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開業医の資産形成について徹底解説!失敗しない資産運用の考え方や方法とは?【5分でわかる】

医者の中でも年収が高いといわれる開業医。
開業後、軌道に乗れば高所得を目指せる仕事ですが、自身の労働量によっては収益に影響があるでしょう。

病気や怪我などで働けなくなるリスクがあることに加え、定年時に必ずしも退職金を得られるわけでもありません。
そのため、所得の高い開業医でも資産形成は重要です。

本記事では、開業医の資産形成について解説します。失敗しない資産運用の考え方や方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

開業医に資産形成がおすすめな理由とは?

開業医に資産形成がおすすめな理由は、次の3点があげられます。

  • 年収が高い
  • 節税の効果がある
  • 働けなくなるリスクに備える

それぞれ解説するので、内容を確認してみてください。

年収が高い

開業医は、一般的なサラリーマンや勤務医に比べ年収が高い傾向があります。
年収が高ければ、投資できる資金にゆとりがあり、ハイリスクの投資をせずに、安定した資産形成ができるでしょう。
「第21回医療経済実態調査」によると開業医の平均年収は2,748万円です。「令和2年賃金構造基本統計調査」の勤務医の平均年収が、1,176万円なのに対し、2倍以上の所得を得ているといえます。

安定した収益がある現役で働くうちから、資産形成をおこない老後に備えるとよいでしょう。

節税の効果がある

節税の効果がある資産形成の方法で、資産を増やせます。
高所得者に課税される税金は、所得税率が高めです。利益を得ても税金として支払う金額が多ければ、手元に残る額が減少します。
開業医の平均年収2,748万円の場合の所得税率は40%です。勤務医の平均年収1,176万円では33%なため、税率にも差があります。
控除額も考慮し計算すると、開業医では約800万円、勤務医では約230万円の税金支払いが必要です。

開業医の方が税金を支払っても手元に残る収益額は多いですが、節税できればさらなる収益向上につながります。

働けなくなるリスクに備える

開業している場合は、自身が働かないと収益が減るでしょう。病気や怪我で一時的な休養が必要な場合には、収入源がなくなります。
また、専門的な高度治療や流行に左右される診療内容の病院の場合、長期間に及ぶ安定した経営が難しいこともあるでしょう。ハードな仕事でもあるため、所得が大きい時に資産形成し、早めにリタイアする選択肢も考えられます。
安定した生活水準を確保するためにも、働けるときに資産運用をおこないましょう。

【前提知識】開業医の資産形成には節税と投資の2パターンがある

【前提知識】開業医の資産形成には節税と投資の2パターンがある

開業医の資産形成には、所得を減らさない節税と、所得を増やす期待ができる投資があります。

節税 投資
  • MS法人
  • 青色申告控除
  • 小規模企業共済
  • 医療法人
  • 株式投資
  • 不動産投資
  • 投資信託
  • 貴金属積立

それぞれ解説していくので、内容を確認してみてください。

開業医におすすめの節税方法

開業医におすすめの節税方法は、次の表のとおりです。

節税方法 おすすめ度
MS法人 ★★★★★
青色申告控除 ★★★★
小規模企業共済 ★★★
医療法人 ★★

節税方法でおすすめなのは、MS法人への加入です。
それぞれ解説していきます。

MS法人

MS法人とは、メディカル・サービス法人の略です。
多くの医療機関は通常、医療機関は法令で定められた医療法人に登録し病院運営をおこないますが、MS法人では病院運営だけでなく利益目的の事業もおこなえます。
医療法人で禁止されている利益目的の事業が、MS法人では禁止されません。
例えば皮膚科や眼科の診察は医療行為に該当しますが、顧客が自由購入する美容薬やコンタクトレンズなどの販売は、病院の利益目的にあたる事業です。
給食や掃除の業務委託、会計業務などもMS法人の事業に該当します。
MS法人化すれば、医療事業をおこなう病院の運営と、収益向上を目的にする利益獲得に業務を分散できます。

また、MS法人化すれば、医療事業をおこなう病院の運営と、収益向上を目的にする利益獲得に業務を分散でき、累進課税の節税効果が見込めます。
法人税は、個人所得税に比べ低いため、株式会社や合同会社と同様に病院運営事業をおこなうことで、節税につながるでしょう。

青色申告控除

青色申告控除とは、確定申告する個人事業主(ここでは開業医を指す)が、課税所得額から一定額を差し引く制度です。
収益から経費を差し引いた所得に税金がかかる制度であるため、経費の申告が必要になります。
青色申告には、65万円、55万円、10万円と適用できる控除額に差があり、それぞれ条件が設定されています。
不動産所得の有無や、電子帳簿保存法に従う電子帳簿であること、記帳方法や提出書類の内容などの条件です。

青色申告特別控除を受けるには、事前に「所得税の青色申告承認申請書」の提出が必要で、申請が完了している場合のみ受け付けられます。
また、確定申告の期限を過ぎると控除の対象外になり、申告が遅れると延滞税が課せられるケースもあるため、事前準備が必須です。

小規模企業共済

小規模企業共済は、利益目的で医療事業をおこなう企業、団体が加入できる制度です。
医療法人でない開業医は、所得の一部を積み立て、退職時に掛け金に応じて共済金を受け取れます
掛け金は所得として換算されず、税金がかからない費用であるため、節税効果につながります。
小規模企業共済の加入条件は、常勤従業員が5人以下の院長です。
小さい病院を経営している場合は、自身のリタイア後の退職金として、小規模企業共済に加入しておくとよいでしょう。

開業医におすすめの投資方法

開業医におすすめの投資方法は、次の表のとおりです。

投資方法 おすすめ度
投資信託 ★★★★★
株式投資 ★★★★
不動産投資 ★★★
貴金属積立(純金、プラチナ) ★★

投資をするなら、手間がかからずリスクが少ない方法をとるのがおすすめです。
純金やプラチナ以外にも、自動車や時計など、売却時に高額になる可能性が高い商品も投資、積み立てになります。

それぞれ解説するので、参考にしてみてください。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から集金した資金をもとに、専門家が海外や国内の株式や債権などに分散投資をおこなう投資方法です。代表的な制度に積み立てNISAやiDeCo(イデコ)があげられます。
投資信託はさまざま方法があり、購入方法や購入権、払い戻し方法など自身に適した選択が可能です。
低コストからはじめられる投資も多く、長期間の分散投資でリスクが軽減できます。
また、実際に投資をおこなう専門家は銀行、金融機関であるため、銘柄選びで信頼できる情報も多いことが特徴です。

ただし、投資信託であっても元本割れのリスクがあり、手数料・税金の支払いで収益が減少します。数ある銘柄から自身に適したものを決めるのも容易ではありません。
デメリットも理解したうえで、投資信託を検討してください。

株式投資

株式投資とは、株式会社が発行した株式を購入し、企業に資金を提供する見返りに企業の利益の一部を配当として受け取れる投資です。
利益の配当利回りに着目する配当金額や、サービスや商品の提供を受ける株主優待から、株主を買い取る銘柄を決定します。
株主優待は、ギフト券や食事券、宿泊利用費などがメジャーです。
企業の経営方針や業績の悪化により株の価値が暴落する可能性もあり、リスクも高めな点は理解しましょう。
情報収集を的確におこなう必要もあるため、手間や時間をかけにくい場合は不向きです。

不動産投資

不動産投資とは、土地や住宅などの不動産を購入し、運用する資金形成の方法です。
マンションやアパートを購入し、家賃で収益を得る家賃収益(インカムゲイン)と、購入価格よりも高騰する土地や建物を売却して収益を得る売買益(キャピタルゲイン)があります。
土地や建物を購入するため安定的な利益が見込めて、比較的少ない資金で多額の資産を獲得できる点がメリットです。
購入費用の返済が終了すれば、半永久的に自身の収入源になるため老後も運用できます。

一方、建物の修繕費用の調達や空室を作らない工夫が必要で、自然災害による破損のリスクもあるでしょう。
また土地の場合でも、価値の下落が考えられます。不動産投資をおこなう場合は、初期費用を明確にし、管理や修繕で必要な利回りを把握する必要があります。

【補足】これから投資を始める開業医の方は節税から始めるべき

これから資産形成を考える開業医は、投資よりも節税からおこないましょう。資産は、増やすよりも減らす方が簡単です。
投資に必要な資金が確保できていても、損失額が大きいままでは、資産の増大にはつながりにくいでしょう。
まずは節税をし、節税で得たゆとりの資金で投資を考えることがおすすめです。

また投資は、すぐに結果が出ず、常に正しい知識や最新の情報を収集する必要があります。無知な状況で高額な投資をすれば、ハイリスクの可能性も高まります。

開業医が資産形成を成功するためには?

開業医が資産形成を成功するためには?

開業医が資産形成を成功するためには、次の4項目に着目しましょう。

  • 投資目的を明確にする
  • リスクを理解する
  • 長期でおこなう
  • 情報収集を常におこなう

それぞれ解説するので、参考にしてみてください。

投資目的を明確にする

投資を始める際は、増やした資金をどのように使いたいのかが重要です。
結婚や子育て、老後資金など、使用目的に合わせていつまでにいくら必要かを計画立てます。長期目標をもとに、中期、短期と計画性を持つことが大切です。
決定した計画通りに投資すれば、リスクの軽減になり、損失する可能性も減るでしょう。
資産計画を立てる際は、専門家に相談するのがおすすめです。
ファイナンシャルプランナー、税理士などの資格所有者や、銀行、証券会社で相談できます。近年ではオンラインで相談できるサービスも充実しています。

リスクを理解する

投資はリスクが付き物でもあります。どのようなリスクが見込まれるか、リスク回避の最善策はないかリサーチしたうえでの理解が重要です。
ハイリスクの投資をおこなえばハイリターンが期待できますが、失敗したときの対応が難しくなります。
投資は、できる限り安定した利益が得られるものからスタートすべきでしょう。
また、投資商品の中では常に価格が変動する商品もあるので、投資に時間を割くことが難しい開業医には向いていません。

長期でおこなう

投資はより長期間にわたりおこなうことで、利益が高まる仕組みが大半です。株式や投資信託は長期間の継続で利益を得やすく、安定する傾向があります。
長期投資は、一般的に20~30年以上にわたり投資をおこなうケースが多いでしょう。
投資信託は投資初心者でもはじめやすい商品が多く、老後の資産形成が目的の場合はとくに適しています。
また長期間に適した投資は、値動きを頻繁に確認する必要もなく、医療業務が多忙な開業医に向いています。

情報収集を常におこなう

投資にはトレンドがあり、常に変動するので、最新の情報を収集しながら進めることで成功しやすくなるでしょう。
投資の対象になる商品の中には、世界情勢が影響するものも多くあります。近年では、新型コロナウイルスの影響がありました。
また、常に変動する円やドルの通貨価値を示す為替市場の経済動向の把握が重要です。
投資の仕方も複数あり、新トレンドとしては2024年から開始した新NISA制度や、環境、社会、ガバナンスが適切な会社への投資をおこなうESG投資などもあります。

経済情勢や銘柄情報は、ニュースサイトや証券会社のメールマガジン、経済新聞サイトなど複数の情報サイトから確認するとよいでしょう。

【注意】年収が低い開業医は資産形成の前に年収を上げるのがオススメ

【注意】年収が低い開業医は資産形成の前に年収を上げるのがオススメ

開業医は資産形成をおこなうことがおすすめと紹介してきましたが、年収が低い場合は、元資金が少なく資産形成が難しくなります。
資産形成の考え始める目安は、年収3,000万円を超える程度が適しているでしょう。
年収アップを目指すには、次の3点をおこない集客を増やすのがおすすめです。

  • MEO対策
  • SEO対策
  • SNS運用

それぞれ解説していきます。

MEO対策

MEOとは、マップ検索エンジン最適化の略です。インターネット上で患者が病院を検索した際、地図と一緒に病院の情報が掲載されます。
MEO対策された病院は、ローカル検索で上位表示され、検索した需要度の高い地域住民の目に留まります
無料で使用できるGoogleビジネスプロフィールを登録し集患できるため、初期投資の必要もなくはじめやすいのも特徴です。

Googleビジネスプロフィールの情報は、常に最新状態に更新しましょう。
住所や電話番号、営業時間、休業日など、患者が求める情報を明記する重要性があります。病院の雰囲気が読み取れる院内やスタッフの写真の掲載や、良質な口コミを増やすことも大切です。

定期的に検索キーワードや口コミを分析してユーザーの需要に応え続けられれば、新規患者を獲得でき、リピート率が向上するため、年収アップにつながるでしょう。

SEO対策

SEOとは、検索エンジン最適化の略です。Googleによりチェックされる項目に満たしていると判断されるSEO対策されたサイトは、目に留まりやすいよう上位表示されます。
検索したユーザーの需要に適した内容の情報を供給できるため集患に効果的です。
例えば、「埋没整形 メリット」や「腹痛 原因」など、特定の地域や病院を含まない単語で検索する場合、必要な情報が書かれた記事はユーザーのニーズに適しているでしょう。

予約サイトや病院の公式ホームページへの導線を確保することで、集患につながる傾向があるため、SEO対策をおこなうと患者獲得につながります。

SNS運用

近年多くの世代の方が、InstagramやTik Tokなどから情報を得て、自分に適している病院を探している傾向があります。
また、予約システムと連携したLINEを導入している病院も増え、ユーザーが日常的に使用するSNSから集患する機会が多くなりました
とくに、自由診療の整形外科や美容関連の皮膚科などは、SNSにあげられる情報の影響が大きいでしょう。
施術のビフォーアフターの写真掲載やスタッフ、院内の様子をショート動画で発信するなど、多くの人の目に留まる工夫が必要です。

InstagramやTik Tok、YouTubeは短い動画を投稿できる機能があるため、スワイプするだけで表示されやすく、関心がありそうなユーザーへのアピールもできます。

ハッシュタグを活用して関連検索を獲得する、有名インフルエンサーに紹介してもらうなどSNS上で有名になることで、集患につながり年収アップが期待できるでしょう。

まとめ:開業医こそ資産形成の方法を理解し年収を高めよう

本記事では、開業医の資産形成について解説しました。
資産形成の方法には、収益を減らさない節税と、収益を増やす投資がありますが、まずは節税で所得を増やす工夫がおすすめです。
節税や投資の方法は複数あるため、計画を立て、目的を明確にしたうえでおこなうとよいでしょう。
開業医は一般的なサラリーマンや勤務医と比べると、所得が高い傾向があります。
正しい資産形成の方法を理解し、働けなくなるもしもの場合や老後のゆとりある生活に備え、年収を高めるとよいでしょう。