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医薬品在庫管理システムおすすめ10選!業務効率化に最適なソフトの選び方とは?

医療機関では患者さんへ適切な医療を届けるために医薬品の在庫管理を適切に行うことは必要不可欠ですが、膨大な種類の医薬品を管理することは容易ではありません。

適正量を見極めて発注することは病院経営の安定において重要な役割を担っており、医薬品の在庫管理にシステムを導入すれば経営をより安定させることができます。
システムによっては自動で適正数量を見極めて発注してくれるものもあり、安定性向上や業務負担の軽減につながります。

そこで本記事では、医薬品在庫管理システムのおすすめ10選を紹介します。

記事の後半では医薬品在庫管理におけるよくある質問や、医薬品在庫管理はExcelでの管理は可能かについても紹介していますので、最後までご覧ください。

医薬品在庫管理システムとは?

医薬品

医薬品在庫管理システムとは、その名の通り医薬品の在庫を管理するためのシステムです。
具体的な機能としては発注から検品、入庫などの手続きを支援してくれるものとなります。

在庫状況がシステム上で一目でわかるため、在庫切れを未然に防ぐことができます。
それ以外にも、まだ在庫があるのに大量に発注してしまうという過剰発注の防止はもちろん、伝票処理において請求ミス・転記ミスを防止したり、医薬品以外でも医療材料を管理したりなどの事務的なサポートもしてくれます。

また、それぞれの医薬品をどのくらいの量を仕入れたらいいか適正数量を自動的に算出したり、在庫データの統計を出したりと、経営にも役立ちます。

医薬品在庫管理システムを導入するメリット

医薬品

近年、ジェネリック医薬品の増加や、新医薬品開発が進む中、医薬品の在庫管理が複雑になっており、適正な管理が求められます。

在庫管理を誤ると欠品が発生したり、過剰に発注してしまったりということが起こりかねず、経営が悪化する恐れもあります。

医薬品在庫管理システムを導入すれば、購入、管理、使用と一連の流れをシステムによって可視化でき、ミスを減らせて業務効率化にもつながります
経営を安定させるためにも、医薬品在庫管理システムを導入し、データの分析を行うことをおすすめします。

医薬品在庫管理システムを選ぶ際に意識したいポイント

医薬品在庫管理システムは以下の3点を意識して選びましょう。

  1. データ連携はできるか
  2. 発注しやすいか
  3. 正確に管理ができるか

1.データ連携はできるか

院内の他のデータと連携ができるかはとても重要です。各種データを連携し一元化することによって業務効率化につながります

最新の医薬品データベースとの連携ができれば、薬価を一括で更新できて、データ入力の手間も省けます。
医薬品の請求漏れがないかの点検が楽になったり、価格調整のための指標・基準を見える化したりという使い方も可能になります。

これらの作業は手作業で行うには少々複雑ですが、システムで行うことで人の手によるミスを減らすことができます。

2.発注しやすいか

システム上で発注までできるかどうかという点も選ぶポイントの一つです。

システム上で在庫数をみて、在庫数が少なくなっているものや有効期限が近く処方で出せないようなものがあることを確認したら、そのままシステム上でオンライン発注する、という機能があるものが望ましいです。

残りの在庫数に応じて知らせてくれるアラート機能や、そもそも自動で発注してくれるものなど、発注がシステムで完結しているとより便利なものになります。
各メーカーのシステムを比較し、自院に必要な機能を選びましょう。

3.正確に管理ができるか

管理の正確さももちろん重要で、どのくらい医薬品の在庫があるのか、有効期限がいつなのか、これらをシステム上で管理できれば一つひとつ探したりする手間がなくなります。

使用期限の管理機能が備わっているシステムもあれば、過剰在庫を防ぐためのロット管理機能が備わっているものもあります。

あらゆる管理に関する機能があり、それをカスタマイズできるものまであるので、上手に使えば業務負担が大きく軽減されます。

医薬品在庫管理システムおすすめ10選

ここからはおすすめの医薬品在庫管理システムを10点紹介します。

表の下に各製品の紹介を記載していますのであわせてご覧ください。(表の製品名をクリックすると、各製品の紹介欄にジャンプします。)

ソフト名 特徴 価格
Medicine Supervision 長野赤十字病院への導入実績あり 要お問い合わせ
Icquickstock 1画面にメニュー項目を集約 要お問い合わせ
ODSS クラウド型システムで低コスト運用 初期導入費用:30万円~

月額利用用 :2万円~

システムK-1 CUBE 幅広く様々な運用方法 要お問い合わせ
Medyus2 医療材料版システムとの連携 要お問い合わせ
WEB版薬剤在庫管理システム WEBブラウザ上で動作 33万円
スマートマットクラウド 導入件数1,400件以上の実績 要お問い合わせ
物品管理システム 業種を問わず汎用的に扱える 要お問い合わせ
Medi-Vit 初心者に優しい設計 ソフトウェア価格:720万円

導入支援費用:80万円

年間サポート費用:48万円

追加1ライセンス:50万円

ENIFwin Nex-Sus 自社開発オリジナルシステム 要お問い合わせ

Medicine Supervision|Densan

Medicine-Supervision

出典:Densan

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力業務

棚卸業務

有効期限管理業務

ロット管理業務

オンライン発注

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.ndensan.co.jp/msv/

発注業務機能、入庫および出庫業務機能、データ出力業務をはじめとした様々な機能を有しており、在庫管理における事務手続きが楽にできるよう支援してくれます。

発注方法は各医薬品の安定在庫数からなる「発注点方式」と、過去の出庫数からなる「発注定数方式」の2つから選ぶことができ、自動的に最適な数量を算出してくれます。

長野赤十字病院への導入実績を持っており、2,000種類以上の医薬品を管理するのに役立てられています。

かつて手作業で行われていた在庫管理を、システムを導入したことで効率化、時間短縮に繋がったといいます。

公式サイトを見る

Icquickstock|ICソリューションズ株式会社

出典:ICソリューションズ株式会社

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力業務

有効期限管理業務

ロット管理業務

オンライン発注

ほか

デモ期間 あり
公式ホームページ http://www.ic-sol.co.jp/quickstock.html

発注、入出庫、検索といった在庫管理において主に欲しい機能は揃っており、画面構成も1画面にメニュー項目が集約していて見やすく、初めてシステムを使う方でも扱いやすいものとなっています。

オンラインで発注も可能ですので、在庫が少ないものや有効期限が近いものがあればそのまま発注可能です。

薬価改定情報や新規収載情報などの新しい情報は随時オンラインで配信され、トラブルや操作方法などのお問い合わせにも迅速に対応してくれますので、サポート体制も万全です。

公式サイトを見る

ODSS|鍋林株式会社

出典:鍋林株式会社

価格 初期導入費用:30万円~

月額利用用 :2万円~

※施設規模等により異なる

主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力業務

棚卸業務

有効期限管理業務

ロット管理業務

オンライン発注

ほか

デモ期間 あり
公式ホームページ https://www.nabelin.co.jp/business/medical-system/odss/hospital

「現場の声をカタチに」というキャッチコピーから、利用者の要望を反映し使いやすいものへと日々改善に取り組んでいるシステムです。

クラウド型システムで、導入コストを抑えられ、低コスト運用が可能です。
専用サーバーを設置する必要はなく、インターネット環境があれば簡単に導入でき、更新費用もかかりません。

要望があれば新しい機能を追加したりと、医療機関側のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズを行っています。

公式サイトを見る

システムK-1 CUBE|CSS(中央システムサービス)

出典:CSS(中央システムサービス)

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力業務

棚卸業務

見積機能

バーコード印刷機能

オンライン発注

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://chuoss.co.jp/business/k1cube/

 

元倉庫・薬局等の1次部門の管理に加え、病棟・診療科等の2次部門からの請求や棚卸業務まで、医療機関内の幅広い範囲を管理できるサービスです。

一次部門とデータセンターが連携し、医薬品卸企業から発注、届いた医薬品をハンディターミナルでデータ登録し、システムで管理するという流れです。

発注機能がハンディターミナル以外にも定量発注や発注点発注と充実しているため、幅広く様々な運用方法があります。

また、見積機能もあり、価格交渉、最安値選定等を支援してくれます。

公式サイトを見る

Medyus2|MEDYUS

出典:MEDYUS

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力業務

有効期限管理業務

棚卸業務

オンライン発注

医薬品卸との連携

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.medyus.co.jp/medyus-two-material/

Medyus2では在庫を適正化し、発注費用を最小限に抑えることで経営を安定させることが可能です。
医薬品の発注から在庫管理までを一元管理し、管理業務の効率化や過剰発注の防止によるコスト削減などが期待できます。

また、医薬品だけでなく、マスクなどの消耗品やシリンジ、文房具といった医療材料を管理できる医療材料版システムも提供されており、医療材料版と連携して院内の物品を正確に管理でき病院経営をさらに安定化させることも可能です。

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WEB版薬剤在庫管理システム|日本医師会ORCA管理機構株式会社

出典:日本医師会ORCA管理機構株式会社

価格 33万円
主な機能 入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

レセプトソフトとの連携

ほか

デモ期間 お試しサイトあり
公式ホームページ https://www.orcamo.co.jp/products/stock/

WEBブラウザ上で動作するという珍しい在庫管理システムで、全てブラウザ上で設定、管理等を行えるため誰でも簡単に扱えます。
管理をWEB上で行えるため、管理業務の手間を減らせて業務時間の短縮につながります。

Java版も提供されていて、WEB版からデータを引き継ぐことが出来ます。

「日医標準レセプトソフト」と連携することができ、日医標準レセプトソフトに登録されている処方情報を利用し、院内の医薬品の在庫を管理します。
日医標準レセプトソフトを導入している医療機関様におすすめです。
お試しサイトがあるため、まずは無料で使用できるのもうれしいポイントです。

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スマートマットクラウド|SmartMatCloud

出典:SmartMatCloud

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

棚卸業務

アラート機能

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.smartmat.io/

導入件数1,400件以上の実績をもつシステムで、工数削減、利益創出、工程上の問題点の特定を図ります。

在庫確認を自動化でき、棚卸業務も不要になるため工数を大幅に削減できることとなり業務効率化が進みます。

また、在庫管理によって蓄積されたデータを活用することで過剰在庫や欠品を防ぎ、損失を出さないというだけではなく、業務改善につながり利益創出が可能となります。

実在庫のデータを活用することでどの業務が滞っているのかを見える化し、課題解決を促進します。

公式サイトを見る

物品管理システム|株式会社 日立システムズエンジニアリングサービス

出典:株式会社 日立システムズエンジニアリングサービス

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

棚卸業務機能

棚卸代行サービス

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.hitachi-systems-es.co.jp/products/gms/

RFIDタグや、ビーコンといったアタッチメントが豊富で、業種を問わず汎用的に扱える管理システムです。

サービスがとにかく充実しており、導入支援から、環境設定支援、保守サポートや棚卸代行サービスまで様々です。

民間企業だけではなく公共機関でも導入実績を持ち、数百拠点、数十万点規模の大規模なデータ管理に対応しており、データ紐付の支援をしてくれます。
これによりスムーズな作業が可能となり、残業を減らし人件費の削減などコスト削減が実現できるでしょう。

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Medi-Vit|株式会社 プロゼ

出典:株式会社 プロゼ

価格 ソフトウェア価格:720万円

導入支援費用:80万円

年間サポート費用:48万円

追加1ライセンス:50万円

主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

バーコード印刷

棚卸機能

見積作成機能

オンライン発注

帳票機能

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.prj-web.co.jp/systems/medi-vit/

Medi-Vitは、院内SPDシステムを取り入れており、医薬品の物流管理がスムーズに進みます。
SPDとは、供給・加工・分配の英語の頭文字を取った略語で、医療消耗品を各部署に的確に供給・分配することを目的としたシステムです。

データを蓄積することによって仕入れコストを削減でき、過去の仕入れ実績などを分析して在庫を圧縮、有効期限を管理して商品ロスを防止したり、といった医療機関の悩みを解決する効果が期待できます。

画面上ではカーソルを合わせた項目には説明が表示されるなど、初心者に優しい設計となっています。

公式サイトを見る

ENIFwin Nex-Sus|東邦薬品株式会社

出典:東邦薬品株式会社

価格 要お問い合わせ
主な機能 発注業務機能

入庫業務機能

出庫業務機能

検索業務機能

データ出力機能

分析機能

帳票機能

棚卸機能

ほか

デモ期間 要お問い合わせ
公式ホームページ https://www.tohoyk.co.jp/support-system/enifwin-nex-sus/

全国各地ほとんどの都道府県で導入実績があり、30年の歴史を持つ信頼性の高いブランドです。

自社開発のオリジナルシステムが採用されており、これまで培ってきたデータと多くの顧客から集められた要望を集約してシステムが構築されています。
在庫管理システムでは必ずほしい要素の過剰在庫の減少はもちろん、有効期限の把握や部署間での在庫管理などの機能もあり、コスト削減を目指せます。

中小病院向けのものと、複数部署運用のものと2種類を用意しており、医療機関ごとのニーズや規模、予算によって最適なシステムを選べ、別途システム拡張をすることもできます。

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医薬品在庫管理に関するよくある質問

ここからは医薬品在庫管理に関するよくある質問を紹介します。

医薬品の在庫管理のコツは?

医薬品の在庫管理は複雑な業務ですが、以下の点を意識すれば滞りなく進めやすいです。

  • 1週間単位で医薬品の流れを把握する
  • 1人の担当者に任せるのではなく全員で管理する

1週間単位で医薬品の流れを把握する

まずは1週間単位で医薬品がどのように入り、出ていったのかを把握し、どのような収支を生んだのかなどについて理解するとよいです。
初めから棚卸にチャレンジするよりも、流れを理解しやすいためです。

1週間で使用された全ての医薬品の購入金額と、卸からの購入金額の合計を比較して、適正な発注量を見極めます。

この作業を繰り返して経験を積んでいくと、どの医薬品がどのくらいの数量が必要かという気付きが増えていき、発注量、タイミングなどの感覚が身につくようになるでしょう。

1人の担当者に任せるのではなく全員で管理する

普段から1人の担当者に任せきりにしていると、その担当者が休みの日や退職してしまった場合などに、発注業務が滞ってしまいます。
1人の担当者だけでなく、全員で在庫管理をすれば発注業務が上手く回りやすくなります

もし発注に慣れていないスタッフにより適正数量が発注できていないなどのミスが起きれば、欠品等が生じて患者さんに薬を渡すことができないなどの利益の損失に繋がります。

こういった事態を起こさないためにも、担当者以外のスタッフもある程度は在庫管理の方法を学んでおくことが大切です。

医薬品の在庫管理はエクセルで可能?

医薬品の在庫管理はエクセルでも管理可能です。
手計算だとどうしても手間と時間がかかりすぎてしまうため、システムを導入せずに在庫管理を行いたいという場合はエクセルを活用しましょう。

エクセルを使って在庫管理をするなら関数を組むことは必須です。
エクセルを使っても結局手入力をしていては意味がありませんので、関数を組んである程度自動化していきましょう。
関数を駆使すればミスを減らせて、時間短縮になります。

もっといいのはVBAを活用することです。
VBAはプログラミング機能のようなもので、計算や入力等の操作の自動化などを目的に作成します。
作成自体は関数よりも難しいですが、一度作成してしまえば適宜細かな改修は必要にせよ
ずっと使い続けられるため、将来的な業務時間の削減に繋がります。

エクセルの関数もVBAも苦手…という場合は

エクセルの操作がそもそも苦手で、関数もVBAも組める自信がないという場合は、あらかじめ作成されたものを購入するのも一つの手です。
株式会社Enjigraphでは「薬剤在庫管理エクセル」が販売されており、たったの9,800円と安価です。
仕入れや在庫の管理はもちろん、薬名管理、各月の在庫表などを1つのエクセルに集約されています。

公式サイトを見る

まとめ:医薬品の在庫管理を適切に行い、過剰在庫や商品ロスをなくそう

医薬品在庫管理は複雑な業務で、担当者の人がいなければ発注業務が滞るといった悩みを抱えている医療機関も多いかもしれません。
そういう事態を防ぐためにも、医薬品在庫管理システムを導入したり、日ごろから職員全員で管理を行うなど対策を講じましょう。
適切な在庫管理を行えば、過剰在庫や商品ロスをなくせて、病院の利益にもつながります。