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医療用ベッドメーカー10選!失敗しない8つの選び方も解説

病院にとって、医療用ベッドは欠かせません。入院患者が安心して過ごせる環境にするにはベッドの品質も求められます。

とはいえ、医療用ベッドにもさまざまな種類があります。どれを選んだらいいのか悩まれるでしょう。

そこでこの記事では、医療用ベッドメーカーのおすすめ10選を紹介します。選び方も解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださ

医療用ベッドとは医療現場で用いられるベッドのこと

病室のベッドと椅子の画像

そもそも医療用ベッドは、病院をはじめ、医療現場で取り入れられるベッドです。

通常のベッドとは異なり、医療用ベッドは患者さんの快適さと安全性を最大限に考慮して設計されています。医療スタッフが効果的かつ安全に患者さんのケアを行えるように工夫も施されています。

医療用ベッドには、背上げ機能、膝上げ機能など、入院患者や介護にあたる方が安全に過ごせるような仕組みが備え付けられています。

搬送用のキャスターがついており、緊急時にも相手にかかる負担を軽減させながら移動できるのが特徴です。

医療用ベッドの選び方

医療用ベッドを選ぶ際には様々な基準があります。それぞれのポイントを詳しく解説します。

  1. 患者の状態や設置場所で選ぶ
  2. ベッドの機能で選ぶ
  3. 手動または電動で選ぶ
  4. マットレスのタイプで選ぶ
  5. 安全性で選ぶ
  6. 移動しやすさで選ぶ
  7. 看護師の体勢で選ぶ
  8. 付属品で選ぶ

患者の状態や設置場所で選ぶ

医療用ベッドの選択において、使用する場所や使用状況に応じた機能が備えたベッドを選ぶことが大切です。

例えば、一般病棟では限られたスペース内で多くのベッドを配置する必要があるため、コンパクトなサイズのベッドが好ましいです。

 

一方、ICU(集中治療室)では、患者さんの状態が非常に脆弱であり、頻繁な姿勢変更やリフトアップが必要な場面が多いため、これらの機能を備えたベッドが適しています。

また、透析室では患者さんが意識のある状態で長時間ベッドに滞在するため、快適性や体圧分散がより重要になります。

設置場所と使用用途に応じて必要な機能を選びましょう。

ベッドの機能で選ぶ

ベッドは、用途に合った機能が搭載されているかもポイントです。

主に必要とされる機能を以下にまとめました。

ベッドのタイプ 特徴と説明
キャスター付きベッド キャスター(小さな車輪)が取り付けられたベッド。軽い力で容易に移動できる。
ブレーキペダル付きベッド キャスター付きベッドにブレーキペダルが付いている。ブレーキをかけて安定した状態に固定できる。
電動式移動ベッド 電動モーターにより、患者を楽に移動できるベッド。看護者の負担を軽減し、患者の快適性を向上。

ケア内容や用途に必要な機能をピックアップして、ニーズに合ったベッドを選びましょう。

手動または電動で選ぶ

手動ベッドのメリットは、比較的低コストで導入でき、モーターがないため軽量で移動や配置が容易である点です。

手動ベッドのデメリットとして、介助者が患者さんの移動に大きな力を必要とし、肉体的負担が増加する可能性がある点が挙げられます。

 

また、ベッドのハンドルにつまづいてしまう事故のリスクもあります。

一方、電動式ベッドはリモコンを使用して簡単に操作でき、介助者の負担が軽減されるという明確なメリットがあります。電動ベッドのデメリットは、誤った操作により利用者が挟まる事故のリスクがあることです。安全性と快適性の確保、介助者および利用者の安全を考慮した選択が大切です。

マットレスのタイプで選ぶ

マットレスは患者さんの快適さに直結するため、こだわりたいポイントです。

あまり柔らかすぎても長時間の滞在には疲れてしまうので、適度な硬さで反発性のあるものが身体的負担を和らげます。

マットレスの種類には、主に下記のような種類があります。

マットレスタイプ 特徴
スプリング式 自立できる患者向け。体が沈み込みすぎず、立ち上がるときにも力を入れやすい。
ウレタン素材 自力で寝返りがしにくい患者向け。適度な硬さで、体が沈み込まず、寝返りしやすい。
エアマットやジェルタイプ 寝たきりの患者向け。体重が均等に分散されるため、床ずれのリスクが低減する。

機能性や患者の快適性をふまえたマットレスを選びましょう。

安全性で選ぶ

医療用ベッドを選ぶ際、安全性は外せない条件です。誤った使用による転落事故や挟まれ事故は、患者さんや介助者に重大な危険をもたらす可能性があります。

JIS(日本工業規格)認証を受けた製品は、安全性が担保されているため選ぶ基準の1つにするとよいでしょう。

ベッド性能だけでは事故を完全になくすことは難しいです。ヒューマンエラーによる事故を防ぐためのオペレーションも大切です。

移動しやすさで選ぶ

医療現場では、患者さんの状態や必要な処置に応じてベッドの場所を変更することがしばしばあります。キャスター付きベッドは移動が容易で、スタッフの体力的負担を軽減できます。

また、キャスター移動ならなめらかに移動できるので、患者さんのストレスにもなりません。

キャスターにはストッパーがついているものを選ぶと、移動のしやすさと固定の安全性が両立できます。

看護師の体勢で選ぶ

スタッフが負担のない姿勢で処置できる機能が付いたベッドを選びましょう。

スタッフの負担を軽減できる機能は、下記のような機能です。

ベッドの機能 メリット
電動式背もたれ調節可能ベッド 看護者が患者の姿勢を調整できる。作業効率向上。患者の快適性を確保。
電動式高さ調節可能ベッド ベッドの高さを調整可能。アクセスやケア作業のしやすさ。看護者の体勢調整。
体重測定付きベッド 体重測定が容易。治療計画の調整がしやすい。患者モニタリングが向上。
収納付きベッド 看護用具や医療用品の収納スペースを提供。必要なアイテムへの迅速なアクセスが可能。

小さな動作でも毎回、何度も繰り返すと負担になります。そのような負担が軽減できるベッドを選びましょう。

付属品で選ぶ

付属品は患者さんの安全性とケアの効率性を向上させるために必要なアイテムです。サイドレールは転落リスクを軽減し、テーブルは患者さんが食事や個人的な活動を行うのに役立ち、滑りにくい表面で掃除が容易にできます。移乗用ボードは、患者さんのベッドから他の場所への安全な移乗をサポートし、医療スタッフの労力を軽減できます。

医療用具 主な利用方法
サイドレール ベッドの側面に取り付けられ、患者の転落リスクを軽減。介助者がケアする際の手すりとしても利用。
テーブル 食事や他の個人的な活動に使用し、使用しないときは格納可能。滑りにくい表面仕上げで掃除が容易。
移乗用ボード 患者をベッドから車椅子やストレッチャーに移動する際に使用。座ったままの移乗に使い、滑りやすい表面で移動可能。

付属品は、後から購入することも可能なのでフレキシブルに選びましょう。

医療用ベッドメーカーのおすすめ10選

チェックのベッドカバーがかかったベッドの画像

それでは、医療用ベッドメーカーのおすすめ10選を紹介します。

  1. パラマウントベッド
  2. プラッツ
  3. エースメディカル
  4. Arjo
  5. シーホネンス
  6. フランスベッド
  7. アンネルベッド
  8. グランツ
  9. 日本ベッド製造
  10. ランダルコーポレーション

 

パラマウントベッド

パラマウントベッドの画像

出典:パラマウントベッド

製品 エスパシアシリーズ
機能 離床CATCH+カインドPLUSモーション
カインドPLUSモーション
離床CATCH+3モーター
3モーター
価格 要問い合わせ
公式サイト https://www.paramount.co.jp/

パラマウントベッド株式会社は、医療用や介護用、一般家庭向けのベッドなどを生産・販売しているメーカーです。同社のエスパシアシリーズは、JIS T 9205の規格に基づくJISマークの認証を取得しており、非常に高い安全性を有するベッドとして知られています。医療用ベッドには、例えば背上げ機能や膝上げ機能などが組み込まれています。さらに、パラマウントベッドは一般病室だけでなく、ICU、小児科、透析室・化学療法室、特別室・個室、産科向けのベッドも充実しています。

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シーホネンス

シーホネンスの画像

出典:シーホネンス株式会社

製品 一般病室向けベッド AXシリーズ
機能 電動・手動ヘッドレスト機能
垂直ハイロー手元スイッチ
価格 要問い合わせ
公式サイト https://seahonence.co.jp/index.html

シーホネンス株式会社は、医療・介護用品/福祉用具の製造・販売を手がける企業です。

提供している医療用ベッドには一般病室、透析室/化学療法室、ICU、診察室/静養室向けなどが含まれています。同社は在宅介護向けにも製品を提供し、その中にはヘッドレスト付低床ベッドなどがあります。

ヘッドレスト機能は介護報酬の「経口移行加算」「経口維持加算」を取得する際にも必要になります。

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フランスベッド

フランスベッドの画像

出典:フランスベッド株式会社

製品 JSシリーズ
機能 電動・手動のハイブリッド
低床設計
価格 要問い合わせ
公式サイト https://medical.francebed.co.jp/iryofukushi/

フランスベッド株式会社は、医療・福祉施設向けに多目的ベッド、自動寝返り支援ベッド、低床サイドアップ3モーターベッド、停電時ハンドル操作対応JSシリーズなどの製品を提供しています。

離床支援マルチポジションベッドや各種マットレスなどの商品を幅広く取り扱っています。JSシリーズは360mmのハイローストロークにより、看護する方の作業を妨げず、安全かつ効率的なケアが可能です。

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プラッツ

PLATZの画像

出典:株式会社プラッツ

製品 アスピーノ
機能 ハイバックサポート機能
フィッティング機能
姿勢調整の再現性向上
垂直昇降機構
音声読み上げ機能
液晶付き手元スイッチ
価格 製品ごとに異なる
公式サイト https://www.platz-ltd.co.jp/

株式会社プラッツの医療用ベッドは3種類。

垂直昇降機能を備えた透析室用のペアージュ、誤嚥・褥瘡(床ずれ)リスクを低減したP300シリーズ、音声読み上げ機能・液晶付き手元スイッチなど高性能を搭載したアスピーノで、用途に応じた導入が可能です。

ペアージュは、垂直昇降機能を備えた透析室用の医療用ベッドです。P300シリーズは、誤嚥や褥瘡(床ずれ)リスクを低減することに焦点を当てた医療用ベッドです。

アスピーノは、方向規制やフリー・トータルロック機能など、病室で安全に使用できる機能を搭載した医療用電動ベッドです。

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高田ベッド製作所

高田ベッドの画像

出典:株式会社高田ベッド製作所

製品 HPベッドM
機能 背あげ機能
膝上げ機能
高さ調節
方向規制・フリー・トータルロック機能
価格 HPベッドM80,000円〜
IクランクHPベッドM158,000円〜
ⅡクランクHPベッドM214,000円〜
3M電動HBカイザー630,000円
公式サイト https://www.takada-bed.co.jp/corp/

株式会社高田ベッド製作所は、日本の医療機器メーカーで、1971年に創業。治療台、訓練台、診察台、医療機器、そして整体、カイロプラクティック、鍼灸、エステティック用のマッサージベッドやクッションなどを製造しています。製品は高品質で、JIS(日本工業規格)認証を受けており、安全性が確保されています。HPベッドMの背あげは0~75°、脚あげは0~35°まで調整可能です。キャスターは対角にロック機能を備えており、滑り止めゴムもついていて安全性を確保できます。

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Arjo

arjoの画像

出典:Arjo

製品 Enterprise 9000X
機能 国際標準への準拠
直感的に使いやすい操作性
体重計機能
離床センサー
ベッド下の挟み込み防止センサー
価格 要問い合わせ
公式サイト https://www.arjo.com/ja-jp/

ArjoのEnterprise® 9000Xベッドは、国際基準に準拠した医療用ベッドです。このベッドは、主に集中治療や自立度の低い患者さん向けに開発されており、患者さんの安全性と臨床的な機能性に特に重点を置いています。プロファイリングシステム(特許取得済み)を備え、患者さん、介助者、施設の安全性と利便性を最優先に考えて設計されています。このベッドは体重185 kgまで安全利用が保証されています。

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コクヨ

コクヨの画像

出典:コクヨ株式会社

製品 病院用ベッド スタンダードベッドHP−B100
機能 角度調節
背上げ機能
価格 要問い合わせ
公式サイト hhttps://www.kokuyo-furniture.co.jp/solution/medical/

コクヨ株式会社の医療用ベッドは、患者さんの快適性と安全性を最優先に考えた設計が特長です。

このベッドは背上げ機能、膝上げ機能、カインドPLUSモーション、背ボトムの角度調整、および角度制限機能など多彩な機能を備えています。

一般病室だけでなく、ICU、小児科、透析室、化学療法室、特別室、個室、産科向けにも幅広く利用できるため、異なる診療環境に対応できます。

コクヨは医療用ベッドだけでなく、病院に関する家具全般を扱っているため、コクヨで備品を揃えれば統一感のある病棟を作れます。

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東京ベッド

東京ベッドの画像

出典:東京ベッド株式会社

製品 リワードワン 低床3モータータイプ 固定脚
機能 高さ調節
背上げ
脚上げ
背上げ
脚上げ機能
価格 フレーム単品で352,000円、910mmマット単品で74,800円、セットで426,800円
公式サイト https://www.tokyo-bed.co.jp/

東京ベッド株式会社は、幅広いラインナップの医療用ベッドを提供しています。

中でも実績のあるモデルは「リワード ワン 低床3モータータイプ 固定脚タイプ」です。高さ調節、背上げ、脚上げ、背上げ・脚上げの機能を同時に操作できるのが特徴です。

ベッドの床板構造は頭・背中・お尻・太もも・ふくらはぎに自然になじむ5分割の床板で、快適な姿勢調整をサポートします。サイドレールはベッドの上からの転落や寝具のずり落ちを防ぐために3種類のラインナップがあります。

さらに、ヘッド・フットボードはアルコール消毒可能で衛生的であり、メラミン化粧板を使用しているため、熱や傷にも強いです。

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日本ベッド製造

日本ベッド製造の画像

出典: 日本ベッド製造株式会社

製品 ウイルシャーAJ
機能 背あげ機能
膝上げ機能
高さ調整機能
価格 480,000円
公式サイト https://www.nihonbed.com/

日本ベッド製造株式会社の医療用ベッドは、患者さんの快適性や安全性を確保するために設計されており、背上げ機能、膝上げ機能、カインドPLUSモーション、背ボトムの角度調節、角度制限機能を搭載しています。

背上げ角度が最大約70度、膝上げ角度が最大約30度まで調節可能です。床面の高さを26cmから61cmの間で調節可能で介助者の負担も軽減できます。

日本ベッド製造の医療用ベッドは、一般病室向けだけでなく、ICU、小児科、透析室・化学療法室、特別室・個室、産科向けのベッドも取り扱っています。

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ランダルコーポレーション

ランダルコーポレーションの画像

出典:株式会社ランダルコーポレーション

製品 パシオシリーズ
機能 アーゴノラインボトム
超低床23.5cm
価格 600,000円~620,000円
公式サイト https://www.lundal.co.jp/

株式会社ランダルコーポレーションのベッド製品ラインナップは、多岐にわたり、在宅介護から医療・福祉施設向けまで幅広い用途に対応しています。

パシオシリーズは床高23.5cmまで調節でき、ベッドから転落した際の怪我のリスクを軽減します。人間工学に基づいたアーゴノラインボトムモーションは背上げ時に生じるベッドのズレや患者さんへの圧迫感を緩和できます。

製品ラインナップには、介護ベッド、医療用ベッド、療養ベッド、介護支援ベッド、マットレス、床ずれマットレス、車椅子、手すりなどオプション製品も豊富に取り揃えています。

公式サイトを見る

医療用ベッドの価格相場はどれくらい?

お金の画像

医療用ベッドの相場は、一般的には10万円〜30万円程度で、電動であれば40万円以上かかる可能性もあります。

リースが可能なベッドもありますが、10年20年と長い期間使用する見通しの場合、購入してしまった方が出費を抑えられる傾向にあります。

まとめ:医療用ベッドは病院と患者両方を考慮してメーカーを選ぼう

個室の病室の画像

医療用ベッドは、診療室と病床での用途に合わせて異なる機能を必要とします。

どの場面でも機能性と患者さんの快適性は両立する必要があります。

診療を効果的に行うためには機能が不可欠ですが、同時に患者さんのストレスを軽減し、快適な環境を提供することも欠かせません。

用途に合ったベッドを選択することで、診療の質と患者さんのケアの質を高め、両立させることが可能です。患者さんの安全と快適性を考慮し、適切な医療用ベッドの選択が高品質な医療サービスの提供につながります。