医療機器を導入する際、リースか購入かの選択をしなければなりません。
一概にどちらが良いといえず、状況に応じて比較して考える必要があります。
そこでこの記事では、医療機器のリース・購入それぞれのメリット・デメリットを1つずつ解説します。
また、判断に迷った際の基準やリースを提供している会社も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
医療機器をリースするメリット
まずは、医療機器をリースするメリットを解説します。
- 初期費用を抑えられる
- 事務管理の手間が省ける
- 新機種への乗り換えが楽
- 借り入れよりも手続きが楽
どのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
初期費用を抑えられる
1つ目は、初期費用を抑えられることです。
医療機器は高額で、購入しようと思うと多額の資金を準備する必要があります。
一方でリースでは毎月リース料を支払うだけで済むため、最初に準備すべき資金が少なくて済みます。
余剰資金があれば、他の投資に資金を回せるでしょう。
事務管理の手間が省ける
2つ目は、事務管理の手間が省けることです。
固定資産税や動産総合保険など煩雑な手続きの対応はリース会社が行ってくれますので、診療や経営に専念したい先生方にとっては大きなメリットと言えるでしょう。
新機種への乗り換えが楽
3つ目は、新機種への乗り換えが楽なことです。
医療機器を購入する場合は、乗り換える際に機器の処分料が発生したり手続きを踏んだりする必要がありますが、リースでは解約すれば良いだけです。
簡単に乗り換えができ、常に最新機種を導入できるため、高い質の医療が提供でき、患者の満足度も高まるでしょう。
借り入れよりも手続きが楽
4つ目は、借り入れよりも手続きが楽なことです。
金融機関で借り入れを行う際には審査が必要であり、物的担保も必要になります。
一方、リースであれば審査はありませんし、物的担保も不要なため、かなり手続きが楽だといえるでしょう。
医療機器をリースするデメリット
一方、医療機器をリースする際はデメリットもあります。
- 中途解約ができない
- 借入よりも高額
- 仕様を変更しにくい
デメリットにも目を向けて、より正確な判断ができるように心がけましょう。
中途解約ができない
1つ目は、中途解約ができないことです。
リースの期間中は中途解約ができないため、一度契約したらリース期間中は借り続けなければいけません。
残りのリース料を支払えば解約も可能ですが、支払う金額はどちらにせよ変わりません。
そのため、担当者の話を聞いたり無料お試しをしたりして、無駄な投資をしないようにしましょう。
借入よりも高額
2つ目は、借入よりも高額なことです。
リースにはリース手数料があり、借入よりも金利が高いため、総額は借入よりも高額になります。
初期費用を安く抑えられる一方、全体としては高額になってしまうことに注意してください。
仕様を変更しにくい
3つ目は、仕様を変更しにくいことです。
機器は自院のみで使用するものではないため、自分仕様にアレンジできません。
元々の製品の状態で使わなければならないため、不便に感じることもあるかもしれません。
もし自分の使いやすい仕様にしたい場合は、購入を選択するようにしましょう。
医療機器を購入するメリット
では、医療機器を購入するメリットには何があるのでしょうか?
- 購入費用だけで済む
- 減価償却により経費計上できる
- 税務上の特典が受けられる
3つのメリットを詳しく解説します。
購入費用だけで済む
1つ目は、購入費用だけで済むことです。
手持ちの現金で一括購入できれば、購入費用を払うだけで済み、借入をする場合でも借入の金利を追加で支払えば問題ありません。
一方、リースであればリース会社の手数料があり、借入における金融機関の融資よりも高くなる場合が多くあります。
減価償却により経費計上できる
2つ目は、減価償却により経費計上できることです。
ご存知のかたも多いかもしれませんが、減価償却とは、高額な設備のような固定資産の購入にかかった費用を全額その年の費用とするのではなく、耐用年数に応じて配分し、その金額を経費として計上できる制度です。
これにより、単年度で赤字に陥る可能性を減らしつつ、かつ利益を小さくできるため節税対策もできます。
税務上の特典が受けられる
3つ目は、税務上の特典が受けられることです。
500万円以上の医療機器には取得価額の12%の特別償却が認められています。
また、30万円以上の器具・備品・ソフトウェアには取得価額の15%の特別償却が認められています。
この税制優遇を受けられる対象は、2023年3月31日までに取得したものとなっているので、早めの検討が必要です。
医療機器を購入するデメリット
一方、医療機器の購入にもデメリットはあります。
- 多額の初期費用が必要
- 機器の変更に費用・手間がかかる
- 会計処理が複雑
1つずつ理解していきましょう。
多額の初期費用が必要
1つ目は、多額の初期費用がかかることです。
他の項目でもお伝えしていますが、購入するとなると、多額の初期費用が必要になります。
自己資金で用意できれば問題ありませんが、足りなければ借入をすることになるため、返済ができるかという不安を感じることもあるでしょう。
機器の変更に費用・手間がかかる
2つ目は、機器の変更に費用・手間がかかることです。
新しい機器にする際、古い機器は捨てることになりますが、処分料が発生してしまいます。
また、買い取ってもらうこともできますが、いずれにせよ大きな手間がかかるため、面倒な作業だと思われる方が多いでしょう。
会計処理が複雑
3つ目は、会計処理が複雑なことです。
償却資産税や損害保険料、さらには減価償却費用などさまざまな費用について対応しなければならず、あまり経験のない方には大変な作業となってしまうかもしれません。
リースであればリース会社がやってくれることを考えると、大きな手間だといえるでしょう。
リースか購入か迷った際の判断ポイント
以上で解説したメリット・デメリットを含めて考えても、リースにしようか購入しようか迷う場面が訪れるかもしれません。
その際は耐用年数とアップデートの可能性を考慮すると良いでしょう。
耐用年数が長い場合、1つの機器を長く利用する可能性が高いと言えます。
その場合は、一括で購入した方がリースよりも安く済む場合が多いでしょう。
また、機器が頻繁にアップデートされていれば、購入してもすぐに買い換えなければなりません。
その場合は、一括で購入するよりもリースのほうが向いているといえます。
医療機器のリースをしている会社4選
最後に、医療機器のリースをしている会社を4つ紹介します。
- 三井住友ファイナンス&リース株式会社
- 株式会社日医リース
- シャープファイナンス株式会社
- JA三井リース株式会社
それぞれの企業の特徴を見ていきましょう。
三井住友ファイナンス&リース株式会社
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 目的に合わせたプランを選んでリースできる |
プラン | 購入選択権付リース 据置型リース 延払売買 |
ホームページ | https://www.smfl.co.jp/service/lease/care/ |
1つ目は、三井住友ファイナンス&リース株式会社です。
三井住友ファイナンス&リース株式会社にはファイナンスリースと延払売買(割賦販売)の2つの形態があります。
目的に合わせたプランを選んでリースできます。
株式会社日医リース
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 医療機関の開業支援を専門 |
プラン | 要問い合わせ |
ホームページ | https://www.nichii-lease.com/service/equipment-lease/ |
2つ目は、株式会社日医リースです。
医療機関の開業支援を専門としているため、開業準備と併せて依頼するとスムーズに手続きを進められます。
多数の実績があるため、安心して依頼できるでしょう。
シャープファイナンス株式会社
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | ニーズにマッチしたプランを選べる |
プラン | 据置リース 不均等払リース 団体信用生命保険付リース 保守込みリース 端数リース プログラム・プロダクトリース 譲渡条件付リース 残価付リース |
ホームページ | https://www.sfc.sharp.co.jp/product/finance/ |
3つ目は、シャープファイナンス株式会社です。
非常に多くのプランからニーズにマッチしたプランを選べます。
例えば、リース料を抑えたい、機器にオプションをつけたい、手間を減らしたいなど、さまざまなニーズに応えています。
JA三井リース株式会社
項目 | 内容 |
---|---|
特徴 | 使用頻度に応じてリース料が設定可能 |
プラン | ファイナンスリース 従量課金リース(PPU) |
ホームページ | https://www.jamitsuilease.co.jp/service/medical/measured.html |
4つ目は、JA三井リース株式会社です。
使用頻度に応じてリース料が設定できるため、導入リスクを減らした上で導入できます。
これによりキャッシュフロー経営が実現できるでしょう。
まとめ
今回は、医療機器をリースにするか、購入するかについて解説しました。
リース・購入ともにメリット・デメリットがあり、自分の目的に合わせて選択することが重要です。
もしどちらにしようか迷った時は、メリット・デメリットを参照するだけでなく、耐用年数やアップデートの頻度に目を向けると良いでしょう。