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美容クリニックの経営ガイド!開業資金や失敗しないポイントを紹介

「美容クリニックの開業資金はどのくらい?」
「美容クリニック経営を成功させるポイントは?」

美容クリニックの開業を目指すうえで、このような疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、美容クリニックを開業する際のポイントや、必要な開業資金の目安などを紹介します。

美容クリニックを開業する前に知っておきたい基礎知識を学び、開業に一歩踏み出してみましょう。

美容クリニックの経営・オーナーになるには資格が必要?

ベッドに横たわる女性に触れる白衣の女性

結論として、美容クリニックの開業に必要な資格はありません。

ただし、診療や施術などの医療行為は医師免許をもつ医療従事者が対応する必要があります。

開業に資格は必須ではないものの、美容クリニックを開業する際に、持っていると便利な資格はあります。その中でも、開業時に持っていると有利な資格として「医療経営士」や「病院経営管理士」などが挙げられます。

医療経営士は、医療機関の経営に必要な知識やスキルを身につけた人に与えられる資格です。医療機関における経営戦略の策定や予算管理、リスクマネジメント、マーケティングなどの分野で役立ちます。

一方、病院経営管理士とは、病院の管理運営を行う病院経営のスペシャリストです。病院の経営管理を円滑に実行する能力や適応力を身につけた人が取得できます。

美容クリニックの開業を目指す場合、上記のような資格を保持していると競争優位性を高められるので、ぜひ取得を検討してみてはいかがでしょうか。

美容クリニックの開業資金は5,000万〜1億円が目安

10米ドル紙幣と10米ドル紙幣

美容クリニックのおおよその開業資金は、約5,000万〜1億円とされています。

美容クリニック開業には、他の診療科目と比較して高額な開業資金が必要です。一般内科が約5,000万~8,000万円、皮膚科が約4,000万~6,000万円ですので、かなり高額だとわかります。

美容クリニックの開業資金が高額になりやすい理由としては、まず高度な医療機器を導入する必要がある点です。シミ取りやシワ改善といった美肌対策で使うレーザー機器は、数千万円を超えるケースも少なくありません。

レーザー機器以外にも、皮膚診断システムや導入イオン機器などを含めると、開業時の医療機器だけでも3,000万円は超えると予想されます。

また、美容クリニックを利用する患者は美意識が高く、品のいいおしゃれな内装が求められます。よって、内装費や家具購入費も高くなりがちです。

美容クリニックの開業には、他診療科よりも多額の資金が必要と認識しておきましょう。

自己資金はいくら準備しておけばいい?

米ドル紙幣の扇子を持っている人

美容クリニックを開業をするにあたって、自己資金は開業資金の1〜2割程度を準備しておくのが望ましいです。

開業資金の全額を自己資金で賄う必要はありません。開業資金の大半は金融機関からの融資でカバーできます。

ただし、自己資金0の状態で融資を受けるのは難しいので、最低でも1割は用意しておきましょう。

美容クリニックの開業に利用できる融資3選

ペンを持って紙に書く人

開業資金の全額を自己資金で賄うのは難しく、融資を受ける場合がほとんどです。

資金の融資を受ける方法はいくつかありますが、美容クリニックの開業に利用できる主な融資は以下の3つとなります。

  1. 日本政策金融公庫の貸付
  2. 医師会・自治体が行う開業支援ローン
  3. 銀行・民間金融機関が行う開業支援ローン

ここからは、それぞれの特徴について解説するので、自身にあった方法を選択してみてください。

日本政策金融公庫の貸付

日本政策金融公庫は、政府系の金融機関です。中小事業者に向けて、比較的低金利で開業資金や運用資金の貸し付けを行っています。

医療機関は貸付の対象外と思われるかもしれません。しかし、クリニックや医院も融資の対象となっています。個人でも医療法人でも、固定金利で借り入れができるのがメリットです。

ただし、政府系金融機関の融資は、申し込みから融資決定までに1ヶ月ほどかかるのが難点です。物件やテナントが決定したら、すぐ手続きを開始するのをおすすめします。

なお、一般貸付の融資限度額は4,800万円です。その他の制度と融資限度額については融資制度一覧(令和4年6月末時点)を参考にしてみてください。

医師会・自治体が行う開業支援ローン

医師が構成する学術専門団体の医師会も、開業の融資を提供しています。無担保で融資を受けられるのが大きなメリットです。

ただし、決められた地方での開業や、地方医師会への加入などの条件がある点には注意が必要です。

また、都道府県や地方自治体では信用保証協会と連携して貸し付ける「制度融資」という融資を施行しています。

自治体が行う開業支援ローンは、低金利かつ金利固定で融資を受けられる点や、民間と比べて審査が通りやすい点がメリットです。

一方、融資決定までに時間がかかったり、開業地が限定されたりするのはデメリットとして挙げられます。

美容クリニックは基本的に都市部でのニーズが高い傾向にあるため、開業地が条件にフィットするか慎重に判断しましょう。

銀行・民間金融機関が行う開業支援ローン

銀行や民間金融機関が行う開業支援ローンは、審査から融資までがスピーディーなのが特徴で、迅速な資金調達が必要な際に有効です。

ただし、銀行や民間金融機関が行う融資は、他の融資制度と比べてややハードルが高いといえます。というのも、都市銀行は新規開業のクリニックへの融資にあまり積極的ではない傾向にあるからです。

民間の金融機関からの融資を希望する場合は、都市銀行よりもクリニック開業の融資に積極的な地方銀行や信用金庫などに相談するのをおすすめします。

美容クリニック開業までのスケジュール

白いテーブルの上に茶色の籐のバスケット

美容クリニックの開業には、入念な準備が必要です。やるべき項目はたくさんあるので、一つひとつを順序よく進めていきましょう。

美容クリニックを開業するまでの大まかなスケジュールは、以下の通りです。

  1. クリニックのコンセプトを決める
  2. クリニックの物件を選定する
  3. 資金調達・融資を受ける
  4. クリニックの名前や内装を決める
  5. 内装業者を決める
  6. 消防署や保健所への相談
  7. クリニックの内装工事が始まる
  8. 保健所の検査を受ける
  9. 必要な場合は厚生労働省へ書類の提出・手続きをする
  10. 医療スタッフへ仕事の引き継ぎをする
  11. 開業

美容クリニックを開業するには、物件や資金、内装、人事など多くのプランニングが必要です。また、保健所や厚生労働省への届出など公的な手続きも多く、開業を思い立ってから実際に経営するまでには多くの時間がかかります。

だからこそ、開業までのスケジュール管理は非常に大切です。開業を決定したら、まずは実現性の高い事業計画を策定し、自身の希望する開業予定日に間に合うよう、ある程度余裕を持った準備期間を設けるのをおすすめします。

美容クリニックの経営で失敗するケース

人の背中のグレースケール写真

美容クリニックは単価が高いため利益を挙げやすいメリットがある一方、失敗に終わるケースも少なくありません。

美容クリニックの経営が失敗しやすい要因は、以下の2つです。

  1. 開業資金を過剰にかけてしまう
  2. スタッフが中々定着しない

それぞれ詳しく解説します。

開業資金を過剰にかけてしまう

資金計画の見積もりが甘いと、開業資金が必要以上に発生してしまい、資金繰りが上手くいかなくなります。

医療機器や内装、備品のコストなど、開業には多くの費用がかかります。 その中でも特に高額になり得るのが、医療機器の購入です。

必要以上に医療機器を導入すると、クリニック運営が困難になる可能性が高くなります。魅力的な医療機器は多数存在しますが、本当に必要かどうかを見極めて、必要最低限から始めるといいでしょう。

初期投資がすぐに回収できるとは限らないため、初期費用には適切な計画が重要です。美容クリニックの経営を成功させるには、余裕のある資金計画を立案する必要があります。

中長期的な視点で、数年後まで精度の高い計画を立てましょう。

スタッフが中々定着しない

勤務条件や待遇、人間関係など、さまざまな要因で採用したスタッフが定着せず、経営が不安定になるのもよくある失敗パターンです。

人手不足によって施術やカウンセリングに十分な時間をとれなくなると、結果的に患者の離脱につながってしまいます。

美容クリニックに限らず、職場環境が悪い職場はスタッフが定着しません。働く環境が適切に整備されていないと、離職率が高くなる原因になります。

特に、開業したばかりのクリニックで、満足に教育を受けないまま業務を任されると、スタッフは大きなストレスを感じてしまうでしょう。

まず、採用後の教育にしっかり時間を費やすことが重要です。研修や指導に力を入れると、スタッフのモチベーション向上やスキルアップにつながります。

また、スタッフに長く働いてもらうには、スタッフとのコミュニケーションを疎かにしないのも大切です。コミュニケーション不足があると、現場の問題を見過ごしかねません。

ミーティングや面談を実施するといった、コミュニケーションを密に取れる体制を整えましょう。

経営する美容クリニックの内装を魅力的にするポイント

ミラー付き白い木製の洗面化粧台

美容クリニックの内装は、患者からの印象を決めるだけでなく、他のクリニックと差別化を図る重要な要素になります。

ここから、内装を決めるうえで大切な4つのポイントをみていきましょう。

  1. クリニックのコンセプトを表現する
  2. 患者のプライバシーに配慮する
  3. パウダールームを充実させる
  4. スタッフの導線を確保する

クリニックのコンセプトを表現する

美容クリニックの内装は、ホームページやSNSなどに掲載するため、閲覧した患者の第一印象を左右します。

美容クリニック開業を決めたら、まずコンセプトを明確にして、目標とする患者にアプローチできる内装を決定するのが重要です。

  • 若い女性をターゲットにする場合:トレンドを取り入れた明るいデザイン
  • 30代以降の女性をターゲットにする場合:高級感のあるインテリア

このように、ターゲット層から好まれるデザインを形にしましょう。

患者のプライバシーに配慮する

患者のプライバシーに配慮して、患者が安心して来院できる空間にするのも重要です。

カウンセリング時にスタッフへ相談する内容を他の患者に聞かれたくないという方も少なくありません。

施術室だけでなく、カウンセリングを行うスペースや待合室でもプライバシーを守る工夫が必要です。パーテーションを設置したり、ドア付きの個室にしたりなど、患者が安心して通える設計を検討してみてください。

パウダールームを充実させる

美容クリニックを利用する患者は、美意識が高いです。そのため、施術後にメイク直しをしたいと思う方は多いでしょう。

そこでパウダールームを充実させれば、患者の満足度向上を図れます。広めにスペースをとり、化粧水やコットンを用意するなど、利便性の高いパウダールームを作りましょう。

スタッフの導線を確保する

患者のための内装も重要ですが、スタッフが動きやすいように工夫するのも大切です。スタッフの導線を意識した内装を設計しましょう。

スタッフの導線を確保しておけば、機械の移動もスムーズになり、患者へできるサービス提供のスピードも上がるため、結果的に患者の満足度アップにつながります。

美容クリニックの経営で大切な集客のポイント

Magic Keyboardとヘッドフォンの横に白いApple Magic Mouse

競争が激しい美容クリニック業界では、集客戦略も必須です。ここからは代表的な集客方法を3つ紹介します。

  1. Web広告を活用する
  2. ホームページを運用して情報発信する
  3. 美容系のポータルサイトに掲載する

Web広告を活用する

Web広告を活用すると、自院の認知度拡大が期待できます。

最近は、世代に関わらずインターネットを見ている時間が長い傾向にあるため、オンライン上に広告を出すのは非常に有効です。

美容に興味のある多くの女性は、SNSを小まめにチェックしています。X(旧Twitter)やInstagramなどを使用してSNS集客するのもいいでしょう。

ホームページを運用して情報発信する

ほとんどのクリニックは、自院独自のホームページを運用して、患者への訴求を図っています。自院が運営するホームぺージでは、文字数やコンテンツの内容に制限がないのがメリットです。

患者からの信頼を勝ち取るために、ホームページに自院の特徴や強みを詳しく情報を掲載しましょう。

美容系のポータルサイトに掲載する

ポータルサイトとは、さまざまなコンテンツの入り口となるWebサイトを意味します。インターネット上に散らばっている情報の中から、自分に必要なものを簡単に探し出せるのがメリットです。

美容医療に特化したポータルサイトも存在するので、そこに自院のホームページを掲載して、さらなる集客を図りましょう。

まとめ:入念な準備で美容クリニックの経営を成功させよう

ペンと白い綿菓子を持つ女性

美容クリニックの開業は、他の診療科目よりも多くの初期費用がかかるのが特徴です。 そのため、事前の準備を入念に行わなければ、多額の負債を背負うことになりかねません。

本記事を参考に、美容クリニックを開業をするポイントを抑えたうえで入念に準備を進め、スムーズな運営につなげていってください。