

塩見 誉 院長 & 美帆 副院長

  • 練馬区/貫井/富士見台駅
  • 内科 ●泌尿器科 ●女性泌尿器科 ●糖尿病内科 ●内分泌内科 ●アレルギー科

腎不全そして人工透析への発展も懸念。早期の治療で進行を阻止しましょう。

糖尿病性腎症は糖尿病の3大合併症のひとつです。
最初に出てくる異常値は尿中のアルブミンです。これが増えてくると今度は尿中の蛋白になります。この時期になると血圧が上がる事が多く、悪循環で腎機能が低下し、最終的には人工透析が必要になります。現在の日本では、人工透析の原因の第一位は糖尿病なのです。
糖尿病性腎症は、アルブミン尿の段階で血糖や血圧を厳格にコントロールすると、腎機能が回復することが知られています。また、蛋白尿が持続するようになっても、新しい糖尿病治療薬を組み合わせることで腎機能の低下を抑える、もしくは改善することもあります。まずは主治医に相談し、生活習慣の改善とともに自分に合った薬の選択をしてもらえるようにしましょう。

安田佳苗 院長

あおと内科・糖尿病クリニック

安田佳苗 院長

  • 葛飾区/青戸/青砥駅
  • 糖尿病内科 ●内科 ●内分泌内科

早期のうちなら、漢方薬で腎機能の維持・回復が期待できる

糖尿病腎症は糖尿病に起因する合併症の一つで、腎臓の機能が低下することでさまざまな症状を引き起こします。具体的には、体にたまった水分や老廃物を体外へ排泄できず、食欲低下・むくみ・疲労感などが生じます。

糖尿病治療ではHbA1cを確認しながら血糖値を適切にコントロールしますが、治療を続けながらも腎機能が悪化するような場面では、合併症の進行抑制に漢方薬が役立つケースも少なくありません。一般に、腎機能の指標となる「クレアチニン」が6~8mg/dl以上になると透析治療が必要になるとされていますが、早い段階で治療を開始できれば腎機能を維持できる可能性が高まります。腎臓が「少し悪い」と言われた段階での早めの受診をおすすめします。

萬谷 直樹 院長

ベイサイドクリニック

萬谷 直樹 院長

  • 横浜市西区/南幸/横浜駅
  • 内科 ●糖尿病内科 ●消化器内科 ●皮膚科 ●アレルギー科 ●リウマチ科 ●循環器内科

坂道の頂点に達する前で手を打つことが重要

糖尿病の患者さんを多く拝見していますが、この病気の合併症として、目や神経、そして腎臓があります。その腎臓に発症するのが糖尿病性腎症という疾患です。この疾患に初期の症状はありません。ですので、早期に発見するには、尿中の微量なアルブミンを測定する検査が不可欠となります。この値が標準を超えると、塩分とタンパク質の摂取のバランスを見直していく食事の改善が重要になります。
糖尿病の初期の段階で、HbA1cのコントロールができている状態であれば、糖尿病性腎症を発症することは防ぐことができます。しかし、坂道を登って頂点に達すれば、あとは下るしかないわけです。ですから、なるべく頂点に達する手前で食事を中心とした生活習慣の見直しが大切になります。

松田 修 院長

松田内科クリニック

松田 修 院長

  • さいたま市北区/土呂町/土呂駅
  • 内科 ●小児科 ●皮膚科

早期に病気を見つけ、適切な治療を受けることが予後に大きく影響を与える

糖尿病性腎症という病気に特効薬はなく、だんだんと経過が悪くなっていきます。1つポイントとしてあるのは、自覚症状に乏しい病気ですので、早期の段階で見つけることが重要ということです。また腎臓が悪くなる方は、心臓も悪くなる傾向があり、予後に大きな影響をもたらします。そのため当院では、血液検査だけではなく、エコー検査、そして尿検査を積極的におこない、糖尿病性腎症の早期発見に尽力しています。糖尿病の方の尿検査を毎回実施するのは一般的ではないかもしれません。ですが、それによって早期にこの疾患を見つけることで、効果が証明されている腎臓病の治療を積極的におこない、生命予後を延ばすことが可能になるのです。

岩堀 本一 院長

スラージュ内科クリニック

岩堀 本一 院長

  • 千葉市稲毛区/長沼町/稲毛駅
  • 内科 ●糖尿病内科 ●腎臓内科 ●アレルギー科

腎臓が悪くなっていくスピードを少しでも緩やかにすることが求められる

「しめじ」とも言われますが、糖尿病が進むと神経や目、そして腎臓に影響が及びます。このうち、腎臓がダメージを受け、発症するのが糖尿病性腎症という疾患です。透析に至ってしまう原因となる病気の第一位が糖尿病であり、糖尿病と腎臓は切っても切り離せない関係にあります。
腎臓は悪くなってしまうと元に戻すことはできません。その悪化するスピードを緩やかなものにしていくことが私たちの仕事ですが、それをずいぶんと助けてくれる「SGLT2阻害薬」というお薬があります。このお薬は尿の中に糖分を出す作用があり、当初は糖尿病のお薬として世に出てきましたが、ダイエット効果があるということで一層の注目を浴びました。その後、SGLT2阻害薬は心臓の疾患にも有効ということがわかり、現在は心不全の標準的治療薬となっています。そして腎臓に関しても、このお薬を適切に用いることにより、腎臓を長持ちさせる作用が確認されています。
糖尿病性腎症は初期の段階でアルブミン尿と呼ばれる、通常のタンパクよりも小さな粒が漏れ出ることがわかっています。病気が進行するとタンパク尿がでるようになりますが、以前はここまで病気がすすむと治療をしても良くならないといわれていました。今ではSGLT2阻害薬などの登場により治療が進歩し、タンパク尿を減らしたり、腎臓が悪くなるのを食い止めることができるようになってきています。

佐々木 有 院長

あきつ内科・透析クリニック

佐々木 有 院長

  • 清瀬市/野塩/秋津駅
  • 内科 ●腎臓内科 ●人工透析内科
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