双極性障害[躁うつ病]の原因・症状とは?

双極性障害[躁うつ病](ソウキョクセイショウガイ)の原因

症状の重さにより、躁状態とうつ状態の双極Ⅰ型障害、軽躁状態とうつ状態の双極Ⅱ型障害、軽躁状態と軽うつ状態の気分循環型障害などいくつかの種類に分けられる。原因は明らかになっていないが、遺伝的要因に加え、性格的要因や過労、心理的葛藤、身体疾患、社会的要因などのストレスが加わって発症すると考えられている。

双極性障害[躁うつ病](ソウキョクセイショウガイ)の症状

そう状態とうつ状態とが交互に繰り返される疾患。気分が異常に高揚する、気が滅入るなど。

双極性障害[躁うつ病](ソウキョクセイショウガイ)の治療

炭酸リチウムなどの気分安定薬が用いられ、躁状態の補助として抗精神病薬が用いられる。

【受診科目】

  • 精神科

4人の医師がこの病気について述べています

医師に聞いた
双極性障害[躁うつ病]の原因・症状・治療方法

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病気の種類によってアプローチが変わるため、適切な診断をつけることが大切

双極性障害は「躁うつ病」とも呼ばれ、活動的になる「躁」の状態と気分が落ち込む「うつ」の状態を繰り返すことが特徴です。すこし前までは「うつ病」と診断されていたケースも少なくないようですが、最近は同じ気分障害であっても「双極性障害」「うつ病」などの診断のもと、それぞれに適した治療が行われることが一般的です。

双極性障害の原因は1つとは言えず、日々の忙しさや人間関係に伴うストレス、睡眠不足をはじめとした生活習慣の乱れなどが発症につながると考えられています。双極性障害のほかに最近になって発達障害なども注目を集めるようになりましたが、病名がついたからと言って厳密に区分けすることは難しく、それぞれに症状が重なる部分もあります。とはいえ診断が異なれば治療方法も変わってきますので、まずはこの分野を専門にする医師にご相談いただくとよいでしょう。

小野 泰之 院長

十条メンタルクリニック

小野 泰之 院長

  • 北区/上十条/十条駅
  • 精神科 ●心療内科

本人だけでなく、周囲への疾患教育が大切

双極性障害は、遺伝的な問題と、ストレスのような環境的なものが主な原因で起こる疾患です。10代から発症する方もいます。ムード・スウィングといって、鬱状態と躁状態、気分の変動を繰り返すのがこの病気の特徴です。躁状態になると、なんでもできそうな誇大的な気分になったり、仕事や勉強をやり続けてしまうワーカホリックな状態になります。それが数週間、長いと1か月続くこともあります。そのあと鬱がくるのですが、いちばん怖いのは自殺です。躁状態からの落差が激しく、通常の鬱よりも負荷がかかる分、自殺のリスクが非常に高まります。
躁状態のときに薬物療法を速やかに受けることが大切なのですが、受診される方は、不安や鬱、恐怖を感じるといった鬱状態のときに来院される方がほとんどです。躁状態のときは、本人は気持ち良い状態なわけですから、病院に行こうとは思わないんですね。
躁鬱の鬱と、鬱病の鬱は症状も違います。躁鬱の鬱の場合、過眠になったりすることがしばしば見受けられます。薬物療法の他には、休職して環境を変えたり調整したり、ご家族を含めた周りの方々への疾患教育も大事です。周りが振り回されてしまう病気でもあるので、本人だけではなく、ご家族、ご友人たちにもどういった病気なのか、症状、特徴などを知っていただき、みんなで治療していく病気です。もちろん、ご本人にも、客観的に病状を把握できるように、躁状態、鬱状態がどういうものなのかしっかり説明して、理解してもらう必要があります。

渡邉 功 院長

いずみ医院

渡邉 功 院長

  • 川崎市高津区/下作延/溝の口駅
  • 心療内科 ●精神科

若い世代での発症が多い「双極性障害」とは……?

双極性障害は躁うつ病とも呼ばれ、気分が高揚する躁状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。10代を中心にした若年での発症が多くみられ、発症には遺伝的な要素が大きく関わっているとされています。気分の落ち込みや重度の倦怠感などによって仕事を続けられなくなるケースも少なくありません。

双極性障害の診断は非常に難しいため、正しい診断がつくまでに平均で8年を要するとの報告があります。うつ病など間違った診断のもとに治療を続けている患者さんでは、なかなか改善がみられないことも多いようです。
双極性障害との診断がついた場合は、ドパミン系の治療薬が第一選択となります。このほか、好きなことや興味のあることを見つけて、心が動かされるような体験をすることも治療の一助になると考えられています。

平良 成輝 院長

銀座心療内科クリニック

平良 成輝 院長

  • 中央区/銀座/銀座駅
  • 心療内科 ●精神科

双極性障害は他の疾患と見誤られるケースも少なくない

妄想や幻覚があるからといって、統合失調症とは限りません。また、抑うつ状態が認められるからといって、うつ病とは限らないのです。双極性障害でも妄想・幻覚が出ることがありますし、抑うつ状態の陰に双極性障害が隠れているケースは多々あります。双極性障害の診断には24才前の初発、3回以上のエピソード、そして家族歴があることが重要です。実に双極性障害が、うつ病や統合失調症と誤診されているケースは決して珍しくありません。誤った診断のまま治療が進められ、薬が効かずに何年も苦しんでいる方が、診断を見直すことで大きく改善することもあるのです。

村島 善也 院長

メンタルクリニック葛西

村島 善也 院長

  • 江戸川区/中葛西/葛西駅
  • 精神科 ●心療内科
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