黄斑上膜の原因・症状とは?
黄斑上膜(オウハンジョウマク)の原因
上膜が形成される最も大きな要因は加齢によるものであり、この他に外傷やぶどう膜炎の治療後に発症することもある。
黄斑上膜(オウハンジョウマク)の症状
眼で、カメラのフィルムに相当する部分を網膜と言い、その網膜の中で特に鮮明に物体を視覚することができる部分を黄斑と言う。黄斑上膜とは、この部分にセロハン状の膜が形成されるもの。視力の低下のほか、物がゆがんで見えるなどの症状が現れる。
黄斑上膜(オウハンジョウマク)の治療
硝子体手術によって黄斑上膜を除去する措置がとられる。ただし、症状の程度によっては必ずしも手術が行われるわけではなく、経過観察が採られることもある。
【受診科目】
- 眼科
※3人の医師がこの病気について述べています
医師に聞いた
黄斑上膜の原因・症状・治療方法
3件中 1 ~3 件を表示
『黄斑上膜』は手術が必要な病気?
黄斑上膜の原因は「特発性」と「続発性」があります。特発性は加齢によって起こり、続発性は網膜剥離などを起こした後に目に何らかの炎症があって膜ができることによって発症をします。症状は視力低下ですが、特質には「変視症」というムンクの叫びのように湾曲して見える症状があります。治療法は基本的には手術しかありません。神経の病気なので悪化したものは元には戻らず、深刻化する前に手術や治療をする必要があります。しかしながら視力が低下した状態で手術をしても戻らないことが多い病気でもあるのです。特に変視症までいくと重症度が高く視力は戻りません。視力が回復するとしても白内障と合併していて、白内障を治療したから戻るということはあります。早期発見、早期治療が大切ではありますが、医師によっても判断が分かれるところ。手術ができる医師ならば手術という選択肢もありますが、手術をしない先生であれば視力が落ちていなければいいのでは?と判断してしまうこともあるためです。黄斑上膜は手術をしてある程度進行を止めることができるので、早期手術を実施できるだけの経験やスキルを持ち、患者さんときちんとコミュニケーションを取れる病院であることが大切だと思います。最近はもっと優しい手術で早く戻れる方法もあるので、視力低下をしていないから大丈夫だと思わずに、一度は手術できる医療機関に相談して意見を聞いてみることをおすすめします。
くらかず眼科
倉員 敏明 院長
- さいたま市見沼区/南中丸/大宮駅
- 眼科
黄斑上膜は早期に発見し、できるだけ早くの治療が望まれる
黄斑はモノを見るのに非常に重要な場所ですが、この黄斑の上に蜘蛛の巣のような膜が張ってしまう病態を黄斑上膜(黄斑前膜)と言います。黄斑は光が集まってくるところですが、ここに膜ができると形態が変わってしまい、光がきれいに集まらなくなってしまうために像が歪んでしまったり、視力の低下につながってしまうのです。
黄斑上膜は白内障と合併することが多く、白内障の手術を目的に来院された患者さんの眼底を検査すると見つかることが多々あります。手術は白内障の手術と同時に行われることが多く、いわゆる硝子体手術としては最も多く行われている手術と言えるでしょう。
白内障の場合、どれだけ視力が落ちても治療をすれば視力は元に戻ります。しかし、黄斑部、網膜の細胞はダメージを受けると完全に再生することはないものですから、治療のタイミングが遅れてしまうと視力が完全に元に戻らないケースがあります。歪みなどの後遺症が残ることがありますので、早期に発見し、いち早く治療を受けることが大切です。
イナガキ眼科
稲垣 圭司 院長 & 室田 麗 副院長
- 浦安市/美浜/新浦安駅
- 眼科 ●小児眼科
黄斑前膜(おうはんぜんまく)とは? 「ゆがみ」や「かすみ」を感じ始めたあなたへ
「最近、片方の目で見ると物がゆがんで見える」「視力が落ちた気がするけれど、老眼のせいかな?」 そんな違和感を覚えて受診される患者さんの中で、近年増えているのが「黄斑前膜(黄斑上膜)」という病気です。放置すると視力低下が進むこともありますが、現在は手術技術の進歩により、日帰り手術で安全に治療することが可能になっています。
1. 黄斑前膜とはどんな病気?
私たちの目はカメラに例えられることがよくあります。レンズにあたる「水晶体」を通り抜けた光は、目の奥にある「網膜」というフィルムに像を結びます。
その網膜の中心部にある、最も視力にとって重要な部分を「黄斑(おうはん)」と呼びます。私たちが「物を見る」とき、その情報の大部分はこの黄斑で処理されています。
黄斑前膜は、この大切な黄斑の上に「膜」が張ってしまう病気です。 膜が厚くなったり、収縮して網膜を引っ張ったりすることで、網膜にシワが寄り、視覚にさまざまな不具合が生じます。
2. 主な症状:こんな見え方はありませんか?
初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行するにつれて以下のような症状が現れます。
変視症: 物がゆがんで見える。格子の線や障子の枠が曲がって見える。
視力低下: 全体的にかすんで見え、メガネを作り直しても視力が出にくい。
小視症: 反対の目で見るときよりも、物が小さく見える。
中心暗点: 見たい部分の中心が暗く、はっきりしない。
セルフチェックのポイント
片目を隠し、カレンダーやタイルの目地を左右交互に見てください。「片方の目だけゆがんでいる」と感じたら、黄斑前膜の可能性があります。
3. なぜ膜ができるのか?
黄斑前膜の主な原因は、加齢に伴う目の変化(後部硝子体剥離)です。
眼球の中には「硝子体(しょうしたい)」というゼリー状の組織が詰まっています。
高齢になると、この硝子体が収縮して網膜から離れていきます。これは誰にでも起こる生理的な現象です。
この際、網膜の表面に硝子体の一部が残ってしまうことがあります。
その残った成分が時間をかけて細胞増殖を起こし、厚い「膜」へと成長してしまうのです。
加齢以外にも、網膜剥離の手術後や、目の中の炎症(ぶどう膜炎)などが原因で起こることもあります。
4. 治療について:飲み薬では治りません
残念ながら、一度できてしまった黄斑前膜は薬で溶かしたり、散らしたりすることはできません。根本的な解決には、手術によって物理的に膜を取り除く必要があります。
手術のタイミング
「診断されたらすぐに手術」というわけではありません。 視力が良好で、本人の自覚症状(ゆがみなど)が少ない場合は、経過観察を行うこともあります。しかし、膜が厚くなり網膜のシワが固定されてしまうと、手術をしても視力の回復が限定的になるため、適切なタイミングでの介入が重要です。
5. 最新の低侵襲手術
当院で行っているのは、「硝子体手術」です。
手術の流れ
局部麻酔: 目の周りに麻酔を行い、痛みを感じない状態で開始します。
微細な器具の挿入: 白目の部分に3-4箇所、針穴ほどの小さな穴を開けます。
膜の除去: 顕微鏡下で、網膜の表面に張り付いたコンタクトレンズよりも薄い膜を、専用のピンセットで丁寧にはがします。
終了: 穴は非常に小さいため、多くの場合、縫合の必要はありません(自己閉鎖します)。
日帰り手術が可能な理由
かつての硝子体手術は入院が一般的でしたが、現在は機器の小型化(極小切開手術)が進み、目への負担が劇的に軽減されました。
手術時間: 症例によりますが、多くは30分〜60分程度。
回復の早さ: 傷口が小さいため、手術直後から歩行可能で、その日のうちにご帰宅いただけます。
術後の生活: 翌日から家事やデスクワーク程度の活動は再開できることが多いです(※医師の指示に従ってください)。
6. 手術後の経過と期待できる効果
手術で膜を取り除くと、網膜のシワが徐々に伸びていきます。ただし、長年かけてついたシワはすぐには戻りません。
ゆがみの改善: 数ヶ月から1年ほどかけて、ゆっくりとゆがみが軽減していきます。
視力: 多くの場合、術前より改善しますが、完全に「若い頃の視力」に戻るわけではなく、「現在の視力の維持・緩やかな回復」を目標とします。
結びに
黄斑前膜は、決して珍しい病気ではありません。「年だから仕方ない」と諦めてしまう前に、まずは一度、眼底検査を受けてみてください。
当院では、最新の検査機器(OCT:光干渉断層計)を用いて、網膜の状態を解析し、手術が必要かどうかを慎重に診断いたします。日帰り手術という選択肢も含め、患者さんのライフスタイルに合わせた最適な治療をご提案します。少しでも目に違和感があれば、お気軽にご相談ください。
めめ眼科船橋
安田 向壱 院長
- 船橋市/三山/実籾駅
- 眼科 ●小児眼科