「開業医になったのに患者が来なくて悩んでいる」「開業医のクリニックに患者が来ない原因は?」と、悩みを抱えている方はいませんか?
近年、休廃業に追い込まれる開業医は増加傾向にあり、集患対策を怠れば施設の存続が難しくなります。
ただし、患者が来ないクリニック・医院が集患するのは簡単ではなく、頭を悩ませている開業医は多いはずです。
そこで本記事では、開業医の患者が来ないクリニックにありがちな理由と改善策を解説します。
具体的な外注業者についても紹介しているので、患者が来なくて悩んでいる開業医の方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
開業医のクリニックに患者が来ない理由とは?
開業医のクリニックに患者が来ない・集患できない場合、下記のいずれかの理由があると考えられます。
- ホームページなどのインターネット戦略が充実していない
- 立地が悪い・通いにくい
- 患者とのコミュニケーションがうまくいっていない
- 次回の予約を取れていない
- 待ち時間が長い
- 競合施設との差別化ができていない
- 医療技術と知識不足
- 目先のコストばかり気にしている
「患者が来ない」と悩んでいるクリニックの状況と当てはまるものを探し、集患・増患ができない理由を明確にしましょう。
ホームページなどのインターネット戦略が充実していない
ホームページを含むインターネット戦略が充実していないクリニックは、施設に興味を持った患者を取り逃している可能性があります。
新たな医療施設を訪れる患者の多くは来院前に施設の概要を確認することが多く、ホームページが充実していないと興味を持ってくれた患者が来院に至らないケースが多いと推測できます。
また、ホームページ以外にSNSで情報収集する患者も多く、InstagramやTwitterの運用は欠かせません。
ただし、情報を掲載すれば良いだけではなく、正しい運用ができず集患ができていない施設も多いのが難しいところです。
インターネットは技術の進歩や流行の移り変わりが激しく、常に効果的な集患を続けるのは簡単なことではありません。
したがって、効果的なインターネット戦略ができているクリニックは数少ないといえます。
立地が悪い・通いにくい
クリニックの集患において立地は非常に重要な条件であり、どれほど良い医療を提供していても立地が悪いだけで集患に苦戦することが予想できます。
たとえば、クリニックに訪れる患者は体調が万全でない可能性が高く、アクセスしづらい施設は利用したくてもできません。駅から徒歩15分以上かかる施設や国道などの主要道路に面していない施設などは、アクセスしづらく多くの患者を遠ざけてしまいます。
また、同エリア内に競合施設があるのも集患の妨げになります。
同エリアに同じ診療科のクリニックがあると、集患できる人数が単純計算で半分になり、ライバル施設よりも人気が劣るとさらに厳しくなるでしょう。
立地はクリニック開業後に変更するのが非常に難しいため、開業時にこだわりを持って選定してください。
患者とのコミュニケーションがうまくいっていない
患者とのコミュニケーションが取れていないクリニックは、リピート受診の数が少ない傾向にあります。
たとえば、優れた医療を提供したとしても、うまく説明できなければ患者には伝わりません。
また、患者の症状や境遇に対して寄り添うのも大切です。
クリニックは大型病院と異なり「地域住民の心のよりどころ」でもあるため、医療のクオリティ以上に居心地やコミュニケーションが大切な場面もあります。
「医療だけ提供していれば良い」と考えている開業医の方は、集患できない際に苦労するでしょう。
次回の予約を取れていない
患者が来院した際に次回の予約を取れていないと、再来院率が大幅に減少します。
参考までに、無床診療所における1日あたりの初診率と再診率を確認してみましょう。
患者数 | 初診数 | 再診数 | 初診率 | 再診率 | |
---|---|---|---|---|---|
精神科 | 35.3人 | 1.4人 | 33.9人 | 4% | 96% |
整形外科 | 103.6人 | 9.6人 | 93.9人 | 9% | 91% |
外科 | 45.5人 | 4.5人 | 41人 | 10% | 90% |
内科 | 35人 | 4.2人 | 30.8人 | 12% | 88% |
産婦人科 | 35.1人 | 6.4人 | 28.7人 | 18% | 82% |
眼科 | 50.6人 | 9.6人 | 41人 | 19% | 81% |
皮膚科 | 60.4人 | 15.5人 | 45人 | 26% | 74% |
小児科 | 43.3人 | 11.5人 | 31.8人 | 27% | 73% |
耳鼻咽喉科 | 65人 | 17.4人 | 47.6人 | 27% | 73% |
引用元:厚生労働省「平成26年医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」
上記の表を見ると、無床診療所における患者のほとんどが再診であることが分かります。
最も再診率が少ない小児科・耳鼻咽喉科でも73%の患者が再診で、初診の患者だけでクリニックを運営するのは困難です。
したがって、「再診率が低いクリニックは集患ができていない」と言えるでしょう。
待ち時間が長い
待ち時間が長いクリニックは、患者の再診率が下がり集患に苦戦する可能性があります。
「予約時間に来院しても待たされる」など悪い口コミが出る可能性もあり、スムーズな診察は集患の最低条件といえます。
したがって、Web予約の導入や業務の効率化によるスムーズな患者の回転が必要です。
また、予約上限を見直すなど、患者がストレスを感じずに利用できるようにしなければなりません。
競合施設との差別化ができていない
近隣に競合施設があるクリニックでは、料金設定や診療時間、充実した医療提供など、他の施設にはないメリットがなければ集患が難しくなります。
特に駅前など、複数の競合施設がひしめく場合では差別化が不可欠です。
さらに、施設の強みを認知してもらうことも必要になるので、インターネット戦略や看板を駆使した集患もしなければなりません。
医療技術と知識不足
常に進歩している医療業界では、最新の知識や技術を常に取り入れる必要があり、競合施設に劣ると一気に集患が難しくなります。
また、患者からの質問に応えられないと信頼を失い、リピートしてもらえないこともあるでしょう。
患者に安心して利用してもらうためには、技術と知識を常に磨き続けなければなりません。
目先のコストばかり気にしている
開業前は集患対策への意識が高いものの、開業後には目先のコストばかりを意識してしまってはいけません。
物件探しやホームページ作成時に高かった集患への意識が開業とともに薄れだし、いつしか集患への思いが消えている方もいるのではないでしょうか。
施設の運営にはコスト削減も不可欠な要素ですが、同じように集患対策も大切です。
また、集患できなければ収益が上がらないのがクリニックであり、肝心の収入源を疎かにしてはなりません。
開業して一定期間過ぎた後に「集患できない」と悩みを抱えている開業医の方は、今一度コスト削減と集患対策のバランスを考えてみてください。
【開業医は注目!】患者がこないクリニック・診療所がやるべき集患・増患対策
集患ができないクリニック・診療所では、以下の施策を実践すると状況が改善します。
- MEO対策
- SEO対策
- ホームページの作成・リニューアル
- SNSを有効活用する
- 口コミを増やす
- 効果的な看板を設置する
上記の施策を実践できていないクリニック・診療所は、一つずつ改善していけば増患が見込めるはずです。
MEO対策
近年、クリニックの集患においてMEO対策は不可欠になっています。
MEO(Map Engine Optimization)対策とは、ローカルSEOという概念のインターネット戦略で、地域を含む検索キーワードに最適化するのが主な施策内容です。
たとえば、眼科であれば「〇〇市 眼科」と検索した際に上位表示させるための施策で、Google mapで検索した際の表示順位にも大きくかかわります。
MEO対策を充実させることで、地域での認知度や集患率アップに期待できます。
SEO対策
SEO対策(Search Engine Optimization)とは検索エンジン最適化の略で、「産婦人科」などのキーワードに対してホームページを上位表示させるための施策です。
検索された際に上位表示されるほどホームページの認知度が上がり、集患率アップに期待できます。
有効なSEO対策を実施するためには、有益な情報掲載や情報量の多さや質など、ホームページ自体のクオリティを上げなければなりません。
したがって、本格的にSEO上位表示を目指すのであれば、専門企業に外注するのも一つの手段です。
ホームページの作成・リニューアル
上記でお伝えしたとおり、MEO・SEOに最適化したページを作るのはもちろん、デザイン性や情報の見やすさを改善することで、施設に興味を持ってくれた患者の集患率アップにつながります。
思うような集患ができていないクリニックは、ホームページの作成・リニューアルをしてみると良いでしょう。
インターネット戦略の重要性が上がっている昨今はホームページが施設の名刺代わりとなり、そこでのイメージ次第で来院してくれない患者もいるほどです。
したがって、ホームページのクオリティを高めるのは効果的で、MEO・SEO対策とともに実施すれば集患率アップに貢献できます。
ただし、集患率を高められるホームページの作成は誰もができるわけではありません。専門的な知識を持っていないのであれば、ホームページ制作会社に依頼してみると良いでしょう。
SNSを有効活用する
MEOやSEO対策同様に、SNSも有効活用すると集患率アップにつながります。
SNSでは、院内の雰囲気や提供している医療など、患者が来院するイメージをしやすいような情報を発信するのが効果的です。
また、SNSを活用する際は、それぞれの特徴ごとに使い分けるのも有効です。
たとえばInstagramなら画像中心の投稿が有効なので、待合室や外観の写真を投稿してみると良いでしょう。
また、Twitterなら提供している医療の効果を説明したり、LINEならWeb予約システムを構築するなど、それぞれの媒体に合わせた方法で活用してみてください。
口コミを増やす
口コミは施設に来院する大きな動機になるため、増やすための施策をすると集患アップにつながります。
さらにMEOで上位表示しやすい特徴も持っているため、口コミを増やす効果は絶大です。
ただし、Googleの口コミには厳格なルールが定められており、ご自身で虚偽の口コミをするなどの不正行為は何かしらのペナルティが与えられる可能性があります。
口コミを増やすためには、院内に投稿を促すPOPを掲載するのも一つの手段です。
短期間で爆発的に口コミを増やすのは困難ですが、地道にコツコツと活動を続けてみましょう。
効果的な看板を設置する
施設の看板を設置するのも集患に有効です。
たとえば、施設へのアクセス方法や入り口を示す看板があれば、初めて来院する方がスムーズに足を運べます。
また、近隣の駅や商業施設に看板を掲示すれば、施設の認知度が上がるでしょう。
看板を設置する際は、以下の情報を記載すると効果的です。
- 診療科名
- 処置内容
- アクセス方法
上記のように集患に直接つながる情報を掲載することで、近隣住民の集患率アップにつながります。
患者が来ない開業医におすすめの支援会社
患者が来ない開業医が、集患・増患対策をする際におすすめの支援会社を紹介します。
- MEO HATCH|MEO対策
- ウェブ コンサルティング ラボ株式会社|SEO対策
- Medical DX|ホームページ作成・リニューアル
- 合同会社メディウェル|SNS運用
- 看板mart|看板作成・設置
必要な改善策ごとに支援会社を紹介しているので、クリニック内で対策できない項目を依頼してみると良いでしょう。
MEO HATCH|MEO対策
運営会社 | 株式会社トライハッチ |
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サービス内容 | ・MEO分析 ・分析指示書の提出 ・GBP内部最適化 ・投稿代行 ・レポーティング など |
公式サイト | MEO HATCH |
MEO HATCHは、MEO対策を総合的に請け負うサービスです。
全国各地にある有名企業のMEO対策を実施している経験豊富な企業が運営しており、数多くの施設でMEO1位表示を達成しています。
中には運用開始から1ヵ月でMEO1位を達成した事例もあり、スピーディーな集患改善に期待できます。
また、期間やキーワード数に応じて料金プランが準備されているので、予算に応じて活用方法を選べるのもポイントです。
MEO対策を外部へ依頼したい担当者様は、ぜひMEO HATCHの資料請求をしてみてください。
ウェブ コンサルティング ラボ株式会社|SEO対策
運営会社 | ウェブ コンサルティング ラボ株式会社 |
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サービス内容 | ・アクセス解析レポート ・更新サポート ・更新対応 ・検索10位以内保証サービス ・ホームページリニューアル など |
公式サイト | ウェブ コンサルティング ラボ |
ウェブ コンサルティング ラボは、クリニック・医院のホームページ作成やSEO対策を専門に取り扱うサービスです。
プランによっては検索10位以内保証サービスもあり、確実にSEO上位表示を狙えるホームページを作成できます。また、部分的なSEO対策も依頼でき、少ない予算でホームページを改善することも可能です。
クリニック・医院に特化しているサービスなので、医療機関広告の制限に最適化したSEO対策に期待できます。
Medical DX|ホームページ作成・リニューアル
運営会社 | 株式会社Medical DX |
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サービス内容 | ・オリジナルHP制作 ・テンプレートHP制作 ・オリジナルLP制作 ・テンプレートLP制作 ・DX/WEBコンサルティング など |
公式サイト | Medical DX |
株式会社Medical DXは、医療にかかわるさまざまなWebサービスを提供している企業です。
予算によってオリジナル・テンプレートを選択できるので、比較的低資金で医療機関用のホームページ制作を依頼できます。
制作に際しては経営戦略・事業戦略に関するヒアリングを徹底しており、施設の特徴を全面的にアピールしたホームページを制作してくれるでしょう。
さらに、LP広告作成やWebコンサルティングも依頼できるので、総合的なサポートをしてほしいクリニックにおすすめです。
合同会社メディウェル|SNS運用
運営会社 | 合同会社メディウェル |
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サービス内容 | ・Instagram代行 ・Twitter代行 ・Facebook代行 |
公式サイト | 合同会社メディウェル |
合同会社メディウェルは、クリニック・歯科医院・病院に特化したSNS運用代行サービスを提供している企業です。
SNS運用代行を医師・歯科衛生士に依頼できるのが合同会社メディウェルの特徴で、専門的な知識を活かした情報発信に期待できます。
また、料金設定が比較的安く、コストを最小限に抑えつつSNS運用を依頼できるのもポイントです。
現在はInstagram・Twitter・Facebookの運用代行を依頼できるので、いずれかのSNSを本格的に改善したい担当者様は、ぜひ合同会社メディウェルを活用してみてください。
看板mart|看板作成・設置
運営会社 | 有限会社タクミスタジオ |
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サービス内容 | ・看板製作 ・看板デザイン |
公式サイト | 看板mart |
看板martは、看板製作を依頼できるサービスです。
Web上でやり取りできるため全国に納品可能で、施設の所在地にかかわらず利用できます。
制作できる看板の種類は多岐にわたり、クリニック前の小さな看板から道路に設置する大きな看板まで幅広く依頼できます。
また、看板の取り付けも依頼可能なので、設置に関する心配もいりません。
Web上で依頼できる看板政策に興味をお持ちの担当者様は、ぜひ看板martに見積もり依頼してみてください。
患者が来ない開業医に関するよくある質問
最後は、患者が来ない開業医に関するよくある質問に回答します。
- Q.患者が来れば開業医は儲かるの?
- Q.開業医の平均年収は?
- Q.クリニック・診療所はコロナの影響でどのように変わった?
- Q.開業して流行りやすい診療科はある?
- Q.歯科は患者が来やすいってホント?
患者が来れば開業医は儲かるの?
開業医の収入源は、医療を提供した際の収入から経費を差し引いた金額であるため、患者が来るほど儲かります。
反対に、患者が来なければ収入を得られません。
したがって、開業医が儲かるかどうかは集患の成否に直結していると言えるでしょう。
開業医の平均年収は?
厚生労働省「第23回医療経済実態調査」によると、開業医の平均年収は約2,807万円です。
勤務医の平均年収である約1,428万円※の約2倍の収入を得ており、医師の中でも稼ぎやすい働き方なのが分かります。
※ 引用元:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
クリニック・診療所はコロナの影響でどのように変わった?
2024年現在はコロナ禍が終息しつつあり、以前のように活気がある世の中に戻りつつあります。
ただし、コロナ禍を経験した人々は感染予防への意識が高まっており、安心して来院できる環境を整える必要があります。
たとえば、感染予防対策の実施状態を具体的に示すなど、安心して来院できる環境を作らなければなりません。
開業して流行りやすい診療科はある?
開業して流行りやすいのは以下3つの診療科です。
- 産科・婦人科
- 眼科
- 在宅診療
いずれも需要が高い診療科で、集患の難易度が比較的低いと言われています。ただし競合施設も多く、差別化ができなければ流行らないかもしれません。
流行りやすい診療科であることに慢心せず、集患対策を怠らないようにしましょう。
歯科は患者が来やすいってホント?
歯科は決して患者が来やすい診療科ではありません。
他の診療科と同じく集患を怠れば、休廃業を余儀なくされることもあります。
ただし、歯科が密集しており競争が激しい都心部に対し、郊外は院長の引退に伴い閉鎖する施設が増加傾向にあるようです。歯科がない市町村も増加しているようですので、そのような地域で開業すれば安定した集患が見込まれるかもしれません。
患者が来ないクリニックの開業医は運営方針を見直そう
本記事では、患者が来ない開業医の特徴や改善策について解説しました。
クリニックに患者が来ないのは何かしらの原因があり、改善することで集患アップにつながります。
闇雲に集患対策をするのではなく、医院が集患できない原因を整理してみるのがおすすめです。
また、集患対策をする際はその道のプロフェッショナルに依頼するのも効果的なので、具体的な施策に至っていないクリニックの担当者様は「患者が来ない開業医におすすめの支援会社」を見返してみてください。
本記事を参考に集患対策を適切に行い、安定して稼げるクリニックを作りましょう。