切迫早産(セッパクソウザン)の原因
妊娠22週以降37週未満に分娩にいたるのが早産だが、切迫早産とは、この期間に下腹部痛や性器出血などの症状があり、かつ、子宮口の開大や児頭の下降などが見られ、早産の危険性が高いと考えられる状態を言う。原因は様々だが、細菌感染とそれに伴う炎症が主要因と考えられている。また、前回の出産時から今回の妊娠までの期間が短い、喫煙やストレス、子宮頚部の手術をしたことがある、といった因子が直接的ではないものの、切迫早産の危険因子と見られている。切迫早産(セッパクソウザン)の症状
おなかの張りや痛みが頻回に起こる、性器出血などの症状が見られる。先行して破水が起こることもあり、原因として細菌感染がある場合には発熱を伴うこともある。切迫早産(セッパクソウザン)の治療
子宮口の開大を抑える目的で子宮収縮抑制薬を使用することがある。子宮収縮抑制剤は欧米ではあまり用いられないが、日本では長期間に渡って使用される傾向がある。切迫早産の原因として細菌感染が考えられる場合、抗菌薬が用いられることもあり、産後の赤ちゃんの状態を良くする目的でステロイドが使われることもある。また、すべてのケースで早産予防効果が期待できるとは限らないが、子宮頸管を糸で縛る手術(治療的子宮頸管縫縮術)が検討されることもある。- 受診科目
- 産科
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医師から聞いた
切迫早産の対処(治療)方法
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無理は禁物だが、それ以前に環境を整えることが大切
ひと昔前は「動き過ぎ」や「歩き過ぎ」が切迫早産の原因だと言われていました。もちろんその側面はあるのですが、最も大きな要因は子宮の出口である子宮頸管の炎症と考えられています。妊娠中は免疫力が一時的に低下し、感染しやすくなるため、頸管炎を引き起こすことがあります。この炎症が進行すると、羊膜まで広がり、最悪の場合、破水や早産に至るリスクが高まります。膣炎を予防するには、規則正しい生活が大切とされており、膣内の環境を整えることが必要です。
さらに歯周病も切迫早産と関連があることがわかっています。妊娠中はホルモンの変動により歯周病のリスクが高まり、歯周病による炎症が体内に広がることで、子宮収縮や羊膜に影響を与え、早産のリスクを高める可能性があります。また、口腔内には多くの細菌が存在しており、口腔衛生が全身の健康に影響を与えることが知られています。そのため、妊娠中は口腔ケアや定期的な歯科検診が特に重要です。産婦人科医も歯科医と連携して管理することが大切と考えています。無理をせずに安心して過ごせる環境を整えることが、母子ともに健康な妊娠生活を送るための第一歩です。