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医療モールにありがちな失敗例は?失敗しないためのポイントも解説

医療機関の開業を考えている方は、医療モールでの開業も検討事項の1つになるでしょう。
医療モールはクリニックや薬局が同じ敷地内に集まっているので、相乗効果により失敗する確率が低いように見受けられることもあるかもしれません。
しかし、医療モールでも開業に失敗してしまう方は少なくありません
そこには、医療モール特有の失敗例もあるため、一緒に見ていきましょう。

そもそも医療モールとは?

まずは、医療モールについて簡単におさらいしておきましょう。
医療モールとは1つの場所に複数の医療機関が集まっている施設のことです。
ビル一棟が全て医療機関になっていることもあれば、ショッピングモールのように同じ敷地内に複数の医療機関が集まっていることもあります。
以下では、そんな医療モールに開業するメリット・デメリットを確認してみましょう。

医療モールに開業するメリット

医療モールに開業するメリットとして主に挙げられるのが、以下の3つです。

  • 集患しやすい
  • 初期費用を抑えられる
  • 専門家のアドバイスが受けられる

医療モールは1つの場所に複数の医療機関が集まっているため、集患に困ることはあまりないでしょう。
また、建物自体は既に完成しているケースが多く、備品も用意されているケースがあるため、初期費用を抑えられます。
さらに、医療モールにはコンサルタントがいるため、専門家からアドバイスを受けられる環境が整っています。

医療モールに開業するデメリット

一方、医療モールに開業するデメリットとして主に挙げられるのが、以下の2つです。

  • モールの制約を受ける
  • 人間関係が合わない可能性がある

医療モールには運営方針があるため、なんでもやっていいわけではありません。
そのため、制約を受けてしまい、やりたい医療が実現できない可能性があります。
また、隣の医療機関の先生と人間関係が合わなければ、長い期間同じ場所で運営を続けるのは難しいでしょう。

医療モールにありがちな失敗例3選

ここでは、医療モールにありがちな失敗例を3つ紹介します。

  • 事例1:医療モール内での関係が悪い
  • 事例2:テナント料が高い

事例3:医療モールの評判が悪い同じ失敗を繰り返さないように、しっかり確認していきましょう。

事例1:医療モール内での関係が悪い

1つ目の事例は医療モール内での関係が悪いことです。
先ほどもデメリットで解説しましたが、医療モール内での関係が悪くなってしまうと、モールに居づらくなってしまいます。
中には同じ大学出身者で作った医療モールもあり、すでに派閥が形成されているケースがあります。
他にも、診療方針が合わない先生がいると、関係悪化につながってしまう可能性があるでしょう。
しかし、開業前に他の先生との関係性がうまくいくかどうかはわからないため、日頃からコミュニケーションを心がけることで、関係が悪化しないように気をつけることが大切です。

事例2:テナント料が高い

2つ目の事例はテナント料が高いことです。
医療モールでは医療機関の運営のためにさまざまな設備が用意されているため、その分テナント料も高くなりがちです。
しかし、売上が思ったよりも上がらず、テナント料に圧迫されてしまうことで、採算が合わなくなってしまいます。
高いテナント料に見合った売上が得られるのかをよく判断した上で入居を決めましょう。

事例3:医療モールの評判が悪い

3つ目の事例は医療モールの評判が悪いことです。
どれだけ質の高い診療をしていても、そもそも医療モールの評判が悪ければ、来院してくれる患者の数は少ないでしょう。
あらかじめ入居しようとしている医療モールの評判が良いかどうかは確認しておく必要があります。

医療モールへの開業で失敗しないためのポイント

医療モールに開業する際、失敗しないためには、以下の5つのポイントを意識することが大切です。

  • 医療モールの方針と合っているか確認する
  • 医療モール内の他の医療機関と連携を取る
  • 経営者としての資質を備える
  • 念入りに計画を立てる
  • 税理士等に丸投げしない

1つずつ確認しましょう。

医療モールの方針と合っているか確認する

医療モールでの開業において大切なことは、医療モールの方針とあっているかどうかです。
医療モールの目指す方向性と先生が目指す方向性が異なれば、やりづらくなってしまったり制約を受ける対象になりやすくなってしまう可能性があります。
事前に話を聞くなどして、方針があっているかどうかを確認しましょう。

医療モール内の他の医療機関と連携を取る

医療モールには、他の医療機関も多く入居しています。
他の医療機関と連携を取ることで、相乗効果を利用できるでしょう。
お互いに足りないところをサポートし合う関係になることで、継続した運営ができるようになります。

経営者としての資質を備える

これは医療モールでない場所に開業する際でも同じですが、そもそも経営者としての資質がなければ、どこで開業してもうまくいきません
物事を計画的に進める力や全てにおいて責任を持つこと、スタッフとの関係づくりなどは必ず備えましょう。

念入りに計画を立てる

開業する際は、準備期間や資金の用意、売上の計画など、さまざまな計画を立てることになります。
こちらも医療モールに限った話ではありませんが、開業時のポイントとして抑えておきましょう。

医療全般の開業時のポイントについては以下の記事でもまとめていますので、合わせてお読みください。

開業医になるには個人事業主?医療法人?税金の違いやメリット・デメリットを解説

税理士等に丸投げしない

医療モールで開業する際は税理士やコンサルタントのアドバイスを受けることが多いでしょう。
しかし、税理士やコンサルタントを利用する場合は、あくまでも「アドバイスを受ける」程度にとどめておき、最終決定は自分で行うようにしてください。
もし税理士やコンサルタントが失敗してしまうと最悪の場合、廃業に追い込まれてしまいますが、自分による選択ではないため、やりきれない気持ちになってしまうかもしれません。
税理士の言うことを聞くにしても、一度自分でも検討して、必ず自分の判断で決断すれば、もし失敗しても仕方ないと切り替えられるでしょう。

まとめ

今回は医療モールでの開業における失敗事例を見てきました。
医療モールならではの理由による失敗が多く見受けられたため、医療モールで開業する際は注意が必要です。
きちんと連携を取ったり事前の確認をしたりするなどして、医療モールでの開業が失敗におわらないようにしましょう。