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クリニック開業時の融資完全ガイド!融資先4選と選び方・ポイントも紹介

クリニックの開業のために、融資を受けたいという方やどこに融資をお願いすればいいのかわからないという方はいるでしょう。

 

そこで本記事では、クリニックの開業に必要な資金の目安や融資先の選び方などについて詳しく解説していきます。

 

クリニックの開業を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

クリニック開業では融資が必要!その理由とは?

クリニックを開業する際には、基本的に金融機関からの融資が必要なケースが多いでしょう。

 

クリニック開業のためには、物件を契約する費用や内装工事費、医療機器代など多額の資金が必要となります。この資金を全て自身の貯蓄から捻出できる人はほとんどいないでしょう。

必要な資金の一部を自己資金、不足分を融資受けることによってまかなうというケースが多くなっています。

 

ただし、金融機関からの融資は、誰でも受けられるものではなく、審査を通らなければ受けられません。融資してもらえる可能性を引き上げるためには、必ず全額返済できるというあなたの信頼性が求められます。

クリニック開業後の融資は受けられない

クリニックを開業した後からでは、融資を受けられないため、注意が必要です。

 

融資を受けるには、金融機関に返済能力を信用してもらう必要があります。そして当然融資を受けたクリニック側には、返済する義務があります。クリニックの開業後に融資を受けようとすると、お金に困っていると思われてしまい、信用してもらうのは困難でしょう。

 

融資をする側になって考えると、資金繰りに困っているクリニックを信用して融資をしようとは考えません。金融機関からの融資は、あくまでクリニックを開業するための資金調達の手段として捉えておくことが重要です。

クリニック開業に必要な資金の目安

クリニックの開業に必要な資金は、およそ数千万円から1億円ほどが目安になっています。ただ、必要な医療機器や内装などの設備費用は、診療科によって差があります。

 

診療科ごとの必要な資金の目安は、以下の通りです。

診療科 必要な融資資金の目安
内科 約6,000万円~
外科 約3,000万円~
眼科 約4,500万円~
小児科 約5,500万円~
皮膚科 約3,000万円~
耳鼻咽喉科 約4,500万円~
泌尿器科 約3,000万円~
産婦人科 約6,000万円~

この数字はあくまでも目安なので、医療機器や内装などにこだわるとさらに多額の資金が必要となることは認識しておきましょう。

クリニック開業でおすすめの融資先4選

クリニック開業の際の融資先としておすすめなのは、以下の4つです。

  1. 日本政策金融公庫
  2. 民間の金融機関
  3. 医師会や地方自治体
  4. 福祉医療機構・リース企業

融資1.日本政策金融公庫

クリニック開業時には、日本政策金融公庫から融資を受けることを考えておきましょう。

 

日本政策金融公庫からは、設備資金として最大7,200万円、運転資金として最大4,800万円の融資を受けられます。ほとんどの場合、低い固定金利で融資を受けられますが、保証人や担保などの条件で変わってきます。

 

日本政策金融公庫の特徴は、運転資金の返済期間は7年となっていますが、設備資金の返済期限が20年と長いことです。また融資を受けてから2年間は、利息のみ返済すればいいという据え置き期間が設けられています。

 

他の金融機関に比べて融資を受けるまでの審査に時間がかかりますが、融資を受ける利点が多くあるでしょう。

融資2.民間の金融機関

銀行などの民間の金融機関から融資を受けることも可能です。

 

民間の金融機関といっても、メガバンクや地方銀行などさまざまあります。クリニックを開業するために融資を受けるなら、地方銀行がおすすめです。というのも、融資以外のサポートやスタッフの研修を受け持ってくれる地方銀行があるからです。

 

クリニックを開業のために準備している期間は、やらなければならないことが多く、スタッフの研修まで手が回らないこともあるでしょう。そんな時に、融資以外のサポートをしてくれる地方銀行を利用していれば、余裕を持って準備ができます。

 

その他にも大手銀行に比べて、金利が低かったり審査を通過しやすいなど地方銀行を選ぶメリットは多くあります。

融資3.医師会や地方自治体

医師会や地方自治体からも融資を受けることができます。

 

医師会はクリニック開業のための「開業支援ローン」を提供しており、開業資金を援助してもらえます。多額の資金を融資してもらえますが、医師会に加入しなければならないという条件があります。

 

地方自治体から「制度融資」という方法でも資金を借りられます。制度融資では信用保証としてお金を支払うことで、低金利にしてもらえるなど好条件で融資を受けられます。

制度融資を活用して資金調達をする場合、地方自治体と連携している金融機関に相談してみましょう。

 

なお、医師会や地方自治体に融資をお願いする際には、開業エリアの医師信用組合にあらかじめ相談しておく必要があります。

融資4.福祉医療機構・リース企業

金融機関の他にも、福祉医療機構やリース企業から融資を受けるという手があります。

 

無床診療所としてクリニックを開業するなら、福祉医療機構の融資を受ける際に注意が必要です。無床診療所の場合、「診療所不足地域」に開業しなければ融資を受けられません。

開業エリアが診療所不足地域に含まれているかは、事前に調べておいてください。

 

リース企業の融資は、審査を通るまでの時間が短い反面、高金利かつ医療機器をリースしなければならないという条件があります。リース企業を選ぶ際には、こういったマイナス要素を念頭に置いておくことが大切です。

クリニック開業でおすすめしたい借入先の選び方

クリニック開業の際におすすめの借入先の選び方は、以下の4つです。

  1. 借入の上限金額で選ぶ
  2. 返済期間で選ぶ
  3. 金利で選ぶ
  4. 返済額のシミュレーションで選ぶ

融資を考えている場合は、ぜひ参考にしてみてください。

借入の上限金額で選ぶ

借入の上限金額は、選ぶ際の重要なポイントです。融資ではいくらでも借入できるわけではなく、上限が設けられています。基本的には、数千万から1億円程度が上限になると認識しておきましょう。

 

まずは開業に必要な資金額や自己資金がいくらあるのかなど、さまざまな条件を考慮した上でいくら融資してもらいたいかを決めましょう。そして融資先の借入の上限金額で希望の金額を融資してもらえそうかを吟味して選ぶことが大切です。

返済期間で選ぶ

返済期間を考慮して選ぶのも重要です。どの融資先を選ぶにしても返済期間は決まっています。

 

「クリニックを開業してからどういった経営方針で経営していくのか」「余裕を持って返済できる程度の期間が設けられているか」といった開業後を具体的に見据えておきましょう。

 

開業してから思いのほか、売上が伸びなかったり費用がかさんだりなど、予想外の事態に陥ることもあります。返済期間には余裕を持たせることがポイントです。

金利で選ぶ

金利も融資先を選ぶ要素の1つです。

 

金利が高いのか低いのかで、返済する総額は大きく変わってしまいます。

基本的には返済期間が長いほど金利は低くなりやすくなっています。担保の有無も関係しており、担保がある方が金利が低くなる傾向があるようです。

 

また、変動金利と固定金利の違いにも注意が必要です。

  • 変動金利:利率が変わる方式
  • 固定金利:利率の変動がない方式

どちらの方式にもメリット・デメリットが存在しています。クリニックの経営方針にあっているかどうかも考えた上で融資先を選んでください。

返済額のシミュレーションで選ぶ

返済額のシミュレーションで見通しをつけて選ぶこともできます。

 

複数の融資先の返済額をシミュレーションしてみて、無理のない返済額かどうかを事前に知っておくと先のイメージがしやすくなります。

シミュレーションの結果を受けて、余裕を持って経営していける条件の融資先を選んでください。

クリニック開業で融資を受けるときのポイント

クリニック開業の際の融資で注意が必要なポイントは、以下の3つです。

  1. 審査に通過しないと借りられない
  2. 資金は必ずしも希望額の満額を借りられるとは限らない
  3. 開業する土地や物件を契約できていないと申し込めない

審査に通過しないと借りられない

融資は、誰でも受けられるというものではなく、審査に通過しなければ借りられません。

 

融資の審査は、事業計画書の内容や面談の内容を元に進められます。そのため、審査を通過する可能性をできるだけ高めるために、事業計画書の内容をブラッシュアップして具体的かつ現実的にする必要があります。

 

また、面談での回答の質を高めるために、「なぜクリニックを開業したいのか」「どういう理念の元クリニックを経営していくのか」をはっきりさせておきましょう。相談先から信用され、お金を貸し付ける価値があるかどうかを示すことが重要です。

 

審査を通りやすくするには、ある程度の自己資金を用意しておくことも効果的です。

自己資金が用意できていないと、クリニック開業への意欲がないように受け取られる場合があります。融資先からの印象が悪いと審査に落ちやすくなるため、注意しましょう。

資金は必ずしも希望額の満額を借りられるとは限らない

融資の審査に通過しても、必ずしも希望額を満額借りられるとは限りません。希望融資額を記載する場合には、本来の希望額よりも上乗せした金額を提示しておきましょう。

 

万が一、希望額の満額を借りられなかった場合、開業して間もない時期は医療機器などの設備を最小限に抑えることも視野に入れておく必要があります。

開業する土地や物件を契約できていないと申し込めない

クリニックで開業する土地や物件を契約できていないと、申し込めません。

 

そこで、土地や物件を選ぶ時間や契約に時間がかかることを前提に動く必要があります。融資を受ける際には、開業までのスケジューリングを明確にしてください。

 

また、土地や物件の契約が済むまでに事業計画書を作成しておけば、効率的に開業準備を進められるでしょう。

クリニック開業で融資を受ける時の流れ

クリニック開業の融資を受ける際の基本的な流れは、以下の通りです。

  1. 融資条件の確認
  2. 必要書類の提出
  3. 融資担当者との面談
  4. 審査
  5. 融資の決定

融資条件の確認では、借入れしたい希望額を踏まえて借入の上限金額や金利、返済期間などを慎重に吟味しましょう。申し込む融資が決定したら、必要書類を準備し提出します。

 

その後、融資担当者との面談を経て、審査が行われます。審査は融資先によって違いがありますが、約2週間ほどで結果が出ます。

審査に無事通過できれば、正式に契約し融資を受けられます。

クリニックの開業と融資に関するよくある質問

ここでは、クリニックの開業や融資に関してよくある質問について回答していきます。

融資での金利で変動金利と固定金利の違いを教えてください

「変動金利」とは、日本の景気の変動によって利率が変わる方式のことです。

固定金利よりも低金利で借りられたり、繰り上げ返済が可能だったりといったメリットがあります。しかし、金利の変動によっては固定金利を上回って、結果的に損をする可能性もあるので注意が必要です。

 

それに対し「固定金利」とは、金利が変動せず常に金利が一定の方式です。

変動金利に比べて金利は高くなりますが、返済の見通しを立てやすいのが特徴です。景気の変動の仕方によっては、変動金利の方が返済額を安く抑えられることもあります。

融資以外の資金調達方法があれば教えてください

融資以外にも資金調達の方法はいくつかあります。代表的な方法でいえば、「家族や友人から借入もしくは援助してもらう」「補助金や助成金を利用する」という2つがあります。

 

家族や友人から借りる場合は、金利や返済期間がないのでリスクは小さいですが、返済を怠ると信用問題に関わることに注意しましょう。援助してもらう場合は、返済の必要がありませんが、贈与税が発生することがあるので税金関係の確認が必要です。

 

補助金や助成金は、都道府県や地方自治体、厚生労働省などから受けられます。補助金や助成金は基本的に返済する必要がないため、受けられれば資金調達の助けになります。

ただし融資同様に、審査が必要な場合があるため、受けられない場合もあることは理解しておきましょう。

クリニック開業後の追加融資なら受けられますか?

クリニック開業後には、基本的に追加融資を受けられません。

 

開業後に融資をお願いすると、資金繰りに苦労しており、経営が上手くいっていないという印象を与えてしまいます。

このように捉えられると、返済能力への信用もなくなるため、ほとんどの場合追加で融資を受けることはできません。

まとめ:クリニック開業時は融資で効率的に資金調達しよう

融資には返済義務がありリスクもありますが、しっかりとした事業計画を練ることで最小限のリスクで効率的に資金調達することができます。

 

クリニックの開業を目指している方や資金調達に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。