「AEDを設置したいけど、具体的にどのような選び方をしたら良いのだろう……」
「AEDをどこに設置するべきかわからない」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
AEDは、心停止や心室細動など、致死的な不整脈が発生したときに活躍します。しかし、AEDは商品によって異なり、目的にあわせて選ぶと良いでしょう。
そこで本記事では、AEDの選び方やおすすめ商品をご紹介します。AEDの設置が推奨される施設と設置のポイントを含めて解説しているので、参考にしてみてください。
AEDの選び方で押さえておきたい9つのポイント
AEDを選ぶ際に意識したいポイントは、9つあります。
- 対象者の年齢
- 設置する環境
- 搭載している機能
- 扱いやすさ
- メンテナンスのしやすさ
- 保証の年数・サポート体制
- 国内認証の有無で選ぶ
- コストバランス
- レンタルか購入か
それぞれの選び方について解説します。
対象者の年齢
AEDを選ぶときは、どのような方に使用するか、対象者の年齢に合わせて選びましょう。
AEDには大人向けと小児向けがあり、大人向けの場合はこどもに使うのは難しいです。たとえば、8歳未満・25kg未満の子供には、小児モードが搭載されたAEDか、小児用パッドが必要になります。
対象者の年齢がわからない場合は、大人と小児用が切り替えられる商品を選びましょう。
設置する環境
AEDを選ぶ際には、設置する環境を考慮して選ぶのがおすすめです。
屋内に設置する場合と、屋外や工事現場で設置するときでは、必要な耐久性や防塵防水性能が異なります。
たとえば、学校や事務所などの屋内で設置する場合は、IPX4程度の防塵防水機能であれば十分です。
しかし、屋外や工事現場などで設置するときは、IP55以上だと良いでしょう。ほかにも、衝撃耐性や温度耐性があると、屋外でも壊れずに長期間設置できます。
搭載している機能
AEDを選ぶときは、搭載している機能にチェックすると良いでしょう。
具体例をあげると、AEDの中には、操作手順を音声で説明してくれる商品もあれば、動画で視覚的に案内してくれる機種もあります。
ほかにも状態を確認し、ボタン操作なしでも電気ショックを実行するAEDもあります。
使用者の経験に応じて、搭載している機能を確認するのがおすすめです。
扱いやすさ
扱いやすさは、AEDを選ぶ際に意識したいポイントです。AEDは、緊急時に使用するため、基本的に誰でも簡単に使えることが重要です。
たとえば、パッドを貼って電源をいれるだけで手順が簡単に表示されるシンプルな商品もあれば、少し経験がある方でないと扱えないAEDもあります。
また、軽量かつコンパクトであれば、持ち運ぶ際に便利でしょう。
メンテナンスのしやすさ
AEDを選ぶときは、メンテナンスのしやすさを意識しましょう。AEDは緊急時に使用するため、いざというときに確実に動作する状態を保つ必要があります。
たとえば、自己診断機能が備わっていると、正常な状態を保てているかチェックしやすいです。
ほかにも、消耗品の交換時期通知機能があるのと、パッドやバッテリーの寿命がわかりやすいでしょう。
保証の年数・サポート体制
AEDを選ぶときのポイントは、保証の年数やサポート体制もあげられます。
たとえば、長期保証商品であれば、安心して保管できるでしょう。
ほかにも、緊急時の相談窓口や、定期点検の代行サービスなどのサポート体制が整っていると、万が一にも備えておきやすいです。
保証に関しては、バッテリーやパッドの保証も含まれているか確認しておくと良いでしょう。
国内認証の有無で選ぶ
AEDを選ぶ際のポイントとして、国内認証の有無を確認しましょう。
日本国内の基準に準拠していると、日本語ガイド・日本語表示がある場合が多いです。
ほかにも、医療機器承認番号(PMDA認証)を取得していると、安心して使いやすいでしょう。
できれば、誰でも使いやすいように、日本のAEDメーカーや日本市場に特化した海外製品を選ぶのがおすすめです。
コストバランス
AEDを選ぶ際には、コストバランスもチェックしましょう。
本体価格だけでなく、パッドやバッテリーなどの交換が必要なランニングコストを含めて考えるのがおすすめです。
たとえば、学校や自治体の場合は、助成金の有無をチェックすると良いでしょう。
レンタルか購入か
AEDを選ぶときは、「レンタル」か「購入」で選びましょう。
レンタルであれば、本体を購入するときと比べてリーズナブルで、必要に応じて導入しやすいでしょう。
たとえば、工事現場などさまざまな場所で使用する際には、レンタルだと負担が少ないです。長期的に設置する場合は、購入すると総費用が安くなる場合も多いです。
初期費用を抑えたいときはレンタル、長期的に使う見込みがある場合や助成金が使える際には、購入を検討すると良いでしょう。
おすすめのAED製品5選
おすすめのAEDは、以下の5つです。
- TEC-2601 カルジオライフS
- AED-3200シリーズ
- AED-3100シリーズ カルジオライフ
- AED-2152 カルジオライフ
- AED-2150シリーズ カルジオライフ
それぞれの魅力を解説します。
TEC-2601 カルジオライフS
メーカー | 日本光電 |
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費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・最短7秒で解析・充電 ・50~70時間記憶可能 ・AEDリモート監視システム搭載 |
公式サイト | https://medical.nihonkohden.co.jp/iryo/products/resp_resus/def/tec2601.html |
TEC-2601 カルジオライフSは、解析開始から充電完了まで、最短7秒と使いやすさに優れた商品です。
音声付きであれば最大50時間・音声なしであれば最大70時間の連続波形を記憶できます。マイナス5度の環境でも動作が可能で、さまざまな環境でも活躍してくれます。
また、AEDの状態を集中管理するAEDリモート監視システムがあり、セルフテスト結果やバッテリー残量などをWeb上で確認することが可能です。
AEDモードとモニタモードで使い分けられるため、多くの方におすすめです。
AED-3200シリーズ
メーカー | 日本光電 |
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費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・シンプル操作で使いやすい ・セルフテスト機能が充実 ・Bluetoothや無線LAN通信機能搭載 |
公式サイト | https://www.aed-life.com/products/products-list/aed3250/ |
AED-3200シリーズは、シンプルな操作で使いやすい点が魅力です。
電気ショックが必要なときは、ショックボタンを押さなくて、装置が自動で電気ショックを行ってくれます。そのため、知識や経験がない人でも的確な処置を行いやすいでしょう。
また、セルフテストは本体やバッテリー、電極パッドを含めてさまざまな項目を確認できます。
Bluetoothや無線LAN通信にも対応しており、救助データをパソコンなどに取り込むことも可能です。
AED-3100シリーズ カルジオライフ
メーカー | 日本光電 |
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費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・3つのステップで使える ・未就学児や小学生にも対応 ・最大3件90分保存可能 |
公式サイト | https://www.aed-life.com/products/products-list/aed3100/ |
AED-3100シリーズ カルジオライフは、蓋を開ける・電極パッドを胸に貼る・ボタンを押して電気ショックを流すという3つのステップで使えます。
大人だけでなく、未就学児や小学生にも使えるため、公共施設や学校に設置したい場合におすすめです。
ほかにも、日本語と英語のバイリンガル仕様も選択できるので、多くのシーンで活躍してくれます。
また、1回90分の最大3回分のデータを保存できるため、状況を確認したいときにも便利です。
AED-2152 カルジオライフ
メーカー | 日本光電 |
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費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・液晶画面が付いていてわかりやすい ・大人数にも対応可能 ・8秒で解析から充電まで完了 |
公式サイト | https://medical.nihonkohden.co.jp/iryo/products/resp_resus/def/aed2152.html |
AED-2152 カルジオライフは、液晶画面と音声ガイドで使用方法を教えてくれるAEDです。
未就学児から大人まで幅広く使用可能で、多くのシーンで活躍してくれます。
電極パッド装着後は、自動で心電図解析をするAEDモードと、液晶画面に表示される心電図波形を確認して任意のタイミングで解析開始できるセミオートモードを搭載しています。
電源オンから8秒で解析から充電までできるため、使いやすさに優れているでしょう。
AED-2150シリーズ カルジオライフ
メーカー | 日本光電 |
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費用 | 要問い合わせ |
特徴 | ・音声ガイドと液晶画面で操作できる ・IEC規格IP55の防塵・防水を備えている ・航空機内にも持ち込みできる |
公式サイト | https://www.aed-life.com/products/products-list/aed2151/ |
AED-2150シリーズ カルジオライフは、音声ガイドと液晶画面で案内してもらえるAEDです。IEC規格のIP55の防塵・防水機能を備えており、さまざまな場所でも活躍してくれます。
また、航空機内にも持ち込みできるため、持ち運びしたいという方にも向いているでしょう。
消耗品の期限が切れるとアラーム音で知らせてくれるので、使用できる状態を維持しやすいです。
AEDの費用相場は?
AEDの費用相場は、レンタルと購入で異なります。
消耗品の費用相場を含めて、どのくらいになるのか解説していきます。
レンタル料金
AEDのレンタルの費用相場は、月額約4千円~7千円程度です。
初期費用を抑えたい方や、さまざまな場所に設置したい方に向いているでしょう。
レンタルの場合は契約期間が終了した際に、AEDを破棄する必要がなく、サービス提供会社に返却する流れになります。
導入後のメンテナンスや、消耗品の管理をしなくて良い点もメリットです。
初期費用・購入費用
AEDを購入する際の初期費用・購入費用の相場は、約20万円~40万円程度です。
購入はAEDを長期的に設置したいという方におすすめで、レンタルとは異なり自分の所有物として管理・使用できます。
購入する際には、長期的なコストや管理の手間を考慮しながら検討すると良いでしょう。
消耗品の費用
AEDは、電極パッドやバッテリーなどの消耗費の交換費用も視野に入れましょう。
機種やメーカーによって交換費用は異なりますが、電極パッドは1セット約5千円~1万円程度です。バッテリーは、1個あたり約2万円~3万円程度が目安になります。
交換頻度や寿命などを確認しておくと、万が一の際にもすぐに使用できるようにメンテナンスしやすいでしょう。
AEDの設置が推奨される施設と設置のポイント
AEDの設置が推奨される施設は、以下の5つです。
- 駅・空港・長距離バスターミナルなどの公共施設
- 長距離輸送機関
- スポーツジムおよびスポーツ関連施設
- 大規模な商業施設
- 多数集客施設
それぞれのポイントを含めて解説します。
駅・空港・長距離バスターミナルなどの公共施設
AEDは、駅や空港、長距離バスターミナルをはじめとした、公共施設に設置するのがおすすめです。
公共施設は不特定多数の人が行き交う場所になるため、心臓発作のリスクが常に存在します。人の流れが多く、視認性の高い場所に設置すると良いでしょう。
また、職員や警備員への定期的な使用訓練をしておくと、万が一の際にも柔軟に対応できます。
長距離輸送機関
AEDは、高速バスやフェリー、旅客機などの長距離輸送機関にもおすすめです。
長距離輸送機関は、長時間にわたって移動するため、医療機関から物理的に離れています。
また、乗客の中には持病持ちや高齢者も多く、体調の急変が起こるケースも少なくありません。
乗務員用の収納場所に設置し、すぐに取り出せる状態を作ると良いでしょう。
スポーツジムおよびスポーツ関連施設
AEDは、スポーツジムなどのスポーツ関連施設に設置するのもおすすめです。
激しい運動が心臓への急激な負荷になり、若年層でも心停止が起きる可能性があります。
運動中の心停止は、AEDによって迅速に対応できると救命率が上がるため、ジム内のスタッフから見えやすい・取り出しやすい場所に保管しましょう。
大規模な商業施設
AEDは、子どもから高齢者まで幅広い客層が訪れるショッピングモールや百貨店などの大規模な商業施設がおすすめです。
店内が広いと、救急車が到着するまでに場所の特定や搬送に時間がかかってしまうケースも少なくありません。
エントランス付近やフロアごとの通路、エレベーター近くなどに設置するのが良いでしょう。
多数集客施設
AEDは、スタジアムやイベント会場、劇場などの多数集客施設で設置するのがおすすめです。
救護スタッフが少ないイベントでは、一般人が使う場面も想定しましょう。入口ゲートや観客席の出入り口に置くと、万が一の際にも使用しやすいです。
まとめ:使いやすいAEDを選んで万が一に備えよう!
AEDは、公共施設や長距離輸送機関など、さまざまな場所に設置するのがおすすめです。
レンタルか購入の選択ができるため、コストや設置期間をふまえて検討すると良いでしょう。AEDを選ぶ際には、扱いやすさや対象者の年齢などさまざまな点を意識して選ぶようにしてみてください。