「歯科医院はどのような流れで開業するのか?」
「歯科医院を開業するためにポイントや注意点はあるのか?」
このような疑問を抱えてはいませんか?
開業をしようと決心しても、不安材料が多く大変ですよね。
そこで、今回は歯科医院の開業を検討している方向けに、以下の内容について解説します。
- 歯科医院の開業をする流れ
- 歯科医院を開業するメリット・デメリット
- 歯科医院を開業する際のポイント
- 歯科医院の開業で困った際の相談先
この記事を最後まで読むことで、歯科医院の開業に関する基礎知識を理解することができるでしょう。
この記事の内容
歯科医院を開業する際の流れとは?
ここでは、歯科を開業する際の流れを解説します。
- 事業計画の策定
- 開業に向けた下準備
- 内装工事・医療設備の設置
- オープンに向けた準備
1つずつ解説していきます。
①事業計画の策定
1つ目は、事業計画の策定です。
あらかじめどのような歯科医院にしたいのか、その経営理念や医療方針などを考えておきます。
その上で具体的にどのように歯科医院を運営していくのかを考えていくのです。
事業計画書は資金調達のときに必要になるほか、開業後の医院運営のコンパスとしての機能も果たすため、自力での作成が難しい場合は、専門家に相談することも必要でしょう。
②開業に向けた下準備
2つ目は、開業に向けた下準備です。
開業から半年前ほどになった段階で、事業計画の策定をした後は、下準備として物件や医療機器、内装工事業者の選定を行います。
特に、物件や医療機器は、歯科医院を運営する上で非常に大切な要素になります。
決定を焦ることのないように、余裕を持って進めるようにしましょう。
また、資金調達もこれと同時期に進めることになります。
③内装工事・医療設備の設置
3つ目は、内装工事・医療設備の設置です。
4〜5ヶ月前になると、選定した内装工事業者に実際に工事をしてもらいます。
また、選んだ医療機器が到着するため、それらを設置していきます。
歯科医院を新築で造る場合には、ここから1年ほどの時間がかかるため、それまでに逆算して準備を進めておくようにしましょう。
④オープンに向けた準備
4つ目は、オープンに向けた準備です。
具体的にはスタッフの採用や消耗品や備品の仕入れ先との契約、書類の提出、歯科医院のPRなどが挙げられます。
一気にやることが増えたと感じるかもしれませんが、一つずつクリアしていけば難なくクリアできるでしょう。
そして、実際にスタッフを採用し、研修をし、さまざまな手続きを終わらせたら、いよいよ開業できる段階となります。
歯科医院を開業するメリット・デメリット
ここでは、歯科医院を開業するメリット・デメリットを紹介します。
メリット・デメリットについて理解することで、開業するか否かの判断材料を増やせるでしょう。
歯科医院を開業するメリット
まずは、歯科医院を開業するメリットから見ていきましょう。
メリットは、主に以下の3つです。
- 方針決定ができる
- 立地が選べる
- 収入アップができる
それぞれ1つずつ解説します。
①方針決定ができる
1つ目は、方針決定ができることです。
勤務医は、勤めている病院の方針に沿って治療を行います。
勤務医が自身の判断で方針を決定できることもありますが、病院との方針が違うと軋轢が生じたり中途半端になってしまったりする可能性があります。
しかし、独立開業すれば、患者との向き合い方、治療方針などを自分の理想通りに実現できるでしょう。
自分のやり方を追求したい方にはおすすめです。
②立地が選べる
2つ目は、立地が選べることです。
歯科医院の運営において、立地は非常に重要になります。
立地の良し悪しにより、運営が軌道に乗るかどうかが左右される可能性もあるため、慎重に考える必要があるでしょう。
開業すれば、自身の診療方針や理想像に近い場所で開業ができるようになります。
また、立地だけでなく内装や外観のデザインにもこだわれる点もメリットだといえるでしょう。
③年収アップができる
3つ目は、年収アップができることです。
厚生労働省の「第22回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」によれば、勤務医の平均年収が590万円、開業医の平均年収が1,200万円以上とされています。
したがって、一般的には開業したほうが収入が上がると考えるのが一般的です。
もちろん、運営に成功できなければ勤務医時代の年収を下回る可能性も十分にあるので、リスクも加味した上で検討する必要があります。
歯科医院を開業するデメリット
続いて、歯科医院を開業するデメリットを3つ紹介します。
- 事業運営に手間がかかる
- 経営者としての責任が生じる
- 集患が簡単ではない
1つずつ解説します。
①事業運営に手間がかかる
1つ目は、事業運営に手間がかかることです。
勤務医は診療により自分の技術を磨くこと以外にやることはそこまで多くないのですが、開業医になるとそうはいきません。
集患するためのPRをしたりスタッフの教育をしたり、他にもさまざまな業務が発生します。
これらをおろそかにしていると、いくら診療の腕があっても、患者が離れていってしまうので、注意が必要です。
②経営者としての責任が生じる
2つ目は、経営者としての責任が生じることです。
資金繰りがうまくいくかどうかは、特に重点的に見ておかなければなりません。
多くの場合、銀行からの融資、すなわち多額の借金を背負った状態で事業を始めることになるため、うまく資金繰りができないと従業員の給料さえ払えなくなってしまいます。
経営者としての責任を全うするために、きちんと目を向けておきましょう。
また、金銭面だけでなく、苦情やクレームの責任も、全てご自身で受けなければなりません。
従業員に責任を丸投げすることは当然ながらできないので、そこにプレッシャーを感じてしまう方にはデメリットだと感じられるでしょう。
③集患が簡単ではない
3つ目は、集患が簡単ではないことです。
歯科医院に日頃から通っている方は、行きつけの歯科医院があるものです。
そのため、新規で開業したとしても、あまり多くの患者が見込めない可能性があります。
ホームページやチラシ、広告などを使って地道に集客していくことになるため、骨の折れる作業だといえるでしょう。
歯科医院を開業する際の3つのポイントとは?
歯科医院を開業する際には、以下の3つのポイントを意識すると良いでしょう。
- 資金計画はゆとりを持って
- 事前のリサーチ
- 経営者のスキルを身につける
1つずつ解説します。
①資金計画はゆとりを持って
1つ目が、資金計画にゆとりを持つことです。
開業してから2ヶ月間は、診療報酬が入りません。
そのため、開業時にギリギリの資金状態だと、すぐに給料の支払いや備品の仕入れなどが滞る可能性があります。
また、全てが順調にいくわけではないため、追加で費用が発生し、資金が足りなくなってしまう可能性も考えられるでしょう。
そうしたことのないように、ゆとりをもった資金計画を立て、無理のない運営を目指しましょう。
②事前のリサーチ
2つ目は、事前のリサーチを十分に行うことです。
特にエリア選定のためのリサーチは十分に行う必要があります。
周辺にどのような世帯が住んでいるのか、また周囲にライバルとなるような医院があるのかどうかなどを確認していくのです。
そうすることで、開業前からある程度の収益予測を立てられるでしょう。
③経営者のスキルを身につける
3つ目は、経営者のスキルを身につけることです。
当然ですが、歯科医院を開業させたらあなたは経営者になります。
経営者としてクリニックを良い方向へ進めるために、働く環境を改善したり、集患数増加に向けたマーケティング施策を実行したりするなど、経営者としてやるべきことが盛りだくさん。
医院全体が向上するために、自分の診療スキルだけでなく、経営者としてのスキルも身につけましょう。
歯科医院の開業で困ったら誰に相談すればよいか?
歯科医院の開業に際し、もし困ってしまったら誰に相談すれば良いのでしょうか?
主な相談先は、以下の3つです。
- コンサルタント
- 税理士
- 社会保険労務士
1つずつ解説していきます。
①コンサルタント
1つ目は、コンサルタントです。
歯科開業のサポートに特化したコンサルタントもいくつかあります。
いつでもどんなことでも相談でき、良い歯科医院にするために一緒に作り上げていく感覚があるでしょう。
しかし、コンサルタントには資格があるわけではないので、あらかじめ実績などを確認した上で契約することが大切です。
②税理士
2つ目は、税理士です。
主に会社の税務面に関して面倒を見てくれるので、力強いパートナーとなるでしょう。
また、多くの会社を見ている税理士だと、資金繰りについてのアドバイスもかなり的確にしてくれる場合があるため、今までの実績を見た上で選定するようにしましょう。
③社会保険労務士
3つ目は、社会保険労務士です。
人事や雇用などの労働関係におけるサポートをしてくれます。
社会保険に関するアドバイスや人事コンサルティングなどを受けられる場合もあるので、労働関係で困った時は活用してみましょう。
まとめ:歯科医院の開業を成功させよう!
今回は、歯科医院を開業する際の流れや意識すべきポイント、注意点について紹介しました。
今回の内容を理解すれば、歯科医院を開業するための基礎知識が一通り頭に入ったことになります。
決して平坦な道ではありませんが、新たなスタートを順調に切れるように、前もって準備を進めていきましょう。