無症状の期間が長い。健康診断や聴診で早期発見を
僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓の左心室と左心房の間にある僧帽弁が閉じにくくなり、血液が逆流し、心臓のポンプ機能が低下する病気です。犬の心臓病の8割がこれにあたり、血液が滞り肺に水分が溜まる肺水腫を発症することで呼吸がしづらくなります。また、ポンプ機能の低下により散歩に連れていってもすぐに疲れてしまう運動不耐性を起こします。この僧帽弁閉鎖不全症の原因は、遺伝が関与している可能性が高いと言われていますが、はっきりとしたことは解明されていません。小型犬、キャバリア、チワワなどが中高齢期にかかりやすい病気です。治療法は、薬を服用する内科治療が中心ですが、最近では外科手術で僧帽弁を修復することもできます。僧帽弁閉鎖不全症は初期段階ではほぼ無症状で、この期間が比較的長いです。聴診して心臓に雑音があり検査をして初めて心臓病がわかるというケースが多いです。なので、元気な状態であっても定期的な健康診断や聴診などをして、早期発見・早期治療に努めることが大切です。
- はぎわら動物病院
- 萩原 大輔 院長
- 横浜市青葉区/藤が丘/藤が丘駅
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