「IPL光治療の導入を検討しているけど、具体的にどのような効果があるのだろう……」
「IPL光治療を導入するメリットを知りたい……」
このような疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
IPL光治療は多種多様な効果が期待できる点から、多くの医療機関で導入されています。
美容医療に力を入れたい医療機関におすすめで、肌の総合メンテナンスが可能です。
そこで本記事では、IPL光治療とはどのような効果が期待できるのか、導入するメリットなどを解説します。
IPL光治療の導入を検討している方は、参考にしてみてください。
この記事の内容
IPL光治療とは?

IPLは「Intense Pulsed Light(インテンス・パルス・ライト)」の略称で、強力なパルス光を肌に照射し、シミやそばかすなどの肌トラブル改善を目的とする光治療です。
複数の波長の光を利用するため、一度の照射で複数の肌トラブルにアプローチできます。
1回の治療で劇的に変化するということはありませんが、定期的に継続して照射をすることで、肌トラブル改善の効果が期待できます。
ただし、施術直後は肌が敏感になっているため、日焼けや刺激を避けるなどの注意が必要です。
IPL光治療とレーザー治療との違い
IPL光治療とレーザー治療は、光の性質や効果範囲、ダウンタイムなどに違いがあります。IPL光治療は、複数の波長を広範囲に照射し、シミや美肌などの多目的効果が期待できます。
一方、レーザー治療は特定の波長を狭い範囲に照射するため、シミ専用治療・脱毛専用などで使用されるケースが多いです。
また、IPL治療は広範囲に優しい光を当てるので、ダウンタイムや痛みが少ないですが、レーザー治療は刺激が強く、レーザーの種類によって痛みを感じたり、ダウンタイムが長かったりします。
それぞれの違いを把握し、目的に合わせて導入しましょう。
IPL光治療で期待できる効果

IPL光治療で期待できる効果は、主に4つあります。
- シミや肝斑の改善
- ニキビの改善と予防
- 肌のターンオーバー
- 赤ら顔の改善
それぞれの期待できる効果について解説します。
シミや肝斑の改善
IPL光治療は、シミや肝斑の改善効果が期待できるため、美容医療に力を入れたい医療機関におすすめです。IPLの光は、肌の中にあるメラニン色素に反応して熱を発生させ、色素を分解する作用があります。
メラニン色素に反応して生まれた熱刺激は、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)を促進し、分解された色素が肌表面へと押し上げられ、古い角質と一緒に剥がれ落ちます。
また、肝斑にも穏やかに作用し、肌全体のトーンアップを図ることが可能です。
その結果、肌の明るさや透明感が増し、くすみのない印象へ導くため、多くの女性から注目されています。
参照:「Intense Pulsed Lightによる美容皮膚治療」厚生労働省
ニキビの改善と予防
ニキビの改善や予防は、IPL治療によって効果が期待できます。IPLは、肌を赤く見せる毛細血管の拡張を減少させるため、炎症後の赤み(ニキビ跡)を抑えやすいです。
また、肌のターンオーバーを促進するので、ニキビ跡の色素沈着が改善され、肌のトーンを均一に整えます。
IPL治療はニキビができにくい環境を作り、肌が滑らかに整うため、ニキビで悩んでいる方にもおすすめです。
肌のターンオーバー
IPL光治療は、肌のターンオーバーが期待でき、明るく若々しい肌を作りたい方におすすめの治療です。IPLの光はメラニン色素と反応して生まれる熱刺激により、ターンオーバーが促進されます。
また、IPLの光は真皮層に届くため、コラーゲンの生成を促進することが可能です。
肌のターンオーバーとコラーゲンの増生により、肌のハリや細く浅いシワ・毛穴の開きなどの改善が期待できます。
参照:「Intense Pulsed Lightによる美容皮膚治療」厚生労働省
赤ら顔の改善
IPL治療は、赤ら顔の改善効果も期待できます。赤ら顔は、頬や鼻、額など部分的または顔全体に赤みが目立つ症状で、毛細血管の拡張や皮膚の炎症後が原因です。
IPLの光は拡張した毛細血管のヘモグロビンにも反応し、光エネルギーが血管を収縮させて頬や鼻周りの赤みを軽減させます。
頬や鼻などの部分的な毛細血管の透けが目立ちにくくなり、肌の色調を均一に整える効果が期待できます。
IPL光治療を導入するメリット

IPL治療を導入するメリットは、主に4つあります。
- 幅広い施術メニューに対応できる
- 施術者の技術依存度が低い
- リピーター獲得につなげやすい
- 導入コスト・維持費が比較的安い
それぞれのメリットについて解説します。
幅広い施術メニューに対応できる
IPLは1台でシミ・肝斑・ニキビ・赤ら顔など、複数の肌トラブルに対応できます。
たとえば、患者Aがシミを気にしている場合や、患者Bがくすみやハリ低下の改善を希望している場合でも、IPL1台で対応可能です。
複数の専門医療機器を用意する必要がないため、設備投資の負担を抑えられます。
さらに、1台で複数の施術を行えることで、施術メニューを拡充も可能です。
施術者の技術依存度が低い
IPL治療は、施術者の技術依存度が低い点もメリットです。IPLはレーザー治療のように、照射角度や圧力の微調整が必須ではなく、機器の設定を守れば施術者の経験による仕上がりの差が少ないです。
そのため、経験の浅いスタッフでも、設定に沿って照射するだけで一定の効果が期待できます。
スタッフ教育が簡単で、安定した施術クオリティを提供できる点も魅力です。
リピーター獲得につなげやすい
IPLは即効性よりも、数週間から数か月の経過で改善を実感できる施術です。そのため、自然と定期的に通うリピーターが増える傾向があります。
たとえば、シミを改善したい場合は、4~6回の施術で明るさの変化を実感しやすく、定期的に通院する必要があります。
また、ニキビ改善や肌のトーンアップは、月1回のメンテナンスプランに誘導しやすいです。
さらに、施術後の満足度が高く、継続受診による売上の安定化が期待できます。
導入コスト・維持費が比較的安い
IPL光治療は、導入コスト・維持費が比較的安い点がメリットです。IPL光治療機は、レーザー機器に比べると、導入費用や消耗品費・メンテナンス費用が比較的低めです。
たとえば、レーザー機器は、出力や照射角度、照射時間などの微調整が必須で、精密な制御・高出力な性能が欠かせません。
レーザー機器の場合、出力や照射角度、照射時間などの微調整が必須で、高精度・高出力の性能が求められるため、機種や性能によっては数百万円から数千万円かかることもあります。
一方、IPL光治療機は高出力の精密制御が不要なため、レーザー機器と比べて導入費用を抑えやすいのが特徴です。
IPL光治療を導入する際の注意点

IPL光治療を導入する際の注意点は、主に3つあります。
- 波長・出力レンジのチェックが必須
- 医療機器認証(承認)の確認が大切
- 患者への説明や施術者の研修・訓練が欠かせない
それぞれの注意点について解説します。
波長・出力レンジのチェックが必須
IPL治療を導入する際には、波長や出力レンジのチェックが重要です。IPLは幅広い波長の光を照射する装置ですが、波長や出力が適切でないと、十分な効果が期待できません。
また、出力や波長が不適切な場合、肌トラブルのリスクが高まります。
たとえば、しみ・そばかすに対応した500~600nm付近の波長が出せない場合は、メラニンに対して十分に作用せず、効果があまり期待できない場合があります。
そのため、購入前に、用途にあった波長レンジ・出力設定ができるかを確認するようにしてみてください。
医療機器認証(承認)の確認が大切
IPLは医療機関で使う場合、医療機器としての承認を受けているかが必須です。
たとえば、医療用承認済みのIPLであれば、厚生労働省が安全性や有効性を認めているため、トラブルが比較的少ないです。
一方、未承認の美容機器を使用すると、安全性や効果が保証されておらず、火傷や色素沈着などのトラブル発生時に、責任問題に発展します。
そのため、導入する際には、医療機器承認番号を確認し、承認対象の施術範囲を理解しておくのがおすすめです。
患者への説明や施術者の研修・訓練が欠かせない
IPL光治療を施術メニューに加えるときは、患者への説明や施術者の研修・訓練が欠かせません。
IPLはレーザー治療とは異なり、細かな微調整が不要ではあるものの、出力や波長の設定をミスすると、火傷や色素沈着などの原因になります。
そのため、施術者に対して定期的に研修・訓練を行い、技術確認を実施するのがおすすめです。
また、患者に対しては、IPL光治療がどのような施術になるのか、効果や注意点を含めて正しく伝えることで、トラブルを防止できます。
同意書や説明書を活用して患者にリスクを明示すると良いでしょう。
IPL光治療の治療頻度

IPL光治療の頻度は、症状や目的によって治療頻度や間隔が変わります。
たとえば、シミやそばかす・肝斑などの治療をしたい場合は、2~4週間に1回の施術を行うのが目安です。5~6回程度の施術で効果を実感しやすい傾向にあります。
また、ニキビやニキビ跡に対しては、2~3週間に1回の頻度がおすすめで、4~6回程度の施術で赤みや炎症が落ち着きます。
肌のハリや毛穴を改善したい場合は、3~4週間に1回の施術を行い、3~6回程度で効果を実感しやすいです。
症状や目的によって最適な頻度は異なるため、患者にしっかり説明した上で施術メニューに組み込みましょう。
IPL光治療の施術方法

IPL光治療の施術を行うときは、まずメイクを落としてもらいましょう。メイクには金属成分や顔料が含まれている場合があり、IPLの光が局所的に熱が集中し、火傷のリスクがあります。
メイクを落とした後は施術台に案内し、目的や症状に合わせてIPL照射を15~20分程度行います。
痛みは輪ゴムが弾かれる程度で、基本的には麻酔を使用しません。施術をした後は、肌に異常が起きていないか状態を確認しましょう。
IPL光治療の基本的な流れ

IPL光治療の基本的な流れは、4つの流れで進みます。
- カウンセリング・診察
- 洗顔・クレンジング
- 施術・照射
- アフターケア
それぞれの流れを具体的に解説します。
STEP.1:カウンセリング・診察
IPL光治療の施術を行うために、まずはカウンセリングや診察を実施します。
カウンセリングや診察で確認すべき内容は、以下の通りです。
- 患者の肌の悩みや希望
- 肌の状態(シミ、そばかす、赤み、ニキビなど)
- 日焼けや服薬歴
- アレルギーや既往歴
また、IPL光治療を希望する患者に対して、施術の効果やリスク、注意点などを説明しましょう。
たとえば、肝斑がある場合は、強めの照射で悪化するリスクがあることを説明します。
IPL光治療の説明後、患者が納得したら同意書にサインをもらい、施術計画を立てます。
STEP.2:洗顔・クレンジング
IPL光治療を実施する当日は、まず洗顔とクレンジングを行います。
メイクや皮脂、汚れを落とし、光が肌に直接届くように清潔な状態に整えることが目的です。
そのため、洗顔やクレンジングがしやすいように、専用のメイク落とし室を用意すると便利です。
また、周囲から見えない作りにすることで、患者のプライバシーも守りやすくなります。
STEP.3:施術・照射
メイクを落とした後は、施術台に案内します。施術部位に冷却ジェルを塗布し、患者の肌タイプや症状に合わせて波長・出力の設定を行います。
また、IPLはパッチごとに照射する方法がおすすめです。肌が敏感な場合は、弱めの設定で安全に施術を行いましょう。
照射後は、3~5分程度ジェルで冷却し、赤みやほてりを抑えます。
STEP.4:アフターケア
IPL光治療の施術が終わった後は、アフターケアも忘れずに行いましょう。
施術を行った部位は光によって肌が敏感になっているため、紫外線対策や保湿方法について指導します。
また、施術後に見られる赤みや軽いかさぶたについても、事前に説明しておくことが大切です。
ケアや説明が終わった後は、次回施術のスケジュールを案内します。
IPL光治療の契約前に患者に伝えるべき内容

IPL光治療の契約前に患者に伝えるべき内容は、主に5つあります。
- IPL治療の基本的な仕組み
- 効果の出方と回数
- 施術の流れや痛みについて
- 施術を控えた方が良い方
- 想定されるリスクや副作用
それぞれの内容について解説します。
IPL治療の基本的な仕組み
IPL光治療を希望する患者には、まずIPL光治療の基本的な仕組みを説明します。IPL光治療は即効性ではなく、回数を重ねて効果が出る治療です。
患者が仕組みを十分に理解せず、1回で肌の悩みが改善されると誤解していると、期待と結果のギャップから不満やクレームにつながる可能性があります。
また、仕組みや原理を丁寧に説明することで、医療者や施術者への信頼感が高まるとともに、納得して施術を受けてもらいやすくなります。
そのため、IPL光治療を希望する患者には、基本的な仕組みを説明することが重要です。
効果の出方と回数
IPL光治療は、1回の施術だけでは効果を実感しにくい治療です。複数回の施術で効果が現れるため、継続的な治療が必要であることを、患者に説明しましょう。
たとえば、シミ改善の場合は、2~4週間に1回の頻度で5~6回程度施術を行うと、徐々に薄くなります。
ニキビ改善であれば、2~4週間に1回の施術を4~6回行うことで、赤みや炎症が落ち着きます。
肌のハリや毛穴改善を目的とする場合は、3~4週間に1回の頻度、3~6回の施術が目安です。
ただし、効果には個人差があるため、継続的な施術とホームケアの重要性も説明してください。
施術の流れや痛みについて
IPL光治療の契約をする前に、施術の流れや痛みについて説明することが大切です。IPL光治療は「光を顔に当てる」という施術内容から、初めて施術を受ける患者は痛みや熱さへの不安を抱きやすい傾向があります。
たとえば、「照射時に軽く輪ゴムで弾かれるような刺激がありますが、数秒で収まります」といった具体的な例を交えて伝えると、患者が安心しやすくなります。
また、施術の手順を事前に説明することで、施術中の流れをイメージでき、不安を軽減できます。
IPL光治療は初めて受ける方も多いため、痛みの程度や施術の流れを丁寧に説明し、リラックスして受けてもらえるよう配慮しましょう。
施術を控えた方が良い方
IPL光治療は、施術を控えた方が良い方についても事前に説明しておくことが重要です。
特に、光や熱に対して敏感な方、または特定の疾患・薬を使用している方は、施術を避けるか、必ず医師に相談するよう案内しましょう。
具体例には、次のいずれかに当てはまる方は注意が必要です。
- 妊娠中や授乳中の方
- 光線過敏症、皮膚感染症、炎症性疾患がある方
- 服用中の薬(抗生物質・レチノイド・一部のホルモン剤など)で光感受性が高まる方
これらに該当する場合、IPLの光刺激が肌トラブルや体調不良の原因になる可能性があるため、医師の判断を仰ぐようにしてください。
想定されるリスクや副作用
IPL光治療は安全性の高い施術ですが、照射により一時的な副作用や肌トラブルが生じることがあります。
代表的なものとして、照射後数時間〜1日程度の赤みやほてりが挙げられます。赤みやほてりは、軽度で自然におさまります。
また、メイク落としが不十分だったり、出力が高すぎると火傷や水ぶくれの可能性がある点を説明しましょう。
「副作用の多くは一時的で、適切な対応で回復する」という点を説明すると、患者に安心して施術を受けてもらいやすくなります。
IPL光治療の施術中に伝えるべき内容

PL光治療の施術中は、施術の流れや痛み・刺激の程度を随時説明することが大切です。IPL光治療は初めて受ける患者も多く、施術に対して不安を抱きやすいため、照射時に声かけを行うことで安心感を与えられます。
たとえば「今から照射しますね」「少し熱く感じるかもしれませんが、すぐに落ち着きます」などの声がけを行うのがおすすめです。
また、照射後には痛み・熱さ・刺激の有無を確認し、必要に応じて冷却や出力の調整を行いましょう。
こうしたコミュニケーションを丁寧に行うことで、患者の不安を軽減し、信頼関係を築くことができます。
IPL光治療の施術後に伝えるべき内容

IPL光治療の施術後に伝えるべき内容は、主に3つあります。
- 当日の注意事項
- 日常ケアのポイント
- 次回予約や経過観察について
それぞれの内容について解説します。
当日の注意事項
IPL光治療後は、肌が一時的に熱や刺激に敏感な状態になっています。そのため、炎症や色素沈着を防ぐためのアフターケア指導が重要です。
施術後は、以下の点に注意を促しましょう。
- 熱いお湯での入浴・サウナ・長風呂は控える
- 施術部位を強くこすらない
- 一時的にかさぶたができた場合は、自然に剥がれるまで触らない
これらを守ることで、肌トラブルのリスクを最小限に抑え、より安全に治療効果を高めることができます。
日常ケアのポイント
IPL光治療後は、当日の注意事項に加えて、日常のスキンケア方法も指導することが大切です。施術後の肌は、紫外線の影響を受けやすく、乾燥しやすい状態になっています。
そのため、保湿とUVケアを徹底するよう説明しましょう。
日常ケアの具体的なポイントは、以下の通りです。
- SPF30以上の日焼け止めを毎日使用し、外出時は帽子や日傘で紫外線を防ぐ
- 低刺激の化粧水やクリームでこまめに保湿する
- アルコール・ピーリング成分を含む化粧品は数日間控える
日常のスキンケアを徹底することで、肌の回復を促し、IPL治療の効果をより長く維持できます。
次回予約や経過観察について
IPL光治療は、1回の施術で完了する治療ではなく、継続的な施術と経過観察が重要です。
肌の反応や症状に応じて、施術間隔は医師または施術者が適宜調整すると良いでしょう。
一般的には、3〜4週間後を目安に次回の照射を行います。
また、経過観察の際には、赤み・水ぶくれ・色素沈着などの異常がないかを確認し、万が一施術後に強い症状が出た場合は、早めに連絡または再診を促すように説明しましょう。
まとめ:IPL光治療を導入してリピーター獲得につなげよう

IPL光治療は、専用の機器を1台導入するだけで、シミ・そばかす・ニキビの改善など、幅広い治療が可能です。
また、定期的に施術を行う必要があるため、自然な流れでリピーターの獲得につなげられます。
美容医療に関心を持っている方も多いので、IPL光治療の導入を検討している方は、本記事で紹介している内容を参考にしてみてください。

