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パノラマレントゲンとCTの違いは4つ!利用メリットも紹介

パノラマレントゲンを使うことで、見えない部分の状態が把握できます。また歯科用CTを使うことでより立体的に見えるので、治療内容によってはCTを使うほうが良いでしょう。

とはいえ、パノラマレントゲンとCTの違いはあるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、パノラマレントゲンとCTの違いについて紹介します。CTを利用するメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

パノラマレントゲンとは?

パノラマレントゲンとは、患者の口腔内を平面画像で確認できるレントゲンの1種です。また下顎まで映せるので、顎の状態も把握可能です。
前回の治療から時間が経っているときは、口腔内が変化していることがあります。パノラマレントゲンを用いて歯全体の状況を確認できるので便利です。

歯科用CTとは?

CTとは、Computed Tomographyの略語で、コンピューターによって3次元での撮影を可能としている機械です。

頭頸部の撮影に特化し、装置は非常にコンパクト。服を着ている状態でも撮影ができます。

また、歯科用CTは、機械の一部が1回転しながらX線を当てます。これによりX線を当てる範囲は狭く、時間はかかりません。

パノラマレントゲンとCTとの違い4つ

パノラマレントゲンとCTの違いを4つ紹介します。

  1. 2次元と3次元の違い
  2. 治療精度の違い
  3. 被ばく量の違い
  4. 安全性の違い

2次元と3次元の違い

パノラマレントゲンとCTの最も大きな違いは、2次元か3次元であるかです。2次元でドラマで見るような黒白の画像はパノラマレントゲンで、3次元で色が塗られている画像はCTとなっています。

パノラマレントゲンは、綺麗な平面画像で歯や歯の根本の状態を映せます。

CTは、立体画像で歯や顎の状態がわかります。また、パノラマレントゲンでは神経の位置を把握できませんが、CTでは神経の位置も判断できます。

治療精度の違い

パノラマレントゲンとCTには、治療精度の違いもあります。パノラマレントゲンでは、歯の位置や虫歯の状態など目に見えないことがわかります。それによって、今後どんな治療をするのかを判断できるのです。

しかし、神経の状態はパノラマレントゲンを利用してもわかりません。その反面、歯科用CTであれば、歯などの状態はもちろん、神経など肉眼やパノラマレントゲンでは得られなかった重要な情報がわかるので、より精度の高い治療ができます。

被ばく量の違い

パノラマレントゲンとCTでは被ばく量の違いがあります。パノラマレントゲンとCTはともにX線を使用します。

パノラマレントゲンの放射線量は、0.03ミリシーベルト程度です。これは医療の中でもとくに低い数値となっています。歯科用CTは0.1ミリシーベルト程度なので、パノラマレントゲンに比べて高い放射線量です。

補足になりますが、身体全体の検査などで使用される医療用CTの場合、放射線量が6.9ミリシーベルトなので、歯科用CTの数値はかなり低いといえます。歯科用CTでもかなり低い数値だとわかります。

安全性の違い

特に、インプラント治療で大きな差が生まれます。インプラントでは治療前に歯科用 CT による三次元的診断を行います。

骨の高さだけでなく、神経や血管がある位置、顎の空洞位置を把握可能です。パノラマレントゲンではわからないことが多いので、より確実で安全な治療計画が立てられます。

歯科用CTを利用する5つのメリット

歯科用のCTを利用するメリットは、以下の5つです。

  1. 安全な治療が行える
  2. レントゲンでは観察できない歯の内部や位置関係も把握できる
  3. 少ない被ばく量におさえられる
  4. 座ったままの撮影で患者の負担軽減につながる
  5. 患者にわかりやすく説明できる

安全な治療が行える

歯科用CTを利用することで安全に治療できます。歯の治療で1番注意しなければならないことは、神経に干渉することです。

インプラント治療ですと、深さや穴の大きさはもちろん、神経の位置を知らないと、痛みが発生し患者にとって苦しい状況が続きます。CTは神経の状態を確認できるので、より安全に治療可能です。

また、インプラント以外に活躍する治療は以下のとおりとなっています。

  • 親知らず治療
  • 歯周病の治療
  • 矯正治療
  • 根管の治療

レントゲンでは観察できない歯の内部や位置関係も把握できる

歯科用CTは、レントゲンでは観察できない歯の内部や位置関係も把握できます。CTは、骨の形状まで確認できるので、シミュレーションなどで最適な治療方法を探せます。

特にインプラント前だと、インプラント専用のシミュレーションソフトを使うことでどの位置に歯を埋めるのが最適なのか決定できます。

事前にどんな治療になるのかイメージできるので、患者や術者にとっても安心できます。

少ない被ばく量におさえられる

歯科用CTは、少ない被ばく量に抑えられます。医科用CTは6.9ミリシーベルトに対して、歯科用は0.1ミリシーベルトです。

さらに医科用だと、撮影する範囲が広いので、体全体でX線を浴びます。一方で歯科用CTでは顎の周りのみを撮影するので、範囲は限定的です。また細かく撮影できるので口腔内の情報を多く得られます。

座ったままの撮影で患者の負担軽減につながる

座ったままの撮影で患者の負担軽減につながります。頭の部分を撮影するので、大きな機械ではありません。コンパクトな構造で、座ったまま撮影できます。

特に高齢者や足の不自由な患者に対してでも無理なく撮影可能です。高齢者の患者が多い歯科医院におすすめです。

患者にわかりやすく説明できる

CTで撮影した画像に関して、患者にわかりやすく説明できます。2次元画像だと患者はイメージがつきづらく、納得のいかない治療で進んでしまうかもしれません。

そこで歯科用CTを使うことで、3次元で確認できます。患者は立体的に見える方がイメージがつきやすく、歯科医院にとっても歯科医院側の説明も簡単です。

パノラマレントゲンと歯科用CTは使い分けが大切

パノラマレントゲンと歯科用CTでは使い分けが大切です。特に神経の有無についてはパノラマレントゲンでは判断できません。

虫歯などの治療は、パノラマレントゲンのみで問題ありません。しかし、インプラント治療のような神経に関係する治療の場合は、歯科用CTを使いましょう。

歯科用CTは保険適用になる?

歯科用CTに関する保険の適用には、いくつかの症状で適用されます。症状は以下のとおりです。

  • 埋伏智歯等
  • 下顎管との位置関係
  • 顎関節症等
  • 顎関節の形態
  • 顎裂
  • 顎骨の欠損形態

上記以外にも、歯科用X線撮影の診断が困難な場合であって、画像の必要性が十分認められる場合は保険が適用されます。

まとめ:パノラマレントゲンとCTの違いを理解して導入しよう

パノラマレントゲンと歯科用CTは、それぞれ使用する目的が異なります。
歯科医院によって、メインの治療内容は違うので、最適な装置を導入しましょう。それによってパノラマレントゲン、もしくは歯科用CTを導入するのか決まります。
ぜひこの記事を参考にしながら、用途に合わせてそれぞれ使い分けてください。