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歯科ユニットメーカー8社を比較!価格帯や選び方も紹介

歯科ユニットは、種類が豊富にありますので、クリニックの方針に合ったものを選ぶことが大切です。メーカーによって特徴が異なるため、どのように選んだらよいか迷ってしまうでしょう。

そこでこの記事では、歯科ユニットの種類や選び方について解説しています。人気メーカーの歯科ユニットも8種紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

歯科ユニットとは

歯科ユニットとは

歯科ユニットは、歯科医療のために設計された総合的な設備で、患者の診療と治療に必要な機能が一つにまとめられています。

主に下記の設備が一つになって、歯科用チェアに取り付けられています。

  • 歯科用椅子
  • ライト
  • メインテーブル(ドクターユニット)
  • アシスタントテーブル
  • ウォーターユニット
  • フットコントローラー
  • スピットン

上記の他にモニターや口腔内カメラなど、目的に沿ってカスタマイズも可能です。タービンやハンドピースの動力となるコンプレッサー(空気圧縮機)を設置するクリニックが多いです。

歯科ユニットの価格相場

歯ブラシの画像

歯科ユニットの価格は、機能やメーカーによって大きく異なります。一般的な価格相場は1台あたり200〜500万円程度とされています。

しかし、最近では100万円程度で購入できる低コストモデルも海外メーカーから提供されています。歯科ユニットを購入する際には単なる本体価格だけでなく、周辺機材やオプションの価格も含めた総額を考慮することが大切です。

購入価格だけでなく、耐用年数やサポートなどもふまえてコストを計算して選びましょう。

歯科ユニットの選び方

うがい場所

歯科ユニットの選び方は、大きく6つ挙げられます。

  • 価格で選ぶ
  • サイズ(占有面積)で選ぶ
  • デザインで選ぶ
  • 機能性で選ぶ
  • 消毒システムなどの感染対策の有無で選ぶ
  • メーカーによるサポートで選ぶ

それぞれ解説していきます。

価格で選ぶ

歯科ユニットを価格で選ぶ際は、購入費用はもちろん、ランニングコストやトータルコストを考慮することが大切です。

修理やメンテナンスを含めたランニングコストと耐用年数のバランスで選び、価格を抑えたい場合はリースや中古も視野に入れてください。

なお、何台かまとめて購入する場合は、メーカーが価格交渉に応じてくれる可能性があります。

サイズ(占有面積)で選ぶ

歯科ユニットを導入する際には、診療スペースに問題なく収まるかどうかも確認することが大切です。歯科ユニットの配置によって、患者の案内やスタッフの動線にも影響を与えかねないからです。

まずは、ユニットを導入する予定の診療スペースの広さを実際に計測しましょう。部屋の形状や他の設備の配置なども考慮した上でユニットが十分なスペースを確保できるか確認してください。

動線を確保するために、スペースの工夫や配置を最適化させましょう。

デザインで選ぶ

歯科ユニットを選ぶ際には、患者への印象や施設の内装に合わせたデザインの選択が大切です。

歯科ユニットはカラーバリエーションが選択できるので、クリニックに合った色味を選ぶと院内がスッキリした印象になり、清潔感が高まります。

一部のユニットでは、治療に使用される機器を見せない工夫がされていて、患者が治療への緊張感を軽減しやすくなります。

特に子どもを診療する場合、恐怖心を和らげるような優しいデザインになっていることが好ましいです。

患者がリラックスできる雰囲気があれば、通院のハードルも下がり、リピート率アップにもつながるでしょう。

機能性で選ぶ

診療で必要な機能が過不足なく搭載されているかも大切なポイントです。使用しない機能が多いとコストが上がるだけでなく、使い勝手が悪くなる恐れがあります。

オプションの追加が可能なユニットは、将来新たな機能が必要になったときも買い替える必要がなく、フレキシブルに対応できるでしょう。

現在の治療に必要な機能をシンプルに備えたユニットを導入してください。

消毒システムなどの感染対策の有無で選ぶ

衛生管理も、外せないポイントの一つです。

消毒・除菌システムが十分に機能することを確認しましょう。

中でも注意したいのは、サックバック現象です。

サックバック現象とは、吸気停止時に汚物が逆流することで起こる感染リスクを指します。この現象を防止する機能を備えているユニットがおすすめです。

他にもユニット内の給水系システムに殺菌水を流すことで、清潔を保つ自浄機能もあるといいでしょう。

また、清掃・消毒がしやすい構造かどうかも大切なポイントです。昨今では器具を通した院内感染のリスクも注視されているので、除菌・消毒を徹底できるユニットの選択が欠かせません。

メーカーによるサポートで選ぶ

メーカーのサポートが、どの範囲まで提供されるかを確認しましょう。

営業所や代理店が近くにない場合は、オンラインでのサポート有無を確認してください。

ユニットが使えない時間が長いほど、経営にも支障をきたすので、すぐに連絡が取れるかも重要です。

また、歯科ユニットのサポート期間はメーカーによって異なります。

長期にわたって充実したサポートを提供しているメーカーを選ぶことで、装置の安定した運用が期待できます。

歯科ユニットのメーカー比較8選

歯科ユニット

ここからは、人気の歯科ユニットメーカーとその製品を8つ紹介します。

  1. 株式会社RF929
  2. 株式会社モリタ
  3. 株式会社ヨシダ
  4. タカラベルモント株式会社
  5. 株式会社ジーシー
  6. Ivoclar Vivadent株式会社
  7. カボ プランメカ ジャパン株式会社
  8. 長田電機工業株式会社

株式会社RF929

R929

画像出典:株式会社RF929

製品名 929デンタルユニット
価格 要問い合わせ
重量 260kg
サイズ 2,250×1,900×1,900(mm)
最小設置スペース:2,700×1,800(mm)
理想設置スペース:4,000×3,000(mm)
メーカーサポート 電話、遠隔、現地訪問
公式サイト https://rfsystemlab.com/

929デンタルユニットは、コストを抑えて開業したいクリニックにピッタリの歯科ユニットです。

安くても一般歯科治療に必要な機能は備わっています。シンプルな構造ゆえに清掃もしやすく、衛生管理の効率化を実現します。

カラーバリエーションは5色でどれも淡く優しい色味で他の機材の邪魔をしません。価格が安いので新規で開業するクリニックの資金繰りを楽にできる歯科ユニットです。

株式会社モリタ

シグノ T500

画像出典:株式会社モリタ

製品名 シグノ T500
価格 要問い合わせ
重量 TUA60:約260kg
TUA70:約280kg
サイズ 要問い合わせ
メーカーサポート 電話、メール
公式サイト https://www.morita.com/group/ja/products/treatment-units/conventional-units/t100/

シグノ T500は、人間工学に基づいた設計で患者が快適な姿勢を保てるように設計されています。

まず、 バックレストを倒しても、安定姿勢を自然に保持する独自の設計が施されています。そして、体圧分布を考慮したシートの採用により、治療中の体への負担が軽減されます。

最低位が400mmまで下げられ、ご高齢者や小児も安心して乗り降りできるのも特徴です。 スロースタート&ストップ機能は昇降傾斜起立時の衝撃をほとんど感じさせません。

患者の心地よさを重視したいクリニックにおすすめの歯科ユニットです。

株式会社ヨシダ

ユニットtypeC

画像出典:株式会社ヨシダ

製品名 ユニットtypeC
価格 要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ ノバ セリオα
最低位 カンター:380mm
最高位 カンター:700mm
最低位 前折れステップ:450mm
最高位 前折れステップ:670mm
メーカーサポート パーツ保証5年
公式サイト https://service.yoshida-dental.co.jp/ca/series/11196

ユニットtypeCは、キャビネット一体型で診療スタイルに合わせた自由な空間づくりができる歯科ユニットです。

モニターやPCなどのデジタルツールが配置しやすくなっており、ユニット上に必要な機器を効果的に配置できます。パーテーションの高さや器具の収納棚のバリエーションが多く、クリニックに合わせた設置が可能です。

カラーバリエーションも豊富で、キャビネット・シート・カラーカバーの組み合わせはなんと1,000通り以上。
限られたスペースを有効に活用したいクリニックにおすすめの歯科ユニットです。

タカラベルモント株式会社

CIERTO(シェルト)

画像出典:タカラベルモント株式会社

製品名 CIERTO(シェルト)
価格 要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ
メーカーサポート 電話、現地訪問
公式サイト https://www.takara-dental.jp/product/862/

CIERTO(シェルト)は、治療の効率と患者の快適性を両立するように設計された歯科ユニットです。フットステップをなくし患者の昇降を容易にするとともに、シートを倒した際には、レッグレストが足先まで支えてくれるため患者が安定した姿勢で診察が行えます。

うがい場所は ボウルが回転し、患者さんの近くまで移動することで水はねが少なく衛生的に使えます。
機材スペースは最大荷重1kgfまで対応しており、必要な機材を手元においたまま治療を進められて治療効率も上がるため、医師・患者双方に優しい歯科ユニットです。

株式会社ジーシー

なごみ

画像出典:株式会社ジーシー

製品名 EOM和-なごみ
価格 要問い合わせ
重量 150kg
サイズ 要問い合わせ
メーカーサポート 電話、メール、現地訪問、安心サポートパックへの加入も可能
公式サイト https://www.gc.dental/japan/products/professional/large-equipment-it-products/eom-nagomi

EOM和-なごみは、多様な診療スタイルに対応する広い可動域の歯科ユニットです。

エアタービン、マイクロモーター、超音波スケーラーなど、求められる診療スタイルに合わせて選択可能な器具が搭載されています。

歯面清掃器エアフローもユニットにあらかじめ内蔵されています。アームの可動域が広いため、12時検診・9時検診・説明時・対面診療など幅広く活用でき、患者の出入りもスムーズです。

可動域の広さは、患者に器具が目に入らないようにできるというメリットも。1台で何通りにも使えるコスパの良い歯科ユニットです。

Ivoclar Vivadent株式会社

A-dec

画像出典:Ivoclar Vivadent株式会社

製品名 A-dec
価格 要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ
メーカーサポート 現地訪問
公式サイト https://www.adecchairs.jp/

A-decは、一律5年保証が特徴で航空母艦内でも使用されるほどの耐久性に優れた歯科ユニットです。

「故障の少なさ」や「耐久性の高さ」に焦点を当て、長期間にわたって頻繁な修理が少なく済むよう開発されています。

サポートの手厚さも際立っていて、5年保証は設置の日から5年間ユニット本体(ハンドピースは含まれません)に適用されます。東京駅から100km圏内までは、部品・工賃・出張料が全て無料となり、その他の地域でも2年目から5年目まで、の出張費のみでサポートしてもらえます。

耐久性とランニングコストを重視しているクリニックにおすすめの歯科ユニットです。

カボ プランメカ ジャパン株式会社

エステチカ E30

画像出典:カボ プランメカ ジャパン株式会社

製品名 エステチカ E30
価格 要問い合わせ
重量 要問い合わせ
サイズ 要問い合わせ
メーカーサポート 電話
公式サイト https://www.kavo.co.jp/product/kavoproduct/treatment_unit/dental_unit/e30

エステチカ E30は、一つひとつの機能が高性能な歯科ユニットです。

たとえば、吸水ユニットの強力なバキューム力は、水滴の飛び散りを軽減して感染リスクを軽減できます。チェアの可動範囲は350〜830mmまでと広く、さまざまな治療スタイルへの適用と患者の動きやすさに貢献しています。

オプションではクリーニングを容易にする滑らかな表面加工、うがい水や注水スプレーに微温水を使用する機能などがあります。カボのハンドピース導入を検討しているクリニックにおすすめです。

長田電機工業株式会社

オパルコンフォート

画像出典:長田電機工業株式会社

製品名 オパルコンフォート
価格 要問い合わせ
重量 250kg
サイズ 最低位:450mm/最高位:730mm(ストローク:280mm)
メーカーサポート 訪問・オンライン・電話
公式サイト https://www.osada-electric.co.jp/dental/products/unit/

オパルコンフォートは、健常者をはじめ、身体の不自由な方や高齢者の診療にもこだわった歯科ユニットです。

180度回転チェア・開閉可能なステップ・3段階に調整可能なサポートアームが、脚の不自由な方やすり足の方の乗り降りをサポートします。

うがい場所は洗口鉢が手前に広がっていて、チェアと連動して手前に動くので、前のめりがつらい方でも水がこぼしにくくなる設計です。

シートはクッション性が高く、長時間横になっても腰が痛くなりにくくなっています。
これらの機能から、高齢の患者が多い地域のクリニックにおすすめの歯科ユニットです。

歯科ユニットの種類は4タイプ

歯科ユニット

歯科ユニットの種類4タイプを詳しく解説します。

  1. 歯科衛生士によるメンテナンス用
  2. カウンセリング特化型
  3. 小児用
  4. 訪問歯科用のポータブルユニット

それぞれ特徴を解説します。

歯科衛生士が使用するメンテナンス用

メンテナンス用歯科ユニットは、歯科衛生士が治療のないメンテナンスに使用するシートです。メンテナンスに特化したツールや機器が搭載されているのが特徴です。

カウンセリングしやすいように、対面姿勢が取りやすく設計されています。メンテナンスに特化しているので、シンプルな操作性である点もポイントです。

カウンセリング特化型

カウンセリング特化型シートは、患者が座った姿勢でモニターなどを見ながらカウンセリングできるのが特徴です。

チェア配置やテーブルの高さなど、カウンセリング用に患者と医師が自然なコミュニケーションをとりやすいように工夫されています。

モニターやパネルを設置できるようになっており、視覚的な説明や情報共有が容易です。治療用シートも兼ねているタイプは、シートを倒すとそのまま治療に移行できるのでクリニックの省スペースも実現できるでしょう。

小児用

子どもの治療用シートで、子どもの身長に合わせて小さく作っています。

フルフラットなシートが採用されており、子供の小さな手足が挟まりにくく、リラックスした姿勢を保ちやすい設計です。

フルフラットは、隙間が少なく清掃が簡単で、衛生管理しやすいというメリットもあります。

治療器具が子供の目線から見えにくく配置されていたり、手や足が挟まりにくいように隙間が最小限に設計されていたり、子どもの安全性と快適性に配慮されています。

訪問歯科用のポータブルユニット

スーツケースのような収納に必要な器具が収納されていて、訪問診療に使えるユニットです。

ポータブルであっても吸引機、ハンドピースなど、治療に必要な機器が充実しており、基本的な歯科治療が可能です。

訪問診療も視野に入れているクリニックは、ポータブルユニットの導入を検討してみてください。

歯科ユニットの設置方式

歯科治療を受ける人

歯科ユニットは、設置方法が大きく3種類あります。

  • ベースマウント
  • オーバーアーム
  • カート

それぞれ解説していきます。

ベースマウント

ベースマウントは、ユニットの土台部分にアームが取りつけられていて、患者の右側でのテーブル操作ができるタイプです。最もスタンダードなデザインといえます。

医師が患者とテーブル療法にアクセスしやすい設計です。

オーバーアーム

オーバーアームは、患者の左手側、付近にアームが取り付けられているタイプです。

アームが上方を横断して左右に移動できるため、テーブルを患者のすぐ近くに固定できて器具を取ってから口腔までの移動距離を短くできます。

カート

カートは、テーブルがシートから独立してて、キャスター付きで自由に動かせるタイプです。

状況に応じてアームとカートを自由に移動させることができ、臨機応変な対応が可能です。

歯科ユニットのシートタイプ

高級な歯科医院

患者が横たわるシートは、2種類あります。

  • ステップ(足折れ)タイプ
  • カンタータイプ

ステップ(足折れ)タイプ

ステップタイプは、日本でよく見かけるひざ部分が折れるタイプです。

ひざや足首に当たる部分が垂直に折れるため、患者が座る際に足の動きに制限が少なく、患者がスムーズに着席できます。

シートが起き上がっている状態でも、患者が着席しやすいようにステップが付いているため、昇降が難しい患者でも安心して座ることができます。

カンタータイプ

カンタータイプは、シートが倒れた際には足元に収納されているボードが伸び、フラットな姿勢をサポートするタイプです。

脚の重さを支えられるため、長時間の治療でも疲れにくいことが特徴です。

まとめ 歯科ユニットは必要な機能を厳選し低コスト・高サポートで導入しよう

カウンセリングをする医師と患者

歯科ユニット選びは、必要な機能の厳選と患者のストレス軽減を目的とするデザインの両立がポイントです。居心地の良いシートなら、患者がリラックスでき、恐怖心を和らげてくれるでしょう。

歯科ユニットは、予算や設置方式、シートタイプなど、ニーズごとに選択肢は異なります。自院の掲げる方針をもとに、どの歯科ユニットが適切なのかを考え、比較しながら導入を検討してください。