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石本 佳代 院長

KAYO ISHIMOTO

疲れた心を癒せる場所に「児童思春期外来」にも対応する優しい診療を提供

愛媛大学医学部卒業後、都内の医療機関にて初期研修を修了。
東京都立松沢病院で専攻医研修を修了。同院医院を経て平成22年に同院の精神科医長に就任。
おぎくぼメンタルクリニック、東京都医療審査会委員、東京都健康プラザ「ハイジア」こころの相談室相談医等の兼務を経て、令和3年3月に退職。
令和3年4月に豊田こころのクリニックへ入職。
令和3年7月にやまでらクリニック院長に就任。令和5年3月より同院開設者。

石本 佳代 院長

石本 佳代 院長

やまでらクリニック

武蔵野市/中町/三鷹駅

  • ●精神科
  • ●心療内科
  • ●児童精神科

松沢病院で見つけた精神科診療の奥深さ

石本 佳代 院長

 当初は外科を志望していたんですが、私が研修医だった頃は、外科医師の拘束時間がとても長い時代でした。加えて、医局人事も難しかったですね。現在以上に「外科=男性社会」でしたから、女性の働き方としての難しさも感じていたこともあって、精神科の道を選びました。父が精神科医だったことも影響しているかもしれませんね。

専攻医として、松沢病院(東京都立松沢病院)に入職してからは、20年間勤務しました。

 大変なこともたくさんありましたが、組織の中で働くということは、楽しかったですね。地域社会との連携や、多職種連携のあり方、司法との関係など、「精神科の患者を診る」ことの奥深さを知ることができました。一緒に働いてくれた職場の仲間には感謝しています。ずっと勤務したいと感じていましたが、出産を機に、病棟勤務と生活との両立が難しくなりました。精神科医を続けるためにクリニック医師という働き方を選びました。

 クリニックで働くうちに児童精神科のニーズの多さに驚きました。お子さんや親御さんにこんなにも求められている児童精神科をここで閉めてしまうわけにはいかない、との思いから、やまでらクリニックを引き継ぎました。

親御さんにも配慮した診療を心がけています

石本 佳代 院長

受診されるお子さんは、不登校や心身症、手洗い、チックや抑うつなど、困りごとは様々です。
そもそも、お子さんを受診に連れてこられる親御さんは、お子さんのためにいろいろと試行錯誤してきた方がほとんどで、親御さん自身の心の余裕も無くなっていることが多い印象です。ですから、親御さんの心情にも配慮しながら対応することをとても大切にしています。

確かに親子関係のサポートが必要な場合もありますが、親御さんや家庭、学校、本人の、どこかだけに責任があるわけではありません。いろいろなことが複雑に関係してお子さんの状態に繋がっています。ですから、受診に来ていただいた際には「まずは少しづつ緩めていきましょう」とお伝えしています。親御さん、特にお母さんの真面目さや、お子さん本人の一生懸命さを、少しだけ緩めることが第一歩なんです。なので、診療の基本の目標は「親御さんを元気にすること」ですね。もちろんお子さん自身の治療もしながら、です。

身体の不調に漢方の処方も。提案するのは「最適な治療」

石本 佳代 院長

当クリニックでは、お子さんに身体的な症状(例えば、チックや夜泣き、頭痛や腹痛、朝起きられないなど)が見られる場合に、漢方薬を使用することもあります。漢方薬といっても「薬」ですから、抵抗がある方もいらっしゃいますし、当然ですが患者さんが嫌がるのに無理に飲んでもらうことはありません。ただ、漢方薬が体の症状に効果があるのも確かです。
実際、漢方薬を使用したお子さんの変化を見てお母さんが驚かれることもありますから、服薬に抵抗がある方にも一つの方法として漢方薬の処方という方法もあります、とお伝えするようにしています。
もちろん、西洋薬は長く使ってきていますから、診療上、支援に必要と判断すれば、ご提案しています。

また、診察を、心の中を表現する場所にしてほしいとも思います。多くの親御さんがお子さんに言えないことがあったり、お子さんも親御さんに伝えられない想いや願いを抱えていることがあります。ですから、必要な間は同席してもらい、お互いの言葉を聞いてもらうようにしています。

長い間それぞれが心にしまい込んでいる事も、医師という他人がいることで「本音を言える」「本音を見つける」ということもあります。診察室で母娘、父息子の言い合いになってしまうこともありますが、家ではできない感情の表現をしてもらえるのであれば、治療にとって大切なことです。
患者さんの状態によっては、受診に連れ出すだけでもとても大変です。
診察に来ていただいたからには、親御さんが心から納得して子供さんと同じ目線にたってほしいですし、お互いの存在を、尊重し合える距離にまで調整できたら、と思います。精神科の治癒像は人それぞれですが、児童精神科の場合、親と子の納得が着地点の一つと考えています。ですから、急な変化はなくてもいいですし、診察に来て一言も話さない日があってもいいと考えています。

子どもたちの意外性に触れることがやりがいに繋がっている

児童精神科に対応するようになり、子どもたちの意外性に接すると、面白いと思いますね。最初は「なんとなく」通っている子供たちですが、結果としてとても短い間に変化が起こることもあります。
たとえば、サマースクールや短期留学で、がらっと変わるお子さんもいる。ある居場所につながることで、明るくなり、活発に自分を表現するようになるお子さんもいる。変化は水面下では起こっているのでしょうが、診察室ではなかなか予見できません。いろんなタイミングが重なって変化につながる、その意外性に触れることは、この仕事の醍醐味と感じています。

クリニックとしては、今後発達障害の子供たちが直面する時間管理についての介入ができたらと思っています。睡眠の乱れ、時間管理の難しさ、デバイスとの付き合い方は多くの患者さんに共通の課題だと思います。

これから来てくれる患者さんへ

やまでらクリニックは、JR三鷹駅から徒歩約2分、人通りの少ない静かな場所にあります。ビルの5階で診療していますので、プライバシーが心配な方にも少ない負担でお越しいただけると思います。

当クリニックはアットホームな雰囲気を大切にしています。前院長の時代に通っていただいた方が、家族ぐるみで立ち寄ってくださることもありますので、お子さんだけでなく大人の方も気軽にご相談ください。
「ちょうどよい距離感」を大切にしながら、長く通っていただけるよう配慮していますので、気軽に来ていただけたら嬉しいです。

※上記記事は2023年5月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

石本 佳代 院長 MEMO

  • 出身地:愛媛県
  • 趣味:ピラティス、 旅行(旅育をしています)、ペットのうさぎと遊ぶ
  • 好きな本・愛読書:大江健三郎 (高校の先輩です)
  • 好きな音楽:クラシック
  • 好きな場所・観光地:アジア(活気のある場所が好きです)

石本 佳代 院長から聞いた
『発達障害』

子どもの『発達障害』の治療は「親御さん」も一緒に巻き込んで

「発達障害」は、おもに「自閉スペクトラム症(ASD)」「注意欠陥多動症(ADHD)」「学習障害(LD)」の3つに分けられます。多くの方は「うつ」「不安」「不適応」といった、二次障害の症状で受診されます。大人の発達障害も多く、仕事でミスが減らなかったり、優先順位を付けられない、遅刻が多い、依存症や摂食障害などで受診されるケースもあります。

 よく話題になる「グレーゾーン」ですが、「発達障害(神経発達症)」の医学的な概念がまだ整理の途上にあるため、診断基準に無理に当てはめようとしても診断はできない、しかし困りごとはある状態です。過剰診断には気を付けますが、子どもの成長は待ったなしですから、必要な支援は早めにいれることを目的に、患者さんの生まれながらの特性の把握からはじめて、その特徴に従いながら無理なく治療をすすめることになります。

 治療のためには、カウンセリングと薬物療法、あとは環境調整も重要です。本人の安全地帯をつくることを目的に、学校のソーシャルワーカーやカウンセラー、担任と連携することもあります。ペアレントトレーニングでは、親御さんがお子さんそのものを受け入れて対応したり声掛けをするという方法をお伝えしています。いずれにしても親御さんも巻き込んで治療することが必要です。

グラフで見る『石本 佳代 院長』のタイプ

穏やかでやさしく話しやすい先生

穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

穏やかでやさしく話しやすい先生
穏やかでやさしく
話しやすい
エネルギッシュで
明るく話しやすい

先生を取材したスタッフまたはライターの回答より

CLINIC INFORMATION